JPH06226802A - 環状オレフィン系ランダム共重合体成形体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体成形体の製造方法

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JPH06226802A
JPH06226802A JP5014192A JP1419293A JPH06226802A JP H06226802 A JPH06226802 A JP H06226802A JP 5014192 A JP5014192 A JP 5014192A JP 1419293 A JP1419293 A JP 1419293A JP H06226802 A JPH06226802 A JP H06226802A
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JP
Japan
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cyclic olefin
group
random copolymer
formula
bonded
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Application number
JP5014192A
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English (en)
Inventor
Hidenori Sakai
井 英 紀 酒
Tetsushi Kasai
井 徹 志 笠
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンと、特定の環状オレフィンとからな
る環状オレフィン系ランダム共重合体を成形加工機で溶
融成形するに際して、溶融樹脂と接触する部材の表面が
下記(i)〜(iii)からなる群から選ばれる1種の方
法で処理されている成形加工機を用いることを特徴とす
る環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法。 (i)硬質クロムメッキ処理、(ii)チタンカーバイド
処理、(iii)窒化チタン処理、 【効果】 極めて透明性の高い環状オレフィン系ランダ
ム共重合体からなる成形体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系ランダ
ム共重合体成形体の製造方法に関し、さらに詳しくは、
エチレンと特定の環状オレフィンとからなる環状オレフ
ィン系ランダム共重合体ペレットを溶融成形した際に、
成形体に含まれる焼け焦げなどの成形体の透明性に影響
を与える異物の量を低減させることができるような環状
オレフィン系ランダム共重合体成形体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【発明の技術的背景】本出願人は、エチレンと特定の環
状オレフィンとから形成される環状オレフィン系ランダ
ム共重合体について既に種々の提案を行っている。たと
えば特開昭60−168708号公報ならびに特願昭5
9−220550号、同59−236828号、同59
−236829号および同59−242336号明細書
等である。これらの公報あるいは明細書に記載されてい
る環状オレフィン系ランダム共重合体体は、優れた透明
性を有すると共に、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐
溶剤性、誘電特性および機械的特性等の諸特性にも優れ
ている。さらに、この環状オレフィン系ランダム共重合
体は、一種のポリオレフィンであるにもかかわらず、種
々の材質の基材との接着性にも優れている。このため、
この環状オレフィン系ランダム共重合体は、たとえば光
学メモリディスクや光学ファイバーなどの光学材料の分
野、透明フィルム、透明容器などの透明包装材料の分野
などに用いられている。
【0003】ところでこのような環状オレフィン系ラン
ダム共重合体は、一般にペレット状とされ、このペレッ
トから光ディスク基板などが成形されているが、この共
重合体ペレットから光ディスクを製造すると、ごくわず
かではあるが読み取りエラーを生じることがある。また
この共重合体ペレットから透明フィルムを製造すると、
ごくわずかではあるが透明性が低下することがあった。
本発明者らは、この読み取りエラーなどの発生原因につ
いて検討したところ、この読み取りエラーの一部は、環
状オレフィン系ランダム共重合体からなる成形体中に不
純物として含まれる焼け焦げやゲル状異物に起因するこ
とを見出した。通常、形成加工機のスクリューやシリン
ダーなどの溶融樹脂と接触する部分の材質は耐摩耗材料
であるが、このような材質では焼け焦げやなどを低減す
ることは困難である。
【0004】本発明者らは、この様な状況に鑑み鋭意検
討した結果、成形体中に不純物として含まれる焼け焦げ
やなどの異物を低減するには、溶融成形の際に、溶融樹
脂が接触する部分が特定の材質からなる成形加工機を用
いることが有効であることを見出した。そして、溶融成
形の際に、溶融樹脂が接触する部分の表面に特定の処理
をすると、焼け焦げなどの異物が極めて少ない、透明性
に優れた成形体が得られることを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0005】なお、本発明者らは窒化処理などの耐摩耗
処理では、成形体中に不純物として含まれる焼け焦げな
どの異物を低減できないことも見出している。
【0006】
【発明の目的】本発明は、エチレンと特定の環状オレフ
ィンとからなる環状オレフィン系ランダム共重合体ペレ
ットを溶融成形した際に、成形体中に含まれる焼け焦げ
などの異物の量を低減させることができ、透明性に優れ
た成形体が得られるような環状オレフィン系ランダム共
重合体成形体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る環状オレフィン系ランダム
共重合体の成形方法は、(a)エチレンと、(b)下記
式[I]または[II]で表される環状オレフィンとを共
重合してなる軟化温度(TMA)が70℃以上である環
状オレフィン系ランダム共重合体ペレットを成形加工機
で溶融成形するに際して、溶融樹脂と接触する部分の表
面が下記(i)〜(iii)からなる群から選ばれる1種
の方法で処理されている成形加工機を用いることを特徴
としている: (i)硬質クロムメッキ処理 (ii)チタンカーバイド処理 (iii)窒化チタン処理
【0008】
【化3】
【0009】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15
〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成してい
てもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有してい
てもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい)、
【0010】
【化4】
【0011】(式[II]中、pおよびqは0または1以
上の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
1 〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基またはアルコキシ基であり、R9 またはR10が結合し
ている炭素原子と、R13が結合している炭素原子または
11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原
子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
く、またn=m=0のとき、R15とR12またはR15とR
19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成
していてもよい)。
【0012】本発明によれば、成形体に含まれる焼け焦
げなどの異物の量を低減させることができる。この方法
により光ディスクの基板を製造すると、基板に起因する
読み取りエラーを減少させることができる。また透明フ
ィルムを製造した場合に、極めて高度な透明性を得るこ
とができる。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系ランダム共重合体成形体の製造方法について具体的
に説明する。
【0014】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体成形体の製造方法では、後述するような環状オレ
フィン系ランダム共重合体ペレットを成形加工機で溶融
成形するに際して、溶融樹脂と接触する部分の表面が特
定の方法で処理されている成形加工機を用いる。
【0015】表面を処理する、成形加工機の溶融樹脂と
接触する部分としては、スクリュー、シリンダー、ノズ
ル、チェックリング、ダイス、金型などが挙げられ、そ
の材質は特に限定されない。本発明では、上記のような
溶融樹脂と接触する部分の全てが表面処理されているこ
とが望ましいが、その一部、例えばスクリューのみが表
面処理されていてもよい。
【0016】表面を処理する方法としては、硬質クロム
メッキ処理、チタンカーバイド処理、窒化チタン処理な
どが挙げられる。具体的には、 (i)硬質クロムメッキ処理;例えば、鉛または鉛合金
の不溶性陽極を用い、クロム酸に少量の硫酸を含むメッ
キ液で直流を用いてメッキする。 (ii)チタンカーバイド処理;例えば、1000°C程
度の高い温度で減圧反応炉にTiCl4,H2,CH4
COなどの反応ガスを導入し、TiCを母材表面に析出
させるCVD処理により行なう。 (iv)窒化チタン処理 例えば、イオンプレーティングなどのPVD処理やCV
D処理により、母材表面に高硬度のTiNを数ミクロン
の厚さで被覆させる。
【0017】本発明に係る環状オレフィン系ランダム共
重合体成形体の製造方法において、成形条件は通常の成
形と同様である。なお溶融押出しの際のシリンダーの温
度は、環状オレフィン系ランダム共重合体のガラス転移
温度Tg+50℃〜Tg+200℃、好ましくはTg+
70℃〜Tg+170℃、さらに好ましくはTg+10
0℃〜Tg+150℃の範囲であることが望ましい。
【0018】本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体成形体の製造方法に用いられる環状オレフィン系ラン
ダム共重合体ペレットは、下記一般式[I]または[I
I]で示される環状オレフィン類と、エチレンとの共重
合体からなっており、デカリン中(135℃)で測定し
た極限粘度[η]が0.01〜5dl/g、好ましくは
0.1〜3dl/g、さらに好ましくは0.2〜2.5dl
/gであることが望ましい。また該共重合体の軟化温度
(TMA)は70℃以上、好ましくは70〜250℃、
より好ましくは80〜200℃、特に好ましくは90〜
180℃の範囲にある。
【0019】なお軟化温度(TMA)は、デュポン社製
Thermo Mechanical Analyserを用いて厚さ1mmのシー
トの熱変形挙動により測定した。すなわちシート上に石
英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/分で昇温して
いき、針が0.635mm侵入した温度をTMAとし
た。また、環状オレフィン系ランダム共重合体のガラス
転移温度(Tg)は、通常60〜230℃、好ましくは
70〜190℃の範囲にあることが望ましい。
【0020】この環状オレフィン系ランダム共重合体ペ
レットのX線回析法によって測定した結晶化度は、0〜
10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%
の範囲であることが望ましい。
【0021】また、この環状オレフィン系ランダム共重
合体ペレットでは、エチレンに由来する繰り返し単位
は、40〜90モル%、好ましくは50〜85モル%の
範囲で存在しており、また環状オレフィンに由来する繰
り返し単位は10〜60モル%、好ましくは15〜50
モル%の範囲で存在しており、エチレンに由来する繰り
返し単位および環状オレフィンに由来する繰り返し単位
は、ランダムに実質上線状に配列している。なお、エチ
レン組成および環状オレフィン組成は13C−NMRによ
って測定した。
【0022】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体ペレットは、該ペレット30mg中に含まれる粒径
1μm以上のシクロヘキサン不溶性環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体微粒子の数は、6万個以下、好ましくは
5万個以下、さらに好ましくは3万個以下であることが
望ましい。
【0023】本明細書において、粒径1μm以上のシク
ロヘキサン不溶性環状オレフィン系ランダム共重合体微
粒子の数は、下記のようにして計測される。すなわち、
10ml 中に含まれる粒径1μm以上の微粒子数が20
0個以下であるシクロヘキサンに、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体ペレットを3g/リットルの量で溶解さ
せ、得られたポリマー溶液10ml (共重合体含量30
mg)中に含まれる粒径1μm以上の微粒子を微粒子カ
ウンター(リオン社製:KL−01型、KS−60型セ
ンサーを用いて測定)で計測する。
【0024】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体ペレットは、後述する環状オレフィン系ランダム共
重合体を押出機でペレット化する際に、該共重合体に大
きな剪断力がかからないようにしてペレット化し、さら
に必要に応じてペレット化の際に生成した粒径1μm以
上のシクロヘキサン不溶性環状オレフィン系ランダム共
重合体微粒子(以下「不溶性微粒子」ということがあ
る)を押出機出口側に設置したフィルターで濾過除去す
ることにより製造することができる。さらに詳しくは、
たとえば、該共重合体パウダーもしくは、該共重合体濃
厚溶液を押出機により該共重合体のガラス転移温度(T
g)以上で溶融押出しを行い、金属不織布のフィルター
を通した後、ペレタイザーでカッティングすることによ
り、環状オレフィン系ランダム共重合体ペレットを製造
することができる。この際、押出機中で生成する不溶性
微粒子を低減させる方法としては、たとえば押出機へ送
られる該共重合体パウダー、もしくは該共重合体の濃厚
溶液を前もってTg付近の温度まで加熱しておく方法、
押出機ベント部の温度を充分高温にしておく方法、フィ
ルターの濾過効率を向上させるための差圧をあまり大き
くしないような条件で押出す方法などが挙げられる。
【0025】すなわち本発明で用いられる環状オレフィ
ン系ランダム共重合体ペレット中に含まれる粒径1μm
以上のシクロヘキサン不溶性環状オレフィン系ランダム
共重合体微粒子は、重合工程で得られる環状オレフィン
系ランダム共重合体中にはほとんど含まれておらず、こ
のような不溶性微粒子は、重合工程で得られた環状オレ
フィン系ランダム共重合体を溶融してペレット状に成形
する際に、該共重合体に大きな剪断力がかかることによ
って生成すると考えられる。ちなみに、重合工程で得ら
れる粒径1μm以上のシクロヘキサン不溶性環状オレフ
ィン系ランダム共重合体微粒子の数は、約600個/1
00mg程度である。したがって重合工程で得られた環
状オレフィン系ランダム共重合体パウダーをペレット化
する際に、環状オレフィン系ランダム共重合体に大きな
剪断力がかからないような条件を採用し、しかも生成し
た不溶性微粒子をポリマーフィルターなどによって除去
することにより、環状オレフィン系ランダム共重合体ペ
レット中に含まれる粒径1μm以上の不溶性微粒子の数
を少なくすることができる。
【0026】本発明で用いられる環状オレフィン系ラン
ダム共重合体ペレットを形成する環状オレフィン系ラン
ダム共重合体は、エチレン(a)に由来する繰り返し単
位と、下記式[I]または[II]で表される環状オレフ
ィン(b)に由来する繰り返し単位とから形成されてい
る。ここで環状オレフィンは、2種類以上含有していて
もよい。
【0027】以下に、下記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンについて具体的に説明する。
【0028】
【化5】
【0029】式[I]中、nは0または1であり、mは
0または正の整数であり、qは0または1である。なお
qが1の場合には、qを用いて表される環は員環とな
り、qが0の場合にはこの環は5員環となる。
【0030】R1 〜R18ならびにRa およびRb は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基である。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0031】また炭化水素基としては、通常、炭素原子
数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル
基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的に
は、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基など
が挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換
されていてもよい。
【0032】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル
基、ナフチル基などが挙げられる。さらに上記式[I]
において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR
17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR
16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単
環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのよ
うにして形成された単環または多環が二重結合を有して
いてもよい。ここで形成される単環または多環として
は、具体的に以下のようなものが挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。このようなアル
キリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデ
ン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例と
しては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロ
ピリデン基が挙げられる。
【0035】
【化7】
【0036】式[II]中、pおよびqは0または正の整
数であり、mおよびnは0、1または2である。また、
1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0037】ここでハロゲン原子は、上記式[I]中の
ハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、
通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3
〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙
げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル
基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0038】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール
基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基などが挙げられる。
【0039】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R9
およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合して
いる炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、
直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して
結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子が
アルキレン基を介して結合している場合には、R9 とR
13とが、または、R10とR 11とが互いに共同して、メチ
レン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレ
ン基(-CH2CH2CH2-) の内のいずれかのアルキレン基を形
成している。
【0040】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のとき、R15とR12とにより形成される以下のような芳
香族環が挙げられる。
【0041】
【化8】
【0042】ここで、qは式[II]におけるqと同じで
ある。上記のような式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ-2- ヘプ
テン誘導体(ビシクロヘプト-2- エン誘導体)、トリシ
クロ-3- デセン誘導体、トリシクロ-3- ウンデセン誘導
体、テトラシクロ-3- ドデセン誘導体、ペンタシクロ-4
- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン
誘導体、ペンタシクロ-3- ペンタデセン誘導体、ペンタ
シクロ-3- ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-4- ヘキ
サデセン誘導体、ヘキサシクロ-4- ヘプタデセン誘導
体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ
-4- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5- ヘンエイコセ
ン誘導体、オクタシクロ-5- ドコセン誘導体、ノナシク
ロ-5- ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6- ヘキサコセ
ン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加
物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘
導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアン
トラセン誘導体などが挙げられる。
【0043】以下に上記のような式[I]または[II]
で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】
【化22】
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】また本発明で用いられる環状オレフィン系
ランダム共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で
必要に応じて上記のようなエチレン(a)または環状オ
レフィン(b)以外の他の共重合可能なモノマーから誘
導される構成単位を20モル%以下、好ましくは10モ
ル%以下の量で含有していてもよい。
【0066】このような他のモノマーとして具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテ
ン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オ
クテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ
キサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素
数3〜20のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペ
ンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテ
ン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2- メチルブチル)-1-
シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒ
ドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィ
ン、2-ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エ
チル-2-ノルボルネン、5-イソプロピル-2-ノルボルネ
ン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イソブチル-2-ノル
ボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネン、5-クロロ-2-
ノルボルネン、5-フルオロ-2-ノルボルネンなどのノル
ボルネン類、1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類
を挙げることができる。
【0067】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。このような
環状オレフィン系ランダム共重合体において、前記式
[I]または[II]で表される環状オレフィンから導か
れる構成単位は下記式[III]または[IV]で表される
構造の繰り返し単位を形成していると考えられる。
【0068】
【化30】
【0069】(式[III]中、m、n、qおよびR1〜R
18ならびにRa、Rbは前記式[I]における定義と同様
である。)
【0070】
【化31】
【0071】(式[IV]中、n、m、p、qおよびR1
〜R19は前記式[II]における定義と同様である。) 環状オレフィン系ランダム共重合体は、エチレン(a)
に由来する繰り返し単位は、40〜90モル%、好まし
くは50〜85モル%の範囲で存在しており、また環状
オレフィン(b)に由来する繰り返し単位は10〜60
モル%、好ましくは15〜50モル%の範囲で存在して
おり、エチレン(a)に由来する繰り返し単位および環
状オレフィン(b)に由来する繰り返し単位は、ランダ
ムに実質上線状に配列している。
【0072】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、0.01〜5dl/g、好ましくは0.1〜3dl
/g、特に好ましくは0.2〜2.5dl/gの範囲にあ
る。
【0073】また環状オレフィン系ランダム共重合体の
軟化温度(TMA)は、70℃以上、好ましくは70〜
250℃、さらに好ましくは80〜200℃、特に好ま
しくは90〜180℃範囲にある。環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常60
〜230℃、好ましくは70〜190℃の範囲にあるこ
とが望ましい。260℃における2.16kg荷重での
MFRが0.1〜200g/10分、好ましくは0.5
〜50g/10分の範囲であることが望ましい。
【0074】この環状オレフィン系ランダム共重合体の
X線回析法によって測定した結晶化度は、0〜10%、
好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲で
ある。
【0075】本発明で用いられる環状オレフィン系ラン
ダム共重合体は、たとえば、エチレン(a)と上記環状
オレフィン(b)とを、炭化水素媒体または該環状オレ
フィン中で、炭化水素可溶性バナジウム化合物とハロゲ
ン含有有機アルミニウム化合物とから形成される触媒
(イ)またはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含むIV族またはランタニドの遷移金属化合物と有機ア
ルミニウムオキシ化合物と必要に応じて有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒(ロ)の存在下で重合させるこ
とにより製造することができる。
【0076】このような重合方法自体はすでに公知であ
り、特開昭60−168708号公報、特開昭61−1
20816号公報、特開昭61−115912号公報、
特開昭61−115916号公報、特願昭61−959
05号明細書、特願昭61−95906号明細書、特開
昭61−271308号公報、特開昭61−27221
6号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭6
2−252407号公報などにおいて本出願人が提案し
た方法に従い適宜条件を選択することにより、製造する
ことができる。
【0077】具体的には、たとえば、連続重合装置を用
いてシクロヘキサン媒体中において、環状オレフィンと
してテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン
(以下「TCD−3」と略記することがある)を用い、
触媒としてVO(OCH2CH3)Cl2/Al(CH2
31.5Cl1.5を用い、反応温度10℃、反応時間
(重合反応滞留時間)30分でエチレンとTCD−3の
共重合反応を行う条件を採用することにより製造するこ
とができる。
【0078】環状オレフィン系ランダム共重合体は、パ
ウダーとして得られ、必要に応じて安定剤などが配合さ
れ、ペレット化される。本発明で用いられる環状オレフ
ィン系ランダム共重合体ペレットを形成する環状オレフ
ィン系ランダム共重合体は、上記の環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体のほかに、同種または異種の環状オレフ
ィン単量体を開環して得られる環状オレフィン開環重合
体、開環共重合体またはそれらの水素添加物であっても
よい。
【0079】このような環状オレフィンの開環重合体ま
たは開環共重合体は、上記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンから誘導される構成単位からなり、
該構成単位の少なくとも一部は、下記式[V]または
[VI]で表される。
【0080】
【化32】
【0081】ただし上記式[V]において、n、m、
q、R1 〜R18ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意
味である。
【0082】
【化33】
【0083】ただし上記式[VI]において、n、m、
p、q、R1 〜R19は式[II]と同じ意味である。この
ような開環重合体または開環共重合体は、前記公報に開
示された製造方法により製造することができ、これらの
うちでも、上記式[I]で表される環状オレフィンを開
環重合触媒の存在下に、重合または共重合させることに
より製造することができる。
【0084】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる
触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムま
たはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物ま
たはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合
物とからなる触媒を用いることができる。
【0085】本発明で用いることのできる開環重合体ま
たは開環共重合体の水素化物は、上記のようにして得ら
れる開環重合体または開環共重合体を、従来公知の水素
添加触媒の存在下に水素化して得られる。
【0086】この開環重合体または開環共重合体の水素
化物において、式[I]または[II]で表される環状オ
レフィンから誘導される構成単位のうち、少なくとも一
部は下記式[VII]または[VIII]で表される。
【0087】
【化34】
【0088】ただし上記式[VII]において、n、m、
q、R1 〜R18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意
味である。
【0089】
【化35】
【0090】ただし上記式[VIII]において、n、m、
p、q、R1 〜R19は式[II]と同じ意味である。この
ような開環重合体、開環共重合体、これらの水素添加物
の例として、テトラシクロドデセンとノルボルネンおよ
びそれらの誘導体との開環共重合体、およびその水素添
加物を挙げることができる。
【0091】なお、上記のような開環重合体、開環共重
合体、これらの水素添加物、および環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体(以下、これらを総称して「環状オレフ
ィン系樹脂」という。)の一部が無水マレイン酸等の不
飽和カルボン酸等で変性されていてもよい。このような
変性物は、上記のような環状オレフィン系樹脂と、不飽
和カルボン酸、これらの無水物、および不飽和カルボン
酸のアルキルエステル等の誘導体とを反応させることに
より製造することができる。
【0092】なお、この場合の環状オレフィン系樹脂の
変性物中における変性剤から導かれる構成単位の含有率
は、通常は50〜10モル%以下である。このような不
飽和カルボン酸またはその誘導体などの変性剤を、上記
環状オレフィン系樹脂にグラフト共重合して変性物を製
造するには、従来公知の種々の方法を採用することがで
きる。たとえば環状オレフィン系樹脂を溶融させ変性剤
を添加してグラフト共重合させる方法あるいは溶媒に溶
解させ変性剤を添加してグラフト共重合させる方法があ
る。いずれの場合にも、前記変性剤を効率よくグラフト
共重合させるためには、後述するようなラジカル開始剤
の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフト反
応は、通常60〜350℃の温度で行われる。
【0093】このような環状オレフィン系樹脂変性物
は、所望の変性率になるように環状オレフィン系樹脂に
変性剤を配合してグラフト重合させて製造することもで
きるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変
性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合すること
によっても製造することができる。
【0094】本発明では、上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体、開環重合体、開環共重合体、およ
びこれらの水素添加物、ならびにこれらの変性物は、単
独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0095】また本発明においては、上記のような環状
オレフィン系樹脂の他に、所望により、軟化温度(TM
A)が70℃未満である他の環状オレフィン系樹脂を配
合して用いてもよい。
【0096】本発明では、環状オレフィン系ランダム共
重合体を成形する際に、上記環状オレフィン系ランダム
共重合体に、衝撃強度を向上させるためのゴム成分を配
合したり、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリ
ップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、
顔料、天然油、合成油、ワックスなどを配合することが
でき、その配合割合は適宜量である。
【0097】たとえば、任意成分として配合される安定
剤として具体的には、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ
-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プ
ロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス
[エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;
トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、オクチル-ジフェニルホ
スファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホス
ファイトなどの有機ホスファイト系安定剤;ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステ
アリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グ
リセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等の
グリセリン脂肪酸エステル;ペンタエリスリトールモノ
ステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、
ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリ
トールジラウレート、ペンタエリスリトールトリステア
レートなどのペンタエリスリトールの脂肪酸エステルな
どの多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げること
ができる。
【0098】これらは単独で配合してもよいが、組み合
わせて配合してもよく、たとえば、テトラキス[メチレ
ン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)ホスファイト、ステアリン酸亜鉛およびグリセリン
モノステアレートとの組合せなどを例示することができ
る。
【0099】このようなフェノール系酸化防止剤は、環
状オレフィン系共重合体100重量部に対して0〜10
重量部、好ましくは0〜5重量部、さらに好ましくは0
〜2重量部の量で用いられ、有機ホスファイト系安定剤
は、環状オレフィン系共重合体100重量部に対して0
〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、さらに好まし
くは0〜2重量部の量で用いられ、脂肪酸金属塩は、環
状オレフィン系共重合体100重量部に対して0〜10
重量部、好ましくは0〜5重量部、さらに好ましくは0
〜2重量部の量で用いられ、多価アルコールの脂肪酸エ
ステルは環状オレフィン系共重合体100重量部に対し
て0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の量で用い
られる。
【0100】さらに本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、環状オレフィン系ランダム共重合体
にシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バ
リウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、
アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリ
プロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維な
どの充填剤を配合してもよい。
【0101】
【発明の効果】本発明によると、エチレンと特定の環状
オレフィンとからなる環状オレフィン系ランダム共重合
体ペレットを溶融成形した際に、成形体に含まれる焼け
焦げなどの異物の量を低減させることができ、透明性に
優れた成形体が得られる。
【0102】たとえば光ディスク基板を製造した場合
に、基板に起因する読み取りエラーを減少させることが
でき、また、透明フィルムを製造した場合に、透明性を
極めて向上させることができる。
【0103】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0104】
【実施例1】エチレンと、テトラシクロ[4,4,0,12.5,1
7.10]-3-ドデセン(TCD−3)とからなる環状オレフ
ィン系ランダム共重合体のパウダー(エチレン含量62
モル%、TMA;148℃、MFR260 ;35g/10
分、極限粘度[η];0.47dl/g、Tg;150
℃)100重量部に対して、安定剤として、テトラキス
[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン(日本チバガイギー(株)
製イルガノックス 1010)0.6重量部、トリス
(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(日本チバ
ガイギー(株)製フォスファイト 168)0.25重
量部、ステアリン酸モノグリセライド0.6重量部、ス
テアリン酸亜鉛0.02重量部を添加し、二軸押出機を
用いて設定温度260℃で混練ペレット化した。
【0105】このペレットを用い、スクリュー表面が硬
質クロムメッキされた射出成形機(東洋精機金属(株)
製TU−05型)にて射出成形試験を行った。設定温度
330℃で1時間射出成形を行った後、スクリュー回転
を止め15時間樹脂を成形機内に滞留させた。その後、
スクリューを引抜き、スクリュー表面に付着した焼け焦
げの状況およびスクリュー廻りの樹脂の状況を観察し
た。
【0106】結果を表1に示す。
【0107】
【実施例2、3】実施例1において、表面が表1に示す
方法で処理されたスクリューを用いた以外は、実施例1
と同様にして射出成形を行い、スクリュー表面に付着し
た焼け焦げの状況およびスクリュー廻りの樹脂の状況を
観察した。
【0108】結果を表1に示す。
【0109】
【比較例1、2】実施例1において、表1に示す材質の
スクリューを用いた以外は、実施例1と同様にして射出
成形を行い、スクリュー表面に付着した焼け焦げの状況
およびスクリュー廻りの樹脂の状況を観察した。
【0110】結果を表1に示す。
【0111】
【比較例3】実施例1において、表面が表1に示す方法
で処理されたスクリューを用いた以外は、実施例1と同
様にして射出成形を行い、スクリュー表面に付着した焼
け焦げの状況およびスクリュー廻りの樹脂の状況を観察
した。
【0112】結果を表1に示す。
【0113】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレンと、(b)下記式[I]ま
    たは[II]で表される環状オレフィンとを共重合してな
    る軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィ
    ン系ランダム共重合体ペレットを成形加工機で溶融成形
    するに際して、 溶融樹脂と接触する部分の表面が下記(i)〜(iii)
    からなる群から選ばれる1種の方法で処理されている成
    形加工機を用いることを特徴とする環状オレフィン系ラ
    ンダム共重合体成形体の製造方法: (i)硬質クロムメッキ処理 (ii)チタンカーバイド処理 (iii)窒化チタン処理 【化1】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18なら
    びにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18は、互
    いに結合して単環または多環を形成していてもよく、か
    つ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、ま
    たR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい)、 【化2】 (式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1 〜R19
    それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水
    素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアル
    コキシ基であり、R9 またはR10が結合している炭素原
    子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合し
    ている炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3の
    アルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m
    =0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結
    合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよ
    い)。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000169621A (ja) * 1998-12-11 2000-06-20 Mitsui Chemicals Inc 環状オレフィン系樹脂成形体の処理方法
JP2000289067A (ja) * 1999-04-09 2000-10-17 Japan Crown Cork Co Ltd 射出成形における材料焼け防止方法

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