JPH06224335A - フィン型ヒートシンクの製造法及び装置 - Google Patents

フィン型ヒートシンクの製造法及び装置

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JPH06224335A
JPH06224335A JP845293A JP845293A JPH06224335A JP H06224335 A JPH06224335 A JP H06224335A JP 845293 A JP845293 A JP 845293A JP 845293 A JP845293 A JP 845293A JP H06224335 A JPH06224335 A JP H06224335A
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JP
Japan
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molded product
fin
mold
heat sink
type heat
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JP845293A
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English (en)
Inventor
Kenjiro Shinohara
健治郎 篠原
Chihiro Hayashi
千博 林
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍛造法により熱放散特性に優れたピンフィン
型ヒートシンクを製造する。 【構成】 水平面について拘束された平板状の素材11の
一つの平面に多数の成形孔を配置された成形金型12を押
し込むことにより、素材11に多数のフィン状突起13を成
形した後、フィン状突起13を成形された成形品16の外縁
部を垂直方向について拘束した状態で成形金型12を移動
して成形品16から離間させ、さらに成形品16に対する拘
束を全て解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば冷間鍛造法、温
間鍛造法または熱間鍛造法等の鍛造法を利用した、熱放
散特性に優れたフィン型ヒートシンクの製造法および製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置は高集積化が進行し、
1チップ当たりの消費電力が30ワット以上のものも出現
している。このように高集積化が進行した半導体装置を
正常かつ高信頼度で作動させるためには、半導体素子か
ら発生する熱を効率よく外部の冷却媒体 (通常は空気を
用いる) に伝熱・放散させて半導体素子の過熱を防ぐ必
要があり、かかる観点から、半導体素子にはヒートシン
クが取り付けられる。
【0003】特に近年、ヒートシンク放熱フィンとし
て、ピンフィン型ヒートシンクの放熱特性、特にその前
縁効果が注目されている。以下、フィン型ヒートシンク
としてピン型のそれを例にとり説明する。
【0004】このピンフィン型ヒートシンクの製造方法
としては、モ−ルド鋳造法、切削加工法または鍛造法
(特に冷間鍛造法) を利用した方法が知られている。こ
れらのピンフィン型ヒートシンクの製造方法のうち、モ
−ルド鋳造法および切削加工法には、ともに生産能率が
低いために量産を行うと製造コストの増加を招いてしま
うという問題がある。
【0005】鍛造法、例えば冷間鍛造法は、略述すれ
ば、多数の成形孔を有する成形金型に素材を押し込んで
冷間で成形を行う方法である。この冷間鍛造法によると
成形自体は可能であるものの、成形品を成形金型から取
り出す際、成形品と金型の成形孔との間の摩擦抵抗が極
めて大きいために取り出しをスムーズに行うことができ
ず、量産ラインには適用し難いという問題がある。
【0006】この理由は以下のように考えられる。他の
通常の製品の冷間鍛造では、成形後に、ノックアウトピ
ン等によって金型に圧着された成形品を蹴り出すだけで
金型からの取り出しを簡単に行うことができ、特に問題
はない。しかし、ピンフィン型ヒートシンクのような複
雑な形状の製品の場合には、一部のピンのみを蹴り出し
ても、多数形成された他のピンそれぞれと金型との間で
も摩擦力が個別に作用するため、成形品を金型から取り
外すのに十分な力を得ることができず、また一部のピン
を押しただけでは均一な取り出し力を成形品に与えるこ
とができないため、製品の取り出しをスムーズに行うこ
とはできない。もちろん、多数の取り出し用のノックア
ウトピンを設置して全てのピンを均一に押すことができ
ればこのような取り出し不良の問題は解消されるが、こ
の場合でも実際に成形されるピンの長さは必ずしも一定
でないため、ノックアウトピンが成形品のピンに作用す
る位置が各々異なり、結果的に成形品に均一な取り出し
力を加えることは困難であるため、スム−ズな取り出し
を行うことはできない。
【0007】さらに、最近ではより高い放熱性能を求
め、ピンフィン型ヒートシンクに対しては、ピン径およ
びピンピッチをより低減し、さらにピン高さを増加する
ことが要求される。このような要求に対応するために
は、ノックアウトピンの形状も細くかつ長くする必要が
あるが、そのためにフィンの成形時あるいは取り出し時
に、ノックアウトピンに座屈が生じて破損し易くなって
しまうという問題があり、実現は困難であった。
【0008】従来は、このような理由により、例えば冷
間鍛造法等の鍛造法によりピンフィン型ヒートシンクを
安定的に量産することは、極めて困難であった。そこ
で、冷間鍛造法によってもピンフィン型ヒートシンクを
安定的に量産するため、特開昭64−27736 号公報には、
金型からの成形品の取り出しに、ノックアウトピンを用
いずに油や空気等を加圧媒体として用いる技術が提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭64−27
736 号公報により提案された技術により、前述のように
高性能化に対応するために多ピン・小ピッチ化が推進さ
れているピンフィン型ヒートシンクを成形するには、金
型の成形孔部のシ−ル性を確保するとともに金型の成形
型内にシ−ル用のピストン等を設置する必要があり、こ
れは殆ど実現不可能であった。
【0010】以上詳述したように、従来の技術では、熱
放散特性に優れたピンフィン型ヒートシンクを鍛造法に
より成形し、操業上のトラブルを発生させることなく金
型から取り出して量産することはできなかったのであ
る。
【0011】ここに、本発明の目的は、例えば冷間鍛造
法、温間鍛造法または熱間鍛造法等の鍛造法により、熱
放散特性に優れたフィン型ヒートシンク、特にピンフィ
ン型ヒートシンクを製造する方法および装置を提供する
ことにあり、さらに具体的には、鍛造法によりピンフィ
ン型ヒートシンクを量産する際に、成形品を金型から取
り出すことが可能なピンフィン型ヒートシンクの製造方
法および製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ね、鍛造法によりフィン状
突起部を成形された成形品を金型から取り出す際に、適
宜手段、例えば金型の動作に応じて作動する固定部材に
より成形品を金型移動方向に固定しておくことにより、
金型からの成形品の取り出しを確実に行うことができる
ことを知見して、本発明を完成した。
【0013】ここに、本発明の要旨とするところは、素
材の金属板を雌金型により一面を除き拘束し、非拘束面
に、多数の成形孔が配置された雄型成形金型を押し込む
ことにより、この素材の前記非拘束面に多数のフィン状
突起を成形した後、得られた成形品のフィン状突起が成
形された面の外縁部を拘束したままで、前記雄型成形金
型を移動して前記成形品から離間させ、さらに前記成形
品の外縁部の拘束を解除した後、ノックアウトピンによ
り成形品を雌金型より取り出すことを特徴とするフィン
型ヒートシンクの製造法である。
【0014】また、別の面からは、本発明は、多数の成
形孔を備えるとともに往復移動自在な雄金型と、素材の
金属板を拘束する凹部を備える雌金型とを有するフィン
型ヒートシンクの製造装置であって、さらに(i)雌金型
の表面上を雌金型の凹部に向かって進退自在に設けた、
雌金型凹部に拘束された成形品の外縁部を拘束するため
の固定部材と、(ii)前記凹部の底部に埋設されて突起成
形方向へ移動自在なノックアウト装置とを組み合わせて
有することを特徴とするフィン型ヒートシンクの製造装
置であり、または、多数の成形孔を備えるとともに往復
移動自在な雄金型と、素材の金属板を拘束する凹部を備
える雌金型とを有するフィン型ヒートシンクの製造装置
であって、(i)前記雄金型の往復方向に往復移動自在に
雄型の外周部に設けられた成形品の外縁部を拘束するた
めの固定部材と、(ii)前記凹部の底部に埋設されて突起
成形方向へ移動自在なノックアウト装置とを組み合わせ
て有することを特徴とするフィン型ヒートシンクの製造
装置である。
【0015】上記の本発明は、単なるピンフィン型ヒー
トシンクのみならず、複数の平行平板を垂直に配列した
チャンネルフィン型ヒートシンクの鍛造による製造にも
適用できる。
【0016】
【作用】以下、本発明を添付図面を参照しながら作用効
果とともに詳述する。図1は、本発明にかかる製造方法
および製造装置の一例の説明図であり、図1(a) ないし
図1(d) には、本発明によるピンフィン型ヒートシンク
の製造工程を模式的に示す。
【0017】図1(a) では、平板状の素材11をある平面
方向について拘束する。図1に示す素材は平板状である
が、例えば後述する図3に示すような段差付平板状であ
ってもよい。素材11の拘束は、素材11の雌金型17に、素
材11と嵌合する凹部を設けることにより行えばよい。な
お、ある平面とは多くの場合は水平面である。
【0018】次に、図1(b) に示すように、素材11の一
つの平面 (上面) に、多数の成形孔を配置された雄型成
形金型12を移動せしめるとともに押し込んで、素材11に
フィン状突起13を成形する。雄型成形金型12に設けられ
た多数の成形孔は、フィン状突起13を成形するために設
けられており、成形するフィン状突起13の径およびピッ
チ等に応じて適宜設定される。成形金型12の移動方向と
は多くの場合は垂直方向である。
【0019】なお、この段階では、後述する成形品固定
治具14により素材11または成形品16の固定を行っていな
いが、本発明ではこの固定タイミングは特定のタイミン
グに限定する必要はなく、この図1に示すように成形終
了後であってもよく、または後述する図2ないし図4に
示すように、成形開始前であってもよい。本発明におい
て、「成形品のフィン状突起が成形された面の外縁部を
拘束したままで」と規定したのは、拘束を行う時期を限
定する必要はないことを明らかにする趣旨である。
【0020】その後、図1(c) に示すように、フィン状
突起13を成形された成形品16の外縁部を、雄型成形金型
12の移動方向 (図1(c) 中矢印方向) について、移動自
在な成形品固定治具14、14により成形品16の外縁部の全
部または一部を拘束した状態で、雄型成形金型12を移動
することにより、雄型成形金型12を成形品16から引き離
す。成形後では、成形品16は雄型成形金型12に圧着され
ており両者の分離は容易ではないが、本発明では成形品
16は成形金型移動方向について成形品固定治具14により
拘束されているため、確実かつ簡単に分離できる。
【0021】このようにして、雄型成形金型12から成形
品16を簡単に分離できるため、図1(d) に示すように、
成形品固定治具14、14を移動して退避させるとともにノ
ックアウトピン15を上昇させることにより、成形品16に
対する拘束を全て解除して、ノックアウトが完了され
る。
【0022】この図1に示す製造方法および製造装置を
用いれば、鍛造によりピンフィン型ヒートシンクを容易
に製造することができる。なお、この図1に示す装置で
は、成形品16の底板の外縁部に、素材11が雄型成形金型
12の外周部に沿って流れたことにより形成される形状不
良部が形成されること、および雄型成形金型12を引き離
す際に成形品16の底板に歪みが生じる可能性があること
という問題がある。
【0023】前者の問題に関しては、製造歩留りは若干
低下するものの、成形品16の外周部は打ち抜き加工等に
より簡単に除去することができるため、材料歩留まり低
下および工程数増加を考えても、図1に示す製造方法お
よび製造装置により、鍛造によりピンフィン型ヒートシ
ンクを製造できることの有用性は充分認められる。ま
た、後者の問題に関しては、雄型成形金型12の成形孔の
内面粗度を例えば0.05μm 以下とするとともに雄型成形
金型12の成形孔の出側角部分に「逃がし」を与えて成形
孔表面と素材との摩擦を可及的に0に近づけ、さらに成
形品の底板部分の厚さを歪みが生じない程度に厚く仕上
げればよい。本発明においても、ノックアウト時のトラ
ブル発生に大きく関わってくるのはフィン状突起を成形
したときの雄型成形金型と成形品との間に生じる摩擦力
であるため、成形孔のラッピング、および出側部分の
「逃がし」の取り方はともに重要である。いずれにして
も前述の二つの問題は、本発明の有用性を何ら阻却しな
い。
【0024】以上説明してきた本発明を用いれば、これ
まで困難であるとされてきた、ヒートシンク放熱フィン
を有するピンフィン型ヒートシンクの冷間鋳造による製
造を、金型からの取り出しに伴うノックアウト不良を生
じることなく、安定的に行うことができる。
【0025】次に、図2を参照しながら本発明を説明す
る。図2は、本発明にかかる方法および装置の他の実施
例の説明図であり、図2(a) ないし図2(f) には、本発
明によるピンフィン型ヒートシンクの製造工程を模式的
に示す。図2(a) では、まず平板状の素材22を、これを
完全に収容し得る大きさの凹部を備えた雌金型21に設置
する。この段階では、雄型成形金型つまり雄金型23およ
び成形品固定治具24、24は所定位置で待機している。
【0026】図2(b) では、次に雄金型23が素材22に近
づくとともに素材セット時には退避してあった成形品固
定治具24が雄金型23の外周部に接するまで近づき、素材
22の一面を雄金型移動方向に拘束する。成形品固定治具
24は、紙面手前側および奥側にも設置してもよく、成形
品固定治具24の端面が雄金型23の外周部に接し、かつ、
素材22の一面を一定の長さ以上覆うように予め構成して
おくことが望ましい。なお、成形品固定治具24は素材22
の外周部全部を覆わなくともよく一部分のみを覆ってい
てもよく、成形品固定治具24の設置数は4個でもよく、
または任意の数だけ設置してもよい。なお、素材22の底
板の形状も四角形の場合のみならず、円形、多角形等の
任意の形状を適宜選択することができることは言うまで
もない。
【0027】図2(b) に示す状態から、雄金型23を素材
22に押し込むことにより、フィン状突起25を素材22に形
成する (図2(c) 参照) 。このとき、この図2に示す製
造方法および製造装置によれば、素材22の外縁部が成形
品固定治具24により雄金型23の移動方向について拘束さ
れているため、前述の図1の例の場合とは異なり、形状
不良部は形成されない。
【0028】この後は、前述の図1に示す場合と同様
に、図2(d) に示すように雄金型23を成形品27から引き
離すが、このとき成形品27はその外周部を成形品固定治
具24によって固定されているため雄金型23から簡単に取
り外され、図2(e) に示すように成形品固定治具24を所
定の位置へ退避させ、さらに、図2(f) に示すように下
側から成形品27をノックアウトピン26によりノックアウ
トする。このとき、成形品27と雌金型21との接触部分は
少ないため、ノックアウトに要する力は小さくて済む。
また、構造的にこのノックアウトピン26は太くすること
が容易であるため、この工程におけるノックアウトピン
の破損はノックアウトピン26の寸法を適宜調整すること
により簡単に対応できる。なお、雄金型23の成形孔には
前述したラッピンッグ、「逃がし」を施したほうがよい
ことはいうまでもない。
【0029】図2の説明は、素材22の形状が平板状であ
る場合を例に取って行っているが、本発明では、素材22
の容積が同じであれば形状は特に問題でない。例えば、
予め、素材にプレス加工等を施しておくことにより成形
品の外周部に不要部が生じることを防ぐことも可能であ
る。図3は、予め素材の外周部に凹部を設けられた段差
付平板状の素材32を用いて、本発明を実施したときの説
明図であり、図3(a)ないし図3(f) には、本発明によ
るピンフィン型ヒートシンクの製造工程を模式的に示
す。なお、図3において、符号31は雌金型を、符号33は
雄金型を、符号34は成形品固定治具を、符号35はフィン
状突起を、符号36はノックアウトピンを、さらに符号37
は成形品をそれぞれ示す。なお、図3により示す実施例
は、基本的に図2に示す実施例と同一であり、相違点
は、素材32の形状を変更したことにより、成形品37の外
縁部に不要部が形成されない点のみである。よって、図
3に関するこれ以上の説明は省略する。
【0030】なお、図1ないし図3により示した本発明
にかかる装置における、成形品固定治具14、24または34
の動作内容、動作タイミング等はあくまでも本発明の原
理を概念的に示すために便宜的に示したものであり、実
操業上は、使用する装置や操業条件等に沿って最適な態
様で行えば良い。
【0031】以上詳述したように、本発明にかかる製造
方法および製造装置によれば、今まで困難であるとされ
てきたピンフィン型ヒートシンクの鍛造による製造を、
ノックアウトに関するトラブルを生じることなく、安定
的に行うことができる。なお、変形防止の観点からは、
素材の大きさを、フィン状突起の成形が完了したときに
成形品の底板の厚さが一定以上残るように選んでおけば
よい。
【0032】なお、本発明によれば、前述のように、成
形品の外縁部に成形品固定治具が係合する部分が残る
が、この部分は打ち抜き加工等を行うことにより簡単に
除去することができ、不要部分の除去に伴う歩留まり低
下および工程数増加を考えても、本発明にかかる製造方
法および製造装置の有用性は、何ら阻却されない。
【0033】次に、図4に示すさらに他の本発明につい
て説明する。
【0034】図4(a) ないし図4(f) には、平板状の素
材42の雌金型41へのセットから成形品47の取り出しまで
の別の一実施例を模式的に示す。まず、図4(a) に示す
ように、雌金型41に設けられた凹部に平板状の素材42を
セットする。素材42、凹部の形状等は、図1ないし図3
により説明した他の実施例と同様に特に限定を要さな
い。なお、符号44は、雄金型44の往復方向に往復移動自
在であって、その端部により素材42または成形品47を雄
金型44の往復方向に拘束する成形品固定治具である。
【0035】次に、図4(b) に示すように、雄金型43お
よび成形品固定治具44を素材42に接近・当設させ、さら
に図4(c) に示すように雄金型43を移動させることによ
り素材42に押し込んで、フィン状突起45を素材42に成形
せしめる。
【0036】次に、図4(d) に示すように、雄金型43を
移動して素材42から離間させるが、このとき成形品47は
成形品固定治具44により雄金型の移動方向への移動を規
制されているため、簡単かつ確実に雄金型43から取り外
される。
【0037】このようにして、成形品47が雄金型43から
取り外された後は、図4(e) に示すように成形品固定治
具44を所定の位置まで移動・退避させ、さらに、図4
(f) に示すように下側から成形品47をノックアウトピン
46によりノックアウトすればよい。
【0038】なお、このノックアウトに際しても、成形
品47と雌金型41との接触部分は少なくノックアウトに要
する力は小さくて済むこと、構造的にこのノックアウト
ピン46は太くすることができるためこの工程におけるノ
ックアウトピンの破損は考慮しなくてよいこと、雄金型
の形状は四角形に限らずいかなる形でも構わないこと、
成形品固定治具は必ずしも素材の全部または一部を覆う
ことができるように配置されてよいこと、という本発明
にかかる製造方法および製造装置の効果は何ら変わらな
い。例えば、雄金型43の移動方向と直交する平面におけ
る雄金型43の断面形状が正方形である場合では、成形品
固定治具は雄金型を全て覆うことができる正方形のパイ
プ状のものでもよく、あるいは素材42の3辺だけ、2 辺
だけまたは1 辺だけに存在しても構わない。また、この
雄金型は一体物である必要はなく、複数個に分かれてい
ても構わない。なお、成形金型の成形孔には先に述べた
ラッピング、「逃がし」が施されていることはもちろん
である。
【0039】図4に示す製造方法および製造装置では、
平板状の素材を用いているが、素材の容積が同じであれ
ば形状は問わない。例えば、前述の段差付平板状であっ
てもよい。図4に示す雄金型の動作内容、動作タイミン
グ等はあくまでも本発明の原理を示すために用いたもの
であり、実操業上は、使用する装置や操業条件等に応じ
て最適な方法により行えばよい。
【0040】以上詳述してきたように、本発明によれ
ば、今まで困難であるとされてきたヒートシンク放熱フ
ィンの鍛造、特に冷間鍛造による製造をノックアウトに
関するトラブルを生じることなく安定して行うことがで
きる。もちろん、素材の大きさは、フィンの成形が完了
したときに成形品の底板の厚さが一定以上残り、成形金
型を成形品から取り外すときに歪みを生じない程度の厚
さになるように選んでおけばよい。さらに、本発明を実
施例を参照しながら詳述するが、これは本発明の例示で
あり、これにより本発明が限定されるものではない。
【0041】
【実施例1】図5(a) に上面図を、図5(b) に垂直断面
図をそれぞれ示すように、縦40mm、横40mmおよび厚さ2m
m の底板52に、直径1.5 mmおよび高さ30mmのピン51が10
×10=100本整列状に配列されたピンフィン型ヒートシン
クを、前述の図2に説明した本発明にかかる製造方法お
よび製造装置により、製造した。
【0042】図2における素材22は、縦50mm、横50mmお
よび厚さ6mm の矩形の純アルミニウム(A1050) 板を用
い、図2(c) に示すように高さ30mmのピンを成形したと
きに成形品27の底板の板厚が約3.4 mmとなるようにし
た。
【0043】雄金型23は、縦45mmおよび横45mmの正方形
の水平断面を有し、成形品固定治具24は、素材22の四辺
を全て覆うことができるように4個設置し、それぞれが
素材22および成形品27の底面に2.5mm だけ重なるように
配置して冷間鍛造を行い、図2(f) に示すようにノック
アウトを行った。
【0044】ノックアウト後に、成形品27の底部の不要
部を打ち抜き加工により削除して、成形品27の底部を縦
40mmおよび横40mmの寸法とした。さらに、成形品27の裏
面に切削加工を行って厚さを2mmとして最終製品とし
た。
【0045】このようにして冷間鍛造によりピンフィン
型ヒートシンクを製造したが、ピンの成形はスム−ズに
行うことができ、雄金型からのノックアウトもトラブル
を発生することなく行うことができた。さらに、ノック
アウト時に成形品の底板に歪みは発生せず、もちろんピ
ンの成形時に雄金型の破損等のトラブルも生じることは
なく、安定した成形が可能であった。
【0046】この本発明にかかる製造方法および製造装
置により、ピンフィン型ヒートシンクを1万個製造して
みたが、ノックアウト不良、ピンの形状不揃いや底板の
歪み等による不良品発生は皆無であった。
【0047】
【実施例2】図6(a) に上面図を、図6(b) に垂直断面
図をそれぞれ示すように、実施例1と同一の寸法の底板
62に、同一の寸法のピン61を15×15=225本整列状に配列
されたピンフィン型ヒートシンクを、前述の実施例1と
略同一条件および同一工程により製造した。製造条件に
おける相違点は、素材である純アルミニウム(A105
0)の板に所定の高さのピンを成形した際、底板の板厚
が約3.1 mmとなるようにした点のみである。この
ようにして冷間鍛造によりピンフィン型ヒートシンクを
製造したが、実施例一と全く同一の結果を得ることがで
きた。
【0048】
【実施例3】図7(a) に上面図を、図7(b) に垂直断面
図をそれぞれ示すように、縦60mm、横60mmおよび厚さ2m
m の底板72に、直径1.5 mmおよび高さ30mmのピン71が23
×23=529本整列状に配列されたピンフィン型ヒートシン
クを、前述の図4に説明した本発明にかかる製造方法お
よび製造装置により、製造した。
【0049】素材42は、縦65mm、横65mmおよび厚さ12mm
の矩形の純アルミニウム(A1050) 板を用い、図4(c) に
示すように高さ30mmのピンを成形したときに成形品47の
底板の板厚が約4.2mm となるようにした。
【0050】雄金型43は、縦60mmおよび横60mmの正方形
の水平断面を有し、成形品固定治具44は縦65mmおよび横
65mmの正方形の水平断面を有し、素材42の四辺を全て覆
うことができるように4個設置し、それぞれが素材42お
よび成形品47の底面に2.5mmだけ重なるように配置して
冷間鍛造を行い、図4(f) に示すようにノックアウトを
行った。
【0051】ノックアウト後に、成形品47の底部の不要
部を打ち抜き加工により削除して、縦60mmおよび横60mm
の寸法とした。さらに、成形品47の裏面に切削加工を行
って厚さを2mmとして最終製品とした。
【0052】このようにして冷間鍛造によりピンフィン
型ヒートシンクを製造したが、ピンの成形はスム−ズに
行うことができ、雄金型からのノックアウトもトラブル
を発生することなく行うことができた。さらに、ノック
アウト時に成形品の底板に歪みは発生せず、もちろんピ
ンの成形時に雄金型の破損等のトラブルも生じることは
なく、安定した成形が可能であった。
【0053】この本発明にかかる製造方法および製造装
置により、ピンフィン型ヒートシンクを1万個製造して
みたが、ノックアウト不良、ピンの形状不揃いや底板の
歪み等による不良品発生は皆無であった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来その性能の優位性は証明されながらも加工の困難さ
により、工業的には普及していなかったピンフィン型ヒ
ートシンクを、冷間鍛造を行うことにより、ノックアウ
ト不良やノックアウトピンの破損等の操業上の一切のト
ラブルを全く発生することなく、工業的に量産すること
が可能となった。本発明は、単に冷間鍛造法のならず、
広く温間鍛造法や熱間鍛造法等の鍛造法全般にまで適用
できる技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる製造方法および製造装置の一例
の説明図であり、図1(a) ないし図1(d) には、本発明
によるピンフィン型ヒートシンクの製造工程を模式的に
示す。
【図2】本発明にかかる製造方法および製造装置の他の
実施例の説明図であり、図2(a) ないし図2(f) には、
本発明によるピンフィン型ヒートシンクの製造工程を模
式的に示す。
【図3】予め素材の外周部に凹部を設けられた段差付平
板状の素材32を用いて、本発明を実施したときの説明図
であり、図3(a) ないし図3(f) には、本発明によるピ
ンフィン型ヒートシンクの製造工程を模式的に示す。
【図4】さらに他の本発明にかかる製造方法および製造
装置の実施例の説明図であり、図4(a) ないし図4(f)
は、平板状の素材42の雌金型41へのセットから成形品47
の取り出しまでの一様態例を模式的に示す。
【図5】実施例1で製造したピンフィン型ヒートシンク
の形状を示す説明図であり、それぞれ図5(a) は上面
図、図5(b) は垂直断面図である。
【図6】実施例2で製造したピンフィン型ヒートシンク
の形状を示す説明図であり、それぞれ図6(a) は上面
図、図6(b) は垂直断面図である。
【図7】実施例3で製造したピンフィン型ヒートシンク
の形状を示す説明図であり、それぞれ図7(a) は上面
図、図7(b) は垂直断面図である。
【符号の説明】
11:素材 12:雄型成形金型 13:フィン状突起 14:成形品固定治具 15:ノックアウトピン 16:成形品 17:雌金型 21:雌金型 22:素材 23:雄金型 24:成形品固定治具 25:フィン状突起 26:ノックアウトピン 27:成形品 31:雌金型 32:素材 33:雄金型 34:成形品固定治具 35:フィン状突起 36:ノックアウトピン 37:成形品 41:雌金型 42:素材 43:雄金型 44:成形品固定治具 45:フィン状突起 46:ノックアウトピン 47:成形品 51:ピン 52:底板 61:ピン 62:底板 71:ピン 72:底板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材の金属板を雌金型により一面を除き
    拘束し、該素材の非拘束面に、多数の成形孔が配置され
    た雄型成形金型を押し込むことにより、前記非拘束面に
    多数のフィン状突起を成形した後、得られた成形品のフ
    ィン状突起が成形された面の外縁部を拘束したままで、
    前記雄型成形金型を移動して前記成形品から離間させ、
    さらに前記成形品の外縁部の拘束を解除した後、ノック
    アウトピンにより成形品を雌金型より取り出すことを特
    徴とするフィン型ヒートシンクの製造法。
  2. 【請求項2】 多数の成形孔を備えるとともに往復移動
    自在な雄金型と、素材の金属板を拘束する凹部を備える
    雌金型とを有するフィン型ヒートシンクの製造装置であ
    って、さらに (i)前記雌金型の表面上を雌金型の凹部に向かって進退
    自在に設けた、雌金型凹部に拘束された成形品の外縁部
    を拘束するための固定部材と、 (ii)前記凹部の底部に埋設されて突起成形方向へ移動自
    在なノックアウト装置とを組み合わせて有することを特
    徴とするフィン型ヒートシンクの製造装置。
  3. 【請求項3】 多数の成形孔を備えるとともに往復移動
    自在な雄金型と、素材の金属板を拘束する凹部を備える
    雌金型とを有するフィン型ヒートシンクの製造装置であ
    って、さらに (i)前記雄金型の往復方向に往復移動自在に雄型の外周
    部に設けられた成形品の外縁部を拘束するための固定部
    材と、 (ii)前記凹部の底部に埋設されて突起成形方向へ移動自
    在なノックアウト装置とを組み合わせて有することを特
    徴とするフィン型ヒートシンクの製造装置。
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