JPH0622565B2 - 眼内レンズ用材料 - Google Patents

眼内レンズ用材料

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JPH0622565B2
JPH0622565B2 JP61256540A JP25654086A JPH0622565B2 JP H0622565 B2 JPH0622565 B2 JP H0622565B2 JP 61256540 A JP61256540 A JP 61256540A JP 25654086 A JP25654086 A JP 25654086A JP H0622565 B2 JPH0622565 B2 JP H0622565B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は眼内レンズ用材料に関し、とりわけ軟質で含水
性を呈するが、従来の含水性眼内レンズ用材料と比べて
比較的高い屈折率を有する眼内レンズ用材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、眼内レンズ用材料としてポリメチルメタクリレー
トが主に用いられてきた。しかしながら、ポリメチルメ
タクリレートは硬質であるために、それからなる眼内レ
ンズを挿入する時や挿入した後にレンズが眼の細胞組織
と接触してその細胞組織にダメージを与えるという欠点
があった。
そこで、軟質な素材としてシリコーンラバーを眼内レン
ズ用材料に用いることが以前から検討されていた。シリ
コーンラバーからなる眼内レンズは、素材自体が柔軟で
あるために、眼内レンズを挿入する時や挿入した後にレ
ンズが眼の細胞組織と接触してその細胞組織にダメージ
を与えるという欠点が解消されるとともに、レンズを折
り曲げて眼内に挿入することができるので、レンズを挿
入するための切開創を小さくすることができるという利
点もあった。
しかしながら、シリコーンラバーからなる眼内レンズ
は、その表面が強い疎水性(撥水性)であるために、房
水中の脂質などの親油性の汚れが付着しやすくレンズの
透明性が低下しやすいとう問題や、材料が劣化しやすい
ために長期間眼内に挿入しておくには安全性の面で問題
があった。さらに、シリコーンラバーは屈折率がポリメ
チルメタクリレートと比べて比較的低い。
ために、ポリメチルメタクリレートからなるレンズと同
等のパワーを有するレンズを得るためには、シリコーン
ラバー製のレンズは、その厚みを厚くしなければなら
ず、したがって体積も重量も大きくなってしまうという
欠点があった。
一方、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主体とす
る重合体(多くの場合、補強や形状安定などの目的のた
めにメチルメタクリレートや架橋剤を少量添加して得ら
れた共重合体である)を眼内レンズ用材料に用いること
も以前から検討されていた。この素材は含水性を呈し軟
質であるために、シリコーンラバーからなる眼内レンズ
と同様に眼内レンズを挿入する時や挿入した後にレンズ
が眼の細胞組織と接触してその細胞組織にダメージを与
えるという欠点が解消され、しかも、乾燥した状態の小
さな眼内レンズを小さな切開創を通して挿入することが
でき、そして挿入後、レンズが水分を吸収して膨潤し、
所望の大きさの眼内レンズとすることができるなどとい
った利点を有するとともに、素材自体が親水性であるた
めに房水中の脂質などの親油性の汚れが付着しにくく、
またシリコーンラバー製のレンズと比べて材料が劣化し
にくく安全性の面でより優れていた。
しかしながら、含水性を呈する材料は、含水率が高くな
るに従って、材料中に含まれている水分の屈折率に影響
されるようになる。つまり、例えば2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートのモノマー自体の屈折率(▲n
20 D▼)が1.454であるのにもかかわらず、その重
合体の屈折率は、含水状態では低下してしまうのであ
る。
したがって、シリコーンラバーからなる眼内レンズと同
様に、ポリメチルメタクリレートからなるレンズと同等
のパワーを有するレンズを得るためには、ポリ2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート製のレンズは、その厚みを
厚くしなければならず、したがって体積も重量も大きく
なってしまうという欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
眼内レンズを挿入する時や挿入した後にレンズが眼の細
胞組織と接触してその細胞組織にダメージを与えるとい
う欠点が解消されるとともに、レンズを挿入するための
切開創を小さくすることができるという利点も有する眼
内レンズ用材料であって、含水性を呈しても従来の含水
性眼内レンズ用材料と比べて比較的高い屈折率を有する
材料が、眼内レンズ用材料として最も好ましいと考えら
れるのである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決する為に鋭
意研究を重ねた結果、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートに高屈折率性のモノマーを添加して得られる共
重合体が、前記従来の問題点を解決するうえで最も効果
的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記A成分およびB成分を主成分
とする共重合体からなることを特徴とする眼内レンズ用
材料を提供することである。
A成分:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート B成分:環構造もしくはハロゲン原子(ただし、フッ素
原子を除く)を含有する(メタ)アクリル酸エステルお
よび/または(メタ)アクリルアミド誘導体 本発明で使用するA成分は、含水性を呈し柔軟な眼内レ
ンズ用材料を得るために使用する成分である。
A成分の具体例として、例えばヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
これらのうちから1種もしくは2種以上を選択して使用
すればよい。
前記A成分のなかでも、とりわけ低含水性の材料を与え
るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを主要な親
水性モノマーとして使用するのが望ましい。なぜなら
ば、含水性材料は含水率がおよそ30%前後を境に、そ
れよりも含水率が高くなるにつれて、屈折率が含水され
ている水分に影響されるようになり(屈折率が含水率に
依存するようになる)、たとえ高屈折率を与えるモノマ
ーを添加しても思うように屈折率が高くならずに、該高
屈折率モノマーを使用する効果が薄れてしまうからであ
る。したがって、本発明では材料の含水率がおよそ30
%以下であるのが望ましく、それゆえA成分の中でも低
含水性の材料が得られやすく、比較的劣化しにくく安全
性の面で高い評価を得ているヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートがとりわけ好ましいのである。
本発明で使用するB成分は、高い屈折率を眼内レンズ用
材料に付与するための成分である。
環構造の例として、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基などに代表されるシクロアルキル
基;フェニル基、ナフチル基もしくはこれらの置換基が
アルキル基などで一部が置換されたアリール基などが挙
げられる。
ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが
あるが、フッ素原子は屈折率を低下させるので好ましく
ない。
B成分としては、例えばシクロアルキル(メタ)アクリ
レート、ハロゲノアルキル(メタ)アクリレート、ハロ
ゲノシクロアルキル(メタ)アクリレート、置換されて
いてもよいN−フェニル(メタ)アクリルアミドなどが
挙げられ、より具体的には、例えばシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ブロモシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、N−フェニル(メタ)アクリル
アミドなどが挙げられる。
これらのうちから1種もしくは2種以上を選択して使用
すればよい。
A成分の使用量は、A成分とB成分の合計量が100重
量部に対しておよそ97〜60重量部の範囲内であるの
が望ましい。
一方、B成分の使用量は、A成分とB成分の合計量が1
00重量部に対しておよそ3〜40重量部の範囲内であ
るのが望ましい。
B成分の使用量が、3重量部より少ないとB成分を使用
する効果が十分に得られなくなってしまい、40重量部
より多いと相対的にA成分の使用量が少なくなり、A成
分を使用する効果が十分に得られなくなってしまう。
A成分、B成分以外にも、その他のモノマーや架橋剤、
染料、紫外線吸収剤などを添加した共重合体としてもよ
い。
その他のモノマーの例として、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレートなどに代表されるアルキル(メ
タ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、2
−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジアリルカー
ボネートなどに代表される芳香環を有するビニル化合
物;グリシジル(メタ)アクリレート;イタコン酸、ク
ロトン酸またはマレイン酸の低級アルキルエステル;ト
リス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)ア
クリレートなどに代表されるシリコン含有(メタ)アク
リレート類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリ
ドンなどに代表されるN−ビニルラクタム類;(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミドなどに代表される(メタ)アクリルアミド類;メト
キシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートな
どに代表されるアルコキシ基含有(メタ)アクリレート
などが挙げられ、これらのうちから1種もしくは2種以
上を選択して使用すればよい。これらは、材料に適度の
機械的強度を与え補強する等の目的で添加される。
その他のモノマーの添加量は、全共重合成分100重量
部に対しておよそ0重量部〜20重量部の範囲内である
のが好ましい。
架橋剤の例として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル
(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ア
ジピン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレートなどの
通常使用される架橋剤が挙げられ、これらのうちから1
種もしくは2種以上を選択して使用すればよい。これら
は、材料に良好な形状安定性を付与し、種々の溶媒に対
して不溶化させる(耐溶媒性を高める)等の目的で添加
される。
架橋剤の添加量は、全共重合成分100重量部に対して
およそ0.01重量部〜2重量部の範囲内であるのが好
ましい。
染料、紫外線吸収剤などは、通常使用されているものの
中で適当なものを適量加えればよい。これらは重合性の
官能基を有するものがよく、重合性の官能基を有すれ
ば、共重合に供されて化学的に結合され、後で溶出して
くる心配がないからである。
以上のように、A成分、B成分および必要に応じてその
他のモノマーや架橋剤等の各種成分を均一に混合し、該
混合液を共重合させて眼内レンズ用材料を得る。
重合は通常ラジカル重合にて加熱するかもしくは紫外線
などの光線を照射することにより行われる。この場合、
塊状重合法もしくは溶液重合法などの重合方法が適宜選
択される。
ラジカル重合させるには、ラジカル重合開始剤を前記混
合液に添加して重合させる。その重合開始剤の例とし
て、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメ
チルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなどが
挙げられ、これらのうちから1種もしくは2種以上を選
択して使用すればよい。
加熱による重合の場合は、例えばおよそ20℃〜120
℃の温度範囲にて、徐々に昇温させながら数時間〜数十
時間加熱させる。
かくして得られた共重合体、つまり本発明の眼内レンズ
用材料は、レンズ形状に成形される。
成形方法は、得られた材料を乾燥状態で所望の形状に切
削・研磨加工したり、または前記成分の混合液を鋳型内
に注入して重合させ、重合と同時に成形を行うという手
段がとれる。レンズ本体のみを成形し、その後別に用意
した支持部材を取りつけて眼内レンズとしてもよいし、
レンズ本体と支持部材とを同時に成形して、レンズ本体
と支持部材が一体型の眼内レンズとしてもよい。
成形後、未反応物を抽出し、一旦抽出に用いた溶媒を除
去したのち、水和させることにより眼内レンズを得る。
本発明において、眼内レンズ用材料は特に35℃におけ
る含水率がおよそ30%以下であり、かつ20℃におけ
る含水時の屈折率(▲n20 D▼)がおよそ1.44以上
という物性値であることが望ましい。ただし、眼内レン
ズ用材料の含水率が余りにも低すぎると、目的とする柔
軟な材料が得られなくなってしまうので、含水率の下限
をおよそ15%以上とするのが望ましい。
〔作 用〕
本発明は、高屈折率を与えるモノマーを使用することに
より、含水性(とりわけ低含水領域(含水率がおよそ3
0%以下)において〕を呈しても、従来の含水性眼内レ
ンズ用材料と比べて高い屈折率の眼内レンズ用材料が得
られる。
〔実施例〕
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明がこれらの
実施例の記載によって何等の制約も受けるものではな
い。
また、本発明は以下の実施例の他にも、さらには上記の
具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、
改良なども含むものである。
参考例 1 「2−ブロモシクロヘキシルメタクリレートの合成」 N−ブロモアセトアミド69.0g(0.50mol)を
水450mlに溶解し、三つ口丸底フラスコに入れた。そ
こへシクロヘキセン41.0g(0.50mol)を滴下
した。滴下終了後、40〜50℃で約2時間反応させ
た。その後、放冷して室温になるまで撹拌を継続した。
反応液を分液ロートに移しブロモヒドリン層を分離し
た。水層をジエチルエーテル80mlで4回抽出し、抽出
液とブロモヒドリン層とを合わせて水200mlで3回洗
浄した。ブロモヒドリン等を含有するジエチルエーテル
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジエチルエーテルを
留去し、減圧蒸留すると無色透明の2−ブロモシクロヘ
キサノールが64.3g得られた。合成した2−ブロモ
シクロヘキサノールの赤外線吸収スペクトルを測定した
ところ、3400cm-1付近にO−H伸縮振動の吸収、6
90cm-1付近にC−Br伸縮振動の吸収が見られた。
次に、三つ口丸底フラスコに2−ブロモシクロヘキサノ
ール66.3g(0.37mol)、トリエチルアミン3
7.4g(0.37mol)、n−ヘキサン500mlを入
れて撹拌した。反応液を5℃以下に保ちながらメタクリ
ル酸クロライド38.7g(0.37mol)を徐々に滴
下した。その後、室温になるまで撹拌を続けた。生成し
た塩酸塩を濾別し、n−ヘキサン層を水を200mlで5
回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。n−ヘキサ
ンを留去して、残渣を減圧蒸留すると薄黄色透明の2−
ブロモシクロヘキシルメタクリレートが19.3g得ら
れた。合成した2−ブロモシクロヘキシルメタクリレー
トの赤外線吸収スペクトルを測定したところ、3400
cm-1付近のO−H伸縮振動の吸収が消失し、一方、エス
テル伸縮振動の吸収(1720cm-1付近)とメタクリロ
イル基に由来する。
部分のC−H伸縮振動の吸収(3100cm-1付近)、C
=C伸縮運動の吸収(1635cm-1付近)、C−H変角
振動の吸収(1405cm-1付近)が現れていた。屈折率
(▲n20 D▼)を測定したところ、1.492であっ
た。
参考例 2 「2,3−ジブロモプロピルメタクリレートの合成」 三つ口丸底フラスコに2,3−ジブロモプロパノール3
3.0g(0.15mol)、トリエチルアミン15.3
g(0.15mol)、アセトン200mlを入れて撹拌し
た。反応液を5℃以下に保ちながらメタクリル酸クロラ
イド15.8g(0.15mol)を徐々に滴下した。そ
の後、室温になるまで撹拌を続けた。生成した塩酸塩を
濾別し、アセトン層を濃縮した。濃縮液をクロロホルム
250mlに溶解し、水200mlで3回洗浄して無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去して、残渣
を減圧蒸留すると薄黄色透明の2,3−ジブロモプロピ
ルメタクリレートが24.3g得られた。合成した2,
3−ジブロモプロピルメタクリレートの赤外線吸収スペ
クトルを測定したところ、3400cm-1付近にO−H伸
縮振動の吸収は見られず、一方、エステル伸縮振動の吸
収(1725cm-1付近)とメタクリロイル基に由来する 部分のC−H伸縮振動の吸収(3100cm-1付近)、C
=C伸縮振動の吸収(1635cm-1付近)、C−H変角
振動の吸収(1405cm-1付近)が見られた。屈折率
(▲n20 D▼)を測定したところ、1.520であっ
た。
実施例 1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート84.8重量部、
シクロヘキシルメタクリレート15重量部、エチレング
リコールジメタクリレート0.2重量部、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.06重量部を混合し、ポリプロピレ
ン製の試験管に該混合液を注入して、35〜50℃で4
7時間加熱し、その後110℃まで21時間徐々に昇温
して重合させた。得られた棒状の共重合体を乾燥状態で
切削加工し、直径約12mm、厚さ各約0.18mm、約
0.5mm、約4.0mmの試験片を作製し、各種物性〔含
水率、屈折率(含水状態)、外観(含水状態)、線膨潤
率〕等を測定した。各種物性は第1表に記載した通りで
ある。
ただし各種物性は次のようにして測定した。
(含水率、%) 得られた試験片の生理食塩水中35℃における含水率
を、次式に従って測定した。
得られた試験片(厚さ約4.0mm)の平衡含水状態、2
0℃における屈折率(▲n20 D▼)をJIS K−71
05に記載された試験方法に準拠して測定した。
(外観) 平衡含水状態の試験片の外観を肉眼により観察した。
(線膨潤率、%) 得られた試験片の生理食塩水中35℃における線膨潤率
を、次式に従って測定した。
実施例 2〜13 第1表および第2表に示す各成分組成にて、実施例1と
同様にして、試験片を作製し、各種物性〔含水率、屈折
率(含水状態)、外観(含水状態)、線膨潤率〕等を測
定した。各種物性は第1表および第2表に記載した通り
である。
比較例 1〜5 第3表に示す各成分組成にて、実施例1と同様にして、
試験片を作製し、各種物性〔含水率、屈折率(含水状
態)、外観(含水状態)、線膨潤率〕等を測定した。各
種物性は第3表に記載した通りである。
また、本発明の実施例1〜13および比較例1〜4でえら
れた材料の含水率と屈折率(▲n20 D▼)の関係を第1
図に示した。
第1表〜第3表および第1図から明らかなように、とり
わけ材料の含水率が30%以下の場合において、本発明
における高屈折率性のモノマーの加える相対量を多くす
ると、それだけ得られる材料の屈折率が上昇し、含水率
が低くなるにつれてその傾向が顕著になる。
〔発明の効果〕 本発明の眼内レンズ用材料は、含水性を呈し、柔軟であ
るために、次の効果を有する。
(1) 眼内レンズを挿入する時や挿入した後において、
レンズが眼の細胞組織と接触してもその細胞組織に重篤
なダメージを与えない。
(2) 含水状態でレンズを折り曲げて眼内に挿入した
り、乾燥状態のレンズを小さな大きさのまま挿入したり
することができるので、レンズを挿入するための切開創
を小さくすることができる。
(3) 表面が親水性であるので、房水中の脂質等の親油
性のよごれがレンズ表面に付着しにくい。
また、本発明の眼内レンズ用材料は、高屈折率を与える
モノマーを成分として使用した共重合体であるので、含
水性を呈するのにもかかわらず、従来の含水性眼内レン
ズ用材料と比べて比較的高屈折率を有するレンズ材料が
得られ、次の効果を有する。
(4) 従来から提案されている2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを主体とする重合体からなる眼内レンズと
同等のパワーを有する眼内レンズを得る場合、レンズの
厚みを薄くすることができ、その分体積も小さく、重量
も軽い眼内レンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例1〜13と比較例1〜4にお
ける含水率と屈折率(▲n20 D▼)の関係を示すグラフ
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分AおよびBを主成分とする共重合
    体からなることを特徴とする眼内レンズ用材料。 A:ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート B:環構造もしくはハロゲン原子(ただし、フッ素原子
    を除く)を含有する(メタ)アクリル酸エステルおよび
    /または(メタ)アクリルアミド誘導体
  2. 【請求項2】前記環構造もしくはハロゲン原子(ただ
    し、フッ素原子を除く)を含有する(メタ)アクリル酸
    エステルおよび/または(メタ)アクリルアミド誘導体
    が、 シクロアルキル(メタ)アクリレート、ハロゲノアルキ
    ル(メタ)アクリレート、ハロゲノシクロアルキル(メ
    タ)アクリレート、置換されていてもよいN−フェニル
    (メタ)アクリルアミドから1種もしくは2種以上選ば
    れたものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の眼内レンズ用材料。
JP61256540A 1986-10-28 1986-10-28 眼内レンズ用材料 Expired - Lifetime JPH0622565B2 (ja)

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