JPH08308920A - 軟性眼内レンズ - Google Patents

軟性眼内レンズ

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JPH08308920A
JPH08308920A JP7122433A JP12243395A JPH08308920A JP H08308920 A JPH08308920 A JP H08308920A JP 7122433 A JP7122433 A JP 7122433A JP 12243395 A JP12243395 A JP 12243395A JP H08308920 A JPH08308920 A JP H08308920A
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meth
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高屈折率を有し、かつ、レンズを小さく折り
曲げて保持して眼内に挿入し、その後に保持した力を解
放してもレンズの光学部同士が粘着することなく、適度
の時間で元の形状に回復し安定化する軟性眼内レンズを
提供する。 【構成】 安息香酸不飽和エステルモノマーと、パーフ
ルオロオクチルメチルオキシアルキレン(メタ)アクリ
レートと、アルキル(メタ)アクリレートと、架橋性モ
ノマーとを必須モノマー成分として含む共重合体からな
る軟性眼内レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小切開創より容易に挿
入可能な軟性眼内レンズに関し、詳しくはレンズを小さ
く折り曲げ保持して眼内に挿入し、その後に力を解放し
てもレンズ光学部同士が粘着することなく、適度な時間
で元の形状に回復し安定化する高屈折率の軟性眼内レン
ズに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】老人
人口の増加に伴い、老人性白内障患者の増加が目立って
きた。白内障の治療は混濁した水晶体核と皮質を除去
し、眼鏡やコンタクトレンズによって視力を矯正する
か、眼内レンズを挿入するかのいずれかによって行なわ
れるが、現在は、水晶体全摘出後に眼内レンズを固定す
る方法が広く実施されている。レンズ素材としては、優
れた生体適合性および加工性を持つPMMA(ポリメチ
ルメタクリレート)が主流である。
【0003】一方、近年の超音波乳化吸引術の普及に伴
い、術後乱視の軽減を目的とした小切開手術が盛んにな
ってきた。現在、小切開手術用レンズとしては、被覆剤
や乳房再建材として実績のあるシリコーン製のレンズが
多いようである。しかし、シリコーンレンズは折り曲げ
て固定することが難しく、特殊なインジェクターを必要
とすること、折り曲げた状態からの形状回復力が強いた
め嚢内細胞を傷つけやすいこと等の物性面での問題点が
ある。また、細胞癒着が極めて少なく嚢内固定が不十分
であること、術後炎症や混濁が比較的多い等様々な問題
点を抱えている。
【0004】上述のシリコーンレンズの欠点を解消する
ため、特開平4−292609号公報には、2種以上の
アリールアルキル(メタ)アクリレートと架橋性モノマ
ーとをモノマー成分とする共重合体からなる軟性眼内レ
ンズが開示されている。
【0005】この特許公報に記載の軟性眼内レンズは高
屈折率であるため、レンズ厚を薄くできるという利点も
あるが、レンズを折り曲げると折り曲げた状態で粘着
し、離れにくく、眼内への挿入手技が容易でないという
欠点を有している。
【0006】一方、米国特許第5,331,073号明
細書の実施例1には、フェノキシエチルアクリレートと
n−ヘキシルアクリレートと架橋性モノマーのエチレン
グリコールジメタクリレートとをモノマー成分とする共
重合体からなる眼内レンズが開示されているが、この米
国特許明細書の実施例1に記載の眼内レンズは、折り曲
げた後、数秒以内で元の形状に戻り、形状回復が速すぎ
るため、嚢内細胞を傷つけやすいという欠点を有してい
る。
【0007】本発明の目的は、レンズを小さく折り曲げ
て保持して眼内に挿入し、その後に保持した力を解放し
てもレンズの光学部同士が粘着することなく、適度の時
間で元の形状に回復し安定化する軟性眼内レンズを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定のモノマー混
合液を重合してなる共重合体およびそれからなる高屈折
率の軟性眼内レンズは、折り曲げ可能な柔軟性を有する
と共に、折り曲げてレンズの光学部同士が接触しても粘
着することなく、さらに保持した力を解放したときに適
度な時間で元の形状に回復し安定化することを見出し
た。
【0009】本発明は、上記知見に基づいて完成したも
のであり、一般式(I)
【化5】 (式中、Xは水素原子、C1〜C18アルキル基、C1〜C
18アルコキシ基、ハロゲン原子、芳香族基であり、Yは
【化6】 (式中、nは0、1または2を表す)である)で表され
る安息香酸不飽和エステルモノマーの少なくとも1種
と、一般式(II)
【化7】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
はメチル基であり、mは0または1〜4の整数である)
で表されるパーフルオロエクチルエチルオキシアルキレ
ン(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種と、
一般式(III)
【化8】 (式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R4はC
4〜C18の直鎖または分岐状のアルキル基である)で表
されるアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なく
とも1種と、架橋性モノマーと、を必須のモノマー成分
として含む共重合体からなることを特徴とする軟性眼内
レンズを要旨とする。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の軟性眼内レンズを構成する第一のモノマー成分は、上
記の一般式(I)で示される安息香酸ビニルモノマーで
あり、高屈折率の軟性眼内レンズを得るのに必須のモノ
マーである。
【0011】上記一般式(I)において、Xは水素原
子、C1〜C18アルキル基、C1〜C18アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、芳香族基であり、Yは
【化9】 (式中、nは0、1または2を表す)である。Xは好ま
しくは、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、
臭素原子、フェニル基、ベンジル基等である。Yは好ま
しくは単結合(n=0の場合)または−CH2−(n=
1の場合)である。
【0012】モノマー(I)の好ましい具体例として
は、例えば安息香酸ビニル、p−メチル安息香酸ビニ
ル、m−メチル安息香酸ビニル、o−メチル安息香酸ビ
ニル、p−クロロ安息香酸ビニル、m−クロロ安息香酸
ビニル、o−クロロ安息香酸ビニル、p−ブロモ安息香
酸ビニル、m−ブロモ安息香酸ビニル、o−ブロモ安息
香酸ビニル、p−メトキシ安息香酸ビニル、m−メトキ
シ安息香酸ビニル、o−メトキシ安息香酸ビニル、p−
フェニル安息香酸ビニル、p−ベンジル安息香酸ビニ
ル、安息香酸アリルエステルなどが挙げられ、特に好ま
しいのは、安息香酸ビニル、p−メチル安息香酸ビニ
ル、p−クロロ安息香酸ビニルである。
【0013】本発明において、一般式(I)のモノマー
は、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50
〜70重量%の範囲で加えることができる。モノマー
(I)が40重量%未満では高屈折率の軟性眼内レンズ
が得られ難く、90重量%を超えると得られたレンズが
硬くなり好ましくない。
【0014】本発明の軟性眼内レンズを構成する第二の
モノマー成分は、上記の一般式(II)で示されるパーフ
ルオロオクチルエチルオキシアルキレン(メタ)アクリ
レートであり、軟性眼内レンズの表面粘着性を低減さ
せ、約60秒程度の適度な時間で元の形状に回復し安定
化する機能を付加するために重要な成分である。
【0015】上記一般式(II)において、R1およびR2
はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、m
は0または1〜4の整数である。
【0016】モノマー(II)の好ましい具体例として
は、例えばパーフルオロオクチルエチルオキシプロピレ
ン(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル
オキシエチレン(メタ)アクリレート、パーフルオロオ
クチルエチル−ジプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、パーフルオロオクチルエチル−ジエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエ
チル−トリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロオクチルエチル−トリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチ
ル−テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロオクチルエチル−テトラエチレングリ
コール(メタ)アクリレートが挙げられ、パーフルオロ
オクチルエチルオキシプロピレン(メタ)アクリレート
が特に好ましい。
【0017】本発明において一般式(II)のモノマー
は、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは5〜1
0重量%の範囲で加えることができる。モノマー(II)
が1重量%未満では、表面粘着性を低減させ、かつ適度
な時間で元の形状に回復し安定化するために十分な効果
が発揮されにくくなり、20重量%を超えると、得られ
た軟性眼内レンズの形状回復性が著しく低下するととも
に屈折率の低下を招き好ましくない。
【0018】本発明の軟性眼内レンズを構成する第三の
モノマー成分は上記の一般式(III)で示されるアルキ
ル(メタ)アクリレートであり、軟性眼内レンズ材料に
柔軟性を与えるために必須の成分である。
【0019】上記一般式(III)において、R3は水素原
子またはメチル基であるが、水素原子であるのが好まし
く、またR4はC4〜C18の直鎖または分岐状のアルキル
基であるので、一般式(III)で示されるモノマーの具
体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウン
デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシ
ル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリ
レート、オクタデシルアクリレート等が挙げられ、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレートおよびノニル(メタ)アクリレートが特に
好ましい。
【0020】一般(III)のモノマーは、好ましくは1
0〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%、特
に好ましくは20〜35重量%の範囲で加えることがで
きる。10重量%未満では、レンズに十分な柔軟性を与
えることができにくくなり、50重量%を超えると、屈
折率が低下するため好ましくない。
【0021】なお、本発明において、上記モノマー
(I)、(II)および(III)は、それぞれ単一種類のも
のを用いてもよいし、複数種類のものを混合して用いて
もよい。
【0022】本発明の軟性眼内レンズを構成する第四の
モノマー成分は架橋性モノマーであり、単独でまたは2
種以上を混合して用いられる。架橋性モノマーは、レン
ズの塑性変形の防止および機械的強度のさらなる向上の
ため必須の成分であり、その具体例としては、例えばエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパント
リ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,9−ノニルジオールジ(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼン、ジアリルフタレート等が挙げられ、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,9−ノニルジオ
ールジアクリレートおよびトリメチロルプロパントリア
クリレートが特に好ましい。
【0023】架橋性モノマーの使用量は、一般式
(I)、(II)および(III)のモノマー総量に対し0.
1〜10重量%が好ましい。特に好ましくは、0.5〜
5重量%である。0.1重量%未満では架橋性モノマー
を導入した効果があらわれにくく、10重量%を超える
と架橋点が多くなるため脆くなり、機械的強度の低下が
起こりやすくなるため好ましくない。
【0024】本発明においては、軟性眼内レンズの構成
成分として上記必須成分に加えて紫外線吸収能を有する
モノマーを使用することができ、その代表例として下記
の化合物が挙げられる。
【0025】本願出願人による特許出願である特願平7
−54221号明細書に記載の下記一般式(IV)で示さ
れる化合物
【化10】 (式中、R5は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アル
キル基またはC1〜C4アルコキシ基である);
【0026】本願出願人による特許出願である特願平7
−35228号明細書に記載の下記一般式(V)で示さ
れる化合物
【化11】 (式中、R6は水素原子またはハロゲン原子であり、R7
は水素原子またはメチル基である);
【0027】特開平2−63463号公報に記載の下記
一般式(VI)で示される化合物
【化12】 (式中、R8は塩素原子またはメトキシ基である);
【0028】または国際公開WO94/24112号公
報に記載の一般式(VII)で示される化合物
【化13】 (式中、R9はハロゲン原子または分岐を有するC1〜C
6アルコキシ基を示し、R10は−CH2CH2O−、−C
H(CH3)CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−
CH2CH2CH2OCH2−、−CH(CH3)CH2OC
2−または−CH2CH(CH3)OCH2−を示す)
【0029】紫外線吸収能を有するモノマーの使用量
は、一般式(I)、(II)および(III)のモノマー総量
に対し0.1〜3重量%が好ましい。特に好ましくは
0.2〜1.5重量%である。0.1重量%未満では紫
外線防止効果が期待できず、3重量%を超える量を用い
ても、その紫外線防止効果のそれ以上の著しい向上が期
待できない。
【0030】また、得られる軟性眼内レンズ材料を着色
するために、着色剤を使用することもできる。好ましい
着色剤の具体例としては、特開平7−24052号公報
に記載の種々の分散染料が挙げられ、CIソルベントイ
ェロー93、CIソルベントイェロー44、CIソルベ
ントイェロー16、CIソルベントイェロー77、CI
デスパースイェロー3等が特に好ましい。着色剤の使用
量は、一般式(I)、(II)および(III)のモノマーの
総量に対し0.1重量%以下が好ましい。
【0031】次に、本発明の軟性眼内レンズの製造方法
について説明する。本発明の軟性眼内レンズを構成する
共重合体を製造するに際しては、先ず上記モノマーの混
合液に重合開始剤を添加して十分に撹拌し、均質なモノ
マー混合液を調製した後、通常の方法で重合する。前記
通常の方法とはラジカル重合開始剤を添加した後、段階
的あるいは連続的に40〜120℃の温度範囲で昇温す
るか、紫外線や可視光線等を照射する方法である。
【0032】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、一般的なラジカル重合開始剤として知られている、
アゾビスバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル
(以下、AIBNという)等のアゾ系開始剤や、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート等の有機過酸化物が使用できる。上記開始剤の使
用量としては、モノマー総量に対して0.5〜5重量%
程度が好ましい。
【0033】本発明の軟性眼内レンズを構成する共重合
体は、上記モノマー混合液を所望の眼内レンズ形状をし
た鋳型に充填して成型物を得る鋳型(モールド)法や、
重合を適当な型または容器中で行い、棒状、ブロック
状、板状の共重合体を得た後、共重合体を低温で切削、
研磨する方法により眼内レンズ形状に成形することがで
きる。
【0034】さらに、眼内レンズを得る場合には、レン
ズの支持部をレンズとは別に作製し、後でレンズに取り
付けても良いし、レンズと同時に一体的に成形しても良
い。支持部材料としては、ポリプロピレン、PMMA等
が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0036】実施例1 容量30mlのアンプル管にモノマー(I)である安息
香酸ビニル(BAV)2.6g(65重量%)、モノマ
ー(II)であるパーフルオロエチルオキシプロピレンメ
タクリレート(BRM)0.2g(5重量%)、モノマ
ー(III)であるブチルアクリレート(BA)1.2g
(30重量%)、架橋性モノマーであるエチレングリコ
ールジメタクリレート(EGDM)0.04g(上記モ
ノマー(I)、(II)および(III)の総量に対して1重
量%)、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)0.008g(上記全モノマーに対し0.
2重量%)を入れ、十分に撹拌し均質なモノマー混合液
を得た。この溶液を、テフロンフィルム(厚さ1mm)
をガラス板(厚さ1.3mm)で両側から挾んだ成形型
内およびポリプロピレン製の眼内レンズ作製用モールド
型内に注入した。次に、成形型およびモールド型を加圧
重合炉内に移し、圧力2kgf/cm2の窒素雰囲気
中、温度110℃で2時間重合を行い、フイルム状およ
び眼内レンズ光学部形状の共重合体を得た。得られた共
重合体は、メタノール100ml中に浸漬して、未重合
モノマーを除去した後、十分に乾燥させたものを試験試
料とし、各種物性を測定した。なお、物性の測定は下記
の方法に従って行った。
【0037】1.屈折率測定 アタゴ社製屈折率計を用いて、23℃におけるe線(5
46.1nm)での屈折率を測定した。 2.粘着性 眼内レンズ光学部形状の共重合体を眼内レンズ挿入器具
で把持し、36℃の室内で力を解放したとき、レンズ光
学部の粘着性を観察した。 [評価基準] ○:光学部は全く粘着しない △:光学部は粘着し、やや時間を経てから離れる ×:光学部は粘着し、離れない 3.形状回復性 フイルム状の共重合体(長さ10mm、幅5mm、厚さ
約1mm)を二つに折り曲げ、元の形状に戻るまでの時
間を測定した(単位は秒で表す)。
【0038】物性特性結果を表1に示す。表1より、本
実施例で得られた共重合体は、屈折率が1.55と高
く、粘着性がなく、さらに58秒という適度な時間で形
状回復するものであった。
【0039】実施例2〜8 モノマー組成を表1に記載のとおりとした以外は実施例
1と同様の操作で重合を行い、それぞれ共重合体を得
た。その後、実施例1と同様の操作により未重合モノマ
ーを除去し、各種物性を測定した。その結果を表1に示
す。表1より、実施例2〜8で得られた共重合体は、い
ずれも屈折率が高く、粘着性がなく、柔軟であり、約6
0秒程度で形状回復するものであった。
【0040】比較例1 容量30mlのアンプル管にフェニルエチルメタクリレ
ート(PEMA)2.176g(54.4重量%)、ブ
チルアクリレート(BA)1.824g(45.6重量
%)、エチレングリコールジメタクリレート(EGD
M)0.12g(PEMAおよびBAの総量に対して3
重量%)からなるモノマー混合液中に重合開始剤である
AIBN0.008g(上記モノマーの総量に対して
0.2重量%)を加え重合を行い、共重合体を得た。そ
の後、実施例1と同様の操作により未重合モノマーを除
去し、各種物性を測定した。その結果を表1に示す。本
比較例で得られた重合体は、屈折率が1.48と低く、
また、眼内レンズ光学部形状の共重合体を眼内レンズ挿
入器具で把持し、36℃の室内で力を解放したとき、レ
ンズ光学部同士が粘着性を示した。
【0041】比較例2 フェニルエチルメタクリレート(PEMA)1.26g
(31.5重量%)、フェニルアクリレート(PEA)
2.74g(68.5重量%)およびエチレングリコー
ルジメタクリレート(EGDM)0.12g(PEMA
およびPEAの総量に対して3重量%)を用いた以外
は、比較例1と同様に重合を行い、共重合体を得た。そ
の後、比較例1と同様の操作により未重合モノマーを除
去し、各種物性を測定した。その結果を表1に示す。本
比較例で得られた重合体は、屈折率1.55と高いが、
眼内レンズ光学部形状の共重合体を眼内レンズ挿入器具
で把持し、36℃の室内で力を解放したとき、レンズ光
学部同士が粘着性を示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1中の略語はそれぞれ下記のものを示
す。 BAV:安息香酸ビニル(モノマー(I)) BRM:パーフルオロオクチルエチルオキシプロピレン
メタクリレート(モノマー(II)) PEMA:フェニルエチルメタクリレート(本発明外) PEA:フェニルエチルアクリレート(本発明外) BA:ブチルアクリレート(モノマー(III)) EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(モノマー
(III)) NA:ノニルアクリレート(モノマー(III)) EGDM:エチレングリコールジメタクリレート(架橋
性モノマー) 1.9NA:1,9−ノニルジオールジアクリレート
(架橋性モノマー) TMPTA:トリメチロルプロパントリアクリレート
(架橋性モノマー)
【0044】表1に示すように、実施例1〜8の材料
は、それぞれ屈折率が1.53〜1.55と高く、粘着
性もなく、かつ55〜64秒という適度な時間で元の形
状に回復するものであることがわかる。
【0045】これに対し、比較例1および2の材料は、
粘着性が高く、また形状回復が23秒および25秒と比
較的速く、眼内レンズの材料としては好ましくない点を
有していることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の軟性眼内レンズは、レンズを小
さく折り曲げ保持して眼内に挿入し、その後力を解放し
てもレンズ光学部同士が粘着することなく、適度の時間
で元の形状に回復し安定化する。従って、嚢内細胞のダ
メージを与えることなく眼内で同化することのできると
いう効果を有する。また、高屈折率を有するため、レン
ズを薄く製造することができるという利点をも有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/18 MMC C08F 220/18 MMC 220/24 MMT 220/24 MMT 290/06 MRS 290/06 MRS G02C 7/04 G02C 7/04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは水素原子、C1〜C18アルキル基、C1〜C
    18アルコキシ基、ハロゲン原子、芳香族基であり、Yは 【化2】 (式中、nは0、1または2を表す)である)で表され
    る安息香酸不飽和エステルモノマーの少なくとも1種
    と、 一般式(II) 【化3】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
    はメチル基であり、mは0または1〜4の整数である)
    で表されるパーフルオロオクチルエチルオキシアルキレ
    ン(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種と、 一般式(III) 【化4】 (式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R4はC
    4〜C18の直鎖または分岐状のアルキル基である)で表
    されるアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なく
    とも1種と、架橋性モノマーと、を必須のモノマー成分
    として含む共重合体からなることを特徴とする軟性眼内
    レンズ。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のモノマーが安息香酸ビニ
    ル、p−メチル安息香酸ビニル、p−クロロ安息香酸ビ
    ニルからなる群より選ばれる、請求項1に記載の軟性眼
    内レンズ。
  3. 【請求項3】 一般式(II)のモノマーがパーフルオロ
    オクチルエチルオキシプロピレン(メタ)アクリレート
    である、請求項1に記載の軟性眼内レンズ。
  4. 【請求項4】 一般式(III)のモノマーがブチル(メ
    タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
    レートおよびノニル(メタ)アクリレートからなる群よ
    り選ばれる、請求項1に記載の軟性眼内レンズ。
  5. 【請求項5】 架橋性モノマーがエチレングリコールジ
    メタクリレート、1,9−ノニルジオールジアクリレー
    トおよびトリメチロルプロパントリアクリレートからな
    る群より選ばれる、請求項1に記載の軟性眼内レンズ。
  6. 【請求項6】 一般式(I)のモノマーを40〜90重
    量%、一般式(II)のモノマーを1〜20重量%および
    一般式(III)のモノマーを10〜50重量%含み、架
    橋性モノマーを一般式(I)、(II)および(III)のモ
    ノマーの総量に対して0.1〜10重量%含む、請求項
    1に記載の軟性眼内レンズ。
  7. 【請求項7】 紫外線吸収能を有するモノマーをモノマ
    ー成分として含む、請求項1に記載の軟性眼内レンズ。
  8. 【請求項8】 紫外線吸収能を有するモノマーを一般式
    (I)、(II)および(III)のモノマーの総量に対して
    0.1〜3重量%含む、請求項7に記載の軟性眼内レン
    ズ。
  9. 【請求項9】 黄色、黄褐色および橙色の着色剤からな
    る群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7に記
    載の軟性眼内レンズ。
  10. 【請求項10】 黄色、黄褐色および橙色の着色剤から
    なる群より選ばれる少なくとも1種を一般式(I)、(I
    I)および(III)のモノマーの総量に対して0.1重量
    %以下含む、請求項9に記載の軟性眼内レンズ。
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