JPH06220320A - ポリアミド系組成物 - Google Patents

ポリアミド系組成物

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JPH06220320A
JPH06220320A JP1090493A JP1090493A JPH06220320A JP H06220320 A JPH06220320 A JP H06220320A JP 1090493 A JP1090493 A JP 1090493A JP 1090493 A JP1090493 A JP 1090493A JP H06220320 A JPH06220320 A JP H06220320A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2種類以上のポリアミドを混合したポリアミ
ド系組成物の溶融粘度上昇を抑制でき、成形性の良い組
成物を提供する。 【構成】 2種類以上のポリアミドを混合してなるポリ
アミド系組成物であって、混合後のポリアミドの末端基
濃度差が、次の(1)式を満たすことを特徴とするポリ
アミド系組成物。 【数1】 |[末端アミノ基濃度]−[末端カルボキシル基濃度]
|≧16×10ー6当量/g・・・ (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工性に優れたポ
リアミド系組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を押出成形、射出成形機等
で成形加工を行う際、重要な成形条件の1つは、成形に
供される原料樹脂の溶融粘度である。他方、各種の熱可
塑性樹脂の性質改善等を目的として、性質の異なる2種
類以上の樹脂を混合することは通常採用される手法であ
る。この際ポリアミド等の末端に反応性の基を有する樹
脂を2種類以上溶融混合すると、混合後の樹脂組成物の
溶融粘度が混合前の原料樹脂の溶融粘度の算術平均値ま
たは対数平均値を大幅に越える現象が観察されることが
ある。2種類以上のポリアミドを含む樹脂組成物を、加
熱溶融させて成形に供する場合、当該樹脂組成物の溶融
粘度が単独の原料ポリアミドの溶融粘度を大きく越える
値を示すに至ると、成形性が低下するという問題を生じ
る。
【0003】このように溶融樹脂の大幅な粘度上昇が生
ずると、成形機に著しく大きな押出動力、射出圧力が必
要となり、押出量、射出量が不安定になり易く厚み精度
の確保が困難になり、転写性も低下する。また、溶融樹
脂の流路配管やダイ、射出ノズルに多大な耐圧が必要と
なってくるため設備の改善や新設が必要となる、等の問
題を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来技術の課題を克服し、2種類以上のポリア
ミドを溶融混合する際に、溶融粘度上昇が抑制でき、成
形性に優れたポリアミド系組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至ったものである。しかして本発明の要旨とす
るところは、2種類以上のポリアミドを混合してなるポ
リアミド系組成物であって、混合後のポリアミドの末端
基濃度差が、次の(1)式を満たすことを特徴とするポ
リアミド系組成物
【0006】
【数3】|[末端アミノ基濃度]−[末端カルボキシル
基濃度]|≧16×10ー6当量/g・・・ (1) に存する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】高分子物質は、長さの異なる多数の高分子
鎖の混合物であることが知られており、ポリアミドもこ
の例にもれず、長さの異なる多数の高分子鎖の混合物で
ある。ポリアミドの場合一つの高分子鎖は、分岐してい
ない限り、二つの末端基を持っているが、全ての高分子
鎖の末端基が同一ではなく、(イ)両末端基がアミノ基
のもの、(ロ)両末端基がカルボキシル基のもの、
(ハ)一方がアミノ基で他方がカルボキシル基のもの、
の3種類の末端基をもった高分子鎖の混合物である。こ
れら(イ)〜(ハ)のいづれの末端基になるかは、ポリ
アミド製造の際の原料の種類、原料の割合、製造法、変
性剤、末端封止剤等によって変わる。
【0008】本発明者の実験によると、2種類以上のポ
リアミドを溶融混合する際、特定の原料の組み合わせの
場合に、混合したポリアミド系組成物の溶融粘度の上昇
を抑制できることが判った。すなわち、2種類以上のポ
リアミドを溶融混合して得られたポリアミド系組成物に
ついて、末端アミノ基濃度(以下これを「(A)」と表
示する。)と末端カルボキシル基濃度(以下これを
「(B)」と表示する。)とが、|(A)−(B)|≧
16×10ー6当量/gの関係を満たす場合に、溶融混合
して得られたポリアミド系組成物の溶融粘度上昇を抑制
でき、成形性の良いポリアミド系組成物が得られる。こ
こで、ポリアミド系組成物の(A)および(B)は、ポ
リアミドの技術分野で一般的に行われる酸塩基滴定法に
より確認することができる。
【0009】|(A)−(B)|<16×10ー6当量/
gの関係を満たす場合には、混合後のポリアミド系組成
物の溶融粘度が混合前の原料ポリアミドの溶融粘度を大
きく越え、成形性の悪い組成物となり好ましくない。2
種類以上のポリアミドを溶融混合した際に溶融粘度が大
幅に上昇する理由の詳細は不明であるが、高分子鎖の末
端基間で反応がおこり、長い鎖長の高分子鎖が生成する
ためと推定される。
【0010】混合後のポリアミド系組成物の(A)と
(B)との差の絶対値が16×10ー6当量/g以上であ
る組成物を得るためには、少なくとも1種のポリアミド
の末端を変性することにより、アミノ基濃度およびカル
ボキシル基濃度を変化させたポリアミドを使用したり、
また、2種以上のポリアミドの比率を混合後の末端アミ
ノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の差の絶対値が16
×10ー6当量/g以上となるように混合したりすること
等により得ることができる。
【0011】更に本発明者の実験によると、2種類以上
のポリアミドを混合してなるポリアミド系組成物におい
て、少なくとも1つのポリアミドがメタキシリレンジア
ミンとアジピン酸との重縮合反応で生成する構造単位を
70モル%以上含有するポリアミドもしくはポリアミド
共重合体である場合に、メタキシリレンジアミンとアジ
ピン酸との重縮合反応で生成する構造単位を70モル%
以上含有するポリアミドもしくはポリアミド共重合体の
混合割合と溶融混合したポリアミド系組成物の溶融粘度
を調べた結果、|(A)−(B)|≧(16+0.33
×φ)×10ー6当量/g以上という要件を満たす場合
に、特に、溶融混合して得られたポリアミド系組成物の
溶融粘度上昇を抑制でき、成形性の良いポリアミド系組
成物が得られることが判った。ここで、φはポリアミド
系組成物中のメタキシリレンジアミンとアジピン酸との
重縮合反応で生成する構造単位を70モル%以上含有す
るポリアミドもしくはポリアミド共重合体の混合割合
(重量%)を表す。
【0012】2種類以上のポリアミドを混合してなるポ
リアミド系組成物において、少なくとも1つのポリアミ
ドがメタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合反
応で生成する構造単位を70モル%以上含有するポリア
ミドもしくはポリアミド共重合体である場合に、該ポリ
アミドの混合割合に起因する理由の詳細は不明である
が、該ポリアミドの末端基の反応性が他のポリアミドと
異なるために、該ポリアミド混合割合が高い程、末端基
間の反応が起こり難くなるものと推定される。
【0013】本発明に係るポリアミド系組成物の(|
(A)−(B)|)の上限は特に制限はないが、(|
(A)−(B)|)の値が相当に大きくなると溶融粘度
の大幅な低下を招き、ポリアミド系組成物を原料とし押
出成形法によって成形品を製造する場合には、押出量が
不安定になり易く、シート又はフィルム等の厚み精度の
確保が困難になる等の問題を生じる虞れがあるため、一
般的には100×10ー6当量/g以下、好ましくは80
×10ー6当量/g以下であることが望ましい。
【0014】本発明に係るポリアミド系組成物は、複数
のポリアミドの中から2種類以上を選択組み合わせ、混
合され、混合したポリアミド系組成物が上記の要件を満
たすものであればどのような種類の組み合わせでもよ
く、原料ポリアミドの種類に特に制限はない。原料ポリ
アミドの具体的例としては、εーカプロラクタム、エナ
ントラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム類からの
開環重合により得られるポリアミド、ω-アミノヘプタ
ン酸、ωーアミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類
の重縮合により得られるポリアミド、ジアミンとジカル
ボン酸とのナイロン塩の重縮合により得られるポリアミ
ド、また、上記記載の各種ラクタム、アミノカルボン
酸、ジアミンとジカルボン酸とのナイロン塩とを適宜混
合したものを共重縮合して得られるポリアミド共重合体
が挙げられる。ジアミンの具体例としてはエチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、シクロヘキサンジアミン、1,3ービスアミノメチ
ルシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン
等が挙げられる。ジカルボン酸の具体例としては、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボ
ン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。また、本発
明においては、上記各種ポリアミドであってもこれらを
製造する時、末端基を変性し末端基濃度を変えたもの
は、異種のポリアミドとして取り扱うものとする。例え
ば、ポリカプラミドを製造する際に末端基を変性したも
のは、未変性のポリカプラミドとは異なるものとして取
り扱う。
【0015】本発明で使用されるポリアミドは、公知の
方法で製造される。例えば、ラクタムを水溶媒の存在下
に加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら重
合させる方法ににより製造される。また、ジアミンとジ
カルボン酸からなるナイロン塩を水溶媒の存在下に加圧
下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら重合させ
る方法により製造される。また、ジアミンを溶融状態の
ジカルボン酸に直接加えて常圧下で重縮合する方法によ
っても製造される。いずれも溶融重合後、さらに固相重
合により高分子量化した重合体も使用可能である。
【0016】本発明で使用される原料ポリアミドの相対
粘度(ポリアミド1gを96%硫酸100mlに溶解させ
25℃で測定した値)は、1.7〜5.5、好ましくは
1.9〜5.0の範囲にあることが好ましい。相対粘度
が1.7未満の場合は、ポリアミドの分子量が低く、フ
イルム等の成形品とした場合必要な機械的強度を示さ
ず、また、溶融粘度が低いために成形の際不都合を生じ
る。相対粘度が5.5を越える場合は、ポリアミドの溶
融粘度が高く、成形の際成形機に負担がかかりすぎ混合
が難かしいため、本発明の原料としては好ましくない。
【0017】更に、本発明に係るポリアミド系組成物に
は、その溶融粘度を大幅には変えない範囲で、滑剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、
染料、顔料、無機質微粒子等の各種添加剤や、他の熱可
塑性樹脂等を添加することができる。また、ポリアミド
系組成物の溶融粘度を大幅には変えない範囲で、耐屈曲
性等を改良するために変性ポリオレフィン、アイオノマ
ー樹脂、エラストマー等を添加することもできる。
【0018】本発明に係るポリアミド系組成物は、ドラ
イブレンド品、または予め押出機等により溶融混合後ペ
レット化されたメルトブレンド品を原料として射出成形
法、押出成形法、ブロー成形法等の各種の成形技術によ
って、目的とする最終成形品に成形できる。成形品とし
ては、自動車部品、機械機器部品、シート、フイルム
(単層、多層)、紙との積層体、ブローボトル等が、ま
た2次加工品としてトレイ、パウチ等が挙げられる。更
に、本発明に係るポリアミド系組成物の機械的強度を強
化するためにガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、
マイカ、チタン酸カリウム等の繊維またはフィラー類を
添加し、成形材料として使用するができる。
【0019】特に好ましいフィラー類としてはガラス繊
維が用いられ、ガラス繊維を配合して使用する場合は、
本発明に係るポリアミド系組成物100重量部に対して
ガラス繊維を20〜150重量部配合して使用するのが
望ましい。ガラス繊維の配合割合が、本発明におけるポ
リアミド系組成物100重量部に対して20重量部未満
の場合は強化の効果が顕著ではなく、150重量部を越
える場合は溶融混練が困難となる場合がある。
【0020】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
り更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の
実施例、比較例において使用したポリアミドおよびこれ
らを混合したポリアミド系組成物についての、末端基濃
度、溶融粘度、及び相対粘度は、次のような方法により
測定したものである。
【0021】〈末端基濃度〉三菱化成(株)製の自動滴
定装置GTー01を使用し、フェノールとエタノールの
混合溶液、熱ベンジルアルコール等に溶解させ、末端ア
ミノ基濃度は塩酸水溶液、末端カルボキシ濃度は水酸化
ナトリウム水溶液により測定した。 〈溶融粘度〉インストロン社製キャピラリーレオメータ
ー(キャピラリーはL/D=40)によって、樹脂温度
270℃、せん断速度100secー1 において測定した。 〈相対粘度〉キャノンフェンスケ型粘度計を使用し、試
料1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定
した。
【0022】ポリカプラミドA 200lのオートクレーブに、εーカプロラクタム60
Kg、水1.2Kgとヘキサメチレンジアミンを61.6g
を仕込み、窒素雰囲気中にして密閉して260℃に昇温
し攪拌下2時間加圧下に反応を行った後、徐々に放圧し
て200torrまで減圧し、2時間減圧下反応を行った。
窒素を導入し、常圧に復圧後、攪拌を止めて、オートク
レーブから反応生成物をストランドとして抜き出してチ
ップ化し、沸水を用いて未反応モノマーを抽出除去して
乾燥し、ポリカプラミドAを製造した。このものの[末
端アミノ基濃度]は37×10ー6当量/g、[末端カル
ボキシル基濃度]は4×10ー6当量/gであり、溶融粘
度は2800poise、相対粘度は3.5である。
【0023】ポリカプラミドB 200lのオートクレーブに、εーカプロラクタム60
Kg、水3Kgとアジピン酸を219gを仕込み、窒素置換
した後、攪拌下270℃、圧力8Kgで1時間加圧下に反
応を行った。その後放圧、圧力150torrまで減圧し、
2時間減圧下反応を行い、攪拌を停止後、窒素で8Kgま
で復圧後、オートクレーブから反応生成物をストランド
として抜き出した。抜き出したストランドをチップ状に
カッティング後、未反応モノマー、オリゴマーを除去す
べく脱塩水にて抽出、乾燥し、ポリカプラミドBを製造
した。このものの[末端アミノ基濃度]は7×10ー6
量/g、[末端カルボキシル基濃度]は55×10ー6
量/gであり、溶融粘度は2800poise、相対粘度は
3.5である。
【0024】ポリカプラミドC 200lのオートクレーブに、εーカプロラクタム60
Kg、水1.2Kgを仕込み、窒素雰囲気中にして密閉して
260℃に昇温し攪拌下2時間加圧下に反応を行った
後、徐々に放圧して200torrまで減圧し、2時間減圧
下反応を行った。窒素を導入し、常圧に復圧後、攪拌を
止めて、オートクレーブから反応生成物をストランドと
して抜き出してチップ化し、沸水を用いて未反応モノマ
ーを抽出除去して乾燥し、ポリカプラミドCを製造し
た。このものの[末端アミノ基濃度]は29×10ー6
量/g、[末端カルボキシル基濃度]は28×10ー6
量/gであり、溶融粘度は6000poise、相対粘度は
3.7である。
【0025】ポリカプラミドD 200lのオートクレーブに、εーカプロラクタム60
Kg、水3Kgとアジピン酸を150gを仕込み、窒素置換
した後、攪拌下270℃、圧力8Kgで1時間加圧下に反
応を行った。その後放圧、圧力150torrまで減圧し、
2時間減圧下反応を行い、攪拌を停止後、窒素で8Kgま
で復圧後、オートクレーブから反応生成物をストランド
として抜き出した。抜き出したストランドをチップ状に
カッティング後、未反応モノマー、オリゴマーを除去す
べく脱塩水にて抽出、乾燥し、ポリカプラミドDを製造
した。このものの[末端アミノ基濃度]は24×10ー6
当量/g、[末端カルボキシル基濃度]は42×10-6
当量/gであり、溶融粘度は2100poise、相対粘度
は3.0である。
【0026】ポリメタキシリレンアジパミド 三菱ガス化学(株)製の商品名MXナイロン6007。
このものの[末端アミノ基濃度]は12×10ー6当量/
g、[末端カルボキシル基濃度]は61×10 ー6当量/
gであり、溶融粘度は4800poise、相対粘度は2.
6である。
【0027】ポリヘキサメチレンアジパミド 旭化成工業(株)製の商品名レオナ66。このものの
[末端アミノ基濃度]は30×10-6当量/g、[末端
カルボキシル基濃度]は113×10-6当量/g、溶融
粘度は6000poise、相対粘度は3.3である。
【0028】実施例1 ポリカプラミドBとポリヘキサメチレンアジパミドとを
60:40の混合割合(重量比)で混合した樹脂組成物
を、ストランドダイを具備する押出機を用い、樹脂温度
270℃で溶融混練してペレット化した。得られたペレ
ットについて、末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基
濃度および溶融粘度を測定し、結果を使用したポリアミ
ドの値とともに、表1に示す。
【0029】実施例2〜6、比較例1〜4 実施例1の記載において、ポリアミドの種類、混合比を
表1に記したように代えたほかは同例におけると同様に
溶融混練してペレット化した。得られたペレットについ
て、末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度および
溶融粘度を測定し、結果を使用したポリアミドの値とと
もに、表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1中において、各略号は以下の意味であ
る。 NH2:末端アミノ基濃度 COOH:末端カルボキシル基濃度
【0032】
【発明の効果】本発明に係るポリアミド系組成物は、2
種類以上のポリアミドを溶融混合して得られた組成物の
溶融粘度上昇が抑制でき、成形性に優れており、溶融粘
度上昇に伴うトラブルの発生がないという特別に顕著な
効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 正広 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内 (72)発明者 三島 裕之 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチックスセンタ ー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上のポリアミドを混合してなる
    ポリアミド系組成物であって、混合後のポリアミドの末
    端基濃度差が、次の(1)式を満たすことを特徴とする
    ポリアミド系組成物。 【数1】|[末端アミノ基濃度]−[末端カルボキシル
    基濃度]|≧16×10ー6当量/g・・・ (1)
  2. 【請求項2】 2種類以上のポリアミドを混合してなる
    ポリアミド系組成物であって、少なくとも1つのポリア
    ミドがメタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合
    反応で生成する構造単位を70モル%以上含有するポリ
    アミドもしくはポリアミド共重合体であり、且つ混合後
    のポリアミドの末端基濃度差が、次の(2)式を満たす
    ことを特徴とするポリアミド系組成物。 【数2】|[末端アミノ基濃度]−[末端カルボキシル
    基濃度]|≧(16+0.33×φ)×10ー6当量/g
    ・・・ (2) ここで、(2)式におけるφはポリアミド系組成物中の
    メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応で
    生成する構造単位を70モル%以上含有するポリアミド
    もしくはポリアミド共重合体の混合割合(重量%)を表
    す。
  3. 【請求項3】 メタキシリレンジアミンとアジピン酸と
    の重縮合反応で生成する構造単位を70モル%以上含有
    するポリアミドもしくはポリアミド共重合体と、εーカ
    プロラクタムの開環重合反応で生成するポリアミドまた
    はεーカプロラクタムを60モル%以上含有するポリア
    ミド共重合体とを混合して得られるポリアミド系組成物
    であって、且つ混合後のポリアミドの末端基濃度差が、
    請求項2の(2)式を満たすことを特徴とするポリアミ
    ド系組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のポリア
    ミド系組成物100重量部に対し、ガラス繊維を20〜
    150重量部配合して得られる成形材料用ポリアミド系
    組成物。
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