JPH06228142A - プテロカルペン化合物および抗男性ホルモン剤 - Google Patents

プテロカルペン化合物および抗男性ホルモン剤

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JPH06228142A
JPH06228142A JP5042070A JP4207093A JPH06228142A JP H06228142 A JPH06228142 A JP H06228142A JP 5042070 A JP5042070 A JP 5042070A JP 4207093 A JP4207093 A JP 4207093A JP H06228142 A JPH06228142 A JP H06228142A
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JP
Japan
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compound
activity
sex hormone
male sex
pterocarpen
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Pending
Application number
JP5042070A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Hirayama
豊 平山
Yusuke Hakamata
祐輔 袴田
Shoji Kameyama
省司 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 化1の1,9−ジヒドロキシ−3−メトキシ
プテロカルペンおよびこれを有効成分とする抗男性ホル
モン剤。この化合物は、プラチミスシウム属、スワルツ
ィア属に属する植物から抽出、単離することができる。 【効果】 ホルモン様作用をもたず、5α−リダクター
ゼ阻害活性、アンドロゲン受容体結合阻害活性を有し、
男性ホルモンが関与する疾患の予防、治療に有効であ
り、医薬、化粧料などに利用される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なプテロカルペン
化合物およびこれを利用した抗男性ホルモン剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】皮膚において、皮脂は水分の蒸散を防
ぎ、皮膚のなめらかさを保つために必要であり、さら
に、体内への異物の混入を防ぐという役割をもつ。ま
た、頭皮においても毛髪の美しさを保つために、皮脂が
必要である。しかしその分泌が過剰になると、べたつい
て汚れやすく、病原菌が繁殖しやすくなる。脂漏、ニキ
ビ、頭皮におけるふけやかゆみ、男性型脱毛症の原因は
すべて皮脂分泌亢進によるものである。
【0003】皮脂の分泌亢進は男性ホルモンの活性過剰
により起こると考えられている。この他にも従来から、
男性ホルモンが関与している疾患として、多毛症、ざ
瘡、脂漏、前立腺肥大症、前立腺腫瘍等が知られてお
り、いずれも男性ホルモンの活性過剰が原因と考えられ
ている。特に、テストステロンの代謝物である5α−ジ
ヒドロテストステロン(DHT)が疾患の原因であるこ
とが、種々の研究の結果明らかにされている。これらの
疾患の治療には種々の抗男性ホルモン剤が用いられてお
り、その作用は、例えば、標的器官においてテストステ
ロンを生物活性の高いDHTに還元させる5α−リダク
ターゼの活性を阻害する、或は、生成したDHTと標的
細胞内の受容体との結合を阻害することによるものであ
る。
【0004】しかしながら、これらの抗男性ホルモン
剤、例えばシプロテロンアセテート、オキセンドロン、
酢酸クロルマジノン等はステロイドホルモン誘導体であ
るため効果は認められるが、ホルモン作用等の好ましく
ない副作用を持ち安全性に問題があるために、特に、皮
脂分泌抑制、ニキビの予防と治療、頭皮におけるふけ、
かゆみや脱毛の防止に有効な化粧料などのように長期に
わたって使用するものに配合することは適さない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホルモン様
作用を持たず、安全性の高い抗男性ホルモン剤を提供す
るものである。本発明は、また、抗男性ホルモン活性を
有する新規化合物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の新規なプテロカ
ルペン化合物は、以下の化3で表わされる1,9−ジヒ
ドロキシ−3−メトキシプテロカルペンである。
【0007】
【化3】 本発明の抗男性ホルモン剤は、上記のプテロカルペン化
合物を含有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施態様】本発明のプテロカルペン化合物は、
有機合成することもできるが、プラチミスシウム属(P
latymiscium sp.)、スワルツィア属
(Swartzia sp.)などの植物から抽出、単
離することができる。プラチミスシウム属の植物のうち
プラチミスシウム・トリニタティス(Platymis
cium Trinitatis)およびスワルツィア
属の植物のうちスワルツィア・ポリフィラ(Swart
zia polyphylla)は、古くから強壮剤と
して用いられており、これはペルーではクマセバ(Cu
maceba)、ブラジルではマカカウバ(Macac
auba)と呼ばれるアマゾン流域原産のマメ科の木本
植物である。
【0009】この抽出は、水、親水性有機溶剤、含水親
水有機溶剤、その他の有機溶剤等を使用することにより
行なうことができ、特に、ベンゼン、クロロホルム等の
低極性溶媒、メタノール、エタノール等の低級アルコー
ル、含水メタノール、含水エタノール、プロピレングリ
コール等を用いて抽出することが望ましい。
【0010】本発明のプテロカルペン化合物は、優れた
抗男性ホルモン作用を有し、かつ安全性が高いことか
ら、これらを含有する抗男性ホルモン剤は、男性ホルモ
ンの活性過剰が原因と考えられている種々の疾患、例え
ば、男性型脱毛症、ざ瘡、前立腺肥大症等の治療に安全
かつ効果的に用いることができ、また、にきび予防や頭
髪用等の化粧料として使用することもできる。
【0011】本発明の抗男性ホルモン剤は、前記のプテ
ロカルペン化合物として、合成により得たもの、あるい
はこれらを含む植物から単離したものも配合してもよい
が、これらを含有する植物抽出物をそのまま配合するこ
とにより、前記プテロカルペン化合物を有効成分として
含むようにしてもよい。
【0012】本発明の抗男性ホルモン剤の剤型としては
錠剤、カプセル剤、散剤、内服液、細粒剤、顆粒剤等の
内服剤になすことができ、また、リニメント剤、スプレ
ー剤、ローション剤、軟膏剤等の外皮用剤になすことも
できる。
【0013】
【発明の効果】本発明のプテロカルペン化合物(1.9
−ジヒドロキシ−3−メトキシプテロカルペン)は、ホ
ルモン様作用をもたず、しかも高い抗男性ホルモン活性
を有し、男性ホルモンが関与する種々の疾患の予防およ
び治療に有用であり、医薬、化粧料など広範な用途に用
いられる。
【0014】
【実施例】
実施例1 スワルツィア ポリフィラ(Swartzia pol
yphylla)400gを粉砕し、ベンゼン2リット
ルを加え50℃の水浴上で冷却管を付けて2時間温浸
し、これを2回繰り返した。その後、得られた抽出液を
合わせて減圧下でベンゼンを除去し、粗エキス42.
98gを得た。
【0015】次に、得られたエキス20gを、シリカゲ
ルC−200(400g)を用いてカラムクロマトグラ
フィーに付し、ベンゼン−酢酸エチル混合溶媒系で展開
してフラクション1〜4に分け、さらにフラクション2
をクロロホルム−メタノール混合溶媒系で展開し、溶出
液を減圧下で溶媒留去し、得られた画分を再結晶するこ
とにより、淡黄色針状結晶として本発明のプテロカルペ
ン化合物を得た。得られたプテロカルペン化合物の構造
式および物理的性質は下記の通りである。
【0016】化学名:1,9−ジヒドロキシ−3−メト
キシプテロカルペン 構造式:化4
【化4】
【0017】融点:200〜203℃(水−エタノール
で再結晶) 元素分析(%): C H O 理論値 67.60 4.23 28.17 測定値 66.65 4.30 28.50 質量分析(m/z):284(最大)
【0018】紫外線吸収スペクトル(エタノール):λ
max=220nm,247nm,334nm,349
nm 赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法):図1の通り。
吸収ピーク,3255cm-1,1610cm-1,157
5cm-1,1125cm-1 1 HNMR(アセトン−d6):3.75(3H,
s),5.47(2H,s),6.11(1H,d,J
=2.5Hz),6.15(1H,d,J=2.5H
z),6.84(1H,dd,J=8.5,2.0H
z),7.02(1H,d,J=2Hz),7.30
(1H,d,J=8.5Hz)
【0019】赤外線吸収スペクトルにおいて、3255
cm-1にフェノール性の水酸基、1610cm-1にエー
テル結合の吸収を示し、紫外線吸収スペクトルで334
nmに極大吸収を有する。また、プロトン核磁気共鳴ス
ペクトルにおいては、芳香環プロトンに由来するシグナ
ルとして、6.84(1H,dd,J=8.5,2.0
Hz)、7.02(1H,d,J=2.0Hz)、7.
30(1H,d,J=8.5Hz)にABX型3置換ベ
ンゼンシグナル、6.11(1H,d,J=2.5H
z)、6.15(1H,d,J=2.5Hz)に互いに
メタカップリングしたシグナル、3.75(3H,s)
にメトキシル基のプロトンシグナル、5.47(2H,
s)にオキシメチレンのプロトンシグナルが観測され
た。また、3位のメトキシル基と2位、4位のプロトン
シグナルとの間にNOE差が検出された。さらに、質量
分析においてm/z284に分子イオンピーク、また、
カーボン核磁気共鳴スペクトルなどのデータをもとに本
物質を上記1,9−ジヒドロキシ−3−メトキシプテロ
カルペンと同定した。
【0020】実施例2 スワルツィア ポリフィラ(Swartzia pol
yphylla)400gを粉砕し、クロロホルム2リ
ットルを加えて50℃の水浴上で冷却管を付けて2時間
温浸し、これを2回繰り返した。その後、得られた抽出
液を合わせて減圧下でクロロホルムを除去し、粗エキス
40.23gを得た。
【0021】次に、得られたエキス20gを、シリカゲ
ルC−200(400g)を用いてカラムクロマトグラ
フィーに付し、ベンゼン−酢酸エチル混合溶媒系で展開
しテフラクション1〜4に分け、さらにフラクション2
をクロロホルム−メタノール混合溶媒系で展開し、溶出
液を減圧下で溶媒留去し、得られた画分を再結晶するこ
とにより、淡黄色針状結晶として本発明のプテロカルペ
ン化合物0.42gを得た。この化合物も、実施例1と
同様にして1,9−ジヒドロキシ−3−メトキシプテロ
カルペンであることが確認された。
【0022】試験例1:5α−リダクターゼ活性阻害効
果 (1) 5α−リダクターゼ溶液の調製 頸椎脱臼により屠殺したwistar系雄性ラット(1
2週令)の前立腺を摘出し、50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4)、1.5mMエチレンジアミン四酢酸、
1mMジチオスレイトール、10mMモリブデン酸ナト
リウムおよび10%(w/v)グリセロールを含有する
5倍量(w/v)の溶液でホモジナイズした後、700
×g、4℃で10分間遠心して得られた上清を酵素液と
した。
【0023】(2) 5α−リダクターゼ阻害活性の測
定 [3H]テストステロン(2μCi)10μl、 3.3
mM NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオ
チドリン酸還元型)溶液150μl、種々の濃度の検体
試料100μlと(1)項で得た酵素液250μlを加
え37℃で振とうした。ついでクロロホルム/メタノー
ル(2/1)混液2mlを加えて反応を止め、700℃
×gで10分間遠心して抽出液を分離した。この抽出液
を薄層クロマトスキャナーにてテストステロンおよびそ
の代謝物(DHT、アンドロスタンジオール)のピーク
面積を測定し、次式数1より阻害率を求める。
【0024】
【数1】
【0025】検体試料として、実施例で得られた粗エキ
スおよび本発明のプテロカルペン化合物(1,9−ジ
ヒドロキシ−3−メトキシプテロカルペン)を用い、得
られた結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】試験例2:アンドロゲン受容体とDHTと
の結合阻害効果 本試験はTakayasu等の方法(J.Steroi
d Biochem.Vol.19 pll41−11
46,1983)に準拠して行なった。
【0028】(1)アンドロゲン受容体溶液の調製 wistar系雄性ラット(12週令)を去勢し、24
時間後に前立腺を摘出し、50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4)、1.5mMエチレンジアミン四酢酸、
1mMジチオスレイトール、10mMモリブデン酸ナト
リウムおよび10%(w/v)グリセロールを含有する
4倍量(w/v)の溶液でホモジナイズした後、700
×g、4℃で10分間遠心して得られた上清を採取し
た。この上清を更に105000×g、4℃で1時間遠
心して上清を得、この上清をアンドロゲン受容体溶液と
した。
【0029】(2) アンドロゲン受容体結合阻害活性
の測定 1nM[3H]DHT(100Ci/mmol)と40
0nMDHTと上記(1)項による受容体溶液と種々の
濃度の検体試料との混合溶液(全量250μl)を4℃
で16時間インキュベートした後、5%(w/v)活性
炭および0.5%(w/v)デキストラン(分子量60
000〜90000)を含有する溶液250μlを添加
して4℃で10分間遠心して上清を得た。この上清20
0μlを取り液体シンチレーションカクテルと混和した
後、液体シンチレーションカウンターを用いて受容体へ
の [3H]DHTの特異的結合量を測定し、次式数2よ
り阻害率を求める。
【0030】
【数2】 B CONT:検体試料を添加しない場合の受容体と[3H]
DHTの特異的結合量 B SAMPLE:検体試料を添加した場合の受容体と[3H]
DHTの特異的結合量
【0031】検体試料として、実施例で得られた粗エキ
スおよび本発明のプテロカルペン化合物(1,9−ジ
ヒドロキシ−3−メトキシプテロカルペン)を用い、得
られた結果を表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】表1および表2から明らかなように、本発
明品である1,9−ジヒドロキシ−3−メトキシプテロ
カルペンには高い抗男性ホルモン効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】1,9−ジヒドロキシ−3−メトキシプテロカ
ルペンのIRスペクトルである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】次に、得られたエキス20gを、シリカゲ
ルC−200(400g)を用いてカラムクロマトグラ
フィーに付し、ベンゼン−酢酸エチル混合溶媒系で展開
してフラクション1〜4に分け、さらにフラクション2
をクロロホルム−メタノール混合溶媒系で展開し、溶出
液を減圧下で溶媒留去し、得られた画分を再結晶するこ
とにより、淡黄色針状結晶として本発明のプテロカルペ
ン化合物0.35gを得た。得られたプテロカルペン化
合物の構造式および物理的性質は下記の通りである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/35 AEJ 7431−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるプテロカルペン化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 化2で示されるプテロカルペン化合物を
    含有することを特徴とする抗男性ホルモン剤。 【化2】
JP5042070A 1993-02-05 1993-02-05 プテロカルペン化合物および抗男性ホルモン剤 Pending JPH06228142A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001059448A1 (fr) * 2000-02-10 2001-08-16 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Procede de criblage d'un agent antiandrogene

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001059448A1 (fr) * 2000-02-10 2001-08-16 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Procede de criblage d'un agent antiandrogene

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