JPH06228851A - パイル状布帛 - Google Patents

パイル状布帛

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JPH06228851A
JPH06228851A JP5014818A JP1481893A JPH06228851A JP H06228851 A JPH06228851 A JP H06228851A JP 5014818 A JP5014818 A JP 5014818A JP 1481893 A JP1481893 A JP 1481893A JP H06228851 A JPH06228851 A JP H06228851A
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JP
Japan
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pile
fabric
resin
chlorinated ethylene
woven fabric
Prior art date
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Pending
Application number
JP5014818A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Yakake
善和 矢掛
Tatsuo Kimura
達雄 木村
Minoru Tanaka
稔 田中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】パイルの染料の変褐色やパイル焼けなどの欠点
を解消し、耐久性に優れた安価なパイル状布帛を提供す
る。 【構成】パイル部と基布部とからなるパイル状布帛にお
いて、該基布部が合成繊維を用いてなる不織布で構成さ
れ、下記一般式で表わされる塩素化エチレン化合物を共
重合成分として少なくとも10重量%有する樹脂を、該
不織布に5重量%以上付与せしめたことを特徴とする。 (但しXは水素又は塩素原子、Yは塩素原子)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱による染料の変褪
色、更にはパイル焼け欠点に対して優れた耐久性を有す
るパイル状布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】パイル状布帛は、カーペット、モケット
などの形態で車両内装資材としてカーマット、カーシー
ト、その他床敷物、椅子張地、壁張地などの分野に広く
使用されている。これらパイル状布帛は通常美観等のた
め、そのパイル部が染色され用いられるが、長期にわた
って日光、人工光の照射にさらされるため、厳しい染色
耐光性が要求される。そのためパイル部の染色加工には
耐光性能の高い染料を用い染色を行ない、かつ銅、ニッ
ケルなどの金属塩または紫外線吸収剤などによる後処理
が行なわれている。一方、パイル素材の合成繊維も金属
塩、その他耐光剤を添加した耐光性合成繊維が提案され
ている。しかしながら、床敷物はストーブ等の熱輻射、
電気カーペットなどは高温下にさらされ、また車両用内
装資材としてのパイル状布帛のカーマット、カーシート
はクッション性、保温性、遮音性のために、パイル状布
帛の裏側にアンダーフェルト又は発泡基材が敷かれてい
る。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】いずれにしても、か
かる従来パイル状布帛は、長期間による日光や人工光、
人工熱などの高温条件下では蓄熱現象を生じ、その熱に
よって染色されたパイルの色相が変褐色したり、パイル
焼けを惹起し、更には該布帛自体の熱劣化をきたすとい
う問題を有している。
【0004】本発明は、従来の技術では到達しなかっ
た、パイルの染料の変褐色やパイル焼けなどの欠点を解
消し、耐久性に優れた安価なパイル状布帛を提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のパイル状布帛は、パイル部と基布部とから
なるパイル状布帛において、該基布部が合成繊維を用い
てなる不織布で構成され、下記一般式で表わされる塩素
化エチレン化合物を共重合成分として少なくとも10重
量%有する樹脂を、該不織布に5重量%以上付与せしめ
たことを特徴とするものである。
【化2】 (但しXは水素又は塩素原子、Yは塩素原子)
【0006】
【作用】本発明は、パイル状布帛において、着色パイル
の染料の変褪色やパイル焼けについて、鋭意検討した結
果、塩素化エチレンを共重合成分として含有する樹脂
が、染料の変褪色やパイル焼けに優れた効果を発揮する
ことを究明したものである。しかも、本発明は、かかる
特定な樹脂を付与する合成繊維をパイル部に付与させる
必要はなく、基布部に付与させることで十分な変褪色防
止、焼け防止効果を達成することを究明したものであ
る。
【0007】本発明で用いられる塩素化エチレンは、下
記一般式で示される化合物である。
【化3】 (但しXは水素又は塩素原子、Yは塩素原子) かかる化合物の中でも、好ましくはX、Yが水素原子、
Zが塩素原子である塩素化エチレン化合物、さらに好ま
しくはX、Yともに塩素原子である塩素化エチレン化合
物が変褪色およびパイル焼け防止効果に優れている。
【0008】本発明は、かかる塩素化エチレン化合物を
共重合成分として、その比率は少なくとも10重量%、
好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは30〜6
0重量%含む樹脂を使用する。すなわち、塩素化エチレ
ンの共重合成分が上記範囲を越えると、耐光性、耐熱劣
化性に優れるが、バインダーとしての機能が不足してパ
イル加工や染色加工の際に破れる傾向を示すようにな
る。
【0009】かかる樹脂としては、通常樹脂加工に使用
されるものであれば、特に限定されないが、好ましくは
アクリル、酢酸ビニルなどが共重合体を与え易くてよ
い。
【0010】本発明では、かかる共重合樹脂を合成繊維
を用いてなる不織布に付与するものであるが、その方法
としては、別に制約されないが、たとえば含浸などの方
法で付与することができる。その際の該共重合樹脂の付
与量は、少なくとも5重量%、好ましくは10重量%以
上である。この範囲を越えて多量に付与しても硬くなっ
て基布の風合を損なう傾向を示すので、60重量%以内
が好ましい。
【0011】本発明の基布部を構成する素材は、ポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリルなどの合成繊維が使用されるが、好ましくはポリ
エステル、特にポリエチレンテレフタレート繊維がよ
い。かかる合成繊維は、短繊維、長繊維のいずれの形の
ものでも使用することができるが、好ましくは長繊維が
基布特性の上からよい。
【0012】本発明の基布部は、かかる合成繊維を用い
た不織布で構成されるが、かかる不織布は、熱接着、ニ
ードルパンチやウォータージェットパンチなどの通常の
方法で、交絡及び/又は接着させて形成されるものを使
用する。
【0013】かかる基布部には、通常、パイル部の着色
特性を改善するために、基布部を構成する繊維にカーボ
ンブラックを添加するが、このカーボンブラックが、パ
イルの変褪色、パイル焼けに影響を与え、かつ、本発明
の上記樹脂の防止効果に影響を与えることを究明したも
のである。
【0014】すなわち、本発明の上記樹脂は、パイルの
酸化反応を阻害し、耐光性を向上させるが、基布部に含
有されるカーボンブラックの量が多いと、蓄熱作用が拡
大され耐光昇華を促進される結果を招く。したがって、
基布部に含有されるカーボンブラック量は、好ましくは
1重量%以下、さらに好ましくは0.7重量%以下、特
に好ましくは0.5重量%以下にするのがよい。
【0015】本発明においてパイル部を構成する素材
は、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリオレフインなどの繊維形成能を有する合成繊維
を使用することができる。しかし、本発明の主たる実施
用途がパイル状布帛のカーペット、モケットなどの分野
であるため、ポリアミドが、優れた耐久性、耐摩耗性、
回復性などの物理的性質及び優れた発色性を有すること
から最も好ましく採用される。また、これらの合成繊維
素材は耐光性、耐熱性を向上させるために、金属塩が含
有されたものが望ましく、特に塩素化銅が含有されたも
のはより一層好ましい。
【0016】本発明は、上記技術を採用することによ
り、パイルの変褐色やパイル焼けを抑制し、耐久性に優
れたパイル状布帛を提供するものである。
【0017】本発明のパイル状布帛の製造にあたって
は、何ら特別な装置を必要とせず、通常のパイル状布帛
の製造工程を採用して、何ら支障を及ぼすことなく製造
することができる。
【0018】たとえば、カーペットの場合、ポリアミド
から成る加工糸を、タフテイングマシンを用い、所定の
タフト条件で、本発明の不織布から成る基布に、タフテ
ングすることによってパイルを形成して製造することが
できる。出来上がったカーペットを連続染色機またはウ
インス染色機を用いて、たとえば金属錯塩酸性染料など
の染色耐光性の良好な染料を用いて染色し、乾燥する。
【0019】次に、裏張り加工するバッキングマシンを
用いて、必要に応じて、耐候性組成物を熱可塑性樹脂中
に添加し、均一混合して得られた樹脂粉末を、カーペッ
ト裏面に、加熱溶融塗布あるいは該樹脂粉末を落下撒布
させて融着させるか、または該樹脂粉末をシート状に作
成した後、加熱して融着、圧着せしめて被膜を形成させ
る。
【0020】
【実施例】本発明を実施例にてさらに詳細に説明する。
実施例において、得られたカーペットの性能は次の方法
により測定した。 (耐光性、耐熱劣化性)5cm×10cmのカーペットの裏
面に繊維綿で作られた厚さ約10mmのアンダフエルトを
敷き、通常の耐光ケースにセットする。耐光性能は、カ
ーボンアーク灯によるフエード・オ・メータを用い、照
射温度を高温の83℃で、200時間照射し、染色耐光
性とパイル焼けなどの耐熱劣化性を測定する。また、カ
ーシートにおける性能評価に関しては、裏面にアンダー
フエルトの代りに厚さ8mmの発泡ウレタンフオームを敷
いて上記測定を行なった。
【0021】性能判定基準は次のようにした。耐光性の
変褐色は、JIS−LO84に準じ、熱劣化性は、下記
基準により判定した。 ○○:パイル根元も表面も認められない。 ○:パイル根元は少し認められるが、表面は認められな
い。 △:パイル根元は少し認められるが、表面は少し認めら
れる。 ×:パイル根元も表面も認められる。
【0022】実施例1 ポリエチレンテレフタレートの3デニールの繊維からな
るウェブをニードルパンチして得られた、目付96 g/
m2 の長繊維不織布に、アクリル/塩化ビニリデン共重
合樹脂(成分比率50/50重量%)の水エマルジョン
を含浸付与し、乾燥後の目付110 g/ m2 の基布を得
た。
【0023】1680デニール、68フィラメントのポ
リアミド連続嵩高糸をパイル糸として5/32インチゲ
ージ、9ステッチ/インチ、パイル高さ6mmのタフト条
件で、タフテッドカーペットを得た。
【0024】このタフテッドカーペットをウィンス型染
色機を用い、下記染料組成の染浴で染色した。
【0025】 Lanasyn Black BRL 0.1%owf Lanasyn Bordeaux RL 0.007%owf Lanasyn Yellow 2RL 0.02%owf (サンド社製金属錯塩酸性染料) レベロンCR 1.0%owf (一方社製均染剤) 染色条件は、90℃に昇温後、 pHを苛性ソーダで9に
調整し、次いで、硫酸を加えて PHを徐々に7.5まで
下げた後、1時間染色し、冷却後に水洗した。次に、平
均粒度50メッシュ、融点103〜111℃のポリエチ
レン粉末をエクストルージョンコーティングマシンのホ
ッパーに入れ、加熱溶融し、ギヤポンプで厚さ約0.3
mmの間隔を有する吐出口より、上記染色タフテッドカー
ペットの裏面に、塗布量300 g/ m2 になるように押
し出し、冷却ロールとゴムロールのニップで圧着し、冷
却固化して連続皮膜を形成したカーペットを得た。この
カーペットについて耐光性、耐熱劣化性の評価をした結
果を表1に示す。 実施例2〜6 実施例1と同様に樹脂組成、成分比率を変更し、他は全
く実施例1と同様に加工してカーペットを得た。
【0026】これらのカーペットについて耐光性、耐熱
劣化性の評価をした結果を表1に示す。
【0027】比較例1〜2 実施例1において、成分比率のみを変更した樹脂を使用
し、一方はカーボンブラックなし(比較例1)で、もう
一方は、カーボンブラックあり(比較例2)のもを付与
したカーペットを得た。これらのカーペットについて耐
光性、耐熱劣化性の評価をした結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜6のものは、比較
例1〜2のものと比べ、耐光性及び耐熱劣化性が共に優
れた性質を有するものであった。なお、比較例1、2に
より、樹脂組成に本発明の塩素化エチレン化合物を共重
合成分として含有しないものは、カーボンブラックを配
合しても、耐光性及び耐熱劣化性を改善することができ
ないことが確認された。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば高温、長時間の人工光や
日光の照射下におけるパイル状布帛の耐熱劣化性および
染色耐光性が大幅に改良される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル部と基布部とからなるパイル状布
    帛において、該基布部が合成繊維を用いてなる不織布で
    構成され、下記一般式で表わされる塩素化エチレン化合
    物を共重合成分として少なくとも10重量%有する樹脂
    を、該不織布に5重量%以上付与せしめたことを特徴と
    するパイル状布帛。 【化1】 (但しXは水素又は塩素原子、Yは塩素原子)
  2. 【請求項2】 合成繊維が、ポリエステルである請求項
    1記載のパイル状布帛。
  3. 【請求項3】 不織布中に含まれるカーボンブラックの
    量が、1重量%以下である請求項1記載のパイル状布
    帛。
  4. 【請求項4】 不織布が長繊維不織布である請求項1記
    載のパイル状不帛。
  5. 【請求項5】 塩素化エチレン化合物のXが水素原子、
    Yが塩素原子からなる請求項1記載のパイル状不帛。
  6. 【請求項6】 塩素化エチレン化合物のXとYが塩素原
    子からなる請求項1記載のパイル状不帛。
JP5014818A 1993-02-01 1993-02-01 パイル状布帛 Pending JPH06228851A (ja)

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