JPH0622527B2 - 血小板保存用バッグ - Google Patents

血小板保存用バッグ

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JPH0622527B2
JPH0622527B2 JP63057656A JP5765688A JPH0622527B2 JP H0622527 B2 JPH0622527 B2 JP H0622527B2 JP 63057656 A JP63057656 A JP 63057656A JP 5765688 A JP5765688 A JP 5765688A JP H0622527 B2 JPH0622527 B2 JP H0622527B2
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JP
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bag
block copolymer
platelets
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poly
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準 二川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は血小板保存用バッグに関するものであり、更に
詳しくはバッグ内面に血小板が殆んど粘着せず、バッグ
内の血小板を殆んど完全に排出することができる長時間
保存可能な血小板保存用バッグに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、採取した血小板を長期間安全に貯蔵し、必要な時
に供給する血子板保存用バッグとして、ジオクチルフタ
レートのような可塑剤を含有したポリ塩化ビニル製バッ
グが知られているが、このバッグはガス透過率が小さ
く、血小板がバッグ表面で粘着し易く、血小板供給に際
して血小板の凝集能が低下したりした。またバッグは高
圧蒸気減菌に際してブロッキング性を示し、内面同士が
密着し、血小板をバッグ内に供給するのが困難であっ
た。更にこのバッグはポリ塩化ビニル中に可塑剤を含有
しているために長期間バッグ内に血小板を保存している
と可塑剤が血小板内に移行して、低浸透圧ショック回復
能などの血小板機能を低下させる欠点を有していた。
これらの欠点を改良した血液バッグ用プラスチック組成
物としてポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロッ
ク共重合体にポリプロピレンとエチレン酢酸ビニル共重
合体(又はポリエチレン)を混合した重合体組成物から
なるバッグが提案されている(特公昭62−19461号公
報)。
このバッグはブロー成形によって作られているために、
血液を排出していく時、血液が排出されて空洞化したバ
ッグの内面部分が密着せず、そのためにバッグ内に血液
が残る欠点があった。特に血小板保存用バッグにおいて
はバッグ内に空気を圧入して排出することができないた
めに、血小板をバッグ内に殆んど残存させないで排出す
ることは従来から血小板保存用バッグの課題であった。
更にブロー成形によってバッグを形成しているために膜
厚が大きくて、しかも不均一であるために、バッグのガ
ス透過性透明性等の血小板保存用バッグとして要求され
る性能が不均一である欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者はこれら従来技術の欠点を改良するために鋭意
検討した結果、ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレン
ブロック共重合体を含有する重合体からなるシートを2
枚重ね合わせ、その周辺部が熱溶着されたバッグの内面
を粗面にすることによって、バッグ内面に血小板が殆ん
ど粘着せず、バッグ内の血小板を殆んど完全に排出する
ことができ、ガス透過性、柔軟性の優れたバッグが得ら
れることを見出し、本発明に到達した。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明はポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体を含有する重合体からなる医療用
バッグにおいて、バッグ内面が粗面である2枚のシート
が重ね合わされ、その周辺部が熱溶着されて形成されて
なる血小板保存用バッグである。
〔作用および実施例〕
本発明はポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロッ
ク共重合体を含有する重合体をバッグ材料として使用す
ることによって、ポリ塩化ビニル製バッグのように可塑
剤が血小板内に移行し血小板機能を低下させる欠点がな
い。更にこの樹脂はガス透過性にも優れているのでバッ
グ内に長時間血小板を保存することが可能である。特に
ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロック共重合
体にポリプロピレンとエチレンアクリル酸エステル共重
合体を混合してなるポリマーアロイから形成されてなる
バッグは高温又は低温において変形が少ないので高圧蒸
気滅菌や凍結保存にも最適である。そして本発明バッグ
は2枚のシートの周辺部をシールして形成されているた
めに、膜厚が均一で薄いシートを形成することができガ
ス透過性、柔軟性、透明性の優れたバッグを得ることが
できる。またバッグ内面は粗面化されているので滅菌時
にバッグの内面同士が粘着して、バッグの両端部の血小
板が中央部より遅れて排出され、バッグ内の血小板残存
量が確認しにくい欠点はない。そしてバッグ内の血小板
を殆んど完全に排出することが可能である。
本発明で用いられるポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体は、ハードセグメントはポリスチ
レン又はその共重合体、ソフトセグメントはポリエチレ
ンブチレン共重合体の構造をしている。ハードセグメン
トとして使用されるポリスチレン又はその共重合体の分
子量は5,000〜120,000である。またソフトセグメントで
あるポリエチレンブチレン共重合体は分子量10,000〜25
0,000のポリブタジエンをハードセグメントを構成する
ポリスチレンとブロック共重合体を作った後、そのブロ
ック共重合体を水素添加することによって得ることがで
きる。ブロック共重合体に占めるソフトセグメントの割
合が60〜90重量%であると機械的物性、柔軟性とも優れ
たものが得られる。
このポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロック共
重合体を含有する重合体としてはこのブロック共重合体
にポリプロピレンを混合したもの、更にこのブロック共
重合体とポリプロピレンの重合体混合物にポリエチレ
ン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル
共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等を混
合した組成物が挙げられ、特にポリ(エチレンブチレ
ン)ポリスチレンブロック共重合体とポリプロピレンと
エチレンアクリル酸エステル共重合体を特定配合比で混
合した重合体混合物はポリマーアロイを形成し、高温又
は低温におけるバッグの物性変化が少ないので好まし
い。
次に本発明でポリプロピレンはポリプロピレン単独又は
それを主体とする共重合体である。共重合体成分として
はエチレン、ブテン−1等が挙げられ、その割合は10
重量%以下である。ポリプロピレンはバッグに成形した
時の強度を向上させる性能を有しており、他の重合体と
特定割合に混合し、ポリマーアロイを形成することによ
って強度は著しく向上する。
ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロック共重合
体とポリプロピレンとの重合体混合物の混合比はブロッ
ク共重合体10〜55重量%とポリプロピレン45〜9
0重量%である。またこの重合体に第3成分としてエチ
レンプロピレン共重合体(エチレン含有量40重量%以
上)又はエチレン酢酸ビニル共重合体(エチレン含有量
35重量%以上)を使用する際にはブロツク共重合体4
5〜85重量%、ポリプロピレン10〜40重量%、第
3成分1〜40重量%が好ましい。
第3成分としてエチレンアクリル酸エステル共重合体が
使用される際にはブロック共重合体25〜60重量%、
ポリプロピレン20〜40重量%、エチレンアクリル酸
エステル共重合体5〜35重量%の混合割合が好まし
く、この割合で混合した重合体混合物はブロック共重合
体のポリスチレンセグメントが結晶化配列した部分を少
なくとも2個以上有し、各々の重合体の分子鎖が網目状
に絡み合ったポリマーアロイを形成するので好ましい。
ここで用いられるエチレンアクリル酸エステル共重合体
はブロック共重合体とポリプロピレンの相溶化剤の作用
をし、ポリマーアロイ形成に寄与するが、ここで使用さ
れるアクリル酸エステルとしてはメチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げら
れ、共重合体成分中に占める割合は5モル%以上であ
る。エチレンアクリル酸エステル共重合体は重合体混合
物中5〜35重量%を占めるが、5重量%より少ないと
ポリマーの分散が悪くなり、押出加工性、透明性が悪
く、なかんずく低温特性が悪くなる傾向があり、35重
量%を超えると機械的強度が低くなる傾向がある。
バッグの成形はこれらのポリマーをブレンダーに投入
し、均一に混合した後、重合体混合物を溶融し、シート
状に押出し、周辺部を熱溶着して製造される。その際溶
融押出されたシートをエンボスロールで冷却したりして
シート表面を粗面化する。そしてシートの粗面化面をバ
ッグの内側にもってきてバッグ周辺部を熱溶着しバッグ
を形成する。シートの膜厚が100〜400ミクロンである
と、柔軟性、ガス透過性のよいバッグが得られて好まし
い。
シートの粗面化はバッグの片面又は両面に施してもよい
が、バッグ内面に形成される粗面の大きさは5〜100ミ
クロンが好ましい。粗面の大きさが100ミクロンを超え
ると、シートの透明性が悪く、又血小板が粗面の凹部に
残留する傾向があり、粗面の大きさが5ミクロン未満で
あると、滅菌時にバッグ内面がブロッキングする傾向が
ある。
以下実施例で本発明を説明する。
実施例1 ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブロック共重合
体(シエル化学社製クレイトンG−1650)60重量%、
ポリプロピレン(住友化学社製FL6711N)35重量
%、エチレンエチルアクリレート共重合体(エチルアク
リレート量15モル%日本ユニカー社製DPDJ 6182)5
重量%をミキサーで混合し、200℃で溶融してシート状
に25℃のエンボスロール上に押出して冷却し、厚さ250
ミクロンの両面粗面化されたシート(粗面の大きさ30
ミクロン)を製造した。このシート2枚を重ね合わせ、
その間に、第1図に示すように膜チューブのポート2個
と採血管と接続するチューブを挟んだ後ヒートシール機
でバッグの形にヒートシールし、溶断すると共に、ポー
ト部およびチューブもシールし容量150mlのバッグを製
造した。第1図において1はバッグ本体、2および3は
一対の到達口で、2は保護カバー、3は膜チューブを示
す。4および6は接続チューブ、5はコネクター、7は
採血管、8はプラスチック針、9はプロテクター、10
は懸垂用の穴を示す。血小板はプラスチック針8から採
血され、採血管7を通ってバッグ本体1に貯蔵される。
図面ではポート部分は3ケ所しかないが、4ケ所以上形
成することもできる。このバッグの性能を第1表に示
す。
比較例1 実施例1で使用した重合体混合物を200℃で溶融して押
出し、インフレーション製膜機を用いて最小膜厚250ミ
クロン、容量150mlのバッグを製造した。このバッグの
性能を第1表に示す。
表中の測定項目は次の方法で測定した。
(1)光透過率(%) バッグの10ケ所から9mm×45mmのサンプルを切取
り、水中で450mmの透過率を測定した。
(2)厚さ(ミクロン) バッグの10ケ所の厚さをダイヤルゲージで測定。
(3)残液量(ml) 150mlの血小板濃厚液をバッグ内に充填し輸血セットを
用いて落差50cmで排液し、終了した時の量を測定。
(4)ブロッキング性 空バッグを121℃で20分間オートクレーブ滅菌した時
のバッグ内面のシートの剥離状態で判断 ○ 手で容易に剥離できる。
△ 手で容易に剥離しにくい。
× 剥離困難 第1表から明らかなように本発明バッグは膜厚が比較例
バッグと比較して均一であり、血小板の残液量も少な
く、オートクレーブ滅菌した時のバッグ内面のブロッキ
ング性にも優れている。
実施例2 実施例1で使用したポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体60重量%およびポリプロピレン
30重量%にエチレン酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含有量15重量%)10重量%との重合体混合物を実施
例1と同様にシート状に成形し、バッグを製造した。比
較例2としてこの重合体混合物を比較例1と同様にブロ
ー成形してバッグを製造した。これらのバッグの性能を
第2表に示す。
実施例3 実施例1で使用したポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体40重量%およびポリプロピレン
20重量%に低密度ポリエチレン40重量%の重合体混
合物を実施例1と同様にシート状に成形し、バッグを製
造した。またこの重合体混合物を用いて、比較例1と同
様にブロー成形してバッグを成形した。これらのバッグ
の性能を第2表に示す。
実施例4 実施例1で使用したポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体60重量%およびポリプロピレン
40重量%との重合体混合物を実施例1と同様にシート
状に成形し、バッグを製造した。またこの重合体混合物
を用いて比較例1と同様にブロー成形してバッグを成形
した。これらのバッグの性能を第2表に示す。
第2表から明らかなように本発明バッグは透明性、膜厚
が均一であり、血小板の残液量も少なく、滅菌した時の
バッグのブロッキング性にも優れている。
実施例5〜9 実施例1で使用したポリ(エチレンブチレン)ポリスチ
レンブロック共重合体40重量%、ポリプロピレン30
重量%、エチレンエチルアクリレート共重合体30重量
%をミキサーで混合し、200℃で溶融し、種々の粗面ロ
ール上にシート状に押出して冷却し、第3表に示す種々
の大きさの粗面を片面に有する膜厚250ミクロンのシー
トを得た。このシート2枚を用い、粗面を内側にしてヒ
ートシール機を用いてバッグの形にヒートシールし、容
量150mlのバッグを得た。このバッグの性能を第3表に
示す。
第3表から明らかなようにバッグ内面の粗面の大きさが
小さい実施例8のバッグは滅菌時にブロッキングする欠
点があり、粗面の大きさが大きい実施例9のバッグは透
明性が悪いうえに血小板の残液量が多い。
〔発明の効果〕
本発明の血小板保存用バッグは膜厚が均一で薄いシート
から形成しているためにガス透過性、柔軟性および透明
性に優れている。そして滅菌時にバッグ内面同士がブロ
ッキングすることもなく、バッグ内面に血小板を殆んど
粘着させないで、ほゞ水平状態で排出することができる
ので、バッグ内の血小板の残存量が確認しやすい利点を
有する。そして血小板は殆んど完全に排出することがで
き、ポリ塩化ビニル製バッグのように可塑剤が血小板内
に移行し、血小板機能を低下させる心配もないので長時
間血小板を保存することができ、本発明バッグは血小板
保存用バッグとして要求される性能を殆んど備えた優れ
たものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1にかかわる血小板保存用バッ
グの平面図であり、図中1はバッグ本体、2は保護カバ
ー、3は膜チューブ、7は採血管を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブ
    ロック共重合体を含有する重合体からなる医療用バッグ
    において、バッグ内面が粗面である2枚のシートが重ね
    合わされ、その周辺部が熱溶着されて形成されてなるこ
    とを特徴とする血小板保存用バッグ。
  2. 【請求項2】ポリ(エチレンブチレン)ポリスチレンブ
    ロック共重合体を含有する重合体がポリ(エチレンブチ
    レン)ポリスチレンブロック共重合体、ポリプロピレン
    およびエチレンアクリル酸エステル共重合体からなる重
    合体組成物からなり、ポリ(エチレンブチレン)ポリス
    チレンブロック共重合体のポリスチレンセグメントが結
    晶化配列した部分を少なくとも2個以上有し、前記重合
    体の分子鎖が網目状に絡み合ったポリマーアロイである
    請求項1記載の血小板保存用バッグ。
JP63057656A 1988-03-11 1988-03-11 血小板保存用バッグ Expired - Lifetime JPH0622527B2 (ja)

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JPH01230361A JPH01230361A (ja) 1989-09-13
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0461861A (ja) * 1990-06-29 1992-02-27 Nissho Corp 血液分離装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60246757A (ja) * 1984-05-19 1985-12-06 テルモ株式会社 医療用バツグ
JPS60259264A (ja) * 1984-06-07 1985-12-21 テルモ株式会社 医療用具
JPS62201154A (ja) * 1986-03-01 1987-09-04 株式会社 日本メデイカル・サプライ ブロツキング性の改良された医療用バツグ

Patent Citations (3)

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