JPH0622630B2 - B型肝炎抗原除去用吸着剤 - Google Patents

B型肝炎抗原除去用吸着剤

Info

Publication number
JPH0622630B2
JPH0622630B2 JP61109282A JP10928286A JPH0622630B2 JP H0622630 B2 JPH0622630 B2 JP H0622630B2 JP 61109282 A JP61109282 A JP 61109282A JP 10928286 A JP10928286 A JP 10928286A JP H0622630 B2 JPH0622630 B2 JP H0622630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
plasma
blood
hepatitis
hbag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61109282A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62266072A (ja
Inventor
征助 高島
良介 村山
健 山根
圭一 黒川
俊昭 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP61109282A priority Critical patent/JPH0622630B2/ja
Publication of JPS62266072A publication Critical patent/JPS62266072A/ja
Publication of JPH0622630B2 publication Critical patent/JPH0622630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液(血漿)中に存在するB型肝炎抗原を選
択的に吸着除去する吸着剤に関する。
〔従来の技術〕
今日、B型肝炎抗原(HBAg)保有者は全人口の約2〜3
%と推定され、我国にも約200〜300万人いると言われて
いる。B型肝炎(HB)は主にHBAg保有者の血液の創傷
部への接触によつて感染することが知られているが、か
かるHBに罹患すると約10%が慢性肝炎、さらには肝
硬変症、肝ガンという重篤な疾病に進行することがある
といわれている。しかしながら、現段階では、HBを発
病し漫性肝炎に移行した患者の根本的な治療法は確立さ
れておらず、難病の1つとされている。
HBウイルスが肝細胞に感染すると、急性感染状態では
一過性に、漫性感染状態では持続的に血液中にHBAgが放
出される。従って、HBに感染しているか否かは患者の
血液中のHBAgを検出することにより知ることが出来る。
HBAgは、約300万の分子量を有し、脂質と蛋白質から
成り立つている。形態学的にはHBAg(+)血漿に多量に含
有される平均20nm前後の球状粒子、球状粒子と球状粒子
が融合した管状粒子および直径27nmの芯(core)を有
する大型球状粒子(Dane粒子、直径24nm)の3種類の共
通抗原が認められており、この3種類の共通抗原をHBsA
gDane粒子の芯の抗原をHBcAgと呼んでいる。
また、HBsAg、HBcAgとは別に独立した分子量が数10万
の蛋白質で構成されているHBeAgが存在する。このHBeAg
はとくに感染性が強く、慢性肝炎や肝硬変症への移行と
密接な関係を有しているといわれている。
最近、慢性肝炎患者の血液中のHBAgを低濃度化すること
によって免疫療法に著効が認められるとの指摘もあり
(西原利治他:人工臓器14,1762-1765,1985)、血液中
のアルブミンやグロブリンなど有用成分の損失を少量に
とどめ、HBAgを効率的に除去する方法の早急な完成が望
まれている。
HBAg不活性化法としては、従来、次のような処理法が採
用されている。
(1) 加熱処理法 血漿を60℃で10時間加熱処理する。
(2) 薬剤処理法 血漿をグルタルアルデヒド、次亜塩素酸ソーダなどの薬
剤で処理する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来のHBAg不活性化法では血液(血漿)
中のアルブミン、グロブリン、フイブリノーゲンなどの
有用な成分が熱あるいは薬剤で変性するという問題があ
った。また、現在輸血用の血漿の製造法として広く採用
されている加熱処理法は処理に長時間を要するため効率
的でないという問題もあった。
さらに、最近、表面に抗体を固定した吸着剤を用い、抗
原−抗体反応によりHBAgを除去しようとする試みがなさ
れている(大城 孟他:人工臓器14,608-611,1984)。
しかしながら、この方法は、抗体を固定化させる操作が
煩雑で、しかも吸着剤が高価であり、実用的な方法であ
るとは言い難い。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点のないHBAg除去法として、酸
性基を有する粒状体を吸着剤として用いる吸着法が、HB
Agの効果的な吸着除去法であることを見出し、先に特願
昭60-67270号として特許出願したが、さらに検討を重
ね、弱酸性陽イオン交換樹脂がHBAgを選択的に吸着し、
しかも血液(血漿)中の蛋白質等を変性、損失させない
良好な吸着剤であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、弱酸性陽イオン交換樹脂からなるB
型肝炎抗原除去用吸着剤である。
本発明に使用される陽イオン交換樹脂は弱酸性であるこ
とが必要であり、このような弱酸性イオン交換樹脂とし
ては、例えば 等の基を少くとも表面に有するカルボン酸型の陽イオン
交換樹脂をあげることができる。しかしながら、あまり
の弱酸ではHBsAgの吸着能に乏しく、またあまりの強酸
では血漿中のアルブミン、グロブリン、フイブリノーゲ
ンなどの変性、損失が起りやすいので、プロトン数が
(2〜25)×1019個/吸着剤(g)(さらに好ましくは(5
〜25)×1019個/吸着剤(g))の範囲にあることが望ま
しい。
本発明の吸着剤は、全血をそのまま接触させることもで
きるが、予め血漿分離装置等で分離した血漿だけを接触
させてもよい。具体的な一例としては、本発明の吸着剤
をカラムに充填し、血液あるいは血漿を通過させてHBAg
を吸着除去することができるが、この場合、使用される
吸着剤は直径が0.1〜5mmの範囲内にあることが好まし
く、0.2〜2mmの範囲にあればさらに好ましい。粒径0.1m
mより小さくなると吸着剤層の圧損が大きくなり、溶血
などの問題、あるいは処理時間が長くなるなどの問題が
生じる。粒径が5mmより大きいと粒状体間の空隙が大き
くなり、吸着性能が低下し好ましくない。
カラムは吸着剤層の両側に血液回路と容易に接続し得る
形状の入口部と出口部を有する本体と、吸着剤層と出入
口部との間に、血液などは通過するが、吸着剤は通過し
ない80〜180メツシユの網目を持つフイルターを備えて
いるものが望ましいが、他の形状であつても実質的に同
様の機能を持つカラムであれば本目的に使用し得る。カ
ラムの材質は、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレートなどが使用できるが、オートクレーブ滅菌が
可能なポリプロピレンやポリカーボネートなどが好まし
い。フィルターは生理学的に不活性で強度の高いもので
あれば良いが、ポリエステル製のものが好ましく使用さ
れる。
また、このようなカラムに充填して使用する他、別の具
体例として、本発明の吸着剤を、血液バツグに貯留した
血漿に添加して使用することもできる。添加する吸着剤
の量にはとくに制限はないが、実用的には、使用する血
漿の量に対し、30容量%までの範囲で用いられる。吸
着剤は所定時間後に遠心分離あるいは過され、HBAgが
除去された血漿は再使用される。
また、本吸着剤は血液と接触させるので、血球成分に対
する安全性の点から、又凝血などを防ぐ点からできるだ
け球状の外形のものが好ましい。
本発明の吸着剤を充填したカラム、あるいは包装材は通
常滅菌して使用されるが、かる滅菌としては、オートク
レーブ滅菌、γ線滅菌が好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例1 日本オルガノ(株)製の陽イオン交換樹脂アンバーライト
IRC84(COONa型)を10%塩酸水溶液にて酸型(COOH
型)に変換し、蒸留水で塩素イオンが検出されなくなる
まで水洗し、風乾したもの(プロトン数25×1019個)1
gを、総蛋白濃度6.0g/dl、アルブミン(A)/グロブリン
(G)比(A/G比)1.40、HBsAg、HBeAgのtiter値(RI
A法)がそれぞれ48.5、4.7の血漿3mlに添加し、室温
にて24時間放置した後、遠心分離し、その上澄部を採
取してtiter値を測定した。
HBsAg、HBeAgはそれぞれ0.6、0.9であり、著明な吸着除
去能を有することが判明した。また、A/G比測定用検
査キツト(和光純薬(株)製)、およびゲルパーミエーシ
ヨンクロマトグラフイー(GPC、カラム;東曹(株)、
G−3000STV、溶離液;クエン酸緩衝液、PH6.0)によつ
て血漿中の総タンパク濃度、A/G比を測定したとこ
ろ、それぞれ5.90mg/dl、1.38であり、血漿中のタンパ
ク成分はほとんど吸着されないことが確認された。
実施例2〜3 イオン交換樹脂に日本オルガノ(株)製のIRC−718
及びIRC-50を用いた以外は実施例1と同様にして実験を
行つた。結果を第1表に示す。
比較例1〜5 日本オルガノ(株)製のIR-120B(プロトン数28×1019
/吸着剤(g))を用いる以外は実施例1と同様にしてHBA
g吸着能を測定した。その結果、HBsAg、HBeAgはそれぞ
れ0.9、1.1であり、優れた吸着除去能を有することが確
認されたが、このような強酸性のイオン交換樹脂では、
血漿中の総蛋白濃度、A/G比はそれぞれ5.35g/dl、1.
45となり、グロブリンやフイブリノーゲンが吸着されや
すいことが確認された。また、処理後の血漿は処理前の
それと比較してやや粘度が上昇し、着色の度合いがやや
強かつた(比較例1)。
また、日本オルガノ(株)製の陰イオン交換樹脂であるア
ンバーライトIRA-45、47、401、411についで同様に実験
し、結果を併せて第2表に示した(各々比較例2〜
5)。
以上の結果により、本発明の吸着剤が優れたB型肝炎抗
原除去用の吸着剤であることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の吸着剤はHBAgを選択的に吸着除
去するだけでなく、アルブミン、グロブリンなどの有用
成分の損失が極めて少なく、その実用的意義は極めて大
きいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弱酸性陽イオン交換樹脂からなるB型肝炎
    抗原除去用吸着剤。
JP61109282A 1986-05-12 1986-05-12 B型肝炎抗原除去用吸着剤 Expired - Lifetime JPH0622630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61109282A JPH0622630B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 B型肝炎抗原除去用吸着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61109282A JPH0622630B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 B型肝炎抗原除去用吸着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62266072A JPS62266072A (ja) 1987-11-18
JPH0622630B2 true JPH0622630B2 (ja) 1994-03-30

Family

ID=14506216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61109282A Expired - Lifetime JPH0622630B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 B型肝炎抗原除去用吸着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0622630B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5041079A (en) * 1987-12-04 1991-08-20 Kuraray Co., Ltd. Method for removing human immunodeficiency virus and/or its related compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62266072A (ja) 1987-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0237659B1 (en) Process for the production of protein a-silica immunoadsorbent
EP0561379B1 (en) Filter medium having a limited surface negative charge for treating a blood material
JP2929516B2 (ja) 水性液体から腫瘍壊死因子または/およびリポ多糖を定量的、選択的に除去するかまたは/および調製的に製取する方法、液体から腫瘍壊死因子および/またはリポ多糖を体外除去する装置、装置ユニットおよび吸着材料
US4725355A (en) Body fluid purification medium and apparatus
JP4271265B2 (ja) 白血球除去フィルター材
JPS6053009B2 (ja) 肝炎ウイルスbによる急性または慢性の感染治療用の新規医薬
JP3748927B2 (ja) 糖脂質抗体吸着材
JPH0622630B2 (ja) B型肝炎抗原除去用吸着剤
JP2649224B2 (ja) 体液処理装置の滅菌方法および滅菌された体液処理装置
JPS6319214B2 (ja)
JPH0622627B2 (ja) B型肝炎ウイルス除去用吸着剤
JP3157026B2 (ja) 血液浄化用吸着材
JP2754203B2 (ja) 体液処理装置の滅菌方法および滅菌された体液処理装置
JPS6226073A (ja) 直接血液潅流吸着方法およびその装置
JP3251547B2 (ja) 免疫複合体の除去装置
JP2584261B2 (ja) ヘモグロビンの吸着剤
JPS63132665A (ja) 血液中蛋白質の回収装置
JPH08173528A (ja) 血液処理システム
JPH0771632B2 (ja) 吸着体およびそれを用いた除去装置
JPH0723319B2 (ja) 血液製剤から血液型抗体を除去する方法
JPS63315145A (ja) ビリルビン除去用吸着材および吸着装置
AU2021355325A1 (en) Compositions and methods for simplified high efficiency isolation of proteins
JPH02286173A (ja) ビリルビン吸着剤および吸着装置
JPH0611324B2 (ja) 多孔質中空糸膜
JP2983955B2 (ja) 腎糸球体基底膜付着性蛋白質の除去装置