JPWO2012132963A1 - オゾン発生用電解セルの始動方法 - Google Patents

オゾン発生用電解セルの始動方法 Download PDF

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Abstract

ゼロギャップ方式のオゾン発生用電解セルにおいて、陰極室で発生する水素の陽極室への透過量を低減する。フッ素樹脂系陽イオン交換膜(10)の両側面に陽極(20)および陰極(30)を設けることにより陽極室(21)と陰極室(31)が形成され、陽極−陰極間に直流電流を供給することにより陽極室(21)に供給された純水を電気分解し、陽極(20)よりオゾンを発生させ、陰極(30)より水素を発生させるオゾン発生用電解セル(1)において、始動時処理として陽極(20)の洗浄を行う。

Description

本発明は、オゾン発生用電解セルに最初に電流を供給する際の始動方法に関する。
水を電解するための装置として、陽イオン交換膜の一方の面に陽極を密着させ、他方の面に陰極を密着させた、所謂ゼロギャップ方式の電解セルを利用したものがある。ゼロギャップ方式の電解セルは、液相を通電しないので電解電圧を低くすることができること、導電性が低いために通常の電解方法では電解できない純水の直接電解が可能であること、電解セルのコンパクト化が容易であることから、酸素・水素発生用水電解装置、電解オゾン発生装置等に広く利用されている。かかる電解セルに用いられる電極構造としては、電解性能の向上や安定性を目的として、集電体または基体と陽イオン交換膜との間に電極触媒を配置するようにしたものが知られている(特許文献1〜4参照)。
ゼロギャップ方式の純水電解セルにおいて、電解反応は陽イオン交換膜/電極触媒/純水が接する三相界面でのみで行われる。陽極においては陽極触媒/陽イオン交換膜/純水が接触する三相界面において下記(F1)(F2)の電解反応が起こり、オゾンガスおよび酸素ガスが発生し、電解反応によって生成した水素イオンは電位勾配によって陽イオン交換膜を透過し、陰極の陰極触媒/陽イオン交換膜/純水(陽極からの移行水)が接触する三相界面において下記(F3)の還元反応により水素ガスを生成する。
(陽極反応)
3HO → O + 6H + 6e …(F1)
2HO → O + 4H + 4e …(F2)
(陰極反応)
2H + 2e → H …(F3)
各極の三相界面で発生したガスはある程度の大きさの気泡に成長した後、三相界面から集電体内部を通過して電解装置外に排出されるが、気泡内圧力を駆動力とする濃度拡散により発生ガスの一部は、陽イオン交換膜を透過して対極へ移動する。例えば、陰極の三相界面で発生した水素がイオン交換膜を透過して対極である陽極に移動し、オゾンガスおよび酸素ガスに混じってセル外へ排出される。
しかしながら、水素の陽極への移動は、オゾンガスの純度低下やオゾン発生効率の低下といった電解セルの性能低下現象を引き起こす。また、水素の陽極への移動により、爆発下限界を超えた水素・酸素混合ガスが生成する可能性があるため、電解セルの安全な稼動のためには対極ガス混入を監視する機器や運用上の注意が必要となる。
本出願人は、対極へのガス移動の駆動力となる気泡の内圧力が、ヤング−ラプラス式に則り電極触媒層の親−疎水性に影響を受けることに着目し、特許文献4において、電極触媒を分散した樹脂として疎水性の高い材料を使用することにより、対極へのガス移動を抑制できる水電解装置を提案した。即ち、陰極の三相界面で発生した水素気泡の内圧は、気泡周囲に存在する水の表面張力に由来した内圧を示す場合は高圧になり、気泡周辺に存在する陰極触媒層の疎水性面に由来した内圧を示す場合は低圧になる。このことから、陰極触媒層表面が親水性側に傾くと水素気泡の内圧が高くなるので陽イオン交換膜を透過して陽極側に移動し易くなり、逆に疎水性側に傾くと水素気泡の内圧は低くなるので陽極側に移動しにくくなる。特許文献4は、オゾン発生用電解セルにおいて、陰極触媒層の表面における水の接触角が90°以上であることを規定し、電極触媒を分散した樹脂として疎水性の高いポリテトラフルオロエチレンを推奨している。
特許第3080971号公報 特許第2725799号公報 特開2005−166500号公報 特開2008−274326号広報
しかしながら、陰極触媒を高疎水性樹脂に分散しても、電解セルの稼働後に樹脂表面が他の物質によって汚染されると、樹脂の特長である高疎水性を示すことが出来なくなる。その結果、陰極触媒層表面が親水性側に傾いて水素気泡の内圧は水の表面張力に由来した高い値となり、陽極室内への水素透過量が増加するという問題点がある。
発明者らは、陰極触媒層の表面を汚染する物質の多くが、電解セルに電流を供給した直後の始動時に陽極室で発生し、陽極室から陽イオン交換膜を通して陰極室にもたらされることを究明し、本発明の完成に至った。本発明のオゾン発生用電解セルの始動方法は、陰極室で発生する水素の陽極室への透過量を低減することを目的として、電解セルにおいて、陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する始動時処理を行うものである。
即ち、本発明は下記[1]〜[10]に記載の構成を有する。
[1]フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電流を供給することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルにおいて、始動時処理として陽極の洗浄を行うことを特徴とするオゾン発生用電解セルの始動方法。
[2]前記始動時処理として、陽極−陰極間に直流電流を供給した後に陽極液の排出と純水の供給とによる陽極室の洗浄を1回以上行う前項1に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[3]前記陽極液の排出は、陽極触媒が陽極液に浸かった状態を維持して行う前項2に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[4]前記始動時処理として、陽極を電解セルの組み立て前にオゾン水で洗浄し、洗浄済みの陽極を用いて電解セルを組み立てる前項1に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[5]前記陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で構成されている前項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[6]前記陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で構成されている前項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[7]前記陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で構成され、かつ前記陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で構成されている前項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
[8]フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電圧を印加することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルと、
前記電解セルの陽極室から陽極液を環流させることなく排出する陽極液排出手段と、
前記電解セルの陽極室に純水を供給する純水供給手段とを備えることを特徴とする電解オゾン発生装置。
[9]フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電流を供給することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルにおいて、
前記陽極は電解セルの組み立て前にオゾン水で洗浄されたものであることを特徴とするオゾン発生用電解セル。
[10]前項9に記載のオゾン発生用電解セルを備えることを特徴とする電解オゾン発生装置。
上記[1]に記載の発明によれば、フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成されたオゾン発生用電解セルにおいて、陽極を洗浄する始動時処理を行うことによって本稼働開始時の陽極液中の汚染原因物質濃度を低減することができ、さらには陽極室から陰極室に移動する汚染原因物質量を低減できる。これにより、陰極触媒への汚染原因物質の付着量も低減し、陰極触媒の疎水性が維持されるため、陰極室で発生した水素ガスの陽極室への透過量を減少させることができる。ひいては、高純度のオゾンを得ることができ、安定した電解を行って電解性能を長期間維持することができる。また、酸素(オゾンを含む)ガスおよび水素ガスの混合による危険も回避されて安全な稼働を行える。
上記[2]に記載の発明によれば、電解開始後、陽極液の排出と純水の供給とによる始動時処理によって陽極および陽極室が洗浄される。排出される陽極液とともに陽極室で発生した汚染原因物質が電解セル外に排出されるので、陽極液中の汚染原因物質濃度を低減し、上記[1]に記載した効果を奏することができる。また、排出した陽極液は陽極室に環流せず、排出した汚染原因物質も陽極室に環流しないので、陽極室の陽極液中の汚染原因物質濃度を確実に低減できる。
上記[3]に記載の発明によれば、陽極液の排出後も陽極触媒が水に浸かった状態が維持されるので、陽極液排出後純水を供給するまでの間にもオゾンを十分に発生させて汚染原因物質を早期に生成させて早期に除去することができる。
上記[4]に記載の発明によれば、電解セルの組み立て前に陽極をオゾン水で洗浄し、洗浄済みの陽極で電解セルを組み立てるので、陽極に由来する汚染原因物質は電解セルに持ち込まれない。これにより、電解開始時の陽極液中の汚染原因物質濃度を低減して、上記[1]に記載した効果を奏することができる。
上記[5]に記載した発明は、陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で形成されたものである。ポリビニリデンジフロライドは他の材料よりもオゾンおよびラジカル類によって分解される可能性が高く、陽極液中の汚染原因物質濃度を高める要因の一つとなるため、本発明による始動時処理を適用して陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する意義が大きい。
上記[6]に記載した発明は、陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で形成されたものである。ポリテトラフルオロエチレンは陽極室から移動した汚染原因物質が付着すると親水性側に傾いて水素気泡の内圧が水の表面張力に由来した高い値となり、陽極室内への水素透過量を増加させる性質があるため、本発明による始動時処理を適用して陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する意義が大きい。
上記[7]に記載した発明は、陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で形成されたものである。ポリビニリデンジフロライドは他の材料よりもオゾンおよびラジカル類によって分解される可能性が高く、陽極液中の汚染原因物質濃度を高める要因の一つとなるため、本発明による始動時処理を適用して陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する意義が大きい。また、陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で形成されたものである。ポリテトラフルオロエチレンは陽極室から移動した汚染原因物質が付着すると親水性側に傾いて水素気泡の内圧が水の表面張力に由来した高い値となり、陽極室内への水素透過量を増加させる性質があるため、本発明による始動時処理を適用して陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する意義が大きい。
上記[8]に記載の発明によれば、上記[2]、[3]に記載した陽極液の排出と純水供給によって陽極室を洗浄する始動時処理を実施して、高純度のオゾンを得ることができ、安定した電解を行って電解性能を長期間維持することができる。また、酸素(オゾンを含む)ガスおよび水素ガスの混合による危険も回避されて安全な稼働を行える。
上記[9][10]に記載の各発明によれば、上記[4]に記載した電解セルの組み立て前に陽極を洗浄する始動時処理を実施して、高純度のオゾンを得ることができ、安定した電解を行って電解性能を長期間維持することができる。また、酸素(オゾンを含む)ガスおよび水素ガスの混合による危険も回避されて安全な稼働を行える。
本発明のオゾン発生用電解セルの始動方法を実施するオゾン発生装置の構成を模式的に示す図である。 陽極または陽極触媒層の洗浄装置を示す斜視図である。
[電解オゾン発生装置]
図1は、本発明にかかる電解オゾン発生装置(M)の一実施形態の構成を模式的に示す図である。本図において、(1)はオゾン発生用電解セル、(40)は陽極液気液分離装置(45)を備える陽極液循環装置、(50)は陰極液気液分離装置、(15)は直流電源である。
オゾン発生用電解セル(1)は、多孔性のフッ素樹脂系陽イオン交換膜(10)の一方の面に多孔性の陽極(20)を密着状態に配置し、他方の面に多孔性の陰極(30)を密着状態に配置し、さらに陽極(20)および陰極(30)の外側から陽極側セル枠(11)および陰極側セル枠(12)を密着状態に被せて組み立てたゼロギャップ方式のセルであり、図示されない締付け手段によって外側から押圧力を付与して各部材間の密着力を高めている。前記陽極(20)は陽極集電体または陽極基体(22)と陽極触媒層(23)とで構成され、前記陰極(30)は陰極集電体または陰極基体(32)と陰極触媒層(33)とで構成されている。前記電解セル(1)内はフッ素樹脂系陽イオン交換膜(10)によって陽極室(21)と陰極室(31)とに仕切られ、陽極側セル枠(11)には陽極室(21)に連通する陽極液供給口(24)、陽極液・ガス取出口(25)および陽極液排出口(26)が設けられ、陰極側セル枠(12)には陰極室(31)に連通する陰極液・ガス取出口(35)が設けられている。
前記陽極(20)および陰極(30)からはそれぞれセル外に陽極給電端子(13)および陰極給電端子(14)が引き出され、直流電源(15)からこれらの端子(13)(14)を通じて陽極-陰極間に直流電流が供給される。前記陽極室(21)に純水を入れた状態で陽極-陰極間に直流電圧を印加すると、陽極室(21)においては陽極触媒/陽イオン交換膜/純水の三相界面で(F1)(F2)の電解反応が起こり、酸素ガスおよびオゾンガスが発生する。電解反応によって生成した水素イオンは電位勾配によって陽イオン交換膜(10)を透過し、陰極室(31)内において水素イオンは陰極触媒層(33)に接触し、陰極触媒/陽イオン交換膜/純水の接する三相界面で(F3)の還元反応により水素ガスを生成する。そして、陽極室(21)で生成した酸素ガスおよびオゾンガスは水ともに陽極液・ガス取出口(25)からセル外に導出され、陰極室(31)内で生成した水素ガスは陽極から移行した水とともに陰極液・ガス取出口(35)からセル外に導出される。
前記陽極室(21)と陽極液循環装置(40)とは、陽極液・ガス取出口(25)と陽極液循環装置(10)との間の第1導管(41)、および陽極液供給口(24)と陽極液循環装置(40)との間の第2導管(42)によって連通状態に接続され、これらによって陽極液を陽極室(21)と陽極液循環装置(40)との間で循環させる陽極液循環ラインが形成されている。陽極室(21)で発生したオゾンおよび酸素は水とともに陽極液・ガス取出口(25)から第1導管(41)を通って陽極液循環装置(40)に導入され、第2導管(42)を通って陽極室(21)に環流され、陽極液循環ライン上を循環する。この循環の間に、オゾンおよび酸素を含有する水(以下、「オゾン水」と称する)は第2導管(42)上に設けられたバルブ(43)を介して任意に取り出すことができる。また、前記陽極液循環ライン上の水量は純水供給路(44)から陽極液循環装置(40)に純水を供給することによって増量することができ、陽極室(21)への純水供給も前記陽極液循環ラインを通じて行う。
前記陽極水循環装置(40)においては、循環する陽極液を適宜取り出して陽極液気液分離装置(45)によって気体と液体を分離し、分離した気体は図外の分析装置に供される。また、陰極室(31)を出た陰極液は、適宜取り出して陰極液気液分離装置(50)にかけて気体と液体とを分離することができ、分離した気体は図外の分析装置に供される。よって、電解セル(1)において陽極室(21)および陰極室(31)からセル外に排出される液体に含まれる気体成分の組成、および液体中の気体濃度を分析することができる。
さらに、陽極側セル枠(11)には陽極液循環ラインに属さない陽極液排出口(26)が設けられ、排出用導管(46)が接続されている。前記排出用導管(46)上にはバルブ(47)が設けられ、このバルブ(47)を開くことによって陽極液を陽極液循環ラインを通さずに陽極室(21)から直接排出することができる。
前記オゾン発生装置(M)において、陽極-陰極間への直流電流の供給および供給停止、バルブ(47)の開閉による陽極室(21)からの陽極液の排出および排出停止、バルブ(43)の切り換えによる陽極液循環ラインからの陽極液の取り出しと循環との切り換え、純水供給路(44)から陽極液循環ラインへの給水、陽極室(21)内の水量の監視は、オペレータによる手動操作、または図示されない陽極液制御装置によって予め設定された条件に従って行う自動操作のどちらによっても行うことができる。
前記電解オゾン発生装置(M)において、陽極液循環装置(40)、純水供給路(44)、第2導管(42)および陽極液供給口(24)は本発明における純水供給手段に対応し、バルブ(47)、排出用導管(46)および陽極液排出口(26)は本発明における陽極液排出手段に対応する。
本発明において、前記電解セル(1)は陽イオン交換膜(10)の両側面に陽極(20)および陰極(30)を設けたゼロギャップ式のセルである限り、その構成や材料は限定されない。以下に推奨できる電解セル(1)の構成材料について詳述する。
前記陽イオン交換膜(10)は周知の固体高分子電解質膜を用いることができる。固体高分子電解質を構成する樹脂としては、特に陽イオンの交換機能を有するスルホン酸基を有し、化学的安定性に優れるパーフルオロスルホン酸系樹脂が好ましい。
前記陽極(21)は、陽極集電体または陽極基体(22)の陽イオン交換膜(10)側に陽極触媒層(23)を配置したものである。前記陽極集電体または陽極基体(22)は、導電性を有する金属からなる多孔質構造体であり、特に耐食性の優れた金属製であることが好ましい。かかる条件を満足する金属として、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム等のバルブ金属を例示でき、多孔質構造体として多孔体、繊維体、網状体、発泡体、繊維を焼結やプレスによって所要形状に成形したもの等を例示できる。前記陽極触媒層(23)としては、二酸化鉛のめっき皮膜、導電性ダイヤモンド、白金、二酸化鉛等の電極触媒粒子を樹脂に分散した陽極触媒体を例示できる。
前記陰極(30)は、陰極集電体または陰極基体(32)の陽イオン交換膜(10)側に陰極触媒層(33)を配置したものである。陰極集電体または陰極基体(32)は、導電性を有する金属からなる多孔質構造体である。導電材料として、ステンレス鋼、ニッケル、ジルコニウム、チタン、カーボン等の金属を例示でき、多孔質構造体として、陽極と同じく、多孔体、繊維体、網状体、発泡体、繊維を焼結やプレスによって所要形状に成形したもの等を例示できる。特に好ましい多孔質構造体は、チタンなどのバルブ金属と比較して加工性に優れるため均一な表面が得られやすく陰分極下では耐食性に優れるステンレス繊維焼結体である。前記陰極触媒層(33)は、触媒として水素過電圧の低い白金、白金黒、白金担持カーボン等が好ましく、これらの触媒を単独で形成した多孔性触媒層、あるいはこれら触媒粒子をポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂中に分散させた多孔性薄膜を推奨できる。
さらに、前記電解セル(1)において、電解性能を高めるために種々の材料を任意に加えることができる。例えば、前記陽極集電体または陽極基体(22)と陽極触媒層(23)との間に白金箔等の貴金属層を介在させることにより、両者間の接触抵抗を低減して電解効率を高めることができる。
[オゾン発生用電解セルの始動方法]
前記電解セル(1)において純水を電解すると、陽極室(21)で酸化性の高いオゾンが発生し、またオゾンの自己分解によってオゾンよりも酸化性の高いヒドロキシラジカル等のラジカル類が発生する。これらの高酸化性物質は、陽極触媒の基体が金属である場合はその金属を酸化させ、分散媒が樹脂である場合はその樹脂を分解することがある。陽極触媒の分散媒にオゾン耐性の低い樹脂を用いた場合も始動時に急激に分解が進むと推測され、製造時に用いられた溶媒の分解生成物も陽極液に溶出すると推測される。また、陽イオン交換膜は、イオン交換基以外はフルオロ基で覆われた炭素骨格で構成されて高い耐食性を有しているが、製造時の残留有機溶媒や不純物の末端基は耐食性が低いために、オゾン発生が初めて行われる始動時に急激に分解が進むと推測される。これらの分解生成物は陽極液に溶解し、陽極室(21)を汚染し、さらには陽イオン交換膜(10)を透過して陰極室(31)を汚染し、電解性能低下の一因となる。また、陰極触媒層(33)が汚染されて親水性側に傾くと、ヤング−ラプラス式に則り水素気泡の内圧が高くなるので、水素は陽イオン交換膜(10)を透過して陽極(20)側に移動し易くなり、陽極室(21)への透過量が増加する。その結果、陽極(20)においては、オゾンガスの純度低下やオゾンガス発生効率の低下といった電解性能低下現象が発生し、陽極ガス中の水素濃度上昇によって稼働の安全性が低下する。
本発明にかかるオゾン発生用電解セルの始動方法は、陽極室および陰極室を汚染する様々な分解生成物質(以下「汚染原因物質」と称する)の多くが始動時に陽極側で発生することに着目し、本稼働前の始動時処理として陽極の洗浄を行い、陽極液中の汚染原因物質濃度を可及的に低くした状態で本稼働を開始するようにしたものである。かかる始動時処理として、以下の2種類の処理を推奨できる。
[第1の始動時処理]
第1の始動時処理は、電解セル(1)を組み立てて電解開始直後に行う処理である。陽極−陰極間に直流電流を供給した直後に、陽極液の排出と純水の供給とによる陽極(20)および陽極室(21)の洗浄を1回以上行い、陽極室(21)で発生する汚染原因物質を電解セル(1)外に排出することによって陽極液中の汚染原因物質濃度を低減する。
上述した電解オゾン発生装置(M)において、陽極液の排出は、バルブ(47)を開いて排出用導管(46)を通じて行う。前記排出用導管(46)は陽極液循環ラインに含まれない流路であるから、陽極(20)および陽イオン交換膜(10)に由来する汚染原因物質は、陽極液循環ラインに混入することなく陽極液とともに陽極室(21)から排出される。排出した陽極液は陽極室(21)に環流せず、排出した汚染原因物質も陽極室(21)に環流しないので、陽極室(21)内の汚染原因物質濃度を確実に低減できる。また、陽極室(21)に純水を供給する場合は、純水供給路(44)を陽極液循環装置(40)に純水を導入し、陽極液循環ラインの第2導管(42)を通じて陽極液供給口(24)から供給する。純水は排出した陽極液に接触することなく陽極液循環ラインを通じて陽極室(21)に供給されるので、常に清浄な水が供給される。
汚染原因物質は電解によって発生したオゾンおよびラジカル類によって生成するので、始動時処理は、陽極触媒層(23)および陽イオン交換膜(10)を純水に接触させた状態で両極間に電流を供給した状態で行う。本発明は陽極液の排出時期を規定するものではないが、通電直後からオゾンが発生して汚染原因物質が生成されるので、通電後は可及的速やかに陽極液とともに汚染原因物質することが好ましく、特に好ましくは通電と同時に陽極液の排出を開始することが好ましい。また、陽極液を排出する際には、陽極触媒層(23)が陽極液に接触した状態を維持するように排出し、かつ洗浄の間も両極間に直流電流を供給し続けることが好ましい。これにより、陽極液排出後純水を供給するまでの間にもオゾンを十分に発生させて汚染原因物質を早期に生成させて早期に除去することができる。また、陽極触媒が二酸化鉛を使用する場合は、電流を供給しない状態で水に接触させることは電解性能の低下の一因となり好ましくないので、陽極触媒の性能維持という観点からも、洗浄中も陽極触媒層(23)が陽極液に接触しかつ電流を供給し続けることが好ましい。このようにオゾンを発生させながら洗浄を行うには、陽極液の全部を排出して陽極室(21)を空にするのではなく、一部を残して排出すれば良い。陽極室(21)に陽極液の一部を残すことで汚染原因物質の一部も残るが、残留した汚染原因物質量に応じて陽極液の排出と純水の供給を繰り返し、複数回の洗浄を行うことで汚染原因物質を陽極室(21)内から除去することができる。また、陽極液の排出から純水の供給までの時間は任意に設定することができる。排出後直ちに供給しても良いし、時間をおいて供給しても良い。
本発明において、陽極液の排出と純水の供給を1回の洗浄と数え、少なくとも1回の洗浄を行えば良く洗浄回数に制限はない。陽極触媒層(23)および陽イオン交換膜(10)の材料特性やこれらに用いられた樹脂中に残留する溶媒量等によって汚染原因物質の量が異なるので、洗浄回数は使用する陽極触媒層(23)および陽イオン交換膜(10)に応じて適宜設定すれば良いからである。また、2回以上の洗浄を行う場合は、連続して洗浄しても良いし、断続的に洗浄しても良い。さらに、陽極液の排出量、純水の供給量、排水から供給まで時間間隔、洗浄の時間間隔も一定にする必要はなく、変化させても良い。
電解オゾン発生装置(M)は、以上の方法で始動時処理を実施した後に本稼働させる。陽極液中の汚染原因濃度を低下させた状態で本稼働を行うので、本稼働における汚染原因物質の陰極側への透過量を減少させ、汚染原因物質の陰極触媒層(33)への付着を防止できる。よって、陰極触媒層(33)の疎水性が維持されるので、水素の陽極室(21)への透過量が減少し、陽極(20)においては高純度のオゾンを得ることができ、かつ酸素(オゾンを含む)ガスおよび水素ガスの混合による危険も回避されて安全な稼働を行える。汚染原因物質の多くは始動時に発生するので、本稼働前にそれらを除去しておくことで安定した電解を行え、電解性能を長期間維持することができる。
なお、本発明の方法を実施する電解オゾン発生装置の構成は図1に限定されるものではなく、陽極液の排出と純水の供給による始動時処理が行える限り種々の変更が可能である。例えば、電解セル(1)に純水用の供給口を別途設け、陽極液循環ラインを経ずに純水を供給するように構成することができる。また、陽極液循環ラインの第1導管(41)を分岐して陽極液循環装置(40)の手前で陽極液を排出させるようにしても良く、陽極室(21)に環流することなく陽極液を排出できる。さらには、電解オゾン発生装置は陽極液を循環させることも必須要件としない。
また、始動時処理に関わる操作、即ち、陽極室(21)から陽極液の排出するためのバルブ(47)の開閉、排出量の設定、純水供給路(44)による純水供給、純水供給量の設定、排出から供給までの時間間隔、洗浄回数、2回以上洗浄する場合の時間間隔等の設定は、制御装置において予め設定された条件に従って自動的に行っても良いし、オペレータが手動で行っても良い。
[第2の始動時処理]
第2の始動時処理は、電解セル(1)の組み立て前に行う処理であり、陽極(20)に由来する汚染原因物質を電解セル(1)に持ち込まないための処理である。
上述したように、汚染原因物質の一部は陽極(20)の構成材料に由来しているので、陽極(20)を予めオゾン水で洗浄して汚染原因物質を除去しておき、洗浄済みの陽極(20)を用いて電解セルを組み立てることにより、陰極触媒層(33)の疎水性を維持して水素の陽極室(21)への透過量を減少させることができる。また、汚染原因物質は陽極(20)のうちでも特に陽極触媒層(23)の樹脂および製造時に使用した残留溶媒に由来しているので、陽極(20)を陽極集電体または陽極基体(22)と陽極触媒層(23)と分離できる場合は、少なくとも陽極触媒層(23)を予めオゾン水で洗浄することによって陰極触媒層(33)の疎水性を維持して水素の陽極室(21)への透過量を減少させることができる。
陽極(20)または陽極触媒層(23)のオゾン水洗浄は、例えば、これらをオゾン水に所定時間浸漬し、この間にオゾンまたはラジカル類による分解によって汚染原因物質を生成させてオゾン水に溶出させることにより行う。
オゾン水の生成および洗浄は、例えば図2に参照される洗浄装置(60)を用いて行うことができる。即ち、密閉した散気瓶(61)に純水と陽極触媒層(23)または陽極(20)を入れ、この純水に導入管(62)からオゾンガスを吹き込んでオゾンガスを水に溶解させてオゾン水とし、所定時間連続的にオゾン水を吹き込むことによって陽極触媒層(23)をオゾン水に浸漬する。図2中、(63)は廃オゾンを含む廃ガスの排出管である。
本発明は洗浄条件を規定するものではないが、オゾン水中のオゾン濃度が高い程短時間で洗浄できるので、オゾン濃度は可及的に高いことが好ましく、飽和濃度とすることが好ましい。室温(25℃)における飽和オゾン濃度は40ppmである。また、上述した洗浄装置(60)を用いる場合はオゾン水中のオゾン濃度を短時間で所定濃度(例えば飽和濃度)に到達させることが好ましく、このため純水に吹き込むオゾンガスは高濃度オゾンガスを用いることが好ましい。例えば、ゼロギャップ方式の純水電解セルを液温度30±5℃で稼働すると198〜205g/Nmのオゾンガスが得られるが、この程度の高濃度オゾンガスを用いれば短時間で飽和濃度に到達させることができる。また、浸漬時間は、陽極触媒層(23)を構成する材料の特性や製造時に除去されずに残留した溶媒量等に応じて、汚染原因物質が十分にオゾン水に溶出するように適宜設定する。ただし、二酸化鉛は非通電状態で長時間水に接触していると二酸化鉛が還元し他の物質に変化して電解性能が低下するので、陽極触媒が二酸化鉛である場合は、二酸化鉛が電解性能の低下を起こさないように短時間で洗浄することが好ましい。具体的には、可及的に短時間で洗浄するために、飽和オゾン濃度のオゾン水を用いて30分〜2時間の浸漬時間で洗浄することが好ましい。導電性ダイヤモンドおよび白金は非通電状態で水に接触させても他の物質に変化することはないので、長時間洗浄による電解性能の低下は生じない。
本発明のオゾン発生用電解セルの始動方法は、陽極、陽イオン交換膜、陰極を構成する材料の種類や特性にかかわらず適用でき、始動時処理を行うことによって本稼働開始時の陽極液中の汚染原因物質濃度を低減することができる。なかでも、陽極触媒層が、陽極触媒が樹脂に分散された層で構成されている場合に適用意義が大きい。その理由は、樹脂は他の材料よりもオゾンおよびラジカル類によって分解される可能性が高く、陽極液中の汚染原因物質濃度を高める要因の一つとなるからである。また、樹脂のなかでもポリビニリデンジフロライドを用いた陽極触媒層に対して本発明の適用意義が大きい。ポリビニリデンジフロライドはオゾン発生用電解セルに使用可能なオゾン耐性を有する樹脂であるが、従来から広く用いられているポリテトラフルオロエチレンよりもオゾン耐性が劣るために汚染原因物質をより多く発生させる可能性があるためである。
また、陽極触媒層を構成する樹脂がモノマーとしてビニリデンジフロライドを含有する共重合体である場合も本発明の適用意義が大きい。前記共重合体として、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの三元共重合体を例示できる。前記テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンジフロライドの三元共重合体(以下の説明において「THV共重合体」と略する)は、ビニリデンジフロライド(−CHCF−)よりも化学的安定性の高いテトラフルオロエチレン(−CFCF−)およびヘキサフルオロプロピレン(−CHCF(CF)−)をモノマーに有することで、上述したポリビニリデンジフロライドよりもオゾンおよびラジカル類に対する耐性が高い。しかしながら、モノマーにビニリデンジフロライドを有することでポリテトラフルオロエチレンよりも汚染原因物質をより多く発生させる可能性があるためである。
前記THV共重合体を用いた陽極触媒層はポリビニリデンジフロライドを用いた陽極触媒層よりも汚染原因物質の発生量が少ないので、第1の始動時処理においては洗浄回数を減らす、第2の始動時処理においてはオゾン水への浸漬時間を短縮する等の洗浄条件を緩和することができる。ただし、汚染原因物質の発生量は、樹脂の種類の他、陽極触媒層製造時の溶媒残留量等の他の要因によっても増減があるので、洗浄条件は樹脂の種類だけでなく汚染原因物質の発生量に基づいて設定することが好ましい。もとより本発明は適用する陽極触媒層の樹脂を限定するものではない。
また、陰極触媒層についても、陰極触媒が樹脂に分散された層で構成されている場合に本発明の適用意義が大きく、特に陰極触媒がポリテトラフルオロエチレンに分散された層で構成されている場合に適用意義が大きい。その理由は、ポリテトラフルオロエチレンは陽極から移動した汚染原因物質が付着すると親水性側に傾いて水素気泡の内圧が水の表面張力に由来した高い値となり、その結果陽極室内への水素透過量が増加するからである。
[実施例1]
図1に示す電解オゾン装置(M)を用いて始動時処理を行った。
オゾン発生用電解セル(1)を構成する各部材は以下のもの用いた。
陽イオン交換膜(10)として、市販のパーフルオロスルホン酸型イオン交換膜(デュポン社製、商品名「ナフィオン117」)を煮沸純水中に30分間浸漬し、含水による膨潤処理を行ったものを用いた。
陽極集電体(22)として、厚さ2.6mmのチタン製びびり繊維焼結体(東京製鋼株式会社製)を中性洗剤で脱脂洗浄したものを用いた。さらに、チタン製びびり繊維焼結体上に、開孔率を30%以上とした厚さ0.2μmの白金箔を載せた。
陽極触媒層(23)は、陽極触媒である二酸化鉛の粉末(ナカライテスク株式会社製)をポリビニリデンジフロライドに分散させてシート状に成形したものを用いた。シート状の陽極触媒層(23)の作製は、二酸化鉛の粉末と、ポリビニリデンジフロライドをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた樹脂溶液(株式会社クレハ製、商品名「KFポリマー#1120」)とを混合してペースト状混合物を調製し、このペースト状混合物をガラス板上に100μmの厚さに塗布し、さらに乾燥させることにより行った。
陰極集電体(32)として、厚さ2.5mmのステンレス繊維焼結体(東京製綱株式会社製)を用いた。
陰極触媒層(33)として、白金担持カーボン触媒をポリテトラフルオロエチレン中に分散させた樹脂ベースの多孔性陰極触媒シートを用いた。陰極触媒シートは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン(三井フロロケミカル株式会社製、商品名「31−J」)と白金担持カーボン触媒を水に分散させた分散液を混合した後、乾燥させ、これにソルベントナフサを加えて混練した後、圧延工程、乾燥工程、焼成工程を経て作製したものであり、PTFE40質量%、白金担持カーボン触媒60質量%で、膜厚120μm、空隙率55%である。
そして、図1に示すように、陽極側セル枠(11)、陽極集電体(22)(白金箔付)、陽極触媒層(23)、陽イオン交換膜(10)、陰極触媒層(33)、陰極集電体(32)、陰極側セル枠(12)の順に配置して組み立て、図示されない締付け手段によって外側から押圧力を付与して各部材を密着させて、電解面積1dmのオゾン発生用電解セル(1)を組み立てた。この電解セル(1)を図1の電解オゾン発生装置(M)に組み込んだ。
(始動時処理)
前記電解オゾン発生装置(M)において、電解セル(1)の陽極室(21)および陰極室(31)を含む陽極液循環ライン全体に純水を満たした後、直ちに、下記(1)〜(6)に示すステップを繰り返して12回の陽極室洗浄による始動時処理を行った。
(1)陽極−陰極間に直流電流を供給する。以降、直流電流を供給し続けるものとする。
(2)1回目の洗浄においては直流電流供給開始と同時にバルブ(47)を開き、2回目以降の洗浄においては直ちにバルブ(47)を開いて陽極室内の陽極液の2/3を排出用導管(46)から排出する。陽極液を排出した後も陽極触媒層(23)は満水時と同じ状態で陽極液に浸かっている。また、直流電流は供給し続けるものとする。
(3)陽極液排出後3分間の電解を行う。
(4)3分間の電解の後に、純水供給路(44)から陽極液循環装置(40)に純水を供給し、陽極液循環ラインを通じて陽極室(21)に純水を供給して満水にする。即ち、陽極液の排出量と同量に純水を供給した。
(5)満水状態で2分間の電解を行う。
(6)上記(1)に戻る。
(電解試験)
上述した始動時処理を行った後、続いて本稼働として電解試験を行った。電解試験は、陽極液を自然循環させながら電流密度2A/cm、電解液温度30±5℃で30日間電解を行った。また、陰極室(31)からの陰極液の排出に伴う陽極液の減少に対し、純水供給路(44)から適宜純水を供給し、陽極液循環ラインを通じて陽極室(21)に純水を供給した。
電解試験中、電解開始から1日経過後、10日経過後、30日経過後に、セル電圧およびオゾン発生効率、陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度、移行水量を測定した。陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度は、陽極液気液分離装置(45)および陰極液気液分離装置(50)によって分離した気体および液体を図外の分析装置によって定性および定量した結果である。これらの測定結果を後掲の表1に示す。
前記測定項目のうち、陽極液中のFイオンは陽極触媒層(23)の構成材料であるポリビニリデンジフロライドの分解生成物であってセルの汚染原因物質である。陰極液中のFイオンは前記分解生成物が陰極に移行したものであり、陰極室から陰極ガスおよび陰極液とともにセル外に排出される。陽極液および陰極液中のFイオン濃度は汚染原因物質濃度の指標となり、Fイオン濃度が高いほど各極室内の汚染原因物質濃度が高いことを表している。陽極室の汚染は電解性能を低下させる原因となる。また、陰極室(31)の汚染は陰極触媒層の表面を親水性側に傾けて水素の陽極室への透過量を増加させる原因となる。また、移行水量は陽極から陰極へ移行する水の透過量であり、HO(mol)/H(mol)として表される。
[実施例2]
(始動時処理)
実施例1と同じ方法でシート状陽極触媒層(23)を作製し、この陽極触媒層(23)を図2に示す洗浄装置(60)を用いて室温下でオゾン水による1時間の浸漬洗浄を行った。洗浄は、散気瓶(61)に純水100mlおよび陽極触媒層(23)を入れ、純水中にオゾン濃度が198〜205g/Nmのオゾンガスを1時間連続供給することにより行った。この浸漬洗浄中のオゾン水中のオゾン濃度は40ppmであった。また、オゾンガス供給量から計算される前記陽極触媒層(23)のオゾン接触量は8gである。
浸漬洗浄後にオゾン水中のFイオン濃度を測定したところ、1.0mg/Lであった。前記Fイオンは、陽極触媒層(23)の構成材料であるポリビニリデンジフロライドの分解生成物でありセルの汚染原因物質である。また、オゾン水中のFイオン濃度は溶出した汚染原因物質量を示すものである。
(電解試験)
オゾン水で洗浄した陽極触媒層(23)を用いて電解セル(1)を組み立て、この電解セル(1)を実施例1で使用した電解オゾン発生装置(M)に組み込み、実施例と同じ条件で電解試験を行い、電解開始から1日経過後、10日経過後、30日経過後に、セル電圧およびオゾン発生効率、陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度、移行水量を測定した。これらの測定結果を後掲の表1に示す。
[実施例3]
始動時処理として、陽極触媒層(23)のオゾン水への浸漬時間を24時間に変更したことを除き、実施例2と同じ処理を行った。前記始動時処理において、オゾンガス供給量から計算される前記陽極触媒層(23)のオゾン接触量は192gである。また、浸漬洗浄後にオゾン水中のFイオン濃度を測定したところ、5.5mg/Lであった。
始動時処理後の電解試験は実施例2と同じ条件で10日間の電解試験を行い、電解開始から1日経過後および10日経過後に、セル電圧およびオゾン発生効率、陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度、移行水量を測定した。これらの測定結果を後掲の表1に示す。
[比較例1]
始動時処理を行うことなく、電解試験のみを実施例1と同じ条件で行い、電解開始から1日経過後、10日経過後、30日経過後に、セル電圧およびオゾン発生効率、陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度、移行水量を測定した。これらの測定結果を後掲の表1に示す。
Figure 2012132963
表1に示した結果より、始動時処理を行った実施例1〜3と始動時処理を行わない比較例1とを比較すると、実施例1〜3は電解試験における陽極液および陰極液中のFイオン濃度が低く、汚染原因物質が始動時処理によって除去されたことを確認することができた。また、実施例1〜3は比較例1よりも陽極ガス中の水素濃度が低く、汚染原因物質を除去したことで陰極触媒層表面の疎水性が維持され、陰極から陽極への水素透過量を低減できることを確認した。実施例1〜3と比較例の移行水量にはあまり差がないことから、陽極から陰極への水の透過量が同程度でも、実施例1〜3の始動時処理が陰極から陽極への水素透過量を確実に低減させていることを示している。
陽極触媒層の浸漬洗浄を行った実施例2と実施例3との対比において、洗浄時間が長くなると汚染原因物質の除去量が増えて洗浄効果が増大し、電解セルを組み立て後の陽極ガス中の水素濃度を低濃度に維持できることを示している。また、24時間の浸漬洗浄を行った実施例3は1時間の浸漬洗浄を行った実施例2よりも低いオゾン発生効率を示した。これは、電極触媒である二酸化鉛の一部が長時間の浸漬によっては還元したためであると推測される。両者の対比より、二酸化鉛を用いた陽極触媒層の浸漬洗浄時間は、オゾン発生効率を重視すると24時間よりも1時間が好ましいことを示している。
[実施例4]
実施例1とは異なる樹脂で陽極触媒層(23)を作製した。
前記陽極触媒層(23)は、陽極触媒である二酸化鉛の粉末(ナカライテスク株式会社製)をTHV共重合体に分散させてシート状に成形したものを用いた。シート状の陽極触媒層(23)の作製は、二酸化鉛の粉末と、粉末状のTHV共重合体(住友スリーエム株式会社製、THV221AZ)を酢酸エチルに溶解させてTHV共重合体の含有比率を12質量%に調製した樹脂溶液とを混合してペースト状混合物を調製し、このペースト状混合物をガラス板上に100μmの厚さに塗布し、さらに乾燥させることにより行った。即ち、実施例1とは陽極触媒層(23)を構成する樹脂および溶媒が相違する。
陽極触媒層(23)の樹脂を変更したことを除いて実施例1と同じ材料でオゾン発生用セル(1)を組み立て、このオゾン発生用セル(1)を電解オゾン発生装置(M)に組み込んだ。
そして、実施例1と同じ条件で12回の陽極室洗浄による始動時処理を行い、続いて本稼働として実施例1と同じ条件で電解試験を行った。この電解試験中、実施例1と同じく、電解開始から1日経過後、10日経過後、30日経過後に、セル電圧およびオゾン発生効率、陽極ガス中の水素濃度、陽極液中のFイオン濃度、陰極液中のFイオン濃度、移行水量を測定した。これらの測定結果を表1に併せて示す。
陽極液中および陰極液中に検出されたFイオンは、陽極触媒層(23)の構成材料であるTHV共重合体を構成するビニリデンジフロライドの分解生成物であり、電解によって樹脂の溶解が発生したことを示している。しかし、オゾン発生効率が安定しかつ陽極ガス中の水素濃度が低濃度で安定していることから、始動時処理によるTHV共重合体の分解生成物除去効果が得られたと考えられる。また、同一回数の陽極室洗浄を行った実施例1と実施例4との比較において、実施例4は電解試験中を通して実施例1よりもFイオン濃度が低かった。このことは、THV共重合体の方がポリビニリデンジフロライドよりもオゾン耐性が高く分解生成物量が少ないために、同一回数の洗浄を行った後の残留量が少なく、かつ経時的に発生する分解生成物も少なかったためであると考えられる。
本願は、2011年3月30日付で出願された日本国特許出願の特願2011−75351号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明のオゾン発生用電解セルの始動方法は、ゼロギャップ方式のオゾン発生用電解セルの始動方法として広く利用できる。
M…電解オゾン発生装置
1…電解セル
10…陽イオン交換膜
20…陽極
21…陽極室
22…陽極集電体または陽極基体
23…陽極触媒層
24…陽極液供給口(純水供給手段)
25…陽極液・ガス取出口
26…陽極液排出口(陽極液排出手段)
30…陰極
31…陰極室
32…陰極集電体または陰極基体
33…陰極触媒層
35…陰極液・ガス取出口
40…陽極液循環装置(純水供給手段)
41…第1導管
42…第2導管(純水供給手段)
44…純水供給路(純水供給手段)
45…陽極液気液分離装置
46…排出用導管(陽極液排出手段)
47…バルブ(陽極液排出手段)
50…陰極液気液分離装置
60…洗浄装置

Claims (10)

  1. フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電流を供給することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルにおいて、始動時処理として陽極の洗浄を行うことを特徴とするオゾン発生用電解セルの始動方法。
  2. 前記始動時処理として、陽極−陰極間に直流電流を供給した後に陽極液の排出と純水の供給とによる陽極室の洗浄を1回以上行う請求項1に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  3. 前記陽極液の排出は、陽極触媒が陽極液に浸かった状態を維持して行う請求項2に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  4. 前記始動時処理として、陽極を電解セルの組み立て前にオゾン水で洗浄し、洗浄済みの陽極を用いて電解セルを組み立てる請求項1に記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  5. 前記陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  6. 前記陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  7. 前記陽極の陽極触媒層が、陽極触媒をポリビニリデンジフロライドに分散した層で構成され、かつ前記陰極の陰極触媒層が、陰極触媒をポリテトラフルオロエチレンに分散した層で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生用電解セルの始動方法。
  8. フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電圧を印加することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルと、
    前記電解セルの陽極室から陽極液を環流させることなく排出する陽極液排出手段と、
    前記電解セルの陽極室に純水を供給する純水供給手段とを備えることを特徴とする電解オゾン発生装置。
  9. フッ素樹脂系陽イオン交換膜の両側面に陽極および陰極を設けることにより陽極室と陰極室が形成され、陽極−陰極間に直流電流を供給することにより陽極室に供給された純水を電気分解し、陽極よりオゾンを発生させ、陰極より水素を発生させるオゾン発生用電解セルにおいて、
    前記陽極は電解セルの組み立て前にオゾン水で洗浄されたものであることを特徴とするオゾン発生用電解セル。
  10. 請求項9に記載のオゾン発生用電解セルを備えることを特徴とする電解オゾン発生装置。
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