JPH06228163A - ゲル化性シラン化合物の蒸留方法 - Google Patents
ゲル化性シラン化合物の蒸留方法Info
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- JPH06228163A JPH06228163A JP5034214A JP3421493A JPH06228163A JP H06228163 A JPH06228163 A JP H06228163A JP 5034214 A JP5034214 A JP 5034214A JP 3421493 A JP3421493 A JP 3421493A JP H06228163 A JPH06228163 A JP H06228163A
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Abstract
クリル官能性基を持つゲル化性シラン化合物を蒸留する
に当り、該シラン化合物にその沸点の温度が±30℃の
範囲にある溶剤の1種又は2種以上を加えて蒸留するこ
とを特徴とするゲル化性シランの蒸留方法。 【効果】 本発明によれば、式(1)で示されるアクリ
ル官能性基を持つシラン化合物の蒸留において、蒸留塔
内でのゲル化を防止することができ、蒸留設備を長期間
に亘って安定に稼働することができる。
Description
るアクリル官能性基を持つゲル化性シラン化合物の蒸留
方法に関し、特には蒸留塔内でゲル化が全く発生するこ
となく上記ゲル化性シラン化合物を蒸留することができ
る蒸留方法に関する。
(5)で示されるアクリル官能性ハロシランは、シラン
カップリング剤の原料、アクリル官能基を側鎖に有する
ポリシロキサンの原料、両末端或いは片末端がアクリル
官能基で封鎖されたポリシロキサンの原料、各種基材の
表面処理剤などの用途に有用であり、式(3)で示され
るアクリル酸アリルもしくはメタクリル酸アリルと式
(4)で示されるヒドロシランとを白金触媒の存在下に
ヒドロシリル化反応させることにより合成することがで
きる。
種の一価炭化水素基、nは1,2又は3である。)
のアクリル官能性ハロシランは、蒸留精製時に蒸留塔内
部でゲル化を起こし易く、また、これに伴って蒸留塔内
部の閉塞が起こるなど設備に重大な損害を招く場合があ
り、このため蒸留塔内でのゲル化を防止してアクリル官
能性ハロシランを精製することが要望されていた。
ル官能性アルコキシシランを蒸留精製する際の自己重合
を防止するために、種々の重合防止剤、例えばヒンダー
ドフェノール化合物、ジフェニレンジアミン等の芳香族
アミン化合物、フェノチアジン等の芳香族イオウ化合
物、銅化合物、2,5−tert−ブチルベンゾキノン
等のキノン化合物などの1種を単独で又は2種以上を組
み合わせて添加する方法が従来より採用されている。
と同様の意味を示す。)
(5)で示されるアクリル官能性ハロシランを蒸留精製
する際に適用した場合、目的とするアクリル官能性ハロ
シランのゲル化を防止することはできるが、副生物のゲ
ル化を防止することはできず、従って蒸留塔内部におけ
るゲル化を防止することはできず、このため蒸留塔内に
おいてゲル化が発生することなくアクリル官能性ハロシ
ランを精製することができる精製方法が必要である。
もので、蒸留塔内においてゲル化が発生することなくゲ
ル化性シラン化合物を蒸留することができるゲル化性シ
ラン化合物の蒸留方法を提供することを目的とする。
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記式
(3)で示されるアクリル官能性アリルエステルと下記
式(4)で示されるヒドロシランとを白金触媒の存在下
にヒドロシリル化反応させることにより下記式(5)で
示されるアクリル官能性ハロシランを製造する場合、式
(5)のアクリル官能性ハロシランとともに下記式
(2)で示される化合物が副生すること、この式(2)
の化合物がアクリル官能性ハロシランより低沸点で非常
にゲル化し易く、この化合物がアクリル官能性ハロシラ
ンを精製する時の蒸留塔内におけるゲル化の原因となる
ことを見い出した。
(1)のケイ素原子に直結するアクリル官能性基が関与
していることを知見すると共に、かかる式(1)のアク
リル官能性基を持つゲル化性シラン化合物をゲル化を生
じさせることなく蒸留する方法につき更に検討を進めた
結果、このゲル化性シラン化合物にこれとの沸点差が±
30℃の範囲にある溶剤を加え、上記ゲル化性シラン化
合物をこの溶剤と共に蒸留し、留去させた場合、蒸留塔
内においてゲル化が発生することなく蒸留し得、蒸留設
備を長期間安定して稼働することができることを見い出
し、本発明をなすに至った。
るアクリル官能性基を持つゲル化性シラン化合物を蒸留
するに当り、該シラン化合物にその沸点の温度が±30
℃の範囲にある溶剤の1種又は2種以上を加えて蒸留す
ることを特徴とするゲル化性シランの蒸留方法を提供す
る。
と、本発明の蒸留対象となるゲル化性シラン化合物は、
下記式(1)で示されるケイ素原子に直結するアクリル
官能性基を有するものである。
は、特に下記式(2)で示されるシラン化合物が挙げら
れる。
一価炭化水素基である。このような一価炭化水素基とし
てはメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキ
シル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロア
ルキル基、ビニル基,アリル基等のアルケニル基、フェ
ニル基,トリル基等のアリール基などが挙げられる。
あり、nは1,2又は3である。なお、nが1の時、R
2は互に同一でも異なっていてもよい。
(3)で示されるアクリル官能性アリルエステル(アク
リル酸アリル又はメタクリル酸アリル)と下記式(4)
で示されるヒドロシランとをヒドロシリル化反応して、
下記式(5)で示されるアクリル官能性ハロシランを合
成する場合の副生物として得られるもので、従って本発
明は、式(5)のアクリル官能性ハロシランと上記式
(2)のゲル化性シラン化合物を副生物(不純物)とし
て含む上記ヒドロシリル化の粗反応生成物から式(2)
のゲル化性シラン化合物を蒸留除去し、式(5)のハロ
シランを精製する場合に好適に採用される。
にはジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ト
リクロロシランなどが挙げられる。
シリル化反応で得られる式(5)のアクリル官能性ハロ
シランとしては、アクリロキシプロピルジメチルクロロ
シラン、アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、
アクリロキシプロピルトリクロロシラン、メタクリロキ
シプロピルジメチルクロロシラン、メタクリロキシプロ
ピルメチルジクロロシラン、メタクリロキシプロピルト
リクロロシランなどが挙げられる。
の白金触媒を用いることができ、その触媒量、反応温
度、反応時間などの反応条件は公知の条件と同様とする
ことができる。また、ヒドロシリル化反応を行う際のゲ
ル化防止のためには、公知の安定剤であるヒンダードフ
ェノール化合物、例えばBHT、メトキシフェノール、
ハイドロキノンなどを添加することができる。
る式(5)のアクリル官能性ハロシランを合成する場合
に上記ヒドロシリル化反応で副生する上記式(2)など
のゲル化性シラン化合物を蒸留するに際し、該化合物の
沸点と沸点温度差が±30℃の範囲にある溶剤を加え、
蒸留するものである。
に用いる溶剤としては、これとの沸点差が±30℃の範
囲にあり、また他の化合物と共存する場合、例えば上記
式(5)のハロシランを合成した際の反応生成物を蒸留
する場合、このような他の化合物に対して不活性なもの
であれば特に限定されるものではない。例えばメタクリ
ル酸アリルとジメチルクロロシランとのヒドロシリル化
反応で得られるメタクリロキシプロピルジメチルクロロ
シランを蒸留精製する場合、o−キシレン、トルエンな
どが好適に使用される。
スクロマトグラフィーにより算出した上記式(2)のゲ
ル化性シラン化合物の重量に対して、1〜50倍重量、
特には5〜20倍重量であることが好ましい。
より行うことができるが、蒸留塔内の圧力を10〜76
0mmHgとして上記溶剤と共に低沸点の上記ゲル化性
シラン化合物を留去でき、更に圧力を1〜10mmHg
として上記式(5)のハロシランを単離することも可能
である。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
斗及び撹拌機を有するガラス製の500mlの4つ口反
応器にメタクリル酸アリル189g(1.5mol)、
白金触媒0.58g(Ptとして0.000060mo
l)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール0.18gを加え、50℃に加熱した。次いで、
滴下漏斗からジメチルクロロシラン141.8g(1.
5mol)を50〜60℃で3時間かけて滴下し、同温
度で1時間熟成した。反応液をガスクロマトグラフィー
により分析したところ、目的のメタクリロキシプロピル
ジメチルクロロシランは、メタクリル酸アリルをベース
として90%の収率で生成していた。また、下記式(2
a)で示されるメタクリロキシジメチルシランが3%含
有されていた。
を加え、直径2cm、高さ50cmのSUS(ステンレ
ススチール)マクマホンを充填した蒸留塔を用いて精留
した。即ち、10mmHgで塔頂温度20〜80℃の上
記式(2a)の副生物を含む、低沸成分を留去した後、
2mmHgで塔頂温度80〜85℃で目的のメタクリロ
キシプロピルジメチルクロロシラン280gを単離し
た。塔内にゲルはまったく発生しておらず、純度98%
の目的物を収率85%(メタクリル酸アリルベース)で
得ることができた。
は実施例1と同様に操作したところ、メタクリロキシプ
ロピルジメチルクロロシランの蒸留精製の際、主留留去
時に蒸留塔内部に多量のゲルが発生し、次第に閉塞状態
となり、蒸留操作を中断せざるを得ない状況となった。
クリル官能性基を持つシラン化合物の蒸留において、蒸
留塔内でのゲル化を防止することができ、蒸留設備を長
期間に亘って安定に稼働することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (R1は水素原子又はメチル基を示す。)で示されるア
クリル官能性基を持つゲル化性シラン化合物を蒸留する
に当り、該シラン化合物にその沸点の温度が±30℃の
範囲にある溶剤の1種又は2種以上を加えて蒸留するこ
とを特徴とするゲル化性シランの蒸留方法。 - 【請求項2】 ゲル化性シラン化合物が下記式(2) 【化2】 (R1は水素原子又はメチル基、R2は同一又は異種の一
価炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは1,2又は3で
ある。)で示されるものである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 式(2)のゲル化性シラン化合物が、下
記式(3) 【化3】 (R1は水素原子又はメチル基を示す。)で示されるア
クリル官能性アリルエステルと下記式(4) 【化4】 (R2は同一又は異種の一価炭化水素基、Xはハロゲン
原子、nは1,2又は3である。)で示されるヒドロシ
ランとをヒドロシリル化反応させることにより得られる
下記式(5) 【化5】 (R1,R2,nは上記と同様の意味を示す。)で示され
るアクリル官能性ハロシランの副生物として得られ、上
記式(5)のハロシラン及び式(2)のゲル化性シラン
化合物を含む上記反応の粗反応液に式(2)のゲル化性
シラン化合物とその沸点差が±30℃の範囲にある溶剤
の1種又は2種以上を加えて、上記式(2)のゲル化性
シラン化合物を蒸留分離する請求項2記載の方法。 【化6】 (R1は水素原子又はメチル基を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3421493A JP2914070B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | アクリル官能性ハロシランの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3421493A JP2914070B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | アクリル官能性ハロシランの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06228163A true JPH06228163A (ja) | 1994-08-16 |
JP2914070B2 JP2914070B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=12407911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3421493A Expired - Fee Related JP2914070B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | アクリル官能性ハロシランの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2914070B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6302209B1 (en) * | 1997-09-10 | 2001-10-16 | Bj Services Company | Surfactant compositions and uses therefor |
US6439309B1 (en) | 2000-12-13 | 2002-08-27 | Bj Services Company | Compositions and methods for controlling particulate movement in wellbores and subterranean formations |
US6498264B2 (en) * | 2001-03-06 | 2002-12-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silyl (meth)acrylates having bulky substituent group and preparation thereof |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP3421493A patent/JP2914070B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6439309B1 (en) | 2000-12-13 | 2002-08-27 | Bj Services Company | Compositions and methods for controlling particulate movement in wellbores and subterranean formations |
US6498264B2 (en) * | 2001-03-06 | 2002-12-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silyl (meth)acrylates having bulky substituent group and preparation thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2914070B2 (ja) | 1999-06-28 |
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