JPH06226999A - カラーインクジェット記録方法及び記録装置 - Google Patents

カラーインクジェット記録方法及び記録装置

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JPH06226999A
JPH06226999A JP2036493A JP2036493A JPH06226999A JP H06226999 A JPH06226999 A JP H06226999A JP 2036493 A JP2036493 A JP 2036493A JP 2036493 A JP2036493 A JP 2036493A JP H06226999 A JPH06226999 A JP H06226999A
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JP
Japan
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ink
color
permeability
recording
inkjet recording
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JP2036493A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
Atsushi Aoki
淳 青木
Yoshihisa Takizawa
▲吉▼久 滝沢
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、普通紙に記録した場合でも、良好
な発色性を有し、かつ複数色のインクが打込まれたとし
ても、定着性に優れ、インクの滲みのない記録画像を与
えることが可能であり、ヘッドのノズル目詰りを起しに
くい等の信頼性に優れたインクを用いたインクジェット
記録方法、係る方法に用いるインクセット及び記録装置
を提供する。 【構成】 少なくとも2色以上のインクを用いてカラー
画像を形成するインクジェット記録方法において、印字
順序にしたがって印字順序の早いインクから順にインク
中の浸透性を減少させることにより、インクの浸透性を
各色ごとに変化させることを特徴とするインクを用いた
カラーインクジェット記録方法及び記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクセット及びこれ
を用いたカラーインクジェット記録方法、装置に関し、
更に詳しくはインクジェット用に特別に調整された塗工
紙は勿論、一般にオフィスや家庭で使用されている電子
写真用紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連
続伝票用紙等の非塗工紙である所謂普通紙に対しても高
速かつ高精細、高画質フルカラー記録が可能なインクセ
ット、インクジェット記録方法及びカラー記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式により画像形成方法
として近年重要さを増しつつある技術の一つとして、一
般にオフィスや家庭で使用されている電子写真用紙、レ
ポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙等
の非塗工紙、以下本発明ではこれらを総称して普通紙と
呼ぶ事にするが、上記普通紙に対しても発色が良好で、
かつ、にじみのない高精細なフルカラー記録が可能な画
像記録用インク及び画像形成方法が求められており、こ
の様な目的を達成するために多数の提案がなされてい
る。
【0003】例えば、特開昭55−29546号公報に
は、インク中に特定の界面活性剤を添加し表面張力を下
げて紙内部へのインク浸透性を高める方法が開示されて
いる。また特開昭55−57862号公報には、インク
に強塩基性物質を添加し紙のサイズ剤やパルプ材を化学
的に溶解し、ドットの広がりと吸収性を制御する方法が
開示されている。さらには、特開昭58−13675号
公報には、インク中に分子量4万以上のポリビニルピロ
リドンを添加したり、あるいは、特開平3−17236
2号公報には、インク中に特定のマイクロエマルジョン
を添加することによりドットの広がりと吸収性を制御す
る方法が開示されている。
【0004】また、米国特許第3,653,932号、
第3,715,219号、第4,390,369号、第
4,490,731号には固体−液体相変化インク、す
なわち、室温では固体であるが、ある特定温度以上では
液体になるインクが開示されている。このタイプの相変
化インクは、液体として射出された後、被記録材に衝突
して直ちにその被記録材表面で凝固するものである。
【0005】さらに、室温ではゲル状態であるが、加熱
することによりゾル状態へ転移するインクとして特開昭
62−181372号公報、特開平1−272623号
公報等が開示されている。これらはいずれも固体−液体
相変化インクと同様に被記録材にインク滴が着弾下後に
ゲル状態へ戻りインクのにじみを抑えようとしたもので
ある。
【0006】しかしながら上記従来技術は以下に述べる
ような問題点があった。
【0007】界面活性材の添加により紙内部へのインク
の浸透性を高める方法では、定着性は向上するが、記録
剤も紙内部へ深く浸透してしまうために発色性が低下す
る問題点がある。インクに強塩基物質を添加する方法で
は、ある種のサイズ剤を用いた紙、例えば中性紙に対し
てはにじみ、定着性ともに充分ではなくなる上に、人体
に対する安全性の点でも問題がある。また、インク中に
ポリマーやある種のエマルジョンを添加するだけではフ
ルカラー記録時のようにインクの記録密度が大きくなる
ような領域では充分な効果が得られない。また固体−液
体相変化タイプのインクでは、動作時にインクを液体化
しなければならないためにインク供給系の温度制御等の
装置上の負担が重くなるばかりでなく、印字物が保存中
に極端な高温下にさらされるような場合には、インクの
再溶解が起り印字部が崩れる問題が発生する。ゾル−ゲ
ルタイプのインクも固体−液体相変化タイプのインク同
様に取り扱いが容易でなく、印字物の保存性にも問題点
がある。
【0008】上述したように普通紙に対するインクジェ
ット記録特性を改善するための数々の提案がなされてい
るが、いまだ普通紙に対して発色性が良好で2色以上の
インクが打込まれてもにじみ、フェザリングが発生せ
ず、かつ定着性にも優れ、装置構成上の負担も軽いイン
クは知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、普通
紙に記録した場合でも、良好な発色性を有しかつ複数色
のインクが打込まれたとしても、定着性に優れ、インク
の滲みのない記録画像を与える事が可能であり、かつイ
ンクジェット用記録ヘッドのノズルの目詰りを起こしに
くい等の信頼性に優れたインクセット及びこれを用いた
インクジェット記録方法及び該インクを備えたカラーイ
ンクジェット記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下に述べる
本発明によって解決できる。即ち本発明は、少なくとも
2色以上のインクを用いてカラー画像を形成するインク
ジェット記録方法に用いるインクを備えたインクセット
において、該インクが何れも浸透性付与剤を含有し、そ
の含有量が、印字順序の早いインクから順に減少してい
ることを特徴とするカラーインクジェット記録用インク
セットである。
【0011】また、本発明は、シアン、マゼンタ、イエ
ロー、ブラックの4色のインクを用いてカラー画像を形
成するインクジェット記録方法に用いるインクを備えた
インクセットにおいて、該インクが何れも浸透性付与剤
を含有し、その含有量が、印字順序の早いインクから順
に減少していることを特徴とするカラーインクジェット
記録用インクセットである。
【0012】更に、本発明は、少なくとも2色以上のイ
ンクを用いてカラー画像を形成するインクジェット記録
方法において、印字順序にしたがって印字順序の早いイ
ンクから順にインク中の浸透性を減少させることによ
り、インクの浸透性を各色ごとに変化させることを特徴
とするインクジェット記録方法及び係る方法に用いる機
器である。
【0013】更に本発明はシアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの4色のインクを用いてカラー画像を形成
するインクジェット記録方法において、印字順序にした
がって印字順序の早いインクから順にインク中の浸透性
を減少させることにより、インクの浸透性を各色ごとに
変化させることを特徴とするインクを用いたカラーイン
クジェット記録方法及び、係る方法に用いる機器であ
る。
【0014】
【作用】本発明の本質は、多色のインクを用いてカラー
インクジェット記録を行う際に印字順序の早いインクか
ら順にインク中の浸透性付与剤の量を減少させることに
より紙へのインク浸透速度を順次減少させることにあ
る。この様な組合せのインクを用いることにより、印字
物の発色性と定着性とインク滲みが良好になる理由を以
下に述べる。
【0015】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
の配列の一例を示す図であり、図2は本発明のインクジ
ェット記録ヘッドの配列の別の例を示す図である。図2
では基板とノズル口部分とは切り離した形態で示してあ
る。
【0016】図1に示すように、カラーインクジェット
記録装置の一例として4色の印字ヘッドがその主走査方
向に対して横に一列に整列している場合を考える。印字
順序には特に制限はない。また、ヘッドの整列状態につ
いても図1に示した形式に限定されず、例えば図2に示
したように主走査方向に対して直角方向にシアン、マゼ
ンタ、イエロー、ブラックのヘッドを配列しても良い。
この場合にも各色の印字順序には全く制限がない。
【0017】尚、図1,図2において、ヘッドの形態は
4色別体であっても4色1体型であってもよい。
【0018】いま、図1に示されるヘッドの整列状態に
おいて、1,シアン、2,マゼンタ、3,イエロー、
4,ブラックの印字順序で記録が行われるとすると本発
明では、インク中の浸透性をシアン>マゼンタ>イエロ
ー>ブラックの順に調整する。
【0019】カラーインクジェット記録における多色記
録部にインク滲みが発生するのは、最初に記録が行われ
たインクが紙面上で充分に乾燥しないうちに第2のイン
クが記録されることによって紙表面で第1のインクと第
2のインクが流動拡散によって混ざり合うために起こる
ものである。この様な現象を抑えるために使用するイン
ク各色に充分な量の浸透性付与剤を等量添加し各色の紙
に対する浸透性を同じにすることで上述した多色記録部
のインク滲みをなくすことは可能であるが、これにより
発色性特に多色混色部の発色性が低下するという弊害が
生ずる。これは、第1のインクが紙と接触することによ
り、浸透性付与剤で紙表面が濡らされ、第2のインクが
紙内部により浸透しやすくなって紙内部に浸透してしま
うので第2のインクが有効に発色に寄与しなくなるため
であると考えられる。
【0020】本発明では、インクの紙への浸透性を順次
低下させることにより、上述した紙表面上での多色記録
部のインク滲みを解消すると同時に多色記録時の発色性
を充分良好に保つことが可能である。
【0021】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。
【0022】本発明で好ましい浸透性付与剤としては、
1価アルコール、界面活性剤を挙げることが出来る。よ
り具体的には、1価アルコールとして、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペン
タノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等
が上げられる。
【0023】また、界面活性剤としては特に限定はな
く、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
脂肪族エーテル、ソルビタンエステル、アセチレングリ
コール、フッソ系界面活性剤等が例示可能であるが、特
にこれらに限定されるわけではない。浸透性付与剤とし
て上記の1価アルコール、界面活性剤を単独に用いても
よいし、また、これらの組合せとして用いてもよいが、
これらに限定されるものではない。
【0024】次に本発明を実施する上で最適なインク浸
透性付与剤の量について述べる。最適な浸透性付与剤の
量は単位面積あたりに打込まれる最大のインク密度、イ
ンクジェットヘッドの記録周波数、記録方法等により異
なる。
【0025】好ましい浸透性付与剤の添加量の各色間の
差としては、界面活性剤の場合は0.01wt%以上、
1価アルコールを用いる場合には0.5wt%以上であ
る。浸透性が本発明で述べる様に制御されていること
は、一定量のインク、およそ1〜100μlのインクを
市販のコピー用紙等に滴下した後、紙に定着するまでの
時間を測定することで、比較的簡単に求められる。ここ
で定着時間とは、インクを滴下した直後から指等でイン
クを滴下した部分をこすっても、インクの転写がおこら
なくなるまでの時間である。より正確には実際のインク
ジェットヘッドによりベタ印字を行い、定着時間を測定
する方法をとれば良い。
【0026】本発明のインクは、記録剤とともに上記の
ごとき浸透性付与剤を含有することを特徴とするが、そ
の他の構成成分として水、有機溶剤の他、各種の分散
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤、酸化防
止剤、防かび剤、pH調整剤等の添加剤を本発明の目的
の達成を妨げない範囲において必要に応じて添加するこ
とが出来る。
【0027】本発明のインクに使用可能な記録剤として
は、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応
性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分
散染料、油性染料、顔料が挙げられる。
【0028】これらの記録剤の含有量は液媒体成分の種
類、インクに要求される特性等に依存して決定される
が、一般的にはインク全重量に対して0.2〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1
〜5重量%を占める割合である。
【0029】本発明で使用可能な有機溶剤としては、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケ
トアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン
又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール
類、チオジグリコール、グリセリン、エチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類、トリエチレン
グリコールジメチル(又はジエチル)エーテル、テトラ
エチレングリコールジメチル(又はジエチル)エーテル
等の多価アルコール類の低級ジアルキルエーテル類、ス
ルホラン、N−メチル−2−ピロリドン,1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0030】上記有機溶剤の含有量は、一般にはインク
の全重量に対して1〜50重量%、好ましくは2〜30
%の範囲である。
【0031】上記のごとき有機溶剤は単独でも混合物と
しても使用できるが、最も好ましい液媒体組成は、水と
1種以上の有機溶剤からなり、該溶剤が少なくとも1種
以上の水溶性高沸点溶剤、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アル
コールを含有するものである。
【0032】本発明のインクは、一般のインクジェット
記録方式全般に好適に適用できるが、なかでも熱エネル
ギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させる
タイプのインクジェット記録方法に適用する場合に特に
好適である。
【0033】本発明のインクの物性を調整する際には、
本発明の主目的である普通紙に対する印字適性とともに
使用するインクジェット記録用ヘッドに対するマッチン
グ(吐出特性、信頼性等)も考慮することが好ましい。
【0034】好適なインク物性として、25℃における
粘度が0.5〜20cps、更に好ましくは0.5〜1
0cpsの範囲、25℃における表面張力が25〜68
dyn/cmの範囲に調整されることが望ましい。
【0035】次に本発明のインクを用いて記録を行なう
のに好適なインクジェット記録装置の一例を以下に説明
する。その主要部であるヘッド構成例を図3〜図5に示
す。
【0036】図3はインク流路に沿ったヘッド1の縦断
面図、図4は図3のA−B線でのヘッドの横断面図であ
る。図5は、図1に示したヘッドをマルチ化したヘッド
の外観斜視図である。1はインクジェット記録ヘッド、
そのヘッド1はインクを通す溝を有するガラス、セラミ
ックまたはプラスチック等の板2と、感熱記録に用いら
れる発熱ヘッド3(図ではヘッドが示されているが、こ
れに限定されるものではない。)とを接着して得られ
る。発熱ヘッド3は酸化シリコン等で形成される保護膜
4、アルミニウム電極5−1、5−2、ニクロム等で形
成される発熱抵抗体層6、蓄熱層7、アルミナ等の放熱
性の良い基板8より成っている。
【0037】インク9は吐出オリフィス(微細孔)10
まで来ており、圧力Pによりメニスカス11を形成して
いる。
【0038】今、電極5−1、5−2に電気信号情報が
加わると、発熱ヘッド3のnで示される領域が急激に発
熱し、ここに接しているインク9に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス11が突出し、インク9が吐出し、オ
リフィス10より記録小滴12となって、記録媒体13
に向って飛翔する。図5には図3に示すヘッドを多数並
べたマルチヘッドの外観斜視図を示す。該マルチヘッド
は溝14を複数有するガラス板15と、図3に説明した
ものと同様の発熱ヘッド16を密着して制作されてい
る。
【0039】
【実施例及び比較例】次に実施例及び比較例により本発
明を更に具体的に説明する。
【0040】実施例1〜4 表1(実施例1のインク成分)、表2(実施例2のイン
ク成分)、表3(実施例3のインク成分)及び表4(実
施例4のインク成分)に示した成分を混合して各々のイ
ンクセットを作成した。インクの作成手順としては、染
料、水、有機溶剤、浸透性付与剤の順に所定量添加し、
5時間攪拌後、ポアサイズ0.22μmのメンブランフ
ィルター(商品名 フロロポアフィルター、住友電工株
式会社製)にて加圧瀘過し、本発明の実施例1から4の
インクセットを得た。
【0041】各表中の数字は、各成分の添加量(インク
の重量百分率)を表わす。
【0042】尚、表中の染料種は、実施例1〜8、比較
例1〜8で同じであり、次に記載の染料を使用してい
る。
【0043】シアン ;C.I.アシッドブルー9 マゼンタ;C.I.アシッドレッド35 イエロー;C.I.ダイレクトイエロー86 ブラック;C.I.フードブラック2
【0044】
【表1】 (注)アセチレノールEHの構造 2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオールのエチレンオキサイド付加物
【0045】
【表2】 (注)カーポールMH−50の構造 ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン
(7)ブチルエーテル
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】 比較例1〜4 実施例との比較を行う目的で実施例1〜4の各々のシア
ンインクの調製時に用いた浸透性付与剤の種類と量に4
色とも統一した4組のインクセットを作成し、比較例1
〜4のインクセットとした。
【0048】実施例1〜4、比較例1〜4の評価。
【0049】360dpiで64本のノズルを有するサ
ーマルインクジェット記録装置ヘッド4個を用意し、図
1に示したように記録ヘッドの主走査方向と垂直方向に
ヘッドが並ぶようにヘッドを配列した。印字順序は、ブ
ラック、シアン、マゼンタ、イエローの順とした。各記
録ヘッドにインク供給チューブを介して実施例1〜4、
比較例1〜4のインクを充填して、吐出周波数2.00
kHzで市販の電子写真用紙に印字を行い下記のインク
ジェット記録適性評価した。尚、各色のベタ印字部の記
録密度は、6nl/mm2とした。 1 発色性の評価 ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリ
ーン、ブルーのベタ印字部の反射濃度をマクベスRD−
918反射濃度計を用いて測定し、発色性の評価とし
た。尚、レッド、グリーン、ブルー部の反射濃度は例え
ばレッド(イエローとマゼンタの混色)部の発色性は、
イエローとマゼンタのフィルターを通して測定されるイ
エロー成分の濃度とマゼンタ成分の濃度で評価した。グ
リーン(イエローとシアンの混色)とブルー(マゼンタ
とシアンの混色)部の発色性についても同様である。 2 印字にじみ イエローベタ印字部の上にグリーン、レッド及びブラッ
クの文字を重ねて印字を行い文字部のにじみ具合を官能
評価した。にじみの発生していない場合を○、にじみが
発生した場合を×とした。 3 定着性評価 レッドベタ印字(イエローインクとマゼンタインクを各
々ベタで重ね印字)を行い、10秒後、20秒後、及び
30秒後に印字部を瀘紙(商品名;No.5C、東洋瀘
紙株式会社製)にて擦り、以下のように評価した。
【0050】◎・・・10秒後で擦れ無し ○・・・20秒後で擦れ無し ×・・・30秒でも擦れあり 評価結果を表5にまとめて記載した。
【0051】表中、BKはブラック、Yはイエロー、M
はマゼンタ、Cはシアン、R(Y/M)はレッド(イエ
ロー/マゼンタ)、G(Y/C)はグリーン(イエロー
/シアン)及びB(M/C)はブルー(マゼンタ/シア
ン)を表わす。
【0052】
【表5】 上記表5記載の結果から理解されるように比較例のイン
クを使用した場合には、にじみと定着性は十分であるが
発色性の点で満足のいくものではなかった。実施例で示
される様にインク印字順序にしたがって、浸透性を順次
制御することにより、発色性、インク定着性が良好でか
つ印字にじみのないカラーインクジェット記録画像が得
られた。
【0053】実施例5〜8 表6(実施例5のインク成分)、表7(実施例6のイン
ク成分)、表8(実施例7のインク成分)及び表9(実
施例8のインク成分)に示す成分を混合してインクセッ
トを作成した。インクの作成手順としては、染料、水、
有機溶剤、浸透性付与剤の順に所定量添加し、5時間攪
拌後、ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター
(商品名 フロロポアフィルター、住友電工株式会社
製)にて加圧瀘過し、本発明の実施例5から8のインク
セットを得た。各表中の数字は、各成分の添加量(イン
クの重量百分率)を表わす。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】 比較例5〜8 実施例との比較を行う目的で実施例5から8の各々のシ
アンインク調製時に用いた浸透性付与剤の種類と量に4
色とも統一した4組のインクセットを作成し、比較例イ
ンクセットとした。
【0058】実施例5〜8、比較例5〜8の評価結果。
【0059】360dpiで64本のノズルを有するサ
ーマルインクジェット記録ヘッド4個を用意し、図2に
示したように記録ヘッドの主走査方向と垂直方向にヘッ
ドが並ぶようにヘッドを配列した。印字順序は、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエローの順とした。各記録ヘ
ッドにインク供給チューブを介して実施例5〜8、比較
例5〜8のインクを充填して、吐出周波数 2.00k
Hzで市販の電子写真用紙に印字を行い下記のインクジ
ェット記録適性を実施例1〜4及び比較例1〜4と同様
に評価した。尚、各色のベタ印字部の記録密度は、6n
l/mm2 とした。
【0060】評価結果をまとめて表10に記載した。
【0061】
【表10】 表10に記載の結果から明らかなように比較例のインク
を使用した場合には、発色性は十分であるが、にじみと
定着性は満足のいくものではなかった。実施例で示され
るように印字順序にしたがって、浸透性を順次制御する
ことにより、発色性、インク定着性が良好でかつ印字に
じみのないカラーインクジェット記録画像が得られた。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクセッ
トを用いたカラーインクジェット記録方法及び該インク
を備えたカラーインクジェット記録装置によれば、普通
紙に対してマルチカラーあるいは、フルカラー記録を行
った場合でも、にじみがなくかつ定着性にも優れ、同時
に発色性の良好な印字物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの配列の一
例を示す図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの配列の別
の例を示す図である。
【図3】インクジェット記録ヘッドの縦断面図である。
【図4】インクジェット記録ヘッドの図3のA−B線で
の横断面図である。
【図5】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド(略してヘッド) 2 インクを通す溝を有するガラス、セラミック、ま
たはプラスティック板 3 発熱ヘッド 4 保護膜 5 アルミニウム電極 6 発熱抵抗体層 7 蓄熱層 8 基板 9 インク 10 吐出オリフィス(微細孔) 11 メニスカス 12 記録小滴 13 記録媒体 14 インクを通す溝 15 マルチ溝を有するガラス板 16 発熱ヘッド 17 吐出口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【表10】 表10に記載の結果から明らかなように比較例のインク
を使用した場合には、発色性は十分であるが、にじみと
定着性は満足のいくものではなかった。実施例で示され
るように印字順序にしたがって、浸透性を順次制御する
ことにより、発色性、インク定着性が良好でかつ印字に
じみのないカラーインクジェット記録画像が得られた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2色以上のインクを用いてカ
    ラー画像を形成するインクジェット記録方法に用いるイ
    ンクを備えたインクセットにおいて、該インクが何れも
    浸透性付与剤を含有し、その含有量が、印字順序の早い
    インクから順に減少していることを特徴とするカラーイ
    ンクジェット記録用インクセット。
  2. 【請求項2】 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
    の4色のインクを用いてカラー画像を形成するインクジ
    ェット記録方法に用いるインクを備えたインクセットに
    おいて、該インクが何れも浸透性付与剤を含有し、その
    含有量が、印字順序の早いインクから順に減少している
    ことを特徴とするカラーインクジェット記録用インクセ
    ット。
  3. 【請求項3】 少なくとも2色以上のインクを用いてカ
    ラー画像を形成するインクジェット記録方法において、
    印字順序に従って印字順序の早いインクから順にインク
    中の浸透性を減少させることにより、インクの浸透性を
    各色ごとに変化させることを特徴とするカラーインクジ
    ェット記録方法。
  4. 【請求項4】 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
    の4色のインクを用いてカラー画像を形成するインクジ
    ェット記録方法において、印字順序にしたがって印字順
    序の早いインクから順にインク中の浸透性を減少させる
    ことにより、インクの浸透性を各色ごとに変化させるこ
    とを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2何れかに記載のインクセッ
    トを備えたカラーインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記浸透性を減少させる手段がインク中
    に浸透性付与剤を添加し、印字順序の早いインクから順
    次該浸透性付与剤の添加量を減少させるものであり、か
    つ、該インク中の浸透性付与剤が一価アルコール、界面
    活性剤より選択された少なくとも1種の化合物を含むも
    のである請求項3,4何れかに記載のカラーインクジェ
    ット記録方法。
  7. 【請求項7】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    ク滴を吐出させることを特徴とする請求項3,4又は6
    何れかに記載のカラーインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    ク滴を吐出させることを特徴とする請求項5に記載のカ
    ラーインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記カラーインクジェット記録装置の記
    録ヘッドが、主走査方向に対して直角方向に整列してい
    る請求項5,8何れかに記載のカラーインクジェット記
    録装置。
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