JPH06221314A

JPH06221314A - プラスチック部品の取付構造

Info

Publication number: JPH06221314A
Application number: JP3136893A
Authority: JP
Inventors: Masao Yabutani; 正雄藪谷
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 1993-01-26
Filing date: 1993-01-26
Publication date: 1994-08-09

Abstract

(57)【要約】【目的】掛止爪の撓み支点部を大きくして、爪保持部
と掛止爪との接続強度を向上し、かつ、掛止爪を相手部
材に対し軽い力で容易に掛止する。【構成】自動車用目隠し板において、内装パネル１の
開口部２を覆うプラスチック製カバープレート３の裏面
にＬ字形の爪保持部４を一体形成する。爪保持部４の幅
広部４ａに、内装パネル１の裏面に掛止される掛止爪５
を外向きに突設する。掛止爪５に可撓性を付与するＬ字
形のスリット６を掛止爪５の周囲に形成する。スリット
６により幅広部４ａの一部に可撓性保持片７を設ける。
取付に際し、掛止爪５と同時に、可撓性保持片７はスリ
ット６の両端を通る軸線の周りで内側に撓む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック部品をそ
れに設けた掛止爪によって相手部材に取り付ける取付構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、自動車の内装用プラスチック部
品として、図１０に示すような目隠し板が知られてい
る。従来の目隠し板は、内装パネル１の開口部２を覆う
プラスチック製のカバープレート３を備え、その裏面に
はコ字形の爪保持部４が一体形成されている。爪保持部
４には、内装パネル１に掛止される掛止爪５と、掛止爪
５に可撓性を付与するコ字形のスリット６とが設けられ
ている。そして、図１１に示すように、爪保持部４を開
口部２に挿入し、掛止爪５を撓ませて内装パネル１の裏
面に掛止し、カバープレート３を内装パネル１に位置決
めした状態で取り付けるようになっている。また、従
来、図１２に示すように、掛止爪５をカバープレート３
に直接突設した技術も知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の取付
構造によると、爪保持部４にコ字形のスリット６を形成
して掛止爪５を設けているので、掛止爪５の撓み支点で
ある基部が小さくなり、爪保持部４と掛止爪５との接続
強度が不充分で、取付に際し掛止爪５が折損しやすいと
いう問題点があった。また、図１２の従来例の場合も、
カバープレート３と掛止爪５との接続強度が不充分であ
った。

【０００４】そこで、本発明の課題は、掛止爪の撓み支
点部を大きくして、爪保持部と掛止爪との接続強度を向
上でき、また、掛止爪を相手部材に対し軽い力で容易に
掛止できるプラスチック部品の取付構造を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、プラスチック部品に爪保持部を一体形
成し、爪保持部に相手部材に掛止される掛止爪と、掛止
爪に可撓性を付与するスリットとを設け、掛止爪を撓ま
せてプラスチック部品を相手部材に取り付ける取付構造
において、スリットを掛止爪の周囲に略Ｌ字形に形成す
るとともに、爪保持部の一部にスリットの両端を通る軸
線の周りで撓曲可能な可撓保持片を設けたことを特徴と
する。

【０００６】ここで、前記「プラスチック部品」として
は、自動車の内装パネルの開口部を覆う目隠し板、自動
車の室内を換気する換気装置等を例示でき、その他、あ
らゆる機器に装着される部品や製品を含む。前記「爪保
持部」としては、目隠し板のように内装パネルに対する
位置決め機能を兼備するもの、換気装置のようにベント
ダクトの一部を構成するもの等を例示できる。前記「可
撓保持片」としては、撓曲可能な形状で成形された爪保
持部の一部に設けたもの、撓曲不能な構造を備えた爪保
持部の一部に別のスリットを介して可撓性を持たせたも
の等を例示できる。

【０００７】

【作用】本発明の取付構造によれば、爪保持部にＬ字形
のスリットを形成して掛止爪を設けているため、掛止爪
の撓み支点部が大きくなり、爪保持部と掛止爪との接続
強度が増す。また、爪保持部の一部に可撓保持片が設け
られているので、取付に際しては、掛止爪及び可撓保持
片の両方が同時に撓む。従って、掛止爪を相手部材に対
し軽い力で容易に掛止することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を目隠し板に具体化した第一実
施例を図１〜図４に基づいて説明する。プラスチック部
品としての目隠し板は、相手部材としての自動車の内装
パネル１の開口部２を覆うプラスチック製のカバープレ
ート３を備えている。カバープレート３の裏面には４個
の爪保持部４が一体形成されている。各爪保持部４はＬ
字形に成形されていて、幅広部４ａと幅狭部４ｂとを備
えている。

【０００９】爪保持部４の幅広部４ａには、内装パネル
１の裏面に掛止される三角形の掛止爪５が外向きに突設
されている。掛止爪５の周囲において幅広部４ａには、
掛止爪５に可撓性を付与するスリット６がＬ字形に形成
されている。そして、スリット６により幅広部４ａの一
部に可撓保持片７が設けられ、取付に際し、この可撓保
持片７がスリット６の両端を通る軸線の周りで内側に撓
むようになっている。なお、爪保持部４はカバープレー
ト３を内装パネル１に位置決めする機能を備え、また、
幅狭部４ｂは幅広部４ａを補強するリブとしての機能を
備えている。

【００１０】上記のように構成した目隠し板を内装パネ
ル１に取り付ける場合には、カバープレート３を内装パ
ネル１に接合して、爪保持部４を開口部２に挿入する。
すると、図３に示すように、掛止爪５が開口部２の周縁
に係合し、スリット６の作用で、掛止爪５のａ点がｂ，
ｃ点を支点にして内側へ撓むと同時に、可撓保持片７の
ｄ点がｅ点及びｆ点を通る軸線の周りで内側へ撓む。そ
して、掛止爪５が開口部２を通過した直後に、掛止爪５
は可撓保持片７の弾性で外側へ復元して、内装パネル１
の裏面に掛止される。

【００１１】このように、第一実施例の取付構造によれ
ば、爪保持部４に掛止爪５がＬ字形のスリット６を介し
て設けられているため、掛止爪５の撓み支点部を大きく
して、爪保持部４と掛止爪５との接続強度を向上するこ
とができる。また、爪保持部４の一部に可撓保持片７が
設けられているので、取付に際し、掛止爪５及び可撓保
持片７の両方を同時に撓ませて、掛止爪５を内装パネル
１に対し軽い力で容易に掛止することができる。

【００１２】次に、本発明を自動車用換気装置に具体化
した第二実施例を図５〜図９に基づいて説明する。プラ
スチック部品としての換気装置は、相手部材としての車
体パネル２１の開口部２２を覆う合成樹脂製のカバープ
レート２３を備えている。カバープレート２３の全周に
は内外２条の補強リブ２３ａが突設されている。補強リ
ブ２３ａの内側においてカバープレート２３には、上下
４段のベントダクト２４が車体パネル２１の内側へ突出
するように一体形成されている。

【００１３】各ベントダクト２４は、室外Ｂ側から室内
Ａ側へ湾曲して立ち上がるガイド壁２４ａと、相対向す
る一対の側壁２４ｂとからポケット状に成形され、室内
Ａ側に吸気口２５を、室外Ｂ側に排気口２６を備えてい
る。排気口２６はゴム製の排気弁２７により覆われ、排
気弁２７の上縁部はリテーナ２８を介してカバープレー
ト２３の外側面に係着されている。

【００１４】そして、ベントダクト２４は、排気弁２７
の作用により、室内Ａの空気を室外Ｂへ導き、かつ、室
外Ｂの空気を室内Ａに導入しないように構成されてい
る。また、ベントダクト２４は、ガイド壁２４ａの形状
により、排気弁２７の開放時に侵入した水を室外Ｂへ返
す水返しとしても機能するようになっている。

【００１５】上から３段目のベントダクト２４は本実施
例の爪保持部を構成し、その側壁２４ｂには、車体パネ
ル２１の内側面に掛止される断面三角形の掛止爪３０が
外側に向けて突設されている。また、側壁２４ｂにはＬ
字形のスリット３５と縦長のスリット３６とが設けられ
ている。Ｌ字形のスリット３５は、掛止爪３０に可撓性
を付与するように、掛止爪３０の周囲に形成されてい
る。縦長のスリット３６は、掛止爪３０から離れた位置
で側壁２４ｂの上面から下方へ切り込まれている。そし
て、スリット３６により側壁２４ｂの一部に可撓保持片
３７が設けられ、取付に際し、この可撓保持片３７がＬ
字形スリット３５の両端を通る軸線の周りで内側に撓む
ようになっている。なお、３３は車体パネル２１とカバ
ープレート２３との間に介装されたパッキンである。

【００１６】上記のように構成した換気装置を車体パネ
ル２１に取り付ける場合には、カバープレート２３を室
外Ｂ側から車体パネル２１に接合して、ベントダクト２
４を開口部２２に挿入する。すると、図８に示すよう
に、掛止爪３０は開口部２２の周縁に係合し、スリット
３５の作用で掛止爪３０のａ点がｂ，ｃ点を支点にして
ベントダクト２４の内側へ撓むと同時に、スリット３６
の作用で可撓保持片３７のｄ点がｅ，ｆ点を支点にして
ベントダクト２４の内側へ撓む。そして、掛止爪３０が
開口部２２を通過した直後に、掛止爪３０は可撓保持片
３７の弾性でベントダクト２４の外側へ復元して、車体
パネル２１の内側面に掛止される。従って、この状態
で、カバープレート２３の上下両端をネジ３２で締め付
ければ、換気装置の上中下の３箇所をそれぞれ車体パネ
ル２１に強固に取り付けることができる。

【００１７】このように、第二実施例の換気装置によれ
ば、カバープレート２３の中間部におけるネジが不要に
なり、全体のネジ締め工数を削減して、換気装置を車体
パネル２１に対し作業性よく取り付けることができる。
特に、スリット３５がＬ字形に形成されているので、掛
止爪３０の撓み支点部を大きくして、側壁２４ｂと掛止
爪３０との接続強度を向上することができる。しかも、
側壁２４ｂの一部に可撓保持片３７が設けられているの
で、取付に際し、掛止爪３０及び可撓保持片３７の両方
を同時に撓ませて、掛止爪３０を車体パネル２１に対し
軽い力で容易に掛止することができる。

【００１８】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、掛止爪及び可撓保持片の形状を適
宜に変更したり、前記実施例の取付構造を自動車の内装
品及び外装品、又は、その他各種のプラスチック部品や
製品に適用したりする等、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体化する
ことも可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
スリットを掛止爪の周囲に略Ｌ字形に形成するととも
に、爪保持部の一部にスリットの両端を通る軸線の周り
で撓曲可能な可撓保持片を設けたので、掛止爪の撓み支
点部を大きくして、爪保持部と掛止爪との接続強度を向
上できるとともに、掛止爪及び可撓保持片の両方を同時
に撓ませて、掛止爪を相手部材に対し軽い力で容易に掛
止できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例を示す自動車用目隠し板の
斜視図である。

【図２】図１の目隠し板の要部を示す斜視図である。

【図３】図１の目隠し板の要部を示す正面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線断面図である。

【図５】本発明の第二実施例を示す自動車用換気装置の
正面図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ線断面図である。

【図７】図５のＶＩＩ−ＶＩＩ線断面図である。

【図８】図５の換気装置の要部を示す部分側面図であ
る。

【図９】図５の換気装置を背面側から見た部分斜視図で
ある。

【図１０】従来の自動車用目隠し板を示す斜視図であ
る。

【図１１】図１０の目隠し板の一部を示す正面図であ
る。

【図１２】従来の別の目隠し板を示す部分斜視図であ
る。

【符号の説明】

１内装パネル２開口部４爪保持部５掛止爪６スリット７可撓保持片２１車体パネル２２開口部２４ベントダクト３０掛止爪３５スリット３７可撓保持片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プラスチック部品に爪保持部を一体形成
し、爪保持部に相手部材に掛止される掛止爪と、掛止爪
に可撓性を付与するスリットとを設け、掛止爪を撓ませ
てプラスチック部品を相手部材に取り付ける取付構造に
おいて、前記スリットを掛止爪の周囲に略Ｌ字形に形成
するとともに、前記爪保持部の一部にスリットの両端を
通る軸線の周りで撓曲可能な可撓保持片を設けてなるこ
とを特徴とするプラスチック部品の取付構造。