JPH0622185A - 撮影装置におけるビューフアインダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影装置におけるビューファインダーにおい
て、電子式映像を合成させることなく、自然色の広い画
面で周囲の状況を見ながら電子式映像の位置を確認する
ことができるビューファインダーを提供するものであ
る。 【構成】 自然色豊かな光学式ビューファインダー画面
と電子式ビューファインダー画面とを組み合わせて、こ
れらを同時に又は選択して見ることができるようにし、
更に撮影の位置及び被写体の状態を広い視野の光学式ビ
ューファインダー画面で確保し、その光学式ビューファ
インダー画面の中で、実際の撮影状況における電子式ビ
ューファインダー画面を視認することができるビューフ
ァインダーである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラ又はビデオカメ
ラ等の撮影装置に取り付けて使用されるビューファイン
ダーであって、光学式映像と画像表示素子による電子式
映像とを同一のファインダーで選択的に見ることができ
るビューファインダーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の複数の映像が見られるビューフ
ァインダーとしては、例えばワイドアングルレンズとズ
ームアングルレンズとを備えた、所謂ツインレンズシス
テムのビデオカメラであって、２個のカメラが組み込ま
れたものである。そして１つの電子式ビューファインダ
ー画面を形成するカラー液晶パネルを備え、そのカラー
液晶パネルに２個のカメラの映像を電子的に合成して表
示し、その合成映像を見るようにしたビューファインダ
ーが従来例として知られている。

【０００３】この従来例においては、ワイド撮影とズー
ム撮影とが操作ボタンにより個々に行われるようになっ
ており、ワイドアングルによる画像エリアの中にズーム
アングルの画像が一定の範囲で確立されることなく、優
先的に割り込んでくるようになっている。つまり、カラ
ー液晶パネルに両方の映像を電子的に合成して表示する
するものであるので、ズームの倍率が低いときには画面
が小さく表示され、倍率が高くなるに従って徐々に画面
が大きく拡がるようになっており、ズームの倍率が高く
なるとビューファインダー全体がズームアングルの画像
になってしまい、ワイドアングルの画像が全く見えなく
なってしまう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例において
は、２個のカメラを組み込んでいることから、高価にな
るばかりでなく、１つの電子式ビューファインダー画面
を形成するカラー液晶パネルしか有していないので、ズ
ームアングルで撮影していると、ファインダーで覗く視
野が著しく狭いものになってしまい、特に動的な被写体
であると撮影者において、現実に撮影している位置及び
その近傍、即ちワイドアングルで見える全体の状況が解
らなくなってしまうと言う問題点を有している。又、カ
ラー液晶パネルでの表示は、光学式表示に比べて画面が
粗く視認性が悪いばかりでなく、臨場感に乏しいと言う
問題点を有している。従って、従来例においては、コス
トダウンを図ると共に画面の視認性を向上させ、且つワ
イドアングルの視野を確保すると共に、ズームアングル
の位置関係を見ながら、及び周囲の状況を見ながら撮影
できる点に解決しなければならない課題を有している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、光学式ビューファイン
ダー画面と電子式ビューファインダー画面とを同一のフ
ァインダーにより選択的に又は同時に見ることができる
撮影装置におけるビューファインダーを提供するもので
あり、前記光学式ビューファインダー画面に、電子式ビ
ューファインダー画面に対応して変化する画枠を表示す
るようにすると共に、前記光学式ビューファインダー画
面に電子式ビューファインダー画面とを半透明な状態で
又は不透明な状態で重ねて表示したり、前記電子式ビュ
ーファインダー画面が光学式ビューファインダー画面の
一部に片寄らせて表示できるようにし、更に前記光学式
ビューファインダー画面の光路に、その明るさを全面的
に又は一部において可変できる部材を介在させた構成と
したものである。

【０００６】

【作用】本発明は、自然色豊かな光学式ビューファイン
ダー画面と電子式ビューファインダー画面とを組み合わ
せて、これらを同時に又は選択して見ることができるよ
うにしたことにより、光学式ビューファインダー画面で
広い視野を確保し、その光学式ビューファインダー画面
の中で、実際の撮影状況における電子式ビューファイン
ダー画面を視認することができるのである。

【０００７】

【実施例】次に本発明を図示の実施例により更に詳しく
説明すると、図１において１はカメラ本体であり、その
内部にはビデオカメラ部とＶＴＲ部とが内蔵された、例
えばカメラ一体型ＶＴＲである。

【０００８】このカメラ本体１のビデオカメラ部に対応
する部分の前面側に、光学式ビューファインダーの対物
レンズ２とビデオカメラの撮像用のカメラレンズ３とが
上下に配設され、背面側にはビューファインダー用のア
イカップ４及び視度調節摘み５とが配設されている。

【０００９】又、ＶＴＲ部の背面側にＶＴＲとして再生
するための操作用ボタン群１７が取り付けられると共
に、ズームレバー６が配設され、更に上面にはスタート
／ストップボタン７が配設されている。尚、８はバッテ
リーである。

【００１０】 前記ビデオカメラ部、即ちビューファイ
ンダー部を図２及び図３に詳しく示してある。同図にお
いて、前記対物レンズ２の背面側に所定の角度（４５
°）傾斜させた平面鏡９が配設されると共に、該平面鏡
９で反射した光路と直交するように、しかも前記対物レ
ンズ２を通した絵が反射して結像する位置に白黒液晶パ
ネル１０を配設する。

【００１１】この白黒液晶パネル１０の上方にはハーフ
ミラー１１が所定の角度（４５°）をもって傾斜させて
配設してある。このハーフミラー１１は、前記平面鏡９
と実質的に対峙するもので、該平面鏡９で反射した光路
を再度反射させてアイカップ４側に向かうようにしたも
のである。

【００１２】前記ハーフミラー１１の裏面側には、蛍光
管等の光源１２と、リフレクター１３と、拡散板１４及
びカラー液晶パネル１５とが配設されると共に、ハーフ
ミラー１１の前面側には、アイカップ４との間に接眼レ
ンズ１６が配設される。そして、この接眼レンズ１６は
前記カラー液晶パネル１５と前記白黒液晶パネル１０と
にピントが合う位置に設けられている。

【００１３】前記白黒液晶パネル１０は、実質的にスク
リーンの役目と絞り又は遮光の役目を果たすものであ
り、透明←→濁（半透明）←→黒（不透明）にすること
ができるので、対物レンズ２から入った光の量を適宜制
限することができると共に、部分的に透明又は不透明に
したりして一部分のみを隠すようにすることができる。
尚、１８はカメラにおける映像処理及び制御部である。

【００１４】この映像処理及び制御部１８は、その概略
を図４にブロック図で示してある。このブロック図にお
いて、１９はコントローラー回路、２０は図形／キャラ
クタージェネレーター、２１は画像処理及びミックス回
路、２２はカラーのＲＧＢプロセス／コントローラード
ライバー回路、２３は図形ジェネレーター、２４はコン
トローラドライバー回路である。

【００１５】この映像処理及び制御部１８においては、
カメラやＶＴＲからのコントロール信号や、カメラのズ
ーム状況をコントロール回路１９によって演算し、カラ
ー液晶パネル１５に対して画枠や文字又はキャラクター
等を表示するようにすると共に、白黒液晶パネル１０に
対して、透過光の割合とか、前記カラー液晶パネル１５
に出した表示枠等の形に合わせて光を遮るように指示を
出すのである。

【００１６】又、再生時やズーム時には、映像信号をカ
ラー液晶パネル１５に映し出すが、この時にカメラやＶ
ＴＲからの映像信号は画像処理及びミックス回路２１を
介して、ビデオ映像を拡大したり縮小したりし、更に光
学式ビューファインダー画面の任意の位置に電子式ビュ
ーファインダー画面を置いたりすることができるのであ
る。

【００１７】そこで、実際にビューファインダーを覗い
て見える画面により、本発明に係るビューファインダー
の操作を説明する。先ず、図５において、３０は光学式
ビューファインダーの画面であり、この画面は対物レン
ズ２を通し、平面鏡９及びハーフミラー１１を介して視
認される外界の画面である。そして、３１が電子式ビュ
ーファインダーの画面であり、カメラレンズ３を通し映
像信号に変換してカラー液晶パネル１５に映し出される
と共に、所謂撮影又は録画に対応する画面である。

【００１８】この場合に、光学式ビューファインダー画
面３０は、被写体とカメラとの位置関係において外界が
ノーマルな状態で視認できるものであるが、電子式ビュ
ーファインダー画面３１は、カメラレンズ３を操作して
広角から望遠に渡って撮影できるものであり、操作した
ズームの倍率に対応してその撮影可能範囲を画枠３２で
複数（図面では４個であるが、実際には無限である）に
渡って示したものである。

【００１９】この原理を、図６に示してある。即ち、対
物レンズ２を通して白黒液晶パネル１０に結像した光学
式ビューファインダー画面３０を画面Ａとし、白黒液晶
パネル１０の光の透過調整度を画面Ｂとし、カメラレン
ズ３を通して画像処理され実際に撮影又は録画される電
子式ビューファインダー画面３１を画面Ｃとしたとき
に、Ａ＋Ｂ＋Ｃ＝Ｄ（但しＢ＝透明又は半透明の場合）
のように、両方の画面が重なった状態で視認できるので
ある。尚、以下の説明においても画面の重なりについて
は略同様であるので、画面の重なり合う式に関する説明
は省略する。

【００２０】上記のＤ画面の視認の場合は、ビューファ
インダーを覗いた視野の中で、実際に撮影可能な範囲が
どの部分にあるかを画枠３２によって確認するのであっ
て、カラー液晶パネル１５に表示されている画像と白黒
液晶パネル１０に結像した画面とを重ねて見たものでは
ない。つまり、ビューファインダーを覗いた視野が白黒
液晶パネル１０に結像して表示されており、その表示の
中で、実際にどの部分がズームアップされて撮影される
かを画枠３２の範囲で示しているのであり、ズームの操
作によってその範囲が任意に選択できる。

【００２１】又、図７に示したように、実際に撮影され
る映像表示と、ビューファインダーを覗いた視野表示、
つまり光学式ビューファインダー画面とを重ねて一緒に
表示することができる。この場合も前記同様に、白黒液
晶パネル１０の光の透過調整度の画面Ｂが透明又は半透
明であって、電子式ビューファインダー画面３１となる
カラー液晶パネル１５に表示されている画面Ｃをハーフ
ミラー１１を通して見ることができ、結果として光学式
ビューファインダー画面３０と重なった、所謂ピクチュ
アー・イン・ピクチュアーで視認できるのである。そし
て、画面Ｂの光の透過度を調整することで、光学式ビュ
ーファインダー３０の画面を明るくしたり暗くしたりす
ることができる。

【００２２】この場合に、図８に示したように、白黒液
晶パネル１０の光の透過調整度の画面Ｂを不透明にする
と、光学式ビューファインダー画面３０が視認できなく
なり、カラー液晶パネル１５に表示された電子式ビュー
ファインダー画面３１のみが視認できるようになる。こ
れは、特に撮影後の再生時に便利である。

【００２３】更に、前記ピクチュアー・イン・ピクチュ
アーの表示において、画像の一部を片側に寄せて表示す
る場合を、図９及び図１０に示した。即ち、各画面の
内、画面Ｃの電子式ビュファインダー画面３１におい
て、カメラで捉えカラー液晶パネル１５に表示される画
像を、コントローラ回路１９及び画像処理及びミックス
回路２１により画像処理して、片隅に小さく寄せた表示
画面３１ａとし、画面Ａと重ねて視認されるようにした
ものである。

【００２４】この場合には、両方の画面がダブッテ両方
とも透けて見えるが、図１０に示したように、画面Ｂの
一部、即ち前記表示画面３１ａに対応する部分を不透明
部分１０ａにし、両方の画面を重ねたときに、表示画面
３１ａにおいて画面Ａが透けて見えないようにし、表示
画面３１ａを鮮明に視認させるようにすることができ
る。

【００２５】この場合には、前記コントローラ回路１９
が、カメラ又はＶＴＲからの各種信号に基づき、画像処
理及びミックス回路２１並びに図形／キャラクタージェ
ネレーター２０等を介してカラー液晶パネル１５に表示
した画像（表示画面３１ａ）に対応させて、図形ジェネ
レーター２３を駆動し、画面Ｂである前記白黒液晶パネ
ル１０に、前記表示画面３１ａに対応した位置及び広さ
の不透明部分１０ａを形成させるのである。

【００２６】更に前記した画枠３２の使用例を、図１１
及び図１２に示してある。図１１に示した例は、画面Ｃ
において、カメラが捉えている部分に画枠３２を形成
し、その画枠の部分の映像を表示画面３１ａとして片隅
に寄せて表示させるようにしたものである。

【００２７】そして、図１２においては、更に画面Ｂに
も画枠３２に対応する部分に不透明枠１０ｂを形成する
ようにしたものである。この場合には、画枠の部分も明
確に表示され他の部分との区別がはっきりするが、結果
的には、図１１のものとあまり大差なく表示できるよう
になる。

【００２８】いずれにしても、見易くて情報量の多い自
然な状態の光学式ビューファインダー画面に、実際に撮
影する範囲や情報等を有する電子式ビューファインダー
とを重ねて又は区分して同時に視認できるようにし、こ
れらを所定のコントローラー回路により任意に制御又は
操作することで興味のある撮影ができるのである。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る撮影
装置におけるビューファインダーは、光学式ビューファ
インダー画面と電子式ビューファインダー画面とを同一
のファインダーにより選択的に又は同時に見ることがで
きる構成にしたことにより、自然色豊かな光学式ビュー
ファインダー画面で、臨場感に富む広い視野を確保しな
がら、実際に撮影される電子式ビューファインダー画面
で、実際の状況及び位置関係を視認しながら撮影できる
と言う優れた効果を奏する。

【００３０】又、光学式ビューファインダー画面に、電
子式ビューファインダー画面に対応して変化する画枠を
表示するようにすると共に、前記光学式ビューファイン
ダー画面に電子式ビューファインダー画面とを半透明な
状態で又は不透明な状態で重ねて表示したり、前記電子
式ビューファインダー画面が光学式ビューファインダー
画面の一部に片寄らせて表示できるようにしたことによ
り、両画面を同時に視認できるので、常に光学式ビュー
ファインダー画面により全体の状況を認識することがで
きると言う優れた効果を奏する。

【００３１】更に、光学式ビューファインダー画面の光
路に、その明るさを全面的に又は一部において可変でき
る部材を介在させた構成としたことにより、特に電子式
ビューファインダー画面を、より一層見易くすることが
できると言う優れた効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るビューファインダーを搭載したカ
メラの斜視図である。

【図２】同ビューファインダーの構成を略示的に示した
斜視図である。

【図３】同ビューファインダー部分の縦断側面図であ
る。

【図４】同ビューファインダーの駆動回路を略示的に示
したブロック図である。

【図５】本発明に係るビューファインダーで覗いた広角
から望遠までの表示画面を示す説明図である。

【図６】同ビューファインダーで覗いた表示画面の構成
の原理を示す説明図である。

【図７】同ビューファインダーで覗いた他の第１例にお
ける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【図８】同ビューファインダーで覗いた他の第２例にお
ける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【図９】同ビューファインダーで覗いた他の第３例にお
ける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【図１０】同ビューファインダーで覗いた他の第４例に
おける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【図１１】同ビューファインダーで覗いた他の第５例に
おける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【図１２】同ビューファインダーで覗いた他の第６例に
おける表示画面の構成の原理を示す説明図である。

【符号の説明】

１ カメラ本体 ２ 対物レンズ ３ カメラレンズ ４ アイカップ ５ 視度調整摘み ６ ズームレバー ７ スタート／ストップボタン ８ バッテリー ９ 平面鏡 １０ 白黒液晶パネル １０ａ 不透明部分 １０ｂ 不透明枠 １１ ハーフミラー １２ 光源 １３ リフレクター １４ 拡散板 １５ カラー液晶パネル １６ 接眼レンズ １７ 操作ボタン １８ 映像処理及び制御部 １９ コントローラ回路 ２０ 図形／キャラクタージェネレーター ２１ 映像処理及びミックス回路 ２２ ＲＧＢプロセス／コントローラードライバー回路 ２３ 図形ジェネレーター ２４ コントローラドライバー回路 ３０ 光学式ビューファインダー画面 ３１ 電子式ビューファインダー画面 ３１ａ 表示画面 ３２ 画枠

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜谷 直樹 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学式ビューファインダー画面と電子式
   ビューファインダー画面とを同一のファインダーにより
   選択的に又は同時に見ることができる撮影装置における
   ビューファインダー。
2. 【請求項２】 光学式ビューファインダー画面に、電子
   式ビューファインダー画面に対応して変化する画枠を表
   示した請求項１に記載の撮影装置におけるビューファイ
   ンダー。
3. 【請求項３】 光学式ビューファインダー画面に電子式
   ビューファインダー画面とを半透明な状態で又は不透明
   な状態で重ねて表示した請求項１に記載の撮影装置にお
   けるビューファインダー。
4. 【請求項４】 電子式ビューファインダー画面が光学式
   ビューファインダー画面の一部に片寄らせて表示する請
   求項１又は３に記載の撮影装置におけるビューファイン
   ダー。
5. 【請求項５】 光学式ビューファインダー画面の光路
   に、その明るさを全面的に又は一部において可変できる
   部材を介在させた請求項１、３又は４に記載の撮影装置
   におけるビューファインダー。