JP2000169621A - 環状オレフィン系樹脂成形体の処理方法 - Google Patents
環状オレフィン系樹脂成形体の処理方法Info
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Abstract
たは流動化させることのできる環状オレフィン系樹脂成
形体の処理方法を提供すること。 【解決手段】 環状オレフィン系樹脂成形体の処理方法
は、環状オレフィン系樹脂からなる成形体と、液状炭化
水素化合物とを接触させて、環状オレフィン系樹脂を軟
化または流動化させる。
Description
体の処理方法に関し、さらに詳しくは、環状オレフィン
系樹脂成形体を軟化または流動化させる環状オレフィン
系樹脂成形体の処理方法に関するものである。
性、耐熱性、剛性、低複屈折性、防湿性などに優れ、射
出成形体、シート、フィルム、中空成形体などの素材と
して使用されている。近年、環境問題、資源問題から、
樹脂の廃棄処理または再利用が求められている。しかし
ながら環状オレフィン系樹脂は、剛性が高いため圧縮に
よる減容が困難であり、廃棄物の保管にスペースを要す
るという問題があった。また、環状オレフィン系樹脂の
再利用するための方法が求められている。
てなされたものであって、環状オレフィン系樹脂形成体
の処理方法を提供することを目的としている。
体の処理方法は、下記(A-1) 、(A-2) 、(A-3) および(A
-4) よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレ
フィン系樹脂からなる成形体と、液状炭化水素系化合物
とを接触させて、環状オレフィン系樹脂を軟化または流
動化させることを特徴としている; (A-1) エチレンと下記一般式(I)または(II)で表さ
れる環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン
・環状オレフィンランダム共重合体 (A-2) 下記一般式(I)または(II)で表される環状オ
レフィンの開環重合体または共重合体、 (A-3) 上記(A-2) 開環重合体または共重合体の水素化
物、および (A-4) 上記(A-1) 、(A-2) または(A-3) のグラフト変性
物
たは正の整数であり、kは0または1であり、R1 〜R
18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよ
く、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよ
く、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキ
リデン基を形成していてもよい。)
数であり、rおよびsは0、1または2であり、R21〜
R39はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族
炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基また
はアルコキシ基であり、R29(またはR30)が結合して
いる炭素原子と、R33またはR31が結合している炭素原
子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介し
て結合していてもよく、また、r=s=0のときR35と
R32またはR35とR39とは互いに結合して単環または多
環の芳香族環を形成していてもよい。)。
ン系樹脂成形体の処理方法について具体的に説明する。
の処理方法は、環状オレフィン系樹脂からなる成形体
と、液状炭化水素系化合物とを接触させて環状オレフィ
ン系樹脂を軟化または流動化させる。
する環状オレフィン系樹脂は、(A-1) エチレンと下記一
般式(I)または(II)で表される環状オレフィンとを
共重合させて得られるエチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体(A-2) 下記一般式(I)または(II)で表さ
れる環状オレフィンの開環重合体または共重合体、(A-
3) 上記(A-2) 開環重合体または共重合体の水素化物、
および(A-4) 上記(A-1) 、(A-2) または(A-3) のグラフ
ト変性物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状
オレフィン系樹脂である。
に使用される単量体である一般式(I)または(II)で
表される環状オレフィンについて説明する。環状オレフ
ィン系樹脂を調製するために使用される環状オレフィン
は下記一般式(I)または(II)で表すことができる。
り、mは0または正の整数であり、kは0または1であ
る。なおkが1の場合には、Ra およびRb は、それぞ
れ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、kが0
の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成
する。
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数
3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基を挙げ
ることができる。より具体的には、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基およびオクタデシル基を挙げることができ、シ
クロアルキル基としては、シクロヘキシル基を挙げるこ
とができ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナ
フチル基などを挙げることができる。これらの炭化水素
基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環
を形成していてもよく、しかもこのようにして形成され
た単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここ
で形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
が付された炭素原子は、上記一般式(I)においてそれ
ぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭
素原子を示している。
でアルキリデン基を形成していてもよい。このようなア
ルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリ
デン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例
としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプ
ロピリデン基を挙げることができる。
は正の整数であり、rおよびsは0、1または2であ
る。またR21〜R39は、それぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基として
は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基
を挙げることができる。より具体的には、アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基およびオクタデシル基を挙げることができ、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基を挙げる
ことができ、芳香族炭化水素基としては、アリール基お
よびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル
基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基な
どを挙げることができる。アルコキシ基としては、メト
キシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げるこ
とができる。
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
で置換されていてもよい。ここで、R29およびR30が結
合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子ま
たはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭
素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していても
よい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介
して結合している場合には、R29およびR33で表される
基が、またはR30およびR31で表される基が互いに共同
して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH2-)また
はプロピレン基(-CH2CH2CH2-) のうちのいずれかのアル
キレン基を形成している。
たはR35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環として、たとえば下記のようなr=s=0
のときR35とR32がさらに芳香族環を形成している基を
挙げることができる。
意味である。上記のような一般式(I)または(II)で
示される環状オレフィンを、より具体的に下記に例示す
る。
フィンの例としては、
(=ノルボルネン)(上記式中において、1〜7の数字
は、炭素の位置番号を示す。)およびこの化合物に炭化
水素基が置換した誘導体を挙げることができる。
ジメチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブ
チル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5
-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-(イソ
プロピルフェニル)、5-(ビフェニリル)、5-(β-ナフ
チル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントリル)、5,6-ジフ
ェニルのような基を例示することができる。
ジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10
a-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]-
2-ヘプテン誘導体を例示することができる。
セン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5
-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリ
シクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.
0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
7,10]-3-ドデセン(上記式中において、1〜12の数
字は、炭素の位置番号を示す。)およびこれに炭化水素
基が置換した誘導体ならびに水素原子の少なくとも一部
が他の原子で置換された化合物を挙げることができる。
8-メチル、8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブ
チル、8-ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、
5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチ
ル-9-メチル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7
-ジメチル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,1
1,12-トリメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブ
チル-11,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチ
リデン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチ
ル、8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブ
チル、8-n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチ
ル、8-n-プロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-
イソプロピル、8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプ
ロピリデン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプ
ロピリデン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロ
ピル、8-イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブ
ロモ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチ
ル-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフ
ェニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニ
ル、8-(ビフェニリル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-
ナフチル)、8-(アントリル)、5,6-ジフェニル等の基ま
たは原子を例示することができる。
フチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物など
のテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導
体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタ
デセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタ
シクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセンおよ
びその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]
-4-ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ[6.
6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセンおよびそ
の誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.0
3,8.012,16]-5-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシ
クロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイ
コセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.1
4,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセンおよびその
誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.1
13,16.03,8.012,17]-5-ドコセンおよびその誘導体、ノ
ナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.0
12,21.014,19]-5-ペンタコセンおよびその誘導体などを
挙げることができる。
る環状オレフィンの具体例は上記の通りであるが、これ
ら化合物のより具体的な構造については、本出願人の出
願に係る特開平7−145213号明細書の段落番号
[0032]〜[0054]に示されており、本発明に
おいてもここに例示されるものを環状オレフィンとして
使用することができる。
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダ
ー反応により製造することができる。
は2種以上組み合わせて用いることができる。環状オレ
フィン系樹脂は、上記のような一般式(I)または(I
I)で表される環状オレフィンを用いて、たとえば特開
昭60−168708号、同61−120816号、同
61−115912号、同61−115916号、同6
1−271308号、同61−272216号、同62
−252406号および同62−252407号などの
公報において本出願人が提案した方法に従い、適宜条件
を選択することにより製造することができる。
共重合体は、エチレンと上記環状オレフィンとがランダ
ムに結合した共重合体であり、エチレンから誘導される
構成単位を通常は20〜95モル%、好ましくは30〜
90モル%の割合で、そして、環状オレフィンから誘導
される構成単位を通常は5〜80モル%、好ましくは1
0〜70モル%の割合で含有している。なおエチレンか
ら誘導される構成単位および環状オレフィンから誘導さ
れる構成単位の組成比は、13C−NMRによって測定さ
れる。
ダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導され
る構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位と
が、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有
している。この共重合体が実質的に線状であって、実質
的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合
体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含ま
れていないことにより確認することができる。たとえば
極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135
℃のデカリンに完全に溶解することにより確認すること
ができる。
共重合体において、上記一般式(I)または(II)で表
される環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一般式
(III)または(IV)で示される繰り返し単位を構成し
ていると考えられる。
およびR1 〜R18ならびにRa およびRb は一般式
(I)と同じ意味である。
s、およびR21〜R39は一般式(II)と同じ意味であ
る。また(A-1) エチレン・環状オレフィンランダム共重
合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて
他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位を有
していてもよい。
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的には、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセンおよび1-エイコセンなどの直鎖状または分岐状の
炭素原子数3〜20のα−オレフィン;シクロブテン、
シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロ
ペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチ
ル)-1-シクロヘキセンおよびシクロオクテン、3a,5,6,7
a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロ
オレフィン;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエ
ン、ジシクロペンタジエンおよび5-ビニル-2-ノルボル
ネンなどの非共役ジエン類を挙げることができる。
組み合わせて用いることができる。(A-1) エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記のような
他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20モ
ル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されて
いてもよい。
共重合体は、エチレンと前記一般式(I)または(II)
で表される環状オレフィンとを用いて上記公報に開示さ
れた製造方法により製造することができる。これらのう
ちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行い、触媒とし
て該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有
機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いて(A-
1) エチレン・環状オレフィンランダム共重合体を製造
することが好ましい。
ロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状4族
メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニウム
オキシ化合物と、必要により配合される有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒である。ここで4族の遷移金属
としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであ
り、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペンタ
ジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、シク
ロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはアルキ
ル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基また
はインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロオレ
ニル基を挙げることができる。これらの基は、アルキレ
ン基など他の基を介して結合されてもよい。また、シク
ロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位子は、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン等である。
び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の
製造に使用されるものを用いることができる。このよう
な固体状4族メタロセン系触媒については、例えば特開
昭61−221206号、同64−106号および特開
平2−173112号公報等に記載されている。
開環共重合体において、上記一般式(I)または(II)
で表される環状オレフィンの少なくとも一部は、下記一
般式(V)また(VI)で表される繰り返し単位を構成し
ていると考えられる。
よびR1 〜R18ならびにRa およびRb は前記一般式
(I)と同じ意味である。
sおよびR21〜R39は前記一般式(II)と同じ意味であ
る。このような開環重合体または開環共重合体は、前記
公報に開示された製造方法により製造することができ、
例えば、上記一般式(I)で表される環状オレフィンを
開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させること
により製造することができる。
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金のような金属の、ハロゲン化物、硝酸塩また
はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、
あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモ
リブテンのような金属の、ハロゲン化物またはアセチル
アセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる
触媒を用いることができる。
物は、上記のようにして得られる開環重合体または共重
合体(A-2) を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素
化して得られる。
素化物において、前記一般式(I)または前記一般(I
I)で表される環状オレフィンのうち少なくとも一部
は、下記一般式(VII)または(VIII)で表される繰り
返し単位を有していると考えられる。
およびR1 〜R18ならびにRa およびRb は前記一般式
(I)と同じ意味である。
r、s、R21〜R39は前記一般式(II)と同じ意味であ
る。(A-4) 環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、
上記エチレン・環状オレフィンランダム共重合体(A-1)
のグラフト変性物、上記環状オレフィンの開環重合体ま
たは共重合体(A-2) のグラフト変性物、あるいは上記開
環重合体または共重合体の水素化物(A-3) のグラフト変
性物である。
ン酸類が用いられる。ここで使用される不飽和カルボン
酸類の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびエンドシス
-ビシクロ[2.2.1] ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸、ならびに、
これらの不飽和カルボン酸の誘導体、たとえば不飽和カ
ルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カ
ルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和
カルボン酸のエステル化合物などを挙げることができ
る。
例としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化
マレニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどを挙げること
ができる。
ジカルボン酸およびα,β−不飽和ジカルボン酸無水
物、たとえばマレイン酸、ナジック酸およびこれら酸の
無水物が好ましく用いられる。これらの変性剤は、2種
以上を組合わせて用いることもできる。
おける変性率は、10モル%以下であることが望まし
い。このような環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物
は、所望の変性率になるように環状オレフィン系樹脂に
変性剤を配合してグラフト重合させて製造することもで
きるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変
性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合すること
により製造することもできる。
オレフィン系樹脂のグラフト変性物を得るには、従来公
知のポリマーの変性方法を広く適用することができる。
たとえば溶融状態にある環状オレフィン系樹脂に変性剤
を添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは
環状オレフィン系樹脂の溶媒溶液に変性剤を添加してグ
ラフト反応させる方法などによりグラフト変性物を得る
ことができる。
50℃の温度で行われる。またグラフト反応は、有機過
酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の共存下
に行うことができる。
うな(A-1) 、(A-2) 、(A-3) および(A-4) からなる群よ
り選ばれる1種の環状オレフィン系樹脂から形成されて
いてもよく、また前記群より選ばれる2種以上の環状オ
レフィン系樹脂の組成物から形成されていてもよい。
トフローレート(MFR;ASTMD1238、260
℃、2.16kg荷重下)は、0.01〜200g/10
分、好ましくは0.1〜100g/10分の範囲にあり、
軟化点温度(TMA;サーマル・メカニカルアナライザ
ーで測定)は、30℃以上、好ましくは70℃以上であ
り、X線回折法によって測定される結晶化度は、通常は
0〜20%、好ましくは0〜2%である。
成形体には、たとえば光学材料などの射出成形体、ボト
ルなどの中空成形体、シート、フィルムなどがある。な
お、このような環状オレフィン系樹脂成形体は、上記環
状オレフィン系樹脂と、他の樹脂、金属等とから形成さ
れていてもよい。
1気圧下で液体状の炭化水素化合物であり、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、デカリンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;メチレンクロリ
ド、クロロホルム、四塩化炭素、モノクロルエタン、ジ
クロルエタン、トリクロルエタン、テトラクロルエタ
ン、クロルベンゼン、ジクロベンゼンなどのハロゲン含
有炭化水素などが挙げられる。
ン系炭化水素化合物を挙げることができる。テルペン系
炭化水素化合物は、2個以上のイソプレンが頭尾結合す
ることにより形成される化合物であって、ミルセン、オ
シメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、フェラ
ンドレン、シルベストレン、サピネン、カレン、ピネ
ン、カンフェン、トリシクレン、フェンチェン、ビサボ
レン、ジンギベレン、クルクメン、カジネン、セスキベ
ニヘン、サンタレン、カリオフィレン、セドレン、ロン
ギホレン、カンホレン、ホドカルプレン、ミレン、フィ
ロクレデン、トタレン、スクアランなどが挙げられる。
テルペン系炭化水素化合物が好ましく、リモネン、ミル
センなどが特に好ましい。これらの液状炭化水素系化合
物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いること
ができる。
理方法は、前記環状オレフィン系樹脂からなる成形体と
前記液状炭化水素系化合物とを接触させることにより環
状オレフィン系樹脂を軟化または流動化させる。
状炭化水素系化合物とを接触させる方法としては、成形
体に液状炭化水素系化合物をスプレーなどの方法により
直接吹き付ける方法、成形体に液状炭化水素系化合物を
注ぎ掛ける方法、成形体を液状炭化水素系化合物中に浸
漬する方法などがある。これらの方法により成形体を形
成する環状オレフィン系樹脂と液状炭化水素化合物とを
接触させ、環状オレフィン系樹脂を軟化または流動化さ
せる。
した成形体は、見掛けの容積が大幅に減少するため、保
管時に広いスペースを必要としない。また、流動化した
環状オレフィン系樹脂を含む液状物は、たとえば濾過な
どの方法により固形分を分離した後、精製することによ
り環状オレフィン系樹脂が回収され、再使用可能とな
る。
状炭化水素系化合物とを接触させる際の液状炭化水素系
化合物の量は、成形体を形成する環状オレフィン系樹脂
が軟化または流動化する量であれば特に限定されない
が、通常成形体を形成する環状オレフィン系樹脂の重量
の0.1〜100倍、好ましくは0.15〜50倍の量
である。環状オレフィン系樹脂からなる成形体と液状炭
化水素系化合物とを接触させる際の温度は、特に限定さ
れないが通常0〜200℃の範囲である。また環状オレ
フィン系樹脂が軟化または流動化するまでの時間は、液
状炭化水素系化合物の種類、環状オレフィン系樹脂の種
類、ガラス転移温度、雰囲気の温度によって異なるが、
通常約1分〜24時間の範囲である。
なる成形体の処理方法は、環状オレフィン系樹脂成形体
を容易に軟化または流動化させることができるので、減
容が可能であり、また環状オレフィン系樹脂成形体から
容易に環状オレフィン系樹脂を回収することができる。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
テトラシクロドデセンとから得られたエチレン・テトラ
シクロドデセンランダム共重合体(サーマルメカニカル
アナライザーで測定した軟化温度:90℃、示差走査型
熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度:80℃、
260℃、2160gの条件で測定したメルトフローレ
ート(MFR):30g/10分)からなる300μmの
厚みのシートを用意し、次いでこのシートをリモネンに
30分浸漬した後、状態変化を観察した。結果を表に示
す。
ン樹脂からなる厚み240μmのシートを中間層とし、
その両側に30μmのポリプロピレン製フィルムがラミ
ネートされてなるシートを用いたこと以外は、実施例1
と同じ方法で評価を行った。
代わりに300μmの厚みの塩化ビニル樹脂製シートを
用いた以外は、実施例1と同じ方法で評価を行った。
代わりに300μmの厚みのポリプロピレン製シートを
用いた以外は、実施例1と同じ方法で評価を行った。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(A-1) 、(A-2) 、(A-3) および(A-
4) よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレ
フィン系樹脂からなる成形体と、液状炭化水素系化合物
とを接触させて、環状オレフィン系樹脂を軟化または流
動化させることを特徴とする環状オレフィン系樹脂成形
体の処理方法; (A-1) エチレンと下記一般式(I)または(II)で表さ
れる環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン
・環状オレフィンランダム共重合体 (A-2) 下記一般式(I)または(II)で表される環状オ
レフィンの開環重合体または共重合体、 (A-3) 上記(A-2) 開環重合体または共重合体の水素化
物、および (A-4) 上記(A-1) 、(A-2) または(A-3) のグラフト変性
物 【化1】 (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
であり、kは0または1であり、R1 〜R18ならびにR
a およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子または炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合
して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環
または多環が二重結合を有していてもよく、またR15と
R16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
していてもよい。) 【化2】 (式中、pおよびqは0または1以上の整数であり、r
およびsは0、1または2であり、R21〜R39はそれぞ
れ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、
脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ
基であり、R29(またはR30)が結合している炭素原子
と、R33またはR31が結合している炭素原子とは直接あ
るいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合してい
てもよく、また、r=s=0のときR35とR32またはR
35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳香族環
を形成していてもよい。)。
Priority Applications (1)
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