JPH06226256A - 電解イオン水生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極１を頻繁に洗浄して綺麗に保持する。 【構成】 電極１の近傍に第１イオン水路４と第２イオ
ン水路５とを連結している。第１イオン水路４と第２イ
オン水路５は、切換弁６を介して、一方をアルカリ水排
水路７に、他方を酸性水排水路８に接続している。＋−
の電極１は、切換スイッチ９を介して電源３に接続され
ている。切換弁６と切換スイッチ９とを一緒に切り替え
て、電極１を洗浄する時にも、アルカリ水排水路７から
アルカリ水を、酸性水排水路８からは酸性水を排水す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水を電離してアルカリ
性のイオン水（本明細書においてアルカリ水と記述）
と、酸性のイオン水（本明細書において酸性水と記述）
とに分離する装置に関する。とくに、本発明の電解イオ
ン水生成装置は、洗浄状態においても、アルカリ水と酸
性水とが同じ排出口から排出される電解イオン水生成装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】水は、電離してアルカリ水と酸性水とに
分離できる。アルカリ水は、物を柔らかくする豊潤作用
に加えて、溶解力や浸透力に優れた特性がある。また、
水道水を電離して得られるアルカリ水は、塩素の含有量
を少なくできる特長もある。酸性水は、洗浄作用、殺菌
作用、漂白作用に優れた特性を示す。これ等の作用が生
かされて、アルカリ水は、飲料水、水割り用の水、コー
ヒーやお茶の水に使用されている。また、酸性水は、麺
類のゆで水、豆類を煮炊きする水、果物野菜の洗浄水、
卵のゆで水、掃除水等に使用されている。

【０００３】水をアルカリ水と酸性水とに分離するため
に、対向して配設された一対の電極に通電する。水の流
路に、＋−の電極板を対向して設けると、マイナス電極
の近傍にアルカリ水が、プラス電極の近傍に酸性水が集
まる。マイナス電極に集まるアルカリ水は、プラスイオ
ンを含んでいる。プラス電極に集まる酸性水はマイナス
イオンを含んでいる。水には、カルシウムイオン、ナト
リウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン等
のプラスイオンと、塩素や硫黄、あるいは珪酸等のマイ
ナスイオンが含まれている。

【０００４】水を電離する従来の装置の概略を図１に示
している。この装置は、＋−の電極１の間にセパレータ
２を配設している。セパレータ２はイオン透過性のある
シート材で、アルカリ水と酸性水とに電離した水が混合
するのを防止する。したがって、セパレータ２には、水
が自由に通過できない微細な空隙のあるシート材が使用
される。一対の電極１は、電源３に接続されている。

【０００５】この構造の電解イオン水生成装置は、電極
１とセパレータ２との間に水を流入して、＋−の電極１
に直流電圧を印加する。流入する水は、−電極１の近傍
では＋イオン濃度が高くなってアルカリ水となり、＋電
極１の近傍では−イオン濃度が高くなって酸性水とな
る。

【０００６】このようにして水をアルカリ水と酸性水と
に電離する装置は、使用するにしたがって、電極１の表
面に異物が付着する。とくに、−側電極１の表面には、
水に含まれるカルシウム等の金属イオンが付着する。電
極表面に異物は、電極表面の電気抵抗を増加させる。そ
れは、表面付着物の電気抵抗が大きいからである。電極
表面の電気抵抗が増加すると、対向して配設された電極
１に流れる電流が減少する。電流が減少すると、電離さ
れるアルカリ水と酸性水のイオン濃度が低下する。電極
表面の電気抵抗は、電極を洗浄して小さくすることがで
きる。このため、電極１は一定時間使用すると洗浄し
て、表面の付着物を除去する必要がある。洗浄は、＋−
の電極１の極性を反転することで実現できる。すなわ
ち、＋に接続していた電極を電源の−側に、−に接続し
てした電極を電源３の＋側に接続して電極を洗浄でき
る。したがって、従来の電解イオン水生成装置は、一定
時間使用すると、電極の極性を反転して洗浄するように
している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】洗浄時に電極の＋−を
反転すると、アルカリ水と酸性水とが反対の排水路から
排出されるようになる。すなわち、アルカリ水排水路か
ら酸性水が、酸性水排水路からアルカリ水が排出される
ようになる。電解イオン水生成装置は、多くの場合、ア
ルカリ水を便利に使用できるようにセットする。とく
に、家庭用の電解イオン水生成装置は、ほとんど例外な
く、アルカリ水を多用する。それは、アルカリ水が飲用
に使用されるからである。電極を洗浄するときに、アル
カリ水排水路から酸性水が排出されると使用できなくな
る。このため、従来の電解イオン水生成装置は、電極を
洗浄するときに使用を中断する必要がある。洗浄時に使
用できない装置は、洗浄の頻度を少なくする必要があ
る。それは、頻繁に洗浄すると便利に使用できなくなる
からである。電極の洗浄頻度を少なくすると、電極には
多量の異物が強固に付着し、簡単に除去できなくなる。
したがって、１回の洗浄時間を長くする必要があり、ま
た、電極を綺麗に洗浄することも難しくなる。この欠点
は、電極の連続使用時間を短くして解消できるが、そう
すると頻繁に洗浄することになって、便利に使用できな
くなる。すなわち、便利に使用できることと、電極を綺
麗に洗浄することとは互いに相反する性質であって、両
方を満足することができない。

【０００８】本発明は、互いに相反する特性を解消する
ことに目的に開発されたものである。本発明の重要な目
的は、電極を頻繁に洗浄して便利に使用できる電解イオ
ン水生成装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の電解イオン水生
成装置は、前述の目的を達成するために下記の構成を備
える。電解イオン水生成装置は、＋−の電極１の間に通
水して、水をアルカリ水と酸性水とに電離する。電極１
に印加する＋−の極性を反転して電極１を洗浄する。さ
らに、電解イオン水生成装置は、下記の独得の構成を有
することを特徴とする。 （ａ） 一対の電極１の近傍には、対向する電極１で電
離されたアルカリ水と酸性水とを排出するために、第１
イオン水路４と、第２イオン水路５とを連結している。
第１イオン水路４と第２イオン水路５は、一方からアル
カリ水を、他方から酸性水を排出する。 （ｂ） 第１イオン水路４と第２イオン水路５は、切換
弁６を介して、一方をアルカリ水排水路７に、他方を酸
性水排水路８に接続している。 （ｃ） 切換弁６は、図２の実線で示すノーマル位置に
おいては、第１イオン水路４をアルカリ水排水路７に、
第２イオン水路５を酸性水排水路８に接続する。 （ｄ） 切換弁６は、図２の破線で示す洗浄位置で、第
１イオン水路４を酸性水排水路８に、第２イオン水路５
をアルカリ水排水路７に接続する。 （ｅ） ＋−の電極１は、切換スイッチ９を介して電源
３に接続されている。 （ｆ） 切換スイッチ９は、ノーマル位置で第１イオン
水路４の近傍の電極１を−極に、第２イオン水路５の近
傍の電極１を＋の電源３に接続する。 （ｇ） 切換スイッチ９は、洗浄位置で第１イオン水路
４の近傍の電極１を＋極に、第２イオン水路５の近傍の
電極１を−の電源３に接続する。 （ｈ） 切換スイッチ９と切換弁６は、制御回路１０に
制御されている。 （ｉ） 制御回路１０が、切換スイッチ９をノーマル位
置から洗浄位置に切り換えると、切換弁６は、第１イオ
ン水路４を酸性水排水路８に、第２イオン水路５をアル
カリ水排水路７に接続し、洗浄状態においても、アルカ
リ水排水路７からアルカリ水が、酸性水排水路８から酸
性水が排出されるように構成されている。

【００１０】さらに、本発明の請求項２に記載される電
解イオン水生成装置は、電極１の＋−の切り換えを、排
水を停止し、あるいは開始するときに特定している。こ
のことを実現するために、電解イオン水生成装置は、制
御回路１０に通水センサー１１を装備している。通水セ
ンサー１１は、イオン水の排水を停止し、あるいは、排
水を開始したことを検出する。この通水センサー１１の
信号でもって、制御回路１０は、水の排水を停止し、ま
たは開始したときに切換弁６と切換スイッチ９とを切り
換えるように構成している。

【００１１】

【作用】本発明の電解イオン水生成装置は、下記のよう
にして使用する。 通常の使用状態 図２の実線で示す位置に、切換弁６と切換スイッチ９と
を切り換える。切換弁６がこの位置にあると、第１イオ
ン水路４は、アルカリ水排水路７に、第２イオン水路５
は、酸性水排水路８に接続される。また、切換スイッチ
９がこの位置にあると、第１イオン水路４に接続された
電極１は、電源３の−極に、第２イオン水路５に接続さ
れた電源３は、電源３の＋極に接続される。したがっ
て、この状態では、アルカリ水が、第１イオン水路４を
通過してアルカリ水排水路７から排出される。酸性水
は、第２イオン水路５を通過して、酸性水排水路８から
排出される。 電極を洗浄するときに使用状態 図２の破線で示す位置に、切換弁６と切換スイッチ９と
を切り換える。切換弁６がこの位置にあると、第１イオ
ン水路４は、酸性水排水路８に、第２イオン水路５は、
アルカリ水排水路７に接続される。また、切換スイッチ
９がこの位置にあると、第１イオン水路４に接続された
電極１は、電源３の＋極に、第２イオン水路５に接続さ
れた電源３は、電源３の−極に接続される。したがっ
て、この状態では、アルカリ水が、第２イオン水路５を
通過してアルカリ水排水路７から排出される。酸性水
は、第１イオン水路４を通過して、酸性水排水路８から
排出される。

【００１２】すなわち、本発明の電解イオン水生成装置
は、通常の使用状態にあっても、また、電極１を洗浄す
る状態にあっても、アルカリ水排水路７からはアルカリ
水が、酸性水排水路８からは酸性水が排出される。

【００１３】さらに請求項２に記載する電解イオン水生
成装置は、洗浄位置でもって、イオン水の排水を停止
し、あるいは開始したことを検出して、切換弁６と切換
スイッチ９とを切り変える。このように、イオン水の排
水を停止、または開始したときに、電極１の＋−を反転
し、イオン水を排水している途中では電極１の＋−を反
転しないようにすると、アルカリ水に少量の酸性水が、
また、酸性水に少量のアルカリ水が混入することがな
い。それは、電極１を切り変えた直後に排水される＋−
が異なるイオン水は、イオン水を使用する最初に廃棄す
る水に混入されるからである。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための電解イオン水生成装置を例示するも
のであって、本発明の電解イオン水生成装置は、構成部
品の構造や配置、あるいは使用方法等を下記のものに特
定するものでない。本発明の電解イオン水生成装置は、
特許請求の範囲の要旨を変更しない範囲において変更す
ることができる。

【００１５】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。

【００１６】図２に示す電解イオン水生成装置は、水の
フィルター１２と、このフィルター１２を通過した水を
電解して、プラスのイオンを含むアルカリ水と、酸性水
とに分離する電解槽１３と、電解槽１３の電極１に直流
電圧を印加する電源３と、フィルター１２の流入側に連
結されている開閉弁８と、電解槽１３の排出側に接続さ
れている切換弁６と、電解槽１３の電極１と電源３との
間に接続されている切換スイッチ９と、切換弁６と切換
スイッチ９とを制御する制御回路１０を備えている。

【００１７】フィルター１２は、供給される水道水を活
性炭で濾過して電解槽１３に供給するもので、ケーシン
グ内に、粒状、あるいはシート状の活性炭を内蔵してい
る。

【００１８】電解槽１３は、ケーシング内に、板状の電
極１を２枚、電極１の間にセパレータ２を内蔵してい
る。電極１とセパレータ２とは、所定の間隔で平行に配
設されている。電極１は、切換スイッチ９を介して電源
３に接続されている。セパレータ２は電極１の間に配設
されている。セパレータ２は、イオンは透過できるが水
は自由に透過しない微多孔シートを使用する。

【００１９】電解槽１３は、図において下の電極１とセ
パレータ２との間を第１イオン水路４とし、上の電極１
とセパレータ２との間を第２イオン水路５としている。
第１イオン水路４は、下側の電極１で電離されたイオン
水を排出し、第２イオン水路５は、上側の電極１で電離
したイオン水を排出する。一対の電極１が、図２実線で
示す位置の切換スイッチ９で電源３に接続される、すな
わち、下の電極１を電源３の−側に、上に電極１を＋側
に接続すると、第１イオン水路４にはアルカリ水が、第
２イオン水路５には酸性水が電離される。切換スイッチ
９を破線の位置にすると、下の電極１が＋に、上の電極
１が−になるので、第１イオン水路４は酸性水、第２イ
オン水路５はアルカリ水が電離される。

【００２０】第１イオン水路４と第２イオン水路５は、
切換弁６を介して、アルカリ水を排水するアルカリ水排
水路７と、酸性水を排水する酸性水排水路８とに接続し
ている。

【００２１】切換弁６は、図２の実線で示すノーマル位
置で、第１イオン水路４をアルカリ水排水路７に、第２
イオン水路５を酸性水排水路８に接続する。図の破線で
示す洗浄位置では、第１イオン水路４を酸性水排水路８
に、第２イオン水路５をアルカリ水排水路７に接続す
る。切換弁６は、４方切換弁６が使用できる。図に示す
４方切換弁６は、ローターをモーターで９０度ピッチに
回転して、実線位置と破線位置とに切り替える。切換弁
６には、電磁切換弁も使用できる。

【００２２】切換スイッチ９は、互いに連動する２回路
２接点のスイッチである。切換スイッチ９の二つの可動
片９Ａは、実線位置と破線位置とに一緒に移動する。可
動片９Ａが実線で示すノーマル位置にあると、切換スイ
ッチ９は、第１イオン水路４の近傍に位置する下の電極
１を−極に、第２イオン水路５の近傍に位置する上の電
極１を＋の電源３に接続する。切換スイッチ９の可動片
９Ａが、破線で示す洗浄位置に切り替えられると、第１
イオン水路４の近傍に下の電極１は＋極に、第２イオン
水路５の近傍にある上の電極１は−の電源３に接続され
る。

【００２３】切換弁６と切換スイッチ９とは制御回路１
０に制御されて、ノーマル位置と洗浄位置とに切り替え
られる。制御回路１０は、ノーマル状態で、切換弁６と
切換スイッチ９を、図２の実線で示している。切換スイ
ッチ９をノーマル位置から洗浄位置に切り換えると、切
換弁６は、第１イオン水路４を酸性水排水路８に、第２
イオン水路５をアルカリ水排水路７に接続する。このよ
うに、制御回路１０は、切換弁６と切換スイッチ９の両
方を切り替えるので、洗浄状態においても、ノーマル状
態と同じように、アルカリ水排水路７からアルカリ水
が、酸性水排水路８から酸性水が排出される。

【００２４】制御回路１０は、切換弁６と切換スイッチ
９とを、ノーマル位置と洗浄位置とに切り替えるため
に、水の通水を検出する通水センサー１１を備える。通
水センサー１１は、切換弁６と切換スイッチ９とを切り
替えると共に、制御回路１０でもって電源３スイッチを
オンオフ制御する。通水センサー１１は、電解槽１３に
水道水が流入するのを検出するために、フィルター１２
と電解槽１３との間に接続している。開閉弁が開弁され
ると、水道水はフィルター１２と通水センサー１１とを
通過して、電解槽１３に流入され、この状態は通水セン
サー１１に検出される。通水センサー１１は、水道水が
流入することを検出すると、電源３スイッチをオンにし
て、電源３に＋−の電圧を印加する。通水センサー１１
が流水しないことを検出すると、電源３スイッチをオフ
にして、電極１に電圧を印加しない。

【００２５】さらに、通水センサー１１は、通水センサ
ー１１が水の通過で停止されたとき、または、水が通過
され始めたときに、切換弁６と切換スイッチ９とを、ノ
ーマル位置と洗浄位置とに切り替える。すなわち、切換
弁６と切換スイッチ９とがノーマル位置にあるときは洗
浄位置に、洗浄位置にあるときにはノーマル位置に切り
替える。すなわち、制御回路１０は、通水センサー１１
からの信号でもって、水の排水を停止し、または開始し
たときに切換弁６と切換スイッチ９とを切り換える。好
ましくは、制御回路１０は、水の通水を停止したとき
に、切換弁６と切換スイッチ９とを切り替える。このよ
うにすると、切換弁６がゆっくりと切り替えられても、
次に使用するときには、完全に切り替えられる。ただ、
通水を開始したときに、切換弁６と切換スイッチ９とを
切り替えることもできるのは言うまでもない。

【００２６】ただ、本発明の装置は、通水センサー１１
からの信号で、水の流通が停止される毎に、あるいは、
通水を開始する毎に、切換弁６と切換スイッチ９とを切
り替える必要はない。水の通水と停止とを数回繰り返し
た後、切換弁６と切換スイッチ９とを切り替えることも
できる。ただ、毎回切り替えるようにすると、ノーマル
状態と洗浄状態の時間を短くして、電極１をより綺麗に
洗浄できる特長がある。切換弁６と切換スイッチ９と
を、通水の毎に、あるいは、通水を停止する毎に切り替
え、あるいは、これ等の操作が複数回行われた後に切り
替えても、ノーマル位置から洗浄位置に、また洗浄位置
からノーマル位置に切り替える条件を同じに設定するこ
とによって、トータルではノーマル位置の時間と、洗浄
位置の時間とを同じにできる。

【００２７】さらに、本発明の装置は、制御回路１０に
タイマー（図示せず）を内蔵し、このタイマーでもっ
て、一定時間毎に切換弁６と切換スイッチ９とを切り替
えることもできる。タイマーは、通水している時間をカ
ウントし、設定された通水時間が経過すると切換弁６
と、切換スイッチ９とを切り替える。ただ、この構造の
装置は、イオン水を排出している途中で、切換弁６と切
換スイッチ９とが切り替えられるので、切り替えた直後
に、少量は、アルカリ水排水路７から酸性水が、酸性水
排水路８からアルカリ水が排水される。

【００２８】さらに、図２に示す電解イオン水生成装置
は、アルカリ水と酸性水とを切り替えるイオン変換スイ
ッチ１４を備えている。イオン変換スイッチ１４が押さ
れると、制御回路１０は、切換弁６と切換スイッチ９の
何れか一方を切り替えて、アルカリ水排水路７から酸性
水を、酸性水排水路８からアルカリ水を排水する。この
ようにイオン変換スイッチ１４を備えるイオン変換スイ
ッチ１４は、主としてアルカリ水を使用するが、一時的
に酸性水を使用するときにも便利に使用できる。

【００２９】

【発明の効果】本発明の電解イオン水生成装置は、電極
を洗浄しながら、通常の状態と同じように使用できる。
このため、使用者は電極を洗浄していることを意識する
ことなく、通常の状態と同じように使用できる。従来の
装置は、電極を洗浄するときは、アルカリ水排水路から
酸性水が排出されるので、電極を洗浄するときには、使
用を一時的に中断する必要があった。ところが、本発明
の装置は、電極を洗浄するときも、アルカリ水排水路か
らはアルカリ水が排出されるので、洗浄するときに使用
を中断する必要がない。このため、電極を頻繁に洗浄し
ても、使用に不都合はない。したがって、電極を頻繁に
洗浄することが可能となり、電極を綺麗な状態にでき
る。頻繁に洗浄される電極は、異物が強く付着する前に
洗浄することができる。このため、電極を特に綺麗な状
態に保持して、水との接触電気抵抗を低く保持でき、排
出される水を効率よく電離して、アルカリ水と酸性水の
ｐＨが中性に近付くのを防止できる特長がある。

【００３０】さらに、本発明の電解イオン水生成装置
は、イオン水の排水を停止し、または開始するときに電
極の＋−を切り変えるようにすることによって、より便
利に使用できる。それは、電極の反転をイオン水の排水
を停止し、または、排水を開始するときにすると、使用
中に、アルカリ水排水路から少量の酸性水が排水される
のを防止できるからである。本発明の電解イオン水生成
装置は、電極を洗浄するときにも、アルカリ水排水路か
らはアルカリ水が排出される。しかしながら、電極を切
り変えた直後には、第１イオン水路と第２イオン水路と
に、＋−が反対のイオン水が残存しているので、アルカ
リ水排水路から少量の酸性水が、酸性水排水路からは多
少のアルカリ水が排出されることになる。また、切換弁
にゆっくりと切り変える弁を使用すると、弁が切り変わ
る途中で、アルカリ水と酸性水とが反対の排水路から排
出されることになる。

【００３１】イオン水を使用するとき、最初の水は排水
して使用しないようにする。したがって、イオン水の排
水を開始したときと、排水を中止したときとに切換弁
と、切換スイッチとを切り変えるようにすると、使用す
る最初に＋−が反対のイオン水が排水されるが、この水
は廃棄して使用しないので、電極を切り変えた直後にで
きる＋−が反対のイオン水が使用されることがない。と
くに、このタイミングで電極の＋−を切り変えて電極を
洗浄する装置は、イオン水を使用する途中で電極を洗浄
する必要がない。このため、アルカリ水と酸性水とを排
水する途中で、アルカリ水に少量の酸性水が混入し、ま
たは、酸性水にアルカリ水が混入することがない。さら
に、このタイミングで電極の＋−を切り変えるようにす
ると、一対の電極は、ほぼ同じ時間で＋極と、−極とに
なり綺麗に洗浄できる特長も実現される。一対の電極の
＋−の時間がほぼ同じになるのは、１回に排水する時間
は毎回同じではないが、イオン水の排水を停止し、ある
いは排水を開始する毎に電極の＋−を反転すると、トー
タルの平均値はほぼ同じになるからである。例えば、一
方の電極は、イオン水を排水する偶数回目に＋として奇
数回目に−とすると、偶数回の使用時間と、奇数回の使
用時間とは、トータルではほぼ同じとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の電解イオン水生成装置一例を示す概略断
面図

【図２】本発明の一実施例を示す電解イオン水生成装置
の概略断面図

【符号の説明】

１…電極 ２…セパレータ ３…電源 ４…第１イオン水路 ５…第２イオン水路 ６…切換弁 ７…アルカリ水排水路 ８…酸性水排水路 ９…切換スイッチ ９Ａ…可動片 １０…制御回路 １１…通水センサー １２…フィルター １３…電解槽 １４…イオン変換スイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＋−の電極(1)の間に通水して、水をア
   ルカリ水と酸性水とに電離し、電極(1)に印加する＋−
   の極性を反転して電極(1)を洗浄するように構成され、
   かつ下記の全ての構成を有することを特徴とする電解イ
   オン水生成装置。 （ａ） 一対の電極(1)の近傍には、第１イオン水路(4)
   と、第２イオン水路(5)とを連結しており、第１イオン
   水路(4)と第２イオン水路(5)は、一方からアルカリ水
   を、他方から酸性水を排出する。 （ｂ） 第１イオン水路(4)と第２イオン水路(5)は、切
   換弁(6)を介して、一方をアルカリ水排水路(7)に、他方
   を酸性水排水路(8)に接続している。 （ｃ） 切換弁(6)は、ノーマル位置で、第１イオン水
   路(4)をアルカリ水排水路(7)に、第２イオン水路(5)を
   酸性水排水路(8)に接続する。 （ｄ） 切換弁(6)は、洗浄位置で、第１イオン水路(4)
   を酸性水排水路(8)に、第２イオン水路(5)をアルカリ水
   排水路(7)に接続する。 （ｅ） ＋−の電極(1)は、切換スイッチ(9)を介して電
   源に接続されている。 （ｆ） 切換スイッチ(9)は、ノーマル位置で第１イオ
   ン水路(4)の近傍の電極(1)を−極に、第２イオン水路
   (5)の近傍の電極(1)を＋の電源に接続する。 （ｇ） 切換スイッチ(9)は、洗浄位置で第１イオン水
   路(4)の近傍の電極(1)を＋極に、第２イオン水路(5)の
   近傍の電極(1)を−の電源に接続する。 （ｈ） 切換スイッチ(9)と切換弁(6)は、制御回路(10)
   に制御されている。 （ｉ） 制御回路(10)が、切換スイッチ(9)をノーマル
   位置から洗浄位置に切り換えると、切換弁(6)は、第１
   イオン水路(4)を酸性水排水路(8)に、第２イオン水路
   (5)をアルカリ水排水路(7)に接続し、洗浄状態において
   も、アルカリ水排水路(7)からアルカリ水が、酸性水排
   水路(8)から酸性水が排出されるように構成されてい
   る。
2. 【請求項２】 ＋−の電極(1)の間に通水して、水をア
   ルカリ水と酸性水とに電離し、電極(1)に印加する＋−
   の極性を反転して電極(1)を洗浄するように構成され、
   かつ下記の全ての構成を有することを特徴とする電解イ
   オン水生成装置。 （ａ） 一対の電極(1)の近傍には、第１イオン水路(4)
   と、第２イオン水路(5)とを連結しており、第１イオン
   水路(4)と第２イオン水路(5)は、一方からアルカリ水
   を、他方から酸性水を排出する。 （ｂ） 第１イオン水路(4)と第２イオン水路(5)は、切
   換弁(6)を介して、一方をアルカリ水排水路(7)に、他方
   を酸性水排水路(8)に接続している。 （ｃ） 切換弁(6)は、ノーマル位置で、第１イオン水
   路(4)をアルカリ水排水路(7)に、第２イオン水路(5)を
   酸性水排水路(8)に接続する。 （ｄ） 切換弁(6)は、洗浄位置で、第１イオン水路(4)
   を酸性水排水路(8)に、第２イオン水路(5)をアルカリ水
   排水路(7)に接続する。 （ｅ） ＋−の電極(1)は、切換スイッチ(9)を介して電
   源に接続されている。 （ｆ） 切換スイッチ(9)は、ノーマル位置で第１イオ
   ン水路(4)の近傍の電極(1)を−極に、第２イオン水路
   (5)の近傍の電極(1)を＋の電源に接続する。 （ｇ） 切換スイッチ(9)は、洗浄位置で第１イオン水
   路(4)の近傍の電極(1)を＋極に、第２イオン水路(5)の
   近傍の電極(1)を−の電源に接続する。 （ｈ） 切換スイッチ(9)と切換弁(6)は、制御回路(10)
   に制御されている。 （ｉ） 制御回路(10)が、水の通水を検出する通水セン
   サー(11)を有し、通水センサー(11)が、イオン水の排水
   を停止し、あるいは、排水を開始したことを検出し、通
   水センサー(11)の信号でもって、水の排水を停止し、ま
   たは開始したときに切換弁(6)と切換スイッチ(9)とを切
   り換えるように構成されている。 （ｊ） 制御回路(10)が、切換スイッチ(9)をノーマル
   位置から洗浄位置に切り換えると、切換弁(6)は、第１
   イオン水路(4)を酸性水排水路(8)に、第２イオン水路
   (5)をアルカリ水排水路(7)に接続し、洗浄状態において
   も、アルカリ水排水路(7)からアルカリ水が、酸性水排
   水路(8)から酸性水が排出されるように構成されてい
   る。