JPH0611324B2 - 多孔質中空糸膜 - Google Patents

多孔質中空糸膜

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JPH0611324B2
JPH0611324B2 JP59152600A JP15260084A JPH0611324B2 JP H0611324 B2 JPH0611324 B2 JP H0611324B2 JP 59152600 A JP59152600 A JP 59152600A JP 15260084 A JP15260084 A JP 15260084A JP H0611324 B2 JPH0611324 B2 JP H0611324B2
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JP
Japan
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hollow fiber
membrane
albumin
plasma
fiber membrane
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JP59152600A
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JPS6131165A (ja
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厚 河合
俊信 小障子
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は血液中の有害物質を選択的に除去する血液浄化
用多孔質中空糸膜に関する。
[従来の技術] 最近難治性疾患の治療に血漿交換療法が臨床応用され効
果を挙げつつある。しかしこれは血漿成分をすべて除去
し、新鮮血漿、血漿製剤、アルブミン等の補充液を補充
するもので、血漿中の有効成分を回収できないことのみ
ならず、補充液としての血漿あるいは血漿製剤の不足、
血清肝炎やアレルギーの発生等多くの問題が指摘されて
いる。
このため血球を分離した血漿から膜分離により病気原因
となる高分子物質(以下有害物質という)を除去しよう
とする方法として二段分離法や低温濾過法が考案されて
いる。しかし膜の微細孔の孔径によって有害物質のみを
選択的に除去することはそれぞれの病気によって有害物
質の分子量が異なること、孔径を所定の大きさのみのも
のにするようコントロールすることが非常に困難なこと
から限界がある。
一方、有害物質を吸着剤を用いて除去する方法も検討さ
れ肝不全に活性炭を用いる方法等が一部実用化されてい
る。これにより意識障害の改善等が報告されているが、
効果としてはまだ充分とは言えず、救命率も低いといわ
れている。
また、最近免疫関連疾患について抗原抗体反応や補体結
合等の物理化学的相互作用を利用したアフィニティタイ
プの吸着剤が検討されている。この方法は免疫関連疾患
の血液浄化には有効であるが、その吸着効率が充分でな
いため、一般に吸着治療の回数を多くする必要がある。
一方、血漿や血清から有害物質を除去する効率を高める
手段として中空糸膜の内表面にアルブミンや人免疫グロ
ブリンを固定付着する方法(特公昭57−35666
号、同58−99966号)が提案されている。これら
の方法は粒状の担体にリガンドを固定し、カラムに詰め
て血漿等を通過せしめて有害物質を除去する方法に比べ
て若干改良されているもののまだ充分な性能を有してい
るとは言えない状況にある。
また、特公昭55−7260号には炭素繊維の層を内蔵
した中空糸膜を用いて人工透析を行ない血液中の老廃物
を除去する方法が示されているが、この方法は尿組成
物、クレアチニン等の低分子質のみを除去するものであ
って中分子量や高分子量の有害物質を除去することはで
きない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記の状況に鑑み、血液中の有害物質、特にビ
リルビン等のアルブミンとの結合性を有する有害物質を
より効率的に除去できる多孔質膜を提供することを目的
とする。
[問題を解決するための手段] 即ち、本発明の要旨は微細孔表面にアルブミンが固定さ
れ、膜厚5μm乃至300μmで、比表面積が少なくと
も10m2/gであり、内壁面より外壁面へ貫通した多数
の微小空孔を有し、人血清アルブミンの透過率が80%
以上である多孔質中空糸膜にある。
本発明において、膜厚が5μm未満の場合は吸着面積が
小さく、逆に300μmを越えると血漿透過性が低下す
るので膜厚が5μm乃至300μmであることが必要で
ある。本発明の多孔質膜は微細孔表面にアルブミンが固
定されている必要があり、中空糸の内壁面や外壁面にの
みアルブミンが固定されているだけでは有害物質の除去
効率が充分でない。このアルブミンは微細孔表面に共有
結合で固定されているか、あるいは微細孔表面に吸着さ
れた状態で架橋等により固定されている。
多孔質中空糸膜の材質は特に限定されるものではない
が、アルブミンを共有結合で固定する場合はアルブミン
を固定できる官能基を有する素材からなっていることが
好ましい。該官能基としては水酸基、カルボキシル基、
アミノ基が好ましい。該官能基は多孔質膜の素材にもと
もとあってもよく、加水分解やグラフト共重合等により
後から導入されたものでもよい。後から導入されたもの
の例としてはセルロースアセテート膜を加水分解して表
面に水酸基が導入されたもの、ポリオレフィン膜にアク
リル酸をグラフトしたもの、アクリルアミドをグラフト
した後加水分解したり、化学反応でアミノ基やカルボキ
シル基を生成せしめたもの、アクリロニトリルをグラフ
トした後加水分解したり、シアノ基を還元してアミノ基
に転化したもの等を挙げることができる。ポリオレフィ
ン膜の場合は高配向結晶性未延伸中空糸を比較的低温で
延伸して得られる多孔質中空糸膜が微細孔表面積が大き
いため好ましく用いられる。
25℃の生理食塩水に対する溶解度が100mmol/dl以
下、好ましくは30mmol/dl以下の低分子有機化合物は
自己抗体や免疫複合体を吸着する特性を有する。後者の
化 本発明で用いる多孔質膜は比表面積が少なくとも1
0m2/g以上である必要がある。比表面積が10m2/g
より小さい場合は血液中の有害物質の除去効率が充分で
ない。この比表面積は窒素ガス吸着法で測定することが
できる。また、該多孔質膜は人血清アルブミン透過率が
80%以上であることを要する。ここで人血清アルブミ
ン透過率は有効長70cmの中空糸160本を用いたモジ
ュールを用い、膜間差圧が50mmHgの条件で0.1%の
人血清アルブミンの生理食塩水溶液を中空糸内部に55
cc/minで循環させた時に、濾液中に含まれる人血清
アルブミン濃度を280nmの吸光度測定から求め、こ
の値を用いて次式で計算できるものである。
人血清アルブミン透過率が80%未満の場合は血液を濾
過した場合有害物質の除去は可能であっても有用なアル
ブミンの回収が不充分となり好ましくない。
膜の微細孔の寸法はバブルポイントで表示した場合1乃
至10kg/cm2であることが血漿透過性の点で好まし
く、1.5〜5kg/cm2であることがより好ましい。バ
ブルポイントはテスト液としてエタノールを用い、AS
TM F316−80に準じた方法で測定することができ
る。多孔質膜は平膜でも良いが、装置をコンパクトにで
きる点で中空糸であることが好ましい。中空糸の場合は
内径は150乃至500μmであることが好ましい。
[実施例] 以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 内壁面より外壁面へ貫通した多数の微小空孔を有する多
孔質膜として、内径270μm、膜厚60μm、空孔率6
0vo1%、エタノール中で測定したバブルポイント3.
2kg/cm2、N吸着法で測定した内部表面積32m2
/gのポリエチレン多孔質中空糸膜EHF(商品名、三
菱レイヨン(株)製)を用い、空気中前照射法によりア
クリルアミドをγ線グラフト重合した。照射線量は5メ
ガラッドであった。次いで5Nの炭酸ナトリウム水溶液
を用いて60℃で3時間処理して中空糸膜面にグラフト
されたアクリルアミドを加水分解し、これに縮合試薬と
してカルボンジイミドを用い、人血清アルブミンを結合
せしめた。アルブミンの結合量は中空糸1m2あたり約3
gであった。この中空糸を用いて有効長7cm、膜面積
200cm2(中空糸内径基準)の血漿濾過ミニモジュー
ルを作成した。このミニモジュールの人血清アルブミン
の透過率を測定したところ97%であった。このミニモ
ジュールを用い、ビリルビンを10.3mg/dl含有する
37℃の血漿を4ml/minの流速で中空糸内部を通
して循環させ、0.3ml/minの割合で中空糸膜面を
通して血漿の一部を0.3ml/minの流速で濾過する
ようにした。濾過後の血漿中のビリルビンは4.3mg/
dlであった。それに対し全蛋白質、アルブミン、免疫
グロブリンの減少はわずかであった。
比較例1 実施例1と同様のポリエチレン多孔質中空糸をグラフト
重合を行なうことなくそのまま実施例1と同様のミニモ
ジュールを作成し、エチルアルコールで親水化後実施例
1と同様にしてビリルビン濃度10.3mg/dlの血漿を
濾過した。濾過後の血漿中のビリルビンは9.2mg/dl
であった。比較例2 臭化シアンで活性化したセファロース4B(商品名、フ
ァルマシア社製)に人血清アルブミンを結合させ過剰の
活性基はエタノールアミンでブロックした。アルブミン
の結合量は約150mg/gであった(以下これを吸着
剤という)。この4g(実施例1で用いた中空糸の10
倍の重量)を内径10mmのカラムに詰め、ビリルビン
濃度10.3mg/dlの血漿を37℃で0.3ml/min
の速度でカラムに流した。濾過後の血漿中のビリルビン
は7.2mg/dlであった。
実施例1と比較例2との比較から単に表面にアルブミン
を結合させた吸着剤はその量を10倍用いても本発明の
方法に比べ効果に劣ることがわかる。
[発明の効果] 従来の膜濾過法では正常な蛋白質の回収率の高い膜では
有害物質はほとんど除去されず、有害物質をより多く除
去しようとすると正常な蛋白質の回収率も低下するのに
対し、本願発明の膜はその微細孔表面にアルブミンを結
合しているためアルブミン結合性の有害物質を効果的に
除去し、かつ有用物質の損失が少ない。さらに、高分子
量の成分を膜により濾別できるという効果も有する。即
ち、膜濾過と吸着の相乗作用を発揮できる膜であり実用
価値が高い。さらに本発明の多孔質中空糸膜はビーズ状
吸着剤をカラムに詰めて濾過する方法に見られるチャン
ネリング等の現象のない処理を可能にする優れた処理方
法を提供できるという利点がある。本発明の膜はビリル
ビンの他、胆汁酸、脂肪酸、遊離トリブトファン、サイ
ロキシン、バルビツール酸その他各種物質を従来の方法
に比べて効率的に除去できるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細孔表面にアルブミンが固定され、膜厚
    5μm乃至300μmで、比表面積が少なくとも10m2
    /gであり、内壁面より外壁面へ貫通した多数の微小空
    孔を有し、人血清アルブミンの透過率が80%以上であ
    る多孔質中空糸膜。
JP59152600A 1984-07-23 1984-07-23 多孔質中空糸膜 Expired - Lifetime JPH0611324B2 (ja)

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JPS6131165A JPS6131165A (ja) 1986-02-13
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0611328B2 (ja) * 1984-10-11 1994-02-16 株式会社クラレ 生理活性物質を固定した多孔性中空繊維を使用した液の処理方法
JPH0611327B2 (ja) * 1984-10-11 1994-02-16 株式会社クラレ 生理活性物質を固定した多層構造の中空繊維および該中空繊維を使用した液の処理方法
JP2009291498A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Nipro Corp 中空糸膜および体外循環モジュール

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