JPH06228165A - 有機けい素化合物及びその製造方法 - Google Patents

有機けい素化合物及びその製造方法

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JPH06228165A
JPH06228165A JP3473693A JP3473693A JPH06228165A JP H06228165 A JPH06228165 A JP H06228165A JP 3473693 A JP3473693 A JP 3473693A JP 3473693 A JP3473693 A JP 3473693A JP H06228165 A JPH06228165 A JP H06228165A
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carbon atoms
hydrocarbon group
monovalent hydrocarbon
chemical
compound
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JP3473693A
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Hideyoshi Yanagisawa
秀好 柳澤
Masaaki Yamatani
正明 山谷
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】炭素原子に結合した2級アミノ基とけい素原子
に結合したC34 アルコキシ基を有する新規な有機け
い素化合物及びその製造方法をを提供する。 【構成】一般式 【化51】 (R1 は炭素数3〜4の1価炭化水素基、R2 は炭素数
1〜10の2価炭化水素基、R3 は炭素数1〜8の1価
炭化水素基、mは1〜3の整数)で表される有機けい素
化合物。また、ハロゲノアルキル基含有アルコキシシラ
ンとアミンの反応、アミノ置換炭化水素基含有アルコキ
シシランとハロゲノアルキル基含有炭化水素の反応また
はC12 アルコキシシランとC34 アルコールの反応
によるその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文献未載の新規なアミノ
基含有有機けい素化合物及びその製造方法に関するもの
である。本発明の化合物は種々の樹脂の改質剤として有
用である。
【0002】
【従来の技術】アミノ基を含有するアルコキシシラン化
合物は各種樹脂と無機質材料との接着剤、複合材料の補
強剤、無機質表面の改質剤、有機樹脂の改質剤、有機ポ
リマーの重合開始剤または停止剤、あるいは有機けい素
化合物の原料などとして種々利用されている。
【0003】このようなアミノ基含有アルコキシシラン
化合物としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N
−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が
知られている。しかしながら、本発明の化合物のような
炭素原子に結合した2級アミノ基がアミノ基としては1
分子内にひとつだけで、けい素原子に結合した加水分解
性基がプロポキシ基あるいはブトキシ基であるものは合
成されていなかった。
【0004】
【発明の構成】本発明は前記のような文献未載の新規な
アミノ基含有有機けい素化合物、すなわち、一般式
【化8】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R3 は炭素数
1〜8の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
す。)で表される有機けい素化合物に関するものであ
る。
【0005】また、本発明はこの有機けい素化合物の製
造方法、すなわち、一般式
【化9】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Xはハロゲ
ン、mは1〜3の整数を示す。)で表される化合物と一
般式 R3 NH2 (ただし、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示
す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
る製造方法、
【0006】一般式
【化10】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは1〜3の
整数を示す。)で表される化合物と一般式 R3 X (ただし、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、X
はハロゲンを示す。)で表される化合物とを反応させる
ことを特徴とする製造方法、及び
【0007】一般式
【化11】 (ただし、R2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、R4 は炭素数
1〜2の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
す。)で表される化合物と一般式 R1 OH (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基を示
す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
る製造方法に関するものである。
【0008】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明のアミノ基含有有機けい素化合物は一般式
【化12】 で示される。式中、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水
素基を示し、CH3CH2CH2-、CH3CH(CH3)-、CH3CH2CH2CH2-、C
H3CH(CH3)CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、(CH3)3C- 等が例示さ
れ、R2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、
-CH2-、-CH2CH2-、 -CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH(CH3)-、-CH2CH(CH3)-、
-CH2CH(CH3)CH2-、 -(CH2)5-、-(CH2)6-、-(CH2)7-、-(CH2)8-、-(CH2)9-、-(C
H2)10-、
【化13】 等が例示され、
【0009】R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基を
示し、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、 -CH2CH2CH2CH3、-CH2CH2CH2CH2CH3、-CH2CH2CH2CH2CH2C
H3、-(CH2)6CH3、 -(CH2)7CH3、-CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-
CH(CH3)CH2CH2CH3、 -CH2CH(CH3)CH2CH3、-CH2CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH2CH
2CH3、 -CH2CH(CH3)CH2CH2CH3、-CH2CH2CH(CH3)CH2CH3、-CH2CH2C
H2CH(CH3)2
【化14】 等が例示され、mは1〜3の整数を表す。このような一
般式で表される本発明のアミノ基含有有機けい素化合物
は、その代表例として下記のものが例示される。
【0010】
【化15】
【0011】
【化16】
【0012】
【化17】
【0013】
【化18】
【0014】
【化19】
【0015】
【化20】
【0016】
【化21】
【0017】
【化22】
【0018】
【化23】
【0019】
【化24】
【0020】
【化25】
【0021】
【化26】
【0022】
【化27】
【0023】
【化28】
【0024】
【化29】
【0025】
【化30】
【0026】
【化31】
【0027】
【化32】
【0028】
【化33】
【0029】これらの化合物は、一般式
【化34】 (式中、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R2
は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Xはハロゲン、
mは1〜3の整数を示す。)で表されるハロゲノアルキ
ル基含有アルコキシシランと一般式 R3 NH2 (式中、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示
す。)で表されるアミンとを、アミンのモル比をシラン
に対して好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上
において、温度50℃〜150℃にて30分〜30時間
程度反応させることによって得られることがわかった。
【0030】その際、アミン成分をハロゲン化水素捕獲
剤として使用してもよく、また、他のハロゲン化水素捕
獲剤として、例えば、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]ウンデセン等の第三級アミン化合
物や尿素等のアミン化合物を用いてもよい。特に、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンを用いた
場合、ハロゲン化水素塩が2層に分離されるため目的物
との分離に際して有利となるので好ましい。
【0031】また、これらの化合物は、一般式
【化35】 (式中、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R2
は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは1〜3の整
数を示す。)で表されるアミノ置換炭化水素基含有アル
コキシシランと一般式 R3 X (式中、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、Xは
ハロゲンを示す。)で表されるハロゲノアルキル基含有
炭化水素とを、温度50℃〜150℃にて30分〜30
時間程度反応させることによって得られることがわかっ
た。
【0032】その際、アミノアルキルアルコキシシラン
をハロゲン化水素捕獲剤として使用してもよく、また、
他のハロゲン化水素捕獲剤として、例えば、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン
等の第三級アミン化合物や尿素等のアミン化合物を用い
てもよい。この反応においても、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセンの使用が有利である。
【0033】また、前記の合成反応で生成するハロゲン
化水素塩をソディウムメトキサイド、ソディウムエトキ
サイド、ソディウムプロポキサイド、ソディウムブトキ
サイドなどのソディウムアルコキサイドで中和してもよ
い。
【0034】これらの反応の際には溶剤を添加してもよ
い。溶剤としては特に限定されないが、例えば、トルエ
ン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、デカン等
の脂肪族炭化水素類、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール、プ
ロパノール。ブタノール等のアルコール類、パークロロ
エタン、パークロロエチレン、トリクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル、
酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類などが挙げられ
る。
【0035】一般式
【化36】 で表される化合物の例としては以下のものが挙げられ
る。
【0036】
【化37】
【0037】
【化38】
【0038】
【化39】
【0039】一般式R3 NH2 で表される化合物の例と
しては以下のものが挙げられる。
【化40】
【0040】
【化41】
【0041】一般式
【化42】 で表される化合物の例としては以下のものが挙げられ
る。
【0042】
【化43】
【0043】
【化44】
【0044】一般式R3 Xで表される化合物の例として
は以下のものが挙げられる。
【化45】
【0045】さらに、本発明の化合物は一般式 (R4O)mSi(CH3)3-m-R2-NH-R3 (式中、R2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R
3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、R4 は炭素数1
〜2の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示す。)
で表される化合物と、一般式 R1OH (式中、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基を示
す。)で表される化合物とを、アルコールのモル比をシ
ランに対して3以上として、温度70℃〜200℃にお
いて3時間〜50時間程度反応させることによっても得
られることがわかった。この反応の際には、生成するR
4 OHで表される化合物を留去させることが望ましい。
また、アミノシラン化合物はこの反応の自己触媒となる
が、他の触媒としてチタン化合物、スズ化合物、アルカ
リ等を使用することは任意である。この反応を行うのに
溶剤を添加することも任意であり、溶剤としては、例え
ばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ノナン、
オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、ジオキサン等
のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げら
れる。
【0046】一般式(R4O)mSi(CH3)3-m-R2-NH-R3 で表さ
れる化合物の例としては以下のものが挙げられる。
【化46】
【0047】
【化47】
【0048】一般式R1 OHで表される化合物の例とし
ては以下のものが挙げられる。
【化48】
【0049】本発明の新規なアミノ基含有有機けい素化
合物は種々の樹脂の添加剤あるいは改質剤として有用で
ある。対象となる樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
樹脂への添加量は1%から50%であり、1%〜30%が望
ましい。この化合物を樹脂に添加することにより、樹脂
と無機材料との密着性が改良される。さらに本発明の化
合物はアルコキシシリル基がブトキシシリル基あるいは
プロポキシシリル基のため、加水分解速度が遅く、保存
安定性に優れたものとなる。本発明の化合物でエポキシ
樹脂等の樹脂を改質した場合には、室温硬化性樹脂組成
物とすることができ、接着剤、プライマー、塗料等に応
用が可能である。上記理由から、この改質した樹脂の保
存安定性も優れている。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体的態様を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 温度計、ジムロート冷却器、滴下ロートを備えた2L4
つ口セパラブルフラスコに、n-ブチルアミン292.0g(4.0
mol)、トルエン200g、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ウン
デセン152.0g(1.0mol)を仕込み、窒素通気下、γ−クロ
ロプロピルトリ−n-ブトキシシラン324.5g(1.0mol)を90
℃にて攪拌下に滴下した。滴下終了後、90℃にて5時間
攪拌を続けた。その後冷却したところ2層に分離した。
その上層を蒸留したところ沸点 142℃/3mmHg にて197.
6gの無色透明な液体を得た。このものについて 1H−N
MR分析、IR分析、元素分析を行ったところ、式 (CH3CH2CH2CH2O)3Si-(CH2)3-NHCH2CH2CH2CH3 で示されるN-n-ブチル−γ−アミノプロピルトリ−n-ブ
トキシシランであることが確認された。このもののガス
クロマトグラフ分析による純度は98.5%であった。ま
た、収率は54.7%であった。
【0051】 <赤外線吸収スペクトル分析結果> (図1参照) 1091.4cm-1, 1040.5cm-1, 986.2cm-1, 896.6cm-1:SiOB
u 3315.1cm-1:N-H < 1H−核磁気共鳴スペクトル分析結果> (図2参
照) δ=0.53〜1.87ppm (m,33H) SiOCH2CH 2CH 2CH 3 (21H) SiCH 2CH2CH2NH- (2H) SiCH2CH 2CH2NH- (2H) SiCH2CH2CH2NHCH2CH 2CH 2CH 3 (7H) SiCH2CH2CH2NHCH2- (1H) δ=2.33〜2.76ppm (t,4H) SiCH2CH2CH 2NHCH 2- δ=3.57〜4.00ppm (t,6H) SiOCH 2CH2CH2CH3
【0052】実施例2 2Lオートクレーブ反応器に、メチルアミン310.0g(10.
0mol) 、ブタノール300.0 、γ−ブロモプロピルトリ−
n-プロポキシシラン326.9g(1.0mol)を仕込み、120 ℃に
て5時間反応を行った。このときの圧力は7kg/cm2
あった。反応終了後、生成した塩を濾別して蒸留したと
ころ、沸点 123℃/4mmHg にて124.6gの無色透明な液体
を得た。このものについて 1H−NMR分析、IR分
析、元素分析を行ったところ、式 (CH3CH2CH2O)3Si-(CH2)3-NHCH3 で示されるN-メチル−γ−アミノプロピルトリ−n-プロ
ポキシシランであることが確認された。このもののガス
クロマトグラフ分析による純度は97.5%であった。ま
た、収率は45.0%であった。
【0053】 <赤外線吸収スペクトル分析結果> 1100.3cm-1:SiOPr、 3315.5cm-1:N-H 2958.3cm-1, 2932.3cm-1, 2873.5cm-1, 2808.9cm-1, 14
64.7cm-1:C-H < 1H−核磁気共鳴スペクトル分析結果> δ=0.53〜1.83ppm (m,20H) SiOCH2CH 2CH 3 (15H) SiCH 2CH2CH2NHCH3 (2H) SiCH2CH 2CH2NHCH3 (2H) SiCH2CH2CH2NHCH3 (1H) δ=2.23〜2.67ppm (m,5H) SiCH2CH2CH 2NHCH 3 δ=3.57〜3.93ppm (t,6H) SiOCH 2CH2CH3
【0054】実施例3 温度計、ジムロート冷却器、滴下ロートを備えた1L4
つ口セパラブルフラスコに、n-オクチルアミン258.0g
(2.0mol)、トルエン300gを仕込み、窒素通気下、10−ブ
ロモデシルメチルジ−n-ブトキシシラン204.5g(0.5mol)
を 110℃にて攪拌下に滴下した。滴下終了後 110℃にて
5時間攪拌を続けた。その後冷却し、生成した塩を濾別
し、得られた液体を 120℃/5mmHg にて濃縮したところ
191.2gの黄色透明な液体が得られた。このものについて
1H−NMR分析、IR分析、元素分析を行ったとこ
ろ、式 (CH3CH2CH2CH2O)2Si(CH3)-(CH2)10-NH-(CH2)7-CH3 で示されるN-n-オクチル-10-アミノデシルメチルジ−n-
ブトキシシランであることが確認された。収率は83.7%
であった。
【0055】実施例4 温度計、ジムロート冷却器、滴下ロートを備えた1L4
つ口セパラブルフラスコに、γ−アミノプロピルトリ−
n-ブトキシシラン305.0g(1.0mol)、トルエン300.0g、ト
リエチルアミン101.0g(1.0mol)を仕込み、窒素通気下、
n-ブチルブロマイド136.9g(1.0mol)を 100℃にて攪拌下
に滴下した。滴下終了後 100℃にて5時間攪拌を続け
た。その後冷却し、生成した塩を濾別し、得られた濾液
を蒸留したところ、沸点145 ℃/3mmHg にて90.5g の無
色透明な液体を得た。このものの 1H−NMR分析、I
R分析、元素分析を行ったところ、式 (CH3CH2CH2CH2O)3Si-(CH2)3-NHCH2CH2CH2CH3 で示されるN-n-ブチル−γ−アミノプロピルトリ−n-ブ
トキシシランであることが確認された。このもののガス
クロマトグラフ分析による純度は92.6%であった。ま
た、収率は25.0%であった。
【0056】実施例5 温度計、ジムロート冷却器を備えた2L4つ口セパラブ
ルフラスコに、N-メチル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン193.0g(1.0mol)、トルエン300g、n-ブタノー
ル1110g(15.0mol)を仕込み、窒素通気下、 100℃にて攪
拌下に反応を行った。その後徐々に昇温し、生成するメ
タノールをトルエンとともに留去した。内温は 150℃ま
で上昇した。その後冷却し、この反応液を蒸留したとこ
ろ、沸点 132℃/4mmHg にて262.9gの無色透明な液体を
得た。このものの 1H−NMR分析、IR分析、元素分
析を行ったところ、式 (CH3CH2CH2CH2O)3Si-(CH2)3-NHCH3 で示されるN-メチル−γ−アミノプロピルトリ−n-ブト
キシシランであることが確認された。このもののガスク
ロマトグラフ分析による純度は96.7%であった。また、
収率は82.4%であった。
【0057】実施例6 温度計、ジムロート冷却器を備えた2L4つ口セパラブ
ルフラスコに、N-ベンジル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン269.0g(1.0mol)、トルエン300g、i-プロパ
ノール900gを仕込み、窒素通気下、 100℃にて攪拌下に
1時間反応を行った。その後徐々に昇温し、生成するメ
タノールをトルエンとともに留去した。内温は 150℃ま
で上昇した。その後冷却し、さらにi-プロパノール900g
を添加し、 100℃にて再反応を行った。1時間後、徐々
に昇温し、生成したメタノールをトルエン、i-プロパノ
ールとともに留去した。内温は 150℃まで上昇した。そ
の後、この反応液から 100℃/5mmHg にて低沸分を完全
に留去したところ、333.9gの黄色透明な液体を得た。こ
のものの 1H−NMR分析、IR分析、元素分析を行っ
たところ、式
【化49】 で示されるN-ベンジル−γ−アミノプロピルトリ−i-プ
ロポキシシランであることが確認された。このものの収
率は94.6%であった。
【0058】実施例7 温度計、ジムロート冷却器を備えた2L4つ口セパラブ
ルフラスコに、N-n-ヘキシルアミノメチルメチルジメト
キシシラン219.0g(1.0mol)、トルエン 300g 、i-ブタノ
ール1110g を仕込み、窒素通気下、 100℃にて攪拌下に
1時間反応を行った。その後徐々に昇温し、生成するメ
タノールをトルエンとともに留去した。内温は 140℃ま
で上昇した。その後冷却し、さらに1110g のi-ブタノー
ルを添加し、 100℃にて再反応を行った。1時間後、徐
々に昇温し、生成したメタノールをトルエン、i-ブタノ
ールとともに留去した。内温は 150℃まで上昇した。そ
の後、この反応液から 100℃/5mmHg にて低沸分を完全
に留去したところ、290.0gの淡黄色透明な液体を得た。
このものの 1H−NMR分析、IR分析、元素分析を行
ったところ、式
【化50】 で示されるN-n-ヘキシルアミノメチルメチルジ−i-ブト
キシシランであることが確認された。このものの収率は
95.7%であった。
【0059】
【発明の効果】本発明により新規なシラン化合物及びそ
の製造方法が提供された。この化合物は炭素原子に結合
した2級アミノ基をアミノ基としては1分子内に1個の
み有し、かつ、けい素原子に結合した加水分解性基とし
てプロポキシ基あるいはブトキシ基を有するものであ
る。本発明の化合物は種々の樹脂の改質剤として有用で
ある。本発明の化合物によれば、変性しようとする樹脂
を架橋により硬化させることなくアルコキシシリル基を
導入することができ、さらに、変性樹脂の保存安定性を
良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トルを示す図である。
【図2】実施例1で得られた化合物の 1H−核磁気共鳴
スペクトルを示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R3 は炭素数
    1〜8の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
    す。)で表される有機けい素化合物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、Xはハロゲ
    ン、mは1〜3の整数を示す。)で表される化合物と一
    般式 R3 NH2 (ただし、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示
    す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
    る、一般式 【化3】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R3 は炭素数
    1〜8の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
    す。)で表される有機けい素化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式 【化4】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは1〜3の
    整数を示す。)で表される化合物と一般式 R3 X (ただし、R3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、X
    はハロゲンを示す。)で表される化合物とを反応させる
    ことを特徴とする、一般式 【化5】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R3 は炭素数
    1〜8の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
    す。)で表される有機けい素化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 脱ハロゲン化水素剤を使用することを特
    徴とする請求項2または3に記載の有機けい素化合物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 脱ハロゲン化水素剤が1,8−ジアザビ
    シクロ[5.4.0]−7−ウンデセンである請求項4
    に記載の有機けい素化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式 【化6】 (ただし、R2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
    3 は炭素数1〜8の1価の炭化水素基、R4 は炭素数
    1〜2の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
    す。)で表される化合物と一般式 R1 OH (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基を示
    す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
    る、一般式 【化7】 (ただし、R1 は炭素数3〜4の1価の炭化水素基、R
    2 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R3 は炭素数
    1〜8の1価の炭化水素基、mは1〜3の整数を示
    す。)で表される有機けい素化合物の製造方法。
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