JPH06220579A - 軟窒化鋼 - Google Patents
軟窒化鋼Info
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- JPH06220579A JPH06220579A JP945493A JP945493A JPH06220579A JP H06220579 A JPH06220579 A JP H06220579A JP 945493 A JP945493 A JP 945493A JP 945493 A JP945493 A JP 945493A JP H06220579 A JPH06220579 A JP H06220579A
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 通常の条件下での軟窒化処理により表面硬さ
Hv650 以上850 以下、芯部硬さHv 550以上、500 N/mm2
以上の疲労強度、更には2500 N/mm2以上の耐ピッチング
あるいは耐スポーリング性を備えた軟窒化用鋼を提供す
ること。 【構成】 C:0.60 〜0.85%、Si:0.20 〜1.50%、Mn:
0.40 〜1.60%、Cr:0.30超〜1.50%、V : 0.05〜0.80
%、Mo: 0.05 〜0.50%、さらに、必要に応じ、Al:0.0
20〜0.100 %、Ti:0.010〜0.100 %、Nb:0.010〜0.100
%、およびB:0.0005 〜0.0050%から成る群から選んだ
1種または2種以上、および/ またはS:0.040〜0.130
%、Pb:0.030〜0.350 %、およびCa:0.0010 〜0.0100%
から成る群から選んだ1種または2種以上、を配合す
る。
Hv650 以上850 以下、芯部硬さHv 550以上、500 N/mm2
以上の疲労強度、更には2500 N/mm2以上の耐ピッチング
あるいは耐スポーリング性を備えた軟窒化用鋼を提供す
ること。 【構成】 C:0.60 〜0.85%、Si:0.20 〜1.50%、Mn:
0.40 〜1.60%、Cr:0.30超〜1.50%、V : 0.05〜0.80
%、Mo: 0.05 〜0.50%、さらに、必要に応じ、Al:0.0
20〜0.100 %、Ti:0.010〜0.100 %、Nb:0.010〜0.100
%、およびB:0.0005 〜0.0050%から成る群から選んだ
1種または2種以上、および/ またはS:0.040〜0.130
%、Pb:0.030〜0.350 %、およびCa:0.0010 〜0.0100%
から成る群から選んだ1種または2種以上、を配合す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟窒化用鋼、特に軟窒
化処理後の硬化特性 (表面硬さ) に優れ、かつ芯部硬さ
も十分に高く、疲労強度、耐ピッチング性の点で理想的
な軟窒化用鋼に関する。特に、ばね、歯車、クランクな
どの機械部品用に適する軟窒化用鋼を提供することであ
る。
化処理後の硬化特性 (表面硬さ) に優れ、かつ芯部硬さ
も十分に高く、疲労強度、耐ピッチング性の点で理想的
な軟窒化用鋼に関する。特に、ばね、歯車、クランクな
どの機械部品用に適する軟窒化用鋼を提供することであ
る。
【0002】
【従来の技術】軟窒化処理は、A1 変態点以下、一般に
570℃程度の温度で、例えばシアン系化合物の塩浴、RX
ガス (吸熱型変性ガス) またはNXガス (発熱型変性ガ
ス) 等により被処理物を処理して、窒素と共に一部の炭
素を鋼中に侵入させ、表層部を硬化させる表面硬化法の
1種である。
570℃程度の温度で、例えばシアン系化合物の塩浴、RX
ガス (吸熱型変性ガス) またはNXガス (発熱型変性ガ
ス) 等により被処理物を処理して、窒素と共に一部の炭
素を鋼中に侵入させ、表層部を硬化させる表面硬化法の
1種である。
【0003】この方法は浸炭─焼入法の如く被処理物に
大きな歪を生じさせることがなく、また窒化法の如く長
時間を要することもないので、機械部品等の量産に適し
た方法であるが、これに適する鋼種としての軟窒化用鋼
の開発は未だ十分でなく、短時間の軟窒化処理で所望の
特性が得られるものはこれまで見られなかった。
大きな歪を生じさせることがなく、また窒化法の如く長
時間を要することもないので、機械部品等の量産に適し
た方法であるが、これに適する鋼種としての軟窒化用鋼
の開発は未だ十分でなく、短時間の軟窒化処理で所望の
特性が得られるものはこれまで見られなかった。
【0004】従来、軟窒化用鋼としては、JIS −SCM420
(0.2C−0.75Mn−1.1 Cr−0.2Mo)やSCM435 (0.35C −0.
75Mn−1.1 Cr−0.2 Mo) が多用されていたが、これらの
鋼の軟窒化処理後の表面硬さ (表面下25μm での微小ビ
ツカース硬さ) はHv650 以上にはならないため、疲労強
度、耐摩耗性の点で満足のゆくものではなかった。
(0.2C−0.75Mn−1.1 Cr−0.2Mo)やSCM435 (0.35C −0.
75Mn−1.1 Cr−0.2 Mo) が多用されていたが、これらの
鋼の軟窒化処理後の表面硬さ (表面下25μm での微小ビ
ツカース硬さ) はHv650 以上にはならないため、疲労強
度、耐摩耗性の点で満足のゆくものではなかった。
【0005】また、これらの欠点を改善するために、窒
化特性を向上させるAlおよびCrを多量に添加したJIS −
SACM645(0.45C−0.4 Si−1.5 Cr−0.2 Mo−1.0 Al) の
場合には、軟窒化処理によって表面硬さはHv850 〜1100
と非常に高くなるが、そのため、高負荷の下で使用され
る歯車やベアリングなどでは、表面部の剥離現象が起き
やすく、耐ピッチング性あるいは耐スポーリング性が劣
っていた。
化特性を向上させるAlおよびCrを多量に添加したJIS −
SACM645(0.45C−0.4 Si−1.5 Cr−0.2 Mo−1.0 Al) の
場合には、軟窒化処理によって表面硬さはHv850 〜1100
と非常に高くなるが、そのため、高負荷の下で使用され
る歯車やベアリングなどでは、表面部の剥離現象が起き
やすく、耐ピッチング性あるいは耐スポーリング性が劣
っていた。
【0006】さらに、Cr系肌焼鋼に硬化深さ向上に有効
なV を添加した軟窒化用鋼も提案されており、外国規格
(AISI6118) もある。しかし、上述した従来鋼は、芯部
硬さが低く、疲労強度の点で不満があった。
なV を添加した軟窒化用鋼も提案されており、外国規格
(AISI6118) もある。しかし、上述した従来鋼は、芯部
硬さが低く、疲労強度の点で不満があった。
【0007】その他これまでにも、例えば以下の特許公
開公報に示すように多くの軟窒化用鋼が提案されてきた
が、それらはいずれも上述のような特性を同時に満足す
るものではなかった。特開平3−104816号公報、特開昭
64−4457号公報、同64−25949 号公報、同61−9555号公
報、etc.特に近年軟窒化用鋼の用途として注目されてい
るばね、歯車、クランクなどの機械部品用としては例え
ば通常の条件下での軟窒化処理により表面硬さHv650 以
上850 以下、芯部硬さHv 550以上、500 N/mm2 以上の疲
労限、更には2500N/mm2以上の面疲労強度を有
することが求められ、そのような特性を同時に満足する
低合金鋼材料はこれまではなかった。
開公報に示すように多くの軟窒化用鋼が提案されてきた
が、それらはいずれも上述のような特性を同時に満足す
るものではなかった。特開平3−104816号公報、特開昭
64−4457号公報、同64−25949 号公報、同61−9555号公
報、etc.特に近年軟窒化用鋼の用途として注目されてい
るばね、歯車、クランクなどの機械部品用としては例え
ば通常の条件下での軟窒化処理により表面硬さHv650 以
上850 以下、芯部硬さHv 550以上、500 N/mm2 以上の疲
労限、更には2500N/mm2以上の面疲労強度を有
することが求められ、そのような特性を同時に満足する
低合金鋼材料はこれまではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、疲労強度、耐摩耗性にすぐれていると同時に、耐ピ
ッチング性、耐スポーリング性にもすぐれている軟窒化
用鋼を提供することである。
は、疲労強度、耐摩耗性にすぐれていると同時に、耐ピ
ッチング性、耐スポーリング性にもすぐれている軟窒化
用鋼を提供することである。
【0009】より具体的には、本発明の目的は、通常の
条件下での軟窒化処理により表面硬さHv650 以上850 以
下、芯部硬さHv550 以上、500 N/mm2 以上の疲労限、更
には2500N/mm2 以上の面疲労強度を備えた軟窒化用鋼を
提供することである。
条件下での軟窒化処理により表面硬さHv650 以上850 以
下、芯部硬さHv550 以上、500 N/mm2 以上の疲労限、更
には2500N/mm2 以上の面疲労強度を備えた軟窒化用鋼を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな課題を達成すべく行っていた検討段階で、従来、軟
窒化用鋼として用いられていた鋼のC量がいずれも0.60
%以下であることに根本的な問題意識を抱いた。そし
て、0.60%超の多量のCを含む鋼においても、優れた軟
窒化特性を付与するような鋼の成分系に関する詳細且つ
系統的な検討を行った。
うな課題を達成すべく行っていた検討段階で、従来、軟
窒化用鋼として用いられていた鋼のC量がいずれも0.60
%以下であることに根本的な問題意識を抱いた。そし
て、0.60%超の多量のCを含む鋼においても、優れた軟
窒化特性を付与するような鋼の成分系に関する詳細且つ
系統的な検討を行った。
【0011】その結果、C量が0.60%超の鋼において
も、Cr量、V 量およびMo量を、ある相関関係で規定す
ることにより、通常の条件下での軟窒化処理により、表
面硬さHv650 以上、850 以下が得られること、さらに
C量、Si量、V量の規定により芯部硬さHv550 以上が得
られること、そしてその結果、疲労強度、耐摩耗性、
耐ピッチング性、耐スポーリング性の一層の向上が図れ
るとの知見を得た。
も、Cr量、V 量およびMo量を、ある相関関係で規定す
ることにより、通常の条件下での軟窒化処理により、表
面硬さHv650 以上、850 以下が得られること、さらに
C量、Si量、V量の規定により芯部硬さHv550 以上が得
られること、そしてその結果、疲労強度、耐摩耗性、
耐ピッチング性、耐スポーリング性の一層の向上が図れ
るとの知見を得た。
【0012】また、軟窒化特性の向上のみならず、機械
要素部品として、軟窒化処理後優れた靱性が必要とされ
る場合には、Al、Ti、NbまたはBを添加することが好
ましく、特にこれらの元素は軟窒化特性の向上に加え
て、靱性も向上させることが見出した。さらに、軟窒
化処理前に切削を施す場合には、切削性向上に有効な
S、PbまたはCaを添加するのが好ましいことも判明し
た。
要素部品として、軟窒化処理後優れた靱性が必要とされ
る場合には、Al、Ti、NbまたはBを添加することが好
ましく、特にこれらの元素は軟窒化特性の向上に加え
て、靱性も向上させることが見出した。さらに、軟窒
化処理前に切削を施す場合には、切削性向上に有効な
S、PbまたはCaを添加するのが好ましいことも判明し
た。
【0013】ここに、本発明の要旨とするところは、重
量%で、C:0.60 〜0.85%、Si:0.20 〜1.50%、Mn:0.4
0 〜1.60%、Cr:0.30 超〜1.50%、V : 0.05〜0.80%、
Mo:0.05 〜0.50%、さらに、必要に応じ、Al:0.020〜0.
100 %、Ti:0.010〜0.100 %、Nb:0.010〜0.100 %、お
よびB:0.0005 〜0.0050%から成る群から選んだ1種ま
たは2種以上、および/ またはS:0.040〜0.130 %、P
b:0.030〜0.350 %、およびCa:0.0010 〜0.0100%から
成る群から選んだ1種または2種以上、残部Feと不可避
的不純物とからなる軟窒化鋼である。
量%で、C:0.60 〜0.85%、Si:0.20 〜1.50%、Mn:0.4
0 〜1.60%、Cr:0.30 超〜1.50%、V : 0.05〜0.80%、
Mo:0.05 〜0.50%、さらに、必要に応じ、Al:0.020〜0.
100 %、Ti:0.010〜0.100 %、Nb:0.010〜0.100 %、お
よびB:0.0005 〜0.0050%から成る群から選んだ1種ま
たは2種以上、および/ またはS:0.040〜0.130 %、P
b:0.030〜0.350 %、およびCa:0.0010 〜0.0100%から
成る群から選んだ1種または2種以上、残部Feと不可避
的不純物とからなる軟窒化鋼である。
【0014】
【作用】次に、本発明に係わる軟窒化用鋼の組成を上記
の範囲内に限定した理由について述べる。本明細書にお
いて%は特にことわりがない限り重量%である。
の範囲内に限定した理由について述べる。本明細書にお
いて%は特にことわりがない限り重量%である。
【0015】C:Cは強度確保のための基本成分であ
り、芯部強度確保のためには0.60%超とするしかし、0.
85%を越えると芯部の延性、靱性が低下し、切削性、冷
間加工性が低下すると共に、軟窒化後の表面硬さが急激
に減少し始める。したがって、本発明におけるC量は0.
60%超0.85%以下である。
り、芯部強度確保のためには0.60%超とするしかし、0.
85%を越えると芯部の延性、靱性が低下し、切削性、冷
間加工性が低下すると共に、軟窒化後の表面硬さが急激
に減少し始める。したがって、本発明におけるC量は0.
60%超0.85%以下である。
【0016】Si:Si は通常、脱酸剤として添加される
が、固溶強化および焼戻し軟化抵抗の向上にも有効で、
結果として軟窒化処理後の芯部硬さを高め、疲労強度を
向上させる。このためには0.20%以上必要であるが、1.
50%を越えると冷間加工性や溶接性に害を及ぼすので、
上限を1.50%とした。好ましくは、0.40%以上1.50%以
下である。
が、固溶強化および焼戻し軟化抵抗の向上にも有効で、
結果として軟窒化処理後の芯部硬さを高め、疲労強度を
向上させる。このためには0.20%以上必要であるが、1.
50%を越えると冷間加工性や溶接性に害を及ぼすので、
上限を1.50%とした。好ましくは、0.40%以上1.50%以
下である。
【0017】Mn:Mn は製鋼時の脱酸剤として不可欠で
あり最低0.40%は必要である。しかし、1.60%を越える
と切削性が著しく低下し始めるので、下限を0.40%、上
限を1.60%とした。
あり最低0.40%は必要である。しかし、1.60%を越える
と切削性が著しく低下し始めるので、下限を0.40%、上
限を1.60%とした。
【0018】Cr:Crは軟窒化による侵入Nと結合して表
面硬さを高めるのに極めて有効な元素である。その効果
を十分に発揮せしめるには0.30%超のCr量が必要である
が、1.50%を越えると通常の軟窒化処理条件下での軟窒
化後に表面硬さがHv850 を越える靱性が劣化するため、
上限を1.50%とした。
面硬さを高めるのに極めて有効な元素である。その効果
を十分に発揮せしめるには0.30%超のCr量が必要である
が、1.50%を越えると通常の軟窒化処理条件下での軟窒
化後に表面硬さがHv850 を越える靱性が劣化するため、
上限を1.50%とした。
【0019】V:Vは軟窒化による侵入Nおよび侵入C
と結合して表面層に微細なV炭窒化物を析出することに
より、表面硬さを向上させる。特に、VはCrに比して、
表面硬さの上昇に対する寄与は比較的小さいが、含有C
との結合によるV炭化物の析出硬化によって、芯部硬さ
の向上に寄与する。この両者の効果が相まって疲労強度
の向上に有効となる。このためにはVは少なくとも0.05
%必要である。しかし、0.80%を越えて添加すると、芯
部硬さの向上が急激になりすぎ、軟窒化処理後に大きな
熱処理歪を伴うようになり、また靱性も劣化するので下
限を0.05%、上限を0.80%とした。
と結合して表面層に微細なV炭窒化物を析出することに
より、表面硬さを向上させる。特に、VはCrに比して、
表面硬さの上昇に対する寄与は比較的小さいが、含有C
との結合によるV炭化物の析出硬化によって、芯部硬さ
の向上に寄与する。この両者の効果が相まって疲労強度
の向上に有効となる。このためにはVは少なくとも0.05
%必要である。しかし、0.80%を越えて添加すると、芯
部硬さの向上が急激になりすぎ、軟窒化処理後に大きな
熱処理歪を伴うようになり、また靱性も劣化するので下
限を0.05%、上限を0.80%とした。
【0020】Mo:Mo は前述のCrと同様に、軟窒化によ
る侵入Cと結合して表面硬さを高めるのに極めて有効な
元素である。その効果を十分に発揮せしめるには、0.05
%以上の添加が必要である。しかし0.50%を超えて添加
しても、その効果が飽和するので、0.50%を上限とし
た。
る侵入Cと結合して表面硬さを高めるのに極めて有効な
元素である。その効果を十分に発揮せしめるには、0.05
%以上の添加が必要である。しかし0.50%を超えて添加
しても、その効果が飽和するので、0.50%を上限とし
た。
【0021】その他、本発明の好適態様によれば、必要
により、Al、Ti、Nb、B の内の少なくとも1種、および
/ またはS、Pb、Caの内の少なくとも1種が配合され
る。
により、Al、Ti、Nb、B の内の少なくとも1種、および
/ またはS、Pb、Caの内の少なくとも1種が配合され
る。
【0022】Al、Ti、Nb、B:これらの元素は0.60%以
上のCを含む鋼において、軟窒化特性、特に表面硬さの
増大に加えて、本発明が対象としている機械要素部品
(歯車、ベアリング、ばね、ボルト、シャフトなど) に
対し優れた靱性を付与するのにも、有効な元素である。
上のCを含む鋼において、軟窒化特性、特に表面硬さの
増大に加えて、本発明が対象としている機械要素部品
(歯車、ベアリング、ばね、ボルト、シャフトなど) に
対し優れた靱性を付与するのにも、有効な元素である。
【0023】Al: Alは鋼の脱酸のために通常0.01〜0.
05%程度添加される。またAlはCrと同様に侵入Nと結合
して表面硬さを高める効果を有する。特に、Hv800 を越
えるような高いレベルの表面硬さを求める場合には、脱
酸のために添加される上記範囲に対して、下限を限定す
る必要がある。つまり0.020 %以上の添加が必要であ
る。しかし0.100 %を越えて添加すると、表面硬さがHv
850 を越え、表面が脆化し、クラックが入りやすくなる
ため、靱性が劣化する。したがって0.100 %を上限とす
る。またAlは鋼中のNと結合して、AlN として微細に分
布し、結晶粒を微細化させる。それにより靱性を向上さ
せる効果も上記添加範囲内で得ることができる。
05%程度添加される。またAlはCrと同様に侵入Nと結合
して表面硬さを高める効果を有する。特に、Hv800 を越
えるような高いレベルの表面硬さを求める場合には、脱
酸のために添加される上記範囲に対して、下限を限定す
る必要がある。つまり0.020 %以上の添加が必要であ
る。しかし0.100 %を越えて添加すると、表面硬さがHv
850 を越え、表面が脆化し、クラックが入りやすくなる
ため、靱性が劣化する。したがって0.100 %を上限とす
る。またAlは鋼中のNと結合して、AlN として微細に分
布し、結晶粒を微細化させる。それにより靱性を向上さ
せる効果も上記添加範囲内で得ることができる。
【0024】Ti: Tiは侵入C、侵入Nと結合して、表
面硬さを高める。軟窒化処理後Hv800 〜850 の表面硬さ
を得るときには有効な元素である。その効果を発揮させ
るためには0.010 %以上必要である。しかし0.100 %を
越えて添加すると、表面硬さがHv850 を越え、靱性が劣
化するので、0.100 %を上限とする。またTiは鋼中でC
と結合して、Ti炭化物として微細に分散し、結晶粒を微
細化させる。これにより、上記添加範囲内で、靱性を向
上させる効果を有する。
面硬さを高める。軟窒化処理後Hv800 〜850 の表面硬さ
を得るときには有効な元素である。その効果を発揮させ
るためには0.010 %以上必要である。しかし0.100 %を
越えて添加すると、表面硬さがHv850 を越え、靱性が劣
化するので、0.100 %を上限とする。またTiは鋼中でC
と結合して、Ti炭化物として微細に分散し、結晶粒を微
細化させる。これにより、上記添加範囲内で、靱性を向
上させる効果を有する。
【0025】Nb: Nbも前出のTiと全く同じ効果を有す
る元素である。軟窒化処理後、表面硬さHv800 〜850 を
確保するためには、最低0.010 %必要である。しかし、
0.100 %を越えて添加すると、表面硬さがHv850 を越え
靱性を劣化させるので、0.100 %を上限とする。また、
Nbは鋼中でCと結合して、Nb炭化物として微細に分散
し、結晶粒を微細化させる。それによって、上記添加範
囲内で、靱性を向上させるのに有効である。
る元素である。軟窒化処理後、表面硬さHv800 〜850 を
確保するためには、最低0.010 %必要である。しかし、
0.100 %を越えて添加すると、表面硬さがHv850 を越え
靱性を劣化させるので、0.100 %を上限とする。また、
Nbは鋼中でCと結合して、Nb炭化物として微細に分散
し、結晶粒を微細化させる。それによって、上記添加範
囲内で、靱性を向上させるのに有効である。
【0026】B: Bは侵入Nと結合して表面でBNを形
成し、表面硬さを増加せしめる効果を有する。したがっ
てBについても、軟窒化後Hv800 を越える表面硬さが必
要なときには、0.0005%以上の添加を必要とする。0.00
50%を越えて添加させても、その効果が飽和するので、
0.0050%を上限とする。またBは鋼中のセメンタイト中
に侵入し、セメンタイトの靱性を向上させる。その結果
上記添加範囲内で、軟窒化処理部品の靱性を向上させる
ものである。
成し、表面硬さを増加せしめる効果を有する。したがっ
てBについても、軟窒化後Hv800 を越える表面硬さが必
要なときには、0.0005%以上の添加を必要とする。0.00
50%を越えて添加させても、その効果が飽和するので、
0.0050%を上限とする。またBは鋼中のセメンタイト中
に侵入し、セメンタイトの靱性を向上させる。その結果
上記添加範囲内で、軟窒化処理部品の靱性を向上させる
ものである。
【0027】S、Pb、Ca:これらの成分は、軟窒化処理
前に切削を施す場合の切削性向上に有効である。軟窒化
処理前に深穴穿孔、重切削、高速切削などが施される場
合には、切削性が要求される度合いに応じて、これらの
元素の1種又は2種以上を含有させることができる。こ
れらの元素は硬化特性に対しては影響を及ぼさない。
前に切削を施す場合の切削性向上に有効である。軟窒化
処理前に深穴穿孔、重切削、高速切削などが施される場
合には、切削性が要求される度合いに応じて、これらの
元素の1種又は2種以上を含有させることができる。こ
れらの元素は硬化特性に対しては影響を及ぼさない。
【0028】構造用鋼の切削性を高めるのに必要最少限
の添加量は、S:0.040 %、Pb:0.030 %、Ca:0.0010
%である。またSは0.130 %、Pbは0.350 %を越えると
強度・靱性の低下が甚だしくなり、一方Caは溶製上0.01
00%を越えて添加するのは困難であるので、Sについて
は下限を0.04%、上限を0.13%、Pbについては下限を0.
03%、上限を0.35%、Caについては下限を0.0010%、上
限を0.0100%とした。次に、本発明の作用効果について
実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
の添加量は、S:0.040 %、Pb:0.030 %、Ca:0.0010
%である。またSは0.130 %、Pbは0.350 %を越えると
強度・靱性の低下が甚だしくなり、一方Caは溶製上0.01
00%を越えて添加するのは困難であるので、Sについて
は下限を0.04%、上限を0.13%、Pbについては下限を0.
03%、上限を0.35%、Caについては下限を0.0010%、上
限を0.0100%とした。次に、本発明の作用効果について
実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0029】
【実施例】表1に示す組成を有する鋼を真空溶解炉によ
り大気溶解し、鋼塊にしたのち、1250℃に加熱し、直径
30mmの丸棒に熱間鍛造した。しかる後に850 ℃、1hr加
熱保持し、80℃の油槽に油焼入れした。さらに400 ℃、
1hr加熱保持後、大気放冷した。その後30mm丸棒中心か
らJIS3号シャルピー試験片 (2 mmUノッチ) 、回転曲げ
疲労試験片 (図1) 、および転動疲労試験片 (図2) を
製作した。
り大気溶解し、鋼塊にしたのち、1250℃に加熱し、直径
30mmの丸棒に熱間鍛造した。しかる後に850 ℃、1hr加
熱保持し、80℃の油槽に油焼入れした。さらに400 ℃、
1hr加熱保持後、大気放冷した。その後30mm丸棒中心か
らJIS3号シャルピー試験片 (2 mmUノッチ) 、回転曲げ
疲労試験片 (図1) 、および転動疲労試験片 (図2) を
製作した。
【0030】図1において、図1(a) は側面図、図1
(b) 端面図、そして図1(c) は切欠部の拡大図であり、
図中の試験片10の寸法を示す数字はmmであり、中心部に
は切欠部12が設けられており、一方の端部には孔14が設
けられている。図2に示す試験片16にあっては中心部に
太径部18が設けられている。なお、図2(a) は側面図、
図2(b) は端面図である。
(b) 端面図、そして図1(c) は切欠部の拡大図であり、
図中の試験片10の寸法を示す数字はmmであり、中心部に
は切欠部12が設けられており、一方の端部には孔14が設
けられている。図2に示す試験片16にあっては中心部に
太径部18が設けられている。なお、図2(a) は側面図、
図2(b) は端面図である。
【0031】これら一連の試験片に対し、アンモニアガ
ス+RXガス (1:1) の混合ガス中において570 ℃で4
時間のガス軟窒化処理を施した。軟窒化処理後、回転曲
げ試験片の10mmφ平行部を切断し、横断面において表面
硬さ (表面下25μm での微小ビッカース硬さ) および芯
部硬さ (R/2 位置つまり表面から2.5 mm位置における微
小ビッカース硬さ) を測定した。
ス+RXガス (1:1) の混合ガス中において570 ℃で4
時間のガス軟窒化処理を施した。軟窒化処理後、回転曲
げ試験片の10mmφ平行部を切断し、横断面において表面
硬さ (表面下25μm での微小ビッカース硬さ) および芯
部硬さ (R/2 位置つまり表面から2.5 mm位置における微
小ビッカース硬さ) を測定した。
【0032】供試鋼の強度評価は、曲げ疲労については
小野式回転曲げ疲労試験機にて試験を行い、疲労限を評
価基準とし、面疲労については、転動疲労試験機にて行
い、107 回転可能な許容面圧を評価基準とした。転動疲
労試験の条件は、潤滑油温度80℃、すべり率40%であ
る。結果をまとめて表1−1 および表1−2 に示す。
小野式回転曲げ疲労試験機にて試験を行い、疲労限を評
価基準とし、面疲労については、転動疲労試験機にて行
い、107 回転可能な許容面圧を評価基準とした。転動疲
労試験の条件は、潤滑油温度80℃、すべり率40%であ
る。結果をまとめて表1−1 および表1−2 に示す。
【0033】鋼1〜26は本発明の範囲内の成分組成を有
する。一方鋼27〜44は本発明の範囲外の成分組成の比較
鋼である。更に鋼45、46はそれぞれJIS に規定されてい
るSCM435、およびSACM645 である。鋼1〜26はいずれも
表面硬さHv 650〜850 、芯部硬さHv 550以上となってい
る。したがって小野式回転曲げ試験による疲労限も500
N/mm2 以上、面疲労強度も2500N/mm2 と良好な値を示し
ている。さらにシャルピー吸収エネルギーも20 N・m 以
上となっており、良好な靱性を示している。
する。一方鋼27〜44は本発明の範囲外の成分組成の比較
鋼である。更に鋼45、46はそれぞれJIS に規定されてい
るSCM435、およびSACM645 である。鋼1〜26はいずれも
表面硬さHv 650〜850 、芯部硬さHv 550以上となってい
る。したがって小野式回転曲げ試験による疲労限も500
N/mm2 以上、面疲労強度も2500N/mm2 と良好な値を示し
ている。さらにシャルピー吸収エネルギーも20 N・m 以
上となっており、良好な靱性を示している。
【0034】つまり本発明鋼は0.60%超のC量を含むに
もかかわらず、軟窒化特性が優れており、疲労強度およ
び高面圧での転動疲労特性が優れている。また構造用鋼
として必要な靱性も具備している。一方、本発明の要件
を満たさない鋼27〜46においては、軟窒化特性の不良に
ともなう疲労強度あるいは面疲労強度の劣化が生じてい
る。あるいは靱性の劣化により、構造用鋼として使用で
きない結果となっている。
もかかわらず、軟窒化特性が優れており、疲労強度およ
び高面圧での転動疲労特性が優れている。また構造用鋼
として必要な靱性も具備している。一方、本発明の要件
を満たさない鋼27〜46においては、軟窒化特性の不良に
ともなう疲労強度あるいは面疲労強度の劣化が生じてい
る。あるいは靱性の劣化により、構造用鋼として使用で
きない結果となっている。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、0.60%C超とするとともに、他の成分を規制するこ
とにより、従来は到底得られなかった良好な軟窒化特性
を実現したものであり、疲労強度、耐摩耗性、靱性に優
れた軟窒化鋼を提供するものである。
ば、0.60%C超とするとともに、他の成分を規制するこ
とにより、従来は到底得られなかった良好な軟窒化特性
を実現したものであり、疲労強度、耐摩耗性、靱性に優
れた軟窒化鋼を提供するものである。
【図1】試験片の概略説明図であり、図1(a) は側面
図、図1(b) は端面図、図1(c)は部分拡大図である。
図、図1(b) は端面図、図1(c)は部分拡大図である。
【図2】試験片の概略説明図であり、図2(a) は側面
図、図2(b) は端面図である。
図、図2(b) は端面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 光男 北九州市小倉北区許斐町1番地 住友金属 工業株式会社小倉製鉄所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 C: 0.60 〜0.85%、 Si: 0.20 〜1.50%、 Mn: 0.40 〜1.60%、 Cr: 0.30 超〜1.50%、 V : 0.05 〜0.80%、 Mo: 0.05 〜0.50%、 残部Feと不可避的不純物からなる軟窒化鋼。
- 【請求項2】 さらに、重量%で、 Al: 0.020〜0.100 %、Ti: 0.010〜0.100 %、 Nb: 0.010〜0.100 %、およびB: 0.0005 〜0.0050%
から成る群から選んだ1種または2種以上を含有する請
求項1記載の軟窒化鋼。 - 【請求項3】 さらに、重量%で、 S:0.040〜0.130 %、Pb:0.030〜0.350 %、およびCa:
0.0010 〜0.0100%から成る群から選んだ1種または2
種以上を含有する請求項1または2記載の軟窒化鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP945493A JPH06220579A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 軟窒化鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP945493A JPH06220579A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 軟窒化鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06220579A true JPH06220579A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=11720742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP945493A Withdrawn JPH06220579A (ja) | 1993-01-22 | 1993-01-22 | 軟窒化鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06220579A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07188852A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-07-25 | Kobe Steel Ltd | 疲労強度の優れた窒化ばね用鋼および窒化ばね |
WO2004087978A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 加工性に優れた高強度ばね用鋼線および高強度ばね |
JP2021533256A (ja) * | 2018-07-27 | 2021-12-02 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 基礎材料組成物、このような基礎材料から駆動ベルト用の横断部材を製造する方法およびこのようにして製造された横断部材を備える駆動ベルト |
-
1993
- 1993-01-22 JP JP945493A patent/JPH06220579A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07188852A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-07-25 | Kobe Steel Ltd | 疲労強度の優れた窒化ばね用鋼および窒化ばね |
WO2004087978A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 加工性に優れた高強度ばね用鋼線および高強度ばね |
CN100445408C (zh) * | 2003-03-28 | 2008-12-24 | 株式会社神户制钢所 | 加工性优异的高强度弹簧用钢丝以及高强度弹簧 |
US8007716B2 (en) | 2003-03-28 | 2011-08-30 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Steel wire for high strength spring excellent in workability and high strength |
JP2021533256A (ja) * | 2018-07-27 | 2021-12-02 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 基礎材料組成物、このような基礎材料から駆動ベルト用の横断部材を製造する方法およびこのようにして製造された横断部材を備える駆動ベルト |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000404 |