JPH06220288A - 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維 - Google Patents

合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維

Info

Publication number
JPH06220288A
JPH06220288A JP1253893A JP1253893A JPH06220288A JP H06220288 A JPH06220288 A JP H06220288A JP 1253893 A JP1253893 A JP 1253893A JP 1253893 A JP1253893 A JP 1253893A JP H06220288 A JPH06220288 A JP H06220288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
composition
particles
resin composition
synthetic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1253893A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeyoshi Miura
重義 三裏
Nobuhiko Aizawa
信彦 相沢
Tatsuro Tsukano
達郎 塚野
Kiyoshi Umehara
▼きよし▲ 梅原
Shiro Ueda
士朗 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP1253893A priority Critical patent/JPH06220288A/ja
Publication of JPH06220288A publication Critical patent/JPH06220288A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】接着強度の大きいアクリル系樹脂粒子を含有す
る合成樹脂組成物を得る。 【構成】アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタア
クリル酸メチル、アクリル酸、N−メチロールアクリル
アミドのモノマー混合物を低温で重合させ、架橋構造を
形成しうるアクリル系樹脂粒子であって、架橋した後は
210℃において90万ポイズの溶融粘度を与える樹脂
粒子が水性媒体中に分散した合成樹脂組成物を得る。こ
れをポリエステルモケット織物に塗布乾燥させてコーテ
ィング織物を得る(実施例1)。 【効果】接着強度、皮膜抗張力、皮膜伸度及び耐熱黄変
性のすぐれた皮膜が得られ、それがコーティングされた
繊維は、パイル接着強度が特に優れていた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度接着性を有する
合成樹脂組成物及びそれをコーティングしてなる繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】特開平3−197567号公報には、架
橋構造を有するか又は架橋構造を形成しうる合成樹脂粒
子の水性分散液であって、かつその粒子が架橋構造形成
後の溶融開始温度が70〜140℃である合成樹脂粒子
である合成樹脂組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報に記載された合成樹脂水性分散液をコーティング
した繊維は接着強度が不十分であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
実状に鑑みて鋭意検討したところ、溶融開始温度ではな
く、特定温度における溶融粘度に着目し、それが特定の
範囲であるものが、接着強度に優れたものとなることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、架橋構造を形成しうるアク
リル系樹脂粒子が水性媒体に分散した合成樹脂組成物に
おいて、当該粒子が、架橋構造形成後の溶融粘度が21
0℃において50万ポイズ以上のアクリル系樹脂を形成
しうるであるアクリル系樹脂粒子であることを特徴とす
る合成樹脂組成物及びそれを繊維に塗布し乾燥せしめた
コーティング繊維を提供するものである。
【0006】本発明における「架橋構造形成後の溶融粘
度が210℃において50万ポイズ以上である、架橋構
造を形成しうるアクリル系樹脂粒子」を特に断わりのな
い限り、以下、単に「樹脂粒子」という。
【0007】本発明における樹脂粒子は、予め架橋構造
を有している樹脂粒子であっても、架橋構造を有してい
ない樹脂粒子であってもよいが、それは加熱することに
より加熱以前に比べ、さらに高度の架橋構造を形成する
ことが必要である。本発明の組成物は、この様な樹脂粒
子が水性媒体中に分散した形態のものである。
【0008】本発明に係るこの樹脂粒子の水性分散体
は、例えば基材上で塗布乾燥させると、より高度に架橋
し、粒子間が融着した樹脂の連続皮膜を形成する。本発
明では、この樹脂皮膜の溶融粘度が210℃において5
0万ポイズ以上、好ましくは80万〜1000万ポイズ
である必要がある。尚、樹脂皮膜の溶融開始温度は、通
常185〜220℃に設定するのがよい。
【0009】本発明の樹脂粒子は、上記した特徴を有し
ているので、アクリル系樹脂粒子が上記した特性を有し
ているか否かは、適宜当該樹脂水性分散体を乾燥造膜さ
せてその皮膜の溶融粘度を測定すれば容易に判断が可能
である。
【0010】この樹脂粒子の溶融開始温度は各種方法で
測定できるが、例えば、高化式フロテスターで測定する
ことができる。
【0011】樹脂粒子は、ガラス転移温度がいかなるも
のであってもよいが、−40〜−20℃の範囲内のもの
であることが好ましい。
【0012】本発明の合成樹脂組成物の製造に際して
は、公知慣用の製造方法がいずれも採用でき、特に制限
されるものではないが、例えば、α, β−エチレン性不
飽和カルボン酸(A)、架橋性の官能基を有するα, β
−エチレン性不飽和単量体(B)および前記単量体
(A),(B)以外のα, β−エチレン性不飽和単量体
(C)を必須成分として、必要に応じてさらに内部架橋
剤を併用して、水性媒体中で重合を行うという製造方法
が挙げられる。
【0013】さらに詳しくは、さらに必要に応じて重合
開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、保護コロイド等を用い
て、通常20〜90℃で30分〜24時間乳化重合反応
を行うという方法が挙げられる。該単量体(A),
(B),(C)及び内部架橋剤は一括、分割、連続の各
種の方法で反応容器内に添加・滴下して反応させること
ができる。
【0014】上記内部架橋剤は、予め架橋構造を有して
いるがさらに加熱により架橋構造を形成しうる樹脂粒子
のエマルジョンを得るために用いるものであり、樹脂粒
子を予め架橋しておく必要がない場合つまり、予め架橋
構造を有していないが加熱により架橋構造を形成しうる
樹脂粒子のエマルジョンを得る際には、特段にエマルジ
ョン製造時に用いなくともよい。
【0015】上記単量体(B)と内部架橋剤とを併用す
る場合は、異なる温度で架橋が開始されるもの同志を組
み合わせて用いるのが好ましい。例えば[内部架橋剤の
架橋温度<単量体(B)の架橋性官能基の架橋温度]と
なる様にそれらを選択し、前者の温度でエマルジョンを
調製すれば、内部架橋剤が当該単量体(A)及び(B)
のα,β−エチレン性不飽和二重結合と反応し、単量体
(B)に由来する橋性官能基は未反応で、より高度の架
橋構造を形成しうる様にすることができる。この方法
は、予め架橋構造を有しているがさらに加熱により架橋
構造を形成しうる樹脂粒子のエマルジョンを得るのに好
適である。
【0016】該単量体(A),(B),(C)の共重合
割合は特に限定されるものではないが、通常、全単量体
重量を100重量部とした時、単量体(A)0.1〜1
0重量部、単量体(B)0.5〜5.0重量部、単量体
(C)99.4〜85.0重量部である。また、内部架
橋剤は0〜2.0部である。
【0017】上記α, β−エチレン性不飽和カルボン酸
(A)としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられ
る。
【0018】架橋性の官能基を有するα, β−エチレン
性不飽和単量体(B)としては、例えば、N−メトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、グリシジル
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。通常単量体
(B)は、α, β−エチレン性不飽和二重結合と、それ
とは異なる架橋性を有する官能基を同時に有する単量体
である。
【0019】前記単量体(A),(B)以外のα, β−
エチレン性不飽和単量体(C)としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、バーサチック酸ビ
ニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられ、これ
らは単独もしくは二種以上を併用できる。
【0020】また、内部架橋剤としては、例えばジアリ
ルフタレート(DAP)、ジビニルベンゼン(DVB)
等が挙げられる。通常内部架橋剤はα, β−エチレン性
不飽和二重結合を2以上有するものである。
【0021】重合開始剤としては、例えば、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過
硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスイソバレロニトリルなどの無機あるい
は有機過酸化物などが挙げられる。
【0022】又、上記水溶性重合開始剤に還元性物質、
例えばメタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムあ
るいはロンガリット酸ナトリウムなどを組合せた酸化−
還元反応によるラジカル重合系を用いることもできる。
【0023】連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメ
ルカプタン、ドデシルメルカプタン、四塩化炭素等が挙
げられる。連鎖移動剤を使用する場所における使用量は
通常、全単量体重量を100重量部としたとき、0〜
0.3重量部である。
【0024】乳化剤としては、例えば非イオン性、アニ
オン性、カチオン性のいずれでもよく、ポリエチレング
リコールノニルフェノールエーテル、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ等の炭化水素系界面活性剤、ポリエチ
レングリコールパーフルオロアルキルエーテル、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、パーフルオロア
ルカンスルホンアミド等のフッ素系界面活性剤、シリコ
ーン等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。乳化剤
の使用量は通常、全単量体重量を100重量としたと
き、0.1〜10重量部である。
【0025】上記アクリル系樹脂粒子水性分散体の製造
において、重合終了後、必要に応じてストリッピングや
濃縮等による未反応単量体の除去や固形分調整、あるい
は水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、アンモニア等
の添加によるpH調整を行ってもよい。
【0026】尚、本発明の組成物は、必要に応じて当該
特定のアクリル系樹脂粒子の水性分散体にその他の合成
樹脂分散体を併用してもよい。その際も、架橋構造を形
成させた後の210℃における溶融粘度が50万ポイズ
以上となる様に調製するのがよい。又、別の視点から、
全体が流動開始温度160〜240℃となる様に調製で
きれば、流動開始温度が160〜240℃の範囲外の合
成樹脂や添加剤等を併用することもできる。
【0027】本発明で用いるアクリル系樹脂粒子水性分
散体と併用できるその他の合成樹脂としては、例えば、
合成ゴムラテックス、ポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、グアナミン樹脂、オレフィン樹脂、オレ
フィン−ビニルエーテル共重合樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂等が挙げられる。
【0028】添加剤としては、公知慣用のものがいずれ
も使用できるが、例えば着色剤、帯電防止剤、撥水剤、
脱臭剤、難燃剤、充填剤、繊維強化材等が挙げられる。
難燃剤としては、三酸化アンチモンやハロゲン系等各種
難燃剤が挙げられる。
【0029】本発明の合成樹脂組成物は、添加剤やその
他の合成樹脂の併用に関わらず、作業性の点からは、常
温における粘度が5000〜20000センチポイズと
なる様に調整することが好ましい。以上の様にして本発
明の高強度合成樹脂組成物を得ることができる。
【0030】本発明の合成樹脂組成物は、各種基材に塗
布乾燥させて皮膜を形成させることにより、基材の表面
を改質することができる。この際の基材としては、例え
ばPET、PP、PE、PVC等のフィルム基材、アル
ミニウム、銀、銅等の金属基材、ガラス、セラッミクス
等無機物基材が挙げられ、なかでも基材として繊維基材
を選択し、それに塗布又は含浸して、乾燥することによ
り高強度繊維を得ることができる。
【0031】繊維基材の形態は、例えば、糸、編物、織
物、不織布等の各種形態が挙げられ、繊維基材の種類は
例えば、ナイロン、アクリル、ポリエステル等の合成繊
維、レーヨン、ビスコースレーヨン、セルロースアセテ
ート等の人工繊維、綿、絹等の天然繊維が挙げられこれ
らの混合繊維であってもよい。中でもポリエステル、交
織織物、ポリエステルパイルモケット織物、ポリエステ
ルモケット織物等が好ましい。
【0032】基材への本発明の合成樹脂組成物の塗布又
は含浸方法としては、例えば、ドクターナイフ法、ロー
ルコート法、スプレー法、あるいは含浸法の如き通常の
加工方法を適用することができるが含浸法よりは塗布法
の方が好ましい。
【0033】合成樹脂組成物の繊維基材への塗布量又は
含浸量は、特に制限されないが、乾燥重量にして通常、
繊維基材表面積1m2当り、20〜150g、好ましく
は35〜100gである。
【0034】本発明の組成物は、発泡させることにより
塗布工程での繊維基材への浸透が非常に少なくなり、そ
の結果ソフトな風合を示し、しかも、接着性は非発泡コ
ートと同等程度ないしはそれ以上の接着性を得ることが
できる。
【0035】発泡の方法としては、化学発泡、機械発泡
のいずれでもよいが、機械発泡が好ましい。機械発泡の
方法としては、例えば、高速翼撹拌機、オークスミキサ
ー、スタティックミキサー等の連続発泡装置が挙げられ
る。その発泡倍率は特に限定されないが、通常1.1〜
5倍である。この発泡に際して必要に応じてABS系や
ステアリン酸アンモニウム等の整泡剤を少量添加しても
よい。
【0036】本発明の組成物中の樹脂粒子を、さらに高
度な架橋構造となる様に架橋させる方法としては、例え
ば、赤外線、遠赤外線、紫外線、電子線、放射線等の活
性エネルギー線を照射する方法、加熱オーブン等で加熱
乾燥する方法等が挙げられるが、作業性、経済性の観点
から加熱乾燥して架橋する方法が好ましい。
【0037】この際の加熱乾燥条件は、単量体(B)に
由来する架橋性の官能基の架橋温度に依存し、特に限定
されないが、具体的には80〜170℃、好ましくは1
00〜150℃である。
【0038】発泡させた本発明の組成物を用いる場合に
も、繊維基材にそれを塗布した後にその基材を組成物中
の当該合成樹脂の溶融開始温度以上で架橋ととも充分に
溶融すれば、柔軟性に優れた加工繊維とすることができ
る。
【0039】本発明の合成樹脂組成物は、高度の接着性
を有するので、ファブリックシートやカーペットのバッ
キング剤の他、各種繊維、不織布の被覆、含浸、接着剤
等に使用することが出来る。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明を具体的に説明す
る。特に断わりのない限り、「%」は「重量%」を、
「部」は「重量部」を示すものとする。
【0041】実施例1 ステンレス製反応容器中に脱イオン水65部を入れ、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5部、ポリオキシ
エチレンノニルフェノールエーテル3.5部を溶解し
た。次いでアクリル酸ブチル(BA)50部、アクリル
酸エチル(EA)35部、メタアクリル酸メチル(MM
A)7部、アクリル酸(AA)3部およびN−メチロー
ルアクリルアミド(N−MAM)5部を混合し、モノマ
ー混合物を調製した。
【0042】このモノマー混合物の10部を反応容器に
仕込み、次いで窒素気流中で30℃に昇温後、過硫酸ア
ンモニウム0.5部を脱イオン水10部に溶解した触媒
水溶液、メタ重亜硫酸ナトリウム0.5部を脱イオン水
10部に溶解した触媒水溶液各々の1.05部を反応容
器に仕込み、55℃に昇温して重合を開始させた。
【0043】55℃に昇温後、同温度に保ちつつ、前記
モノマ混合物の残部90部および各触媒水溶液を別々に
180分間にわたって滴下して重合を完結せしめた(こ
の条件では内部架橋剤のDAPのみが反応する条件であ
り、ここで得られた分散液は、本発明の「予め架橋構造
を有しているがさらに高度の架橋構造を形成しうる樹脂
粒子の水性分散体」である。)。
【0044】然るのち、30℃に冷却し28%アンモニ
ア水0.5部および脱イオン水2部を添加してpH5に
調製した。これを分散液A−1とした。
【0045】ここに得られた共重合体水分散液A−1の
固形分は54.5%、BM型ブルックフィールド粘度計
(ローターNO.4、回転数60rpm )での25℃にお
ける粘度は500センチポイズであった。20ミルのア
プリケーターを用いて、共重合体水分散液A−1をガラ
ス板上に展開し、140℃で5分間乾燥して、より高度
に架橋した共重合体のフィルムを得た。
【0046】尚、この共重合体フィルムを適当な大きさ
に切断し、サンプルを得た。このサンプルを用いて、ダ
イ(ノズル)1mm×1mm、荷重20kg、昇温速度3.0
℃/分の条件において高化式フローテスター〔島津製作
所(株)製、CFT-500A〕で210℃における溶融粘度を
測定したところ、90万ポイズであった。
【0047】この共重合体水分散液A−1の100部に
ボンコート3750〔大日本インキ化学工業(株)製ア
クリルエマルジョン型増粘剤、固形分23%〕3部と、
28%アンモニア水1.5部を加えてよく撹拌し、コー
ティング用組成物を得た。次いでこの組成物を乾燥時の
塗布量70g/m2となる様にドクターナイフを用いて
400g/m2のポリエステルモケット織物の裏面にコー
ティングを行い、箱型熱風循環乾燥器中、140℃で3
分間乾燥させて、コーティング加工織物を得た。
【0048】このコーティング加工織物について下記の
パイルの強度試験を行った。その結果を第1表に示し
た。
【0049】比較例1 実施例1のモノマー混合物にラウリルメルカプタン0.
3部を加えて、新たなモノマー混合物を調製し、各触媒
水溶液を仕込んだ後に70℃に昇温して同温度で反応を
行う以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、共重合
体水分散液B−1を得た。
【0050】この水分散液B−1の固形分は54.7
%、BM型ブルックフィールド粘度計(ローターNO.
4、回転数60rpm )での25℃における粘度は490
センチポイズであった。尚、架橋後の共重合体フィルム
の同様な条件における溶融粘度を測定したところ、5万
ポイズ未満であった。
【0051】この水分散液B−1を用いた以外は、実施
例1と同様にして、コーティング用組成物を調製し、加
工織物を得、パイル強度試験を測定した。その結果を第
1表に示した。
【0052】比較例2 ラウリルメルカプタン0.3部を用いない様にした以外
は比較例1と同様な操作を繰り返し、共重合体水分散液
B−2を得た。
【0053】この水分散液B−2の固形分は54.5
%、BM型ブルックフィールド粘度計(ローターNO.
4、回転数60rpm )での25℃における粘度は530
センチポイズであった。尚、架橋後の共重合体フィルム
の同様な条件における溶融粘度を測定したところ、21
万ポイズであった。
【0054】この水分散液B−2を用いた以外は、実施
例1と同様にして、コーティング用組成物を調製し、加
工織物を得、パイル強度試験を測定した。その結果を第
1表に示した。
【0055】
【表1】
【0056】パイルの強度試験方法:島津オートグラフ
S−100−C〔(株)島津製作所〕を用い、パイル1
本づつの引き抜き引張強度を測定する。 (条件)引張速度:300mm/分、温度:20±1
℃、n数:10(本)
【0057】第1表からわかる通り、類似の単量体組成
・反応条件であっても、210℃における溶融粘度が5
0万ポイズ以上の本発明の組成物で処理した加工織物
は、それ未満の溶融粘度しかない従来の組成物で処理し
た加工織物に比べて、2〜3倍の接着強度を有している
ことが明らかである。
【0058】実施例2〜4 第2表に示すモノマー混合物を調製して用いる以外は、
実施例1と同様にして共重合体水分散液A−2〜4を得
た。これら水分散液の固形分、粘度(25℃)及び、架
橋後の共重合体フィルムの溶融粘度を測定の結果を第2
表に併せて示した。
【0059】これら水分散液A−2〜4をそれぞれ用い
た以外は、実施例1と同様にして、コーティング用組成
物を調製し、加工織物を得、パイル強度試験を測定し
た。その結果を第2表に示した。
【0060】
【表2】
【0061】上記実施例1〜4の組成物の乾燥皮膜につ
いて、皮膜抗張力、皮膜伸度及び耐熱黄変性を測定した
結果を第3表に示した。尚、各測定項目の測定条件は次
の通り。
【0062】皮膜抗張力 0.7mmの皮膜を2号ダン
ベルで打ち抜き、試片を作製し、(株)島津製作所製オ
ートグラフを用い、23℃において引張速度200mm
/分で測定した。
【0063】耐熱黄変性 0.7mmの皮膜を180℃
のギヤーオーブン中で30分間加熱し、その黄変程度を
目視で観察した。
【0064】
【表3】
【0065】第3表の通り、パイル接着強度のみなら
ず、本発明の組成物の乾燥皮膜は極めて優れた物性を有
していることがわかる。さらに加工織物の燃焼性とパイ
ル接着性も測定してみたが、それらは優れていた。
【0066】
【発明の効果】本発明の合成樹脂組成物は、架橋構造形
成後の溶融粘度が210℃において50万ポイズ以上の
アクリル系樹脂を形成しうるアクリル系樹脂粒子を含有
しているので、従来に比べ基材間の接着強度を格段に向
上させることができるという格別顕著な効果を奏する。
【0067】本発明の組成物をコーティングした繊維
は、従来のコーティング用合成樹脂をコーティングした
繊維に比べてパイルの接着強度が著しくアップするとい
う効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/00 PFY 7921−4J D06M 15/263 23/08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋構造を形成しうるアクリル系樹脂粒子
    が水性媒体に分散した合成樹脂組成物において、当該粒
    子が、架橋構造形成後の溶融粘度が210℃において5
    0万ポイズ以上のアクリル系樹脂を形成しうるアクリル
    系樹脂粒子であることを特徴とする合成樹脂組成物。
  2. 【請求項2】当該粒子が、架橋構造形成後の溶融粘度が
    210℃において50万〜1000万ポイズであり、か
    つガラス転移温度−40〜−20℃のアクリル系樹脂を
    形成しうるアクリル系樹脂粒子である請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】当該粒子が、架橋構造形成後の溶融粘度が
    210℃において50万〜1000万ポイズであり、か
    つ溶融開始温度185〜220℃のアクリル系樹脂を形
    成しうるアクリル系樹脂粒子である請求項1記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】当該粒子が、(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルと、熱架橋性官能基含有エチレン性不飽和単量
    体とを必須成分として重合せしめた熱架橋性アクリル系
    樹脂粒子である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】当該粒子が、(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルと、熱架橋性官能基含有モノエチレン性不飽和
    単量体と、2以上のエチレン性不飽和結合を有する多エ
    チレン性不飽和単量体とを必須成分として重合せしめた
    熱架橋性アクリル系樹脂粒子である請求項1記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の組成物を繊維に塗布し乾燥
    せしめたコーティング繊維。
JP1253893A 1993-01-28 1993-01-28 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維 Pending JPH06220288A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1253893A JPH06220288A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1253893A JPH06220288A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06220288A true JPH06220288A (ja) 1994-08-09

Family

ID=11808115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1253893A Pending JPH06220288A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06220288A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997004016A1 (fr) * 1995-07-17 1997-02-06 Daiso Co., Ltd. Emulsion aqueuse contenant de fines particules de copolymeres allyliques reticules
JP2003227068A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Toyobo Co Ltd 機能性コーティング布及びその製造方法
CN1301137C (zh) * 2005-07-05 2007-02-21 苏州大学 一种丝素羟基磷灰石复合材料及其制备方法
KR101337052B1 (ko) * 2005-12-08 2013-12-05 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 변형 반응성 점성 액체 중합체가 있는 다축 직물

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997004016A1 (fr) * 1995-07-17 1997-02-06 Daiso Co., Ltd. Emulsion aqueuse contenant de fines particules de copolymeres allyliques reticules
JP2003227068A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Toyobo Co Ltd 機能性コーティング布及びその製造方法
CN1301137C (zh) * 2005-07-05 2007-02-21 苏州大学 一种丝素羟基磷灰石复合材料及其制备方法
KR101337052B1 (ko) * 2005-12-08 2013-12-05 이 아이 듀폰 디 네모아 앤드 캄파니 변형 반응성 점성 액체 중합체가 있는 다축 직물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0018847B1 (en) Polyolefins having addition polymer adherent thereto, their preparation and articles comprising them
EP0192710B1 (en) Acrylic emulsion copolymers
US5314943A (en) Low viscosity high strength acid binder
GB1574404A (en) Composite textile and method for making the same
EP0098091B1 (en) Polymer compositions and their use in producing binders, coatings and adhesives and substrates coated or impregnated therewith
JPH02261851A (ja) 酢酸ビニル/エチレン/自己橋かけするモノマーおよびテトラメチロールグリコルリルの不織バインダ
JPH06220288A (ja) 合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維
EP0245710B1 (en) Ethylene vinyl acetate compositions for flocking adhesives
JP2017538048A (ja) 繊維結合用重合体ラテックス組成物
JPS63165563A (ja) アクリレート繊維間結合剤を含む不織布並びに該不織布の製造法
KR101965583B1 (ko) 원단 코팅용 투습방수성 수지조성물 및 이를 이용한 코팅 원단
JP4007993B2 (ja) 重合体エマルジョンおよび繊維処理用組成物
JP3170848B2 (ja) 車両シート表皮材用合成樹脂組成物
JP3717244B2 (ja) 重合体エマルションおよび繊維処理用組成物
JP2864147B2 (ja) 乳化重合法
JP3035944B2 (ja) 遅燃性合成樹脂組成物およびそれをコーティングしてなる繊維
JP3112587B2 (ja) カルボニル基含有共重合体水性分散液
JP3064388B2 (ja) 撥水撥油剤
JPH06145413A (ja) ホットメルト樹脂浸透防止用組成物及び接着芯地
KR20090033343A (ko) 난연 후면-코팅이 있는 텍스타일 제품 및 이를 제조하는 방법
JP4143804B2 (ja) 機能性コーティング布及びその製造方法
JPS642514B2 (ja)
JPS6142583A (ja) ホツトメルト接着剤
JPS61282481A (ja) 防水性繊維シ−ト材料の製造方法
JP3161657B2 (ja) アセトアセトキシ基含有共重合体水性分散液