JPH06220031A - ペプチド誘導体またはその塩の製造法 - Google Patents

ペプチド誘導体またはその塩の製造法

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JPH06220031A
JPH06220031A JP5028546A JP2854693A JPH06220031A JP H06220031 A JPH06220031 A JP H06220031A JP 5028546 A JP5028546 A JP 5028546A JP 2854693 A JP2854693 A JP 2854693A JP H06220031 A JPH06220031 A JP H06220031A
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carboxylic acid
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Application number
JP5028546A
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English (en)
Inventor
Sadayuki Maeda
貞行 前田
Hiroki Moriwaki
浩樹 森脇
Tsutomu Mitsumoto
勤 三本
Junji Kisanuki
純嗣 木佐貫
Ryohei Kato
良平 加藤
Hiroshi Maeda
浩 前田
Osamu Takahashi
治 高橋
Yoshiaki Kiso
良明 木曽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamari Chemicals Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Hamari Chemicals Ltd
Japan Energy Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 アミノ基をもつ1,3-チアゾリジン-4-カルボ
ン酸アミド誘導体とカルボン酸を、ジフェニルホスファ
ート誘導体を縮合剤とするか又はカルボン酸を活性エス
テルした後、1,3-チアゾリジン-4-カルボン酸アミド誘
導体と縮合させる一般式 (I)のペプチド誘導体または
その塩の製造方法。 〔phはフェニル基、R1 及びR2 は同一または異なる低級
アルキル基あるいは水素原子、R3 は低級アルキル基、X
はメチルチオメチル基、メタンスルホニルメチル基、
カルバモイルメチル基または低級アルキル基、A はアミ
ノ保護基等の基、Y は炭素または窒素原子を示す。〕 【効果】 HIV プロテアーゼ阻害剤或いはその合成中間
体となるペプチド誘導体またはその塩を簡便かつ安価に
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペプチド誘導体または
その塩の製造法に関する。この化合物は、ヒト免疫不全
ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害剤あるいはこれの合成
中間体として用いられる。
【0002】
【従来の技術】後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原体で
あるヒト免疫不全ウイルス(HIV)のプロテアーゼを阻害
してAIDSの治療あるいは HIVの感染を予防しようとする
試みは種々行われてきた。本発明者らは、そのための H
IVプロテアーゼ阻害剤として有効な新規ペプチド誘導体
またはその薬理的に許容される塩を提唱した(特願平3-
348705号)。しかし、該化合物の合成には高価あるいは
毒性の強い試薬を用いており、事実上有利な方法ではな
かった。そこで、さらに本発明者らは、このような高価
あるいは毒性の強い試薬を用いることなく、HIVプロテ
アーゼ阻害剤として有用なペプチド誘導体またはその薬
理的に許容される塩を簡便かつ安価に製造する方法につ
いて検討を重ねたところ、1,3-チアゾリジン-4- カルボ
ン酸アミド誘導体を出発物質として一連の合成反応を行
なうことによって前記ペプチド誘導体またはその薬理的
に許容される塩を製造することができることを見出して
一連の合成方法を完成した(特願平4-157459号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の合成方法をさらに検討したところ、このペプチド誘導
体の製造においてアミノ基とカルボキシル基との縮合反
応に特定の縮合剤あるいは活性エステル法によって縮合
を行なうと高価で毒性の強い試薬を使用することなく、
簡単な操作で経済的有利に前記ペプチド誘導体またはそ
の塩を製造することができることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、特願平4-157459
号の発明をさらに改良したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
で示される1,3-チアゾリジン-4-カルボン酸アミド誘導
体と一般式(II)で示されるカルボン酸を、一般式(II
I)で示される化合物を用いて縮合反応させることを特徴
とする一般式(IV)で示されるペプチド誘導体またはそ
の塩の製造方法に関する。
【化5】 〔各式中、Phはフェニル基、R1 及びR2 は同一または異
なる低級アルキル基あるいは水素原子、R3 は低級アル
キル基、X2 は水素原子または H2N-CHX-CO- 、X はメチ
ルチオメチル基、メタンスルホニルメチル基、カルバモ
イルメチル基または低級アルキル基、A はアミノ保護基
または一般式(VI')で表わされる基、B はアジド基、ス
クシンイミド基または置換スクシンイミド基、Y は炭素
または窒素原子をそれぞれ示す。〕
【0005】本発明における出発物質である1,3-チアゾ
リジン-4-カルボン酸アミド誘導体には、次の一般式
(I')及び (I")で示される化合物が用いられる。
【化6】 〔式中、Ph、R1 、R2 、R3 及びX は前記と同様の意味
で用いられる。〕
【0006】一般式(I")で示される化合物は、次の方
法で製造される。
【式1】 〔式中、Ph、R1 、R2 、R3 は上記と同様であり、A3
びA4 は同一または異なるアミノ保護基を示す。〕一般
式(IX)で示されるイミノ基を保護した1,3-チアゾリジ
ン-4-カルボン酸誘導体と一般式 (X) で示される低級
アルキルアミンとを反応させて一般式(XI)で示されるイ
ミノ基を保護したアミドを得(工程A)、このアミドのイ
ミノ保護基を脱保護して一般式(XI')で示される化合物
を得る(工程B)。そしてこの化合物を一般式(XII) で示
されるアミノ基保護アミノ酸と縮合させて一般式(XII
I)で示されるアミノ基保護ペプチドとし(工程C)、こ
のペプチドのアミノ基を脱保護することによって一般式
(I") で示される化合物を得ることができる。
【0007】また、上記他の出発物質である一般式
(I')で示される化合物は、一般式 (I")で示される化
合物から、目的物の一つである一般式(VIII)で示される
化合物を合成する過程で得られるので、これらの一連の
反応過程の中で説明する。
【0008】本発明において1,3-チアゾリジン-4-カル
ボン酸アミド誘導体から目的物の一つである一般式(VII
I)で示されるペプチド誘導体を得るには、反応Iまたは
反応IIに示されるように二つの方法がある。 (1)反応I
【式2】 〔式中、Ph、R1 、R2 、R3 、X 及びY は前記と同様で
あり、A2 はアミノ保護基を示す。〕この反応は、一般
式(I")で示される化合物を一般式(V)で示されるカ
ルボン酸と縮合反応させて本発明の目的物質の一つであ
る一般式(IV')で示されるアミノ基保護ペプチドを得
(工程I-a) 、このアミノ基保護ペプチドからアミノ保
護基を脱保護して本発明の他の出発物質である一般式
(I')で示されるペプチドを得(工程I-b) 、これを一
般式(VI)で示されるカルボン酸と縮合反応させて本発明
の他の目的物質である一般式(VIII)で示されるペプチド
誘導体を得る(工程I-c) 。本発明の反応Iではこの縮
合反応(工程I-a及び工程I-c) のさいに、縮合剤とし
て一般式(III)で示される次の化合物を縮合剤として使
用する。
【化7】 〔式中、Ph及びB は前記と同様である。〕
【0009】(2)反応II
【式3】 この反応は、一般式(I")で示される化合物を一般式(V
II)で示されるカルボン酸と縮合反応させて一般式(VI
II)で示されるペプチド誘導体を得るものである(工程
II)。本発明のこの縮合反応のさいにも、縮合剤として
上記一般式(III)で示される化合物が用いられる。本発
明では一般式(IV)で示されるペプチド誘導体は塩とする
こともできる。
【0010】さらに本発明を詳細に説明する。反応Iに
おいては、一般式(I")で示される化合物、一般式
(V)で示されるカルボン酸(通常1〜2当量)、一般
式(III)で示される化合物(縮合剤)(通常 1.0〜2当
量)を適当な溶媒中で反応させる。一般式(I") で示
される化合物としては、H-AHPBA-Thz-NH-tBu、H-AHPBA-
Dtc-NH-tBu〔式中、AHPBA は3-アミノ-2- ヒドロキシ-4
- フェニルブタン酸残基、Thz は1,3-チアゾリジン-4-
カルボン酸残基、Dtc は5,5-ジメチル-1,3- チアゾリジ
ン-4- カルボン酸残基、tBuはtert- ブチル基を示す〕
等を用いることができ、これらは特願平4-157459号記載
の方法で合成することができる。一般式(V)で示され
るカルボン酸としては、t-ブトキシカルボニル基のよう
な酸性条件下で除去できるアミノ保護基A2 で保護され
たメチルチオアラニン、メタンスルホニルアラニン、ア
スパラギン、バリン、イソロイシン、アラニン等を例示
できる。縮合剤として使用する一般式(III)で示される
化合物としては、ジフェニルホスホリルアジド(略称DP
PA)、スクシンイミド=ジフェニルホスファート、5-ノ
ルボルネン-2,3- ジカルボキシイミド=ジフェニルホス
ファート(略称NDPP)等を例示できる。反応溶媒はアセ
トニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチル
ホルムアミド、もしくはこれらの混合溶媒等を用いるこ
とができ、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン等の
三級アミン(通常1〜2当量)の存在下で反応させるの
がよい。反応試剤の添加順序としては一般式(V)のカ
ルボン酸を一般式(III)の化合物と上記三級アミンで活
性化した後に一般式 (I")の化合物を加える方法、一般
式 (I")の化合物と一般式 (V) のカルボン酸を混合し
た後に一般式(III)の化合物と上記三級アミンとを加え
る方法等がある。一般式 (I")の化合物は塩酸塩、メタ
ンスルホン酸塩等の塩として加え、反応系中で上記三級
アミンで中和させてもよい。反応温度は−50〜50℃、特
には−20〜30℃が好ましい。反応終了後、抽出、洗浄等
の通常後処理により一般式(IV')の化合物が得られ、常
法により(例えば特願平4-157459号工程F参照)アミノ
保護基の脱保護を行うと一般式(I')の化合物に導くこ
とができる。
【0011】工程I-cにおいては、工程I-aの一般式
(I")、一般式 (V) で示されるカルボン酸を、それぞ
れ一般式(I')、一般式(VI)で示されるカルボン酸に置
き換え、工程I-aと同様に反応させることにより、一般
式(VIII)の化合物が得られる。一般式(I')で示される
化合物としては、H-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu、H-Mta-AHPB
A-Dtc-NH-tBu、H-Msa-AHPBA-Thz-NH-tBu、H-Msa-AHPBA-
Dtc-NH-tBu、H-Asn-AHPBA-Thz-NH-tBu、H-Asn-AHPBA-Dt
c-NH-tBu、H-Val-AHPBA-Thz-NH-tBu、H-Ile-AHPBA-Thz-
NH-tBu 、H-Ala-AHPBA-Thz-NH-tBu〔式中、Mta はメチ
ルチオアラニン残基、Msa はメチルスルホニルアラニン
残基、Asn はアスパラギン残基、Val はバリン残基、Il
e はイソロイシン残基、Ala はアラニン残基を、他の略
号は前述のものと同義〕等を用いることができ、特願平
4-157459号記載の方法または本発明の工程I-aにより合
成することができる。一般式(VI)で示されるカルボン酸
としては、5-イソキノリニルオキシ酢酸(Qoa-OH)、1-ナ
フチルオキシ酢酸(Noa-OH)を用いることができる。
【0012】反応IIにおいては、一般式 (I")で示され
る化合物、一般式(VII)で示されるカルボン酸(通常1
〜2当量)、一般式(III)で示される化合物(通常1〜
2当量)を適当な溶媒中で反応させる。一般式(VII)で
示されるカルボン酸としては、Qoa-Mta-OH、Qoa-Msa-O
H、Qoa-Asn-OH、Noa-Mta-OH、Noa-Msa-OH、Noa-Asn-O
H、Qoa-Val-OH、Noa-Val-OH、Qoa-Ile-OH、Noa-Ile-O
H、Qoa-Ala-OH、Noa-Ala-OH〔式中、Qoa は5-イソキノ
リニルオキシアセチル基、Noa は1-ナフチルオキシアセ
チル基、他の略号は前述と同じ〕等を用いることがで
き、工程Iと同様に反応させることにより一般式(VIII)
のペプチド誘導体を得ることができる。
【0013】以上のようにして、縮合剤として一般式(I
II)で示される化合物を用いて反応Iまたは反応IIを行
なって一般式(VII) で示される化合物を製造すると、反
応終了後の縮合剤の残渣が水溶性となり、反応操作上好
ましい。
【0014】本発明のもうひとつの特徴は、工程I-cま
たは工程IIにおいてカルボン酸を活性エステルとした
後、縮合させることを特徴とする一般式(VIII)で示され
るペプチド誘導体またはその塩の製造方法である。
【0015】工程I-cにおいては、N-ヒドロキシベンゾ
トリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシスクシンイミド(H
OSu)、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸
イミド(HONb)またはp-ニトロフェノール(HONp)等(通常
1〜2当量)の存在下に、前記で例示したような一般式
(VI)で示されるカルボン酸の溶液または懸濁液にカルボ
ジイミド類を加えて反応させ、活性エステルを生成させ
る。この場合のカルボジイミド類としては、N,N-ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメ
チルアミノプロピル) カルボジイミド(EDC) 等を用いる
ことができ、特にはDCC が安価で好ましい。反応溶媒と
してはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムア
ミド、それらの混合溶媒等を用いることができる。反応
温度は−30〜50℃、特には−10〜30℃が好ましい。
【0016】以上のようにして生成させた活性エステル
を前記で例示したような一般式(I')で示される化合物
(通常1〜2当量)と反応させる。該エステルは単離せ
ずに、反応混合物のまま使用することができる。
【0017】反応温度は−30〜50℃、特には−10〜30℃
とすることが好ましい。反応終了後、カルボジイミド類
由来の尿素類の除去、抽出、洗浄、結晶化等の通常の後
処理により一般式 (I)で示されるペプチド誘導体を得
ることができる。
【0018】工程IIにおいては、工程I-cの一般式
(I')、一般式(VI)で示される化合物を、それぞれ一般
式 (I")、一般式(VII)で示される化合物に置き換え、
工程I-cと同様に反応させることにより、一般式(VIII)
の化合物を得ることができる。
【0019】ここでの一般式(I')、(I")、(VI)及
び(VII)で示される化合物としては、前記で例示したも
のを用いることができる。
【0020】以上のようにして工程I-cまたは工程IIに
おいてカルボン酸を活性エステルとした後、縮合させる
と、簡便かつ安価に目的物が得られ、好ましい。
【0021】本発明の製造法において、一般式 (V) で
示されるカルボン酸に光学活性体を用いれば、各々の不
斉点はラセミ化することなく、一般式(IV)で示されるペ
プチド誘導体を立体特異的に得ることができる。使用す
る立体異性体としては、特に製法上の制限はないが、HI
V プロテアーゼ阻害活性の観点から一般式(IX)で示され
る保護アミノ酸はR体(L体)、一般式(XII)で示され
る保護アミノ酸は(2S,3S)体、一般式 (V) で示される
保護アミノ酸のうちメチルチオアラニン及びメタンスル
ホニルアラニン誘導体はR体(L体)、アスパラギン、
バリン、イソロイシン及びアラニン誘導体はS体(L
体)を用いるのが好ましい。
【0022】本発明におけるこれらのペプチド誘導体の
塩には薬理的に許容される塩が用いられる。これらの塩
としては塩化水素、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、ピバル酸、コハク酸、マレイン酸、フエル酸、マロ
ン酸、グルタル酸、安息香酸、サリチル酸、ケイ皮酸、
酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸等との塩を挙げることができる。この塩の形成は、
ペプチド誘導体を再結晶するときにこれらの酸と混合し
放置、冷却させることによって行なうことができる。ま
た必要により、塩形成後アルカリ処理によって脱塩をさ
せてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、高価あるい
は毒性の強い化合物を使用することなく、AIDSの治療ま
たは HIV感染の予防に有効なペプチド誘導体またはその
合成中間体及びその塩を簡便かつ安価に製造することが
できる。また、本発明では縮合反応後縮合剤の残渣が水
溶性であるので反応操作上好ましいものである。
【0024】次に、本発明を実施例を用いて具体的に説
明する。
【実施例1】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu 〔工程1〕 Boc-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu H-AHPBA-Thz-NH-tBu 54.0g (148mmol) をDMF 350ml に
懸濁させ、氷冷下でメタンスルホン酸 9.62ml(148mmo
l)、Boc-Mta-OH 38.3g (163mmol)、DPPA 38.4ml(178mmo
l) 、トリエチルアミン 45.3ml(326mmol)を順に加え、
8℃以下で終夜撹拌した。反応液にメタノール 1.5 lと
3%炭酸水素ナトリウム水溶液 750mlを氷冷下で加え、
析出物をろ取し、メタノール-水(10:3)で洗浄、真空乾
燥して標記物 55.7g(収率65%)を得た。
【0025】〔工程2〕 H-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu 4N塩化水素ジオキサン溶液79ml(316mmol) とアセトニト
リル 37ml の混液を氷冷し、Boc-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu
24.5g (42mmol) を加え、10℃以下で4時間撹拌した。
反応混合物をジクロロメタン180ml と5%炭酸ナトリウ
ム水溶液400mlに分配し、水層をジクロロメタン90mlで
抽出した。全ジクロロメタン層を飽和食塩水で洗浄、硫
酸マグネシウムで乾燥、減圧乾固して標記物20.3g(粗収
率 100%) を得た。
【0026】〔工程3〕 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu Qoa-OH 0.24g(1.2mmol)、H-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu 0.52
g (HPLC純度換算 1.0mmol) 、DMF 2.5ml の混合物を氷
冷し、DPPA 0.33g (1.2mmol)、トリエチルアミン0.12g
(1.2mmol) を順に加え、0℃で1時間、室温で終夜撹拌
した。反応混合物を酢酸エチルと5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で抽出し、有機層を10%食塩水で洗浄、硫酸マ
グネシウムで乾燥、減圧乾固して標記物0.71g を得た。
【0027】
【実施例2】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu Qoa-OH 1.25g(6.14mmol)とHOBt 0.83g(6.14mmol)をDMF
5.3mlに懸濁させ、氷冷下でDCC を加えて1時間撹拌し
た。次にH-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu 3.00g(6.14mmol)のDM
F 3.4ml 溶液を15分かけて滴下し、5時間で25℃まで昇
温した。反応液を5%クエン酸水溶液 5.1mlに加えて30
分撹拌した後、塩化メチレン22mlを加えて10分撹拌し、
DCウレアをろ去し、塩化メチレン20mlで残渣を洗浄し
た。この溶液を炭酸ナトリウム 0.75gを含む 5%食塩
水、次いで5%食塩水で有機層を洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥、減圧乾固して標記物 3.96g(粗収率97%)
を得た。
【0028】
【実施例3】 Boc-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu HONb 1.13g (6.3mmol)とトリエチルアミン0.58g(5.7mmo
l)をジクロロメタン15mlに溶解させ、氷冷下でジフェニ
ルホスホロクロリダート 1.53g(5.7mmol) を滴下し、氷
冷下で1時間、室温で 2.5時間撹拌し、系中にNDPPを生
成させた。反応液にH-AHPBA-Thz-NH-tBu 1.39g(3.8mmo
l) 、Boc-Mta-OH 1.34g(5.7mmol)を加え、氷冷下でト
リエチルアミン 0.58g(5.7mmol)を滴下し、氷冷下で1
時間、室温で終夜撹拌した。0℃以下で1時間撹拌した
後に、結晶をろ取し、冷ジクロロメタンで洗浄、真空乾
燥して標記物1.77g(収率80%) を得た。
【0029】
【実施例4】 Boc-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu HONb 8.87g(49.5mmol)とトリエチルアミン4.55g(45mmo
l) をDMF 120ml に溶かし、ジフェニルホスホロクロリ
ダート 1.53g(5.7mmol) を氷冷下で滴下し、0〜5℃で
撹拌し、その後、室温で2時間撹拌した。この反応液
に、Boc-Mta-OH 10.58g(30mmol) 及びH-AHPBA-Thz-NH-t
Bu 10.58g(45mmol)を加え、氷冷下でトリエチルアミン
4.55g(45mmol)を滴下した。0〜5℃で、1時間撹拌
し、その後、室温で、終夜撹拌した。反応液からトリエ
チルアミン塩酸塩をろ過して除き、減圧濃縮した。これ
にメタノール/水(10/3)180ml を加え、結晶化した。こ
れを1時間、室温で撹拌し、その後、10〜15℃まで冷却
して結晶をろ取した。メタノール/水(10/3)で洗浄し、
減圧乾燥した後、一夜風乾して、標記物15.73g (収率90
%) を得た。
【0030】
【実施例5】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu HONb 0.93g(10.26mmol) とトリエチルアミン0.94g(9.26
mmol) を塩化メチレンに溶解し、これにジフェニルホス
ホロクロリダート2.49g(9.26mmol) を氷冷下で滴下し、
0〜5℃で撹拌し、その後、室温で2時間撹拌した。こ
の反応液にQoa-OH 1.32g(9.26mmol)及び塩化メチレン10
mlにH-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu 2.95g(6.17mmol)を溶解し
た液を加え、氷冷下にトリエチルアミン0.94g(9.26mmo
l)を滴下した。0〜5℃で1時間撹拌し、その後、室温
で終夜撹拌した。反応液に 3%炭酸カリウム30mlを加
え、撹拌後、分層した。有機層を5%塩化ナトリウムで
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
し、残渣を塩化メチレンでパックしたシリカゲルカラム
に通し、塩化メチレン50mlで洗浄した後、塩化メチレン
-エタノール(10/1)で生成物を溶出させた。溶出液に活
性炭1gを加え、30分間脱色撹拌した後、活性炭を除去
し、減圧濃縮した。残渣にエタノール20mlを加え、還流
しながら溶解させ、放冷し、晶出させた。一夜冷蔵放置
し、結晶をろ取した。冷エタノールで洗浄し、減圧乾燥
し、標記物3.05g(収率77.1%)を得た。
【0031】
【実施例6】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu Qoa-Mta-OH 1.41g(4.4mmol) 、HOBt・ H2O 0.61g(4mmo
l)及びH-AHPBA-Thz-NH-tBu 1.46g(4mmol) をDMF 15mlに
懸濁し、DMF 2ml にDCC 0.87g(4.2mmol)を溶解した液を
氷冷下で滴下した。0〜5℃で1時間撹拌し、その後室
温で終夜撹拌した。DCウレアを除去し、溶媒を留去し
た。残渣を酢酸エチル15mlに溶かし、5%クエン酸水溶
液5ml を加え、30分撹拌した。DCウレアを除去し、酢酸
エチル、0.63g 炭酸ナトリウム-5%塩化ナトリウム水溶
液、0.43g 炭酸ナトリウム-5%塩化ナトリウム水溶液、
5%塩化ナトリウム水溶液で、順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を塩化メチレ
ンでパックしたシリカゲルカラムに通し、塩化メチレン
350mlで洗浄した後、塩化メチレン-エタノール(10/1)
で溶出させた。活性炭1gを加え、30分間脱色撹拌した
後、活性炭を除去し、減圧濃縮した。残渣にエタノール
13.5mlを加えて溶解させ、放冷し、晶出させた。一夜冷
蔵放置し、結晶をろ取した。冷エタノールで洗浄し、減
圧乾燥し、標記物0.89g(収率33.5%) を得た。
【0032】
【実施例7】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu Qoa-Mta-OH 0.80g(2.5mmol) 及びHOBt・ H2O 0.38g(2.5
mmol)をDMF 15mlに懸濁し、DMF 2ml にDCC 0.52(2.5mmo
l) を溶解した液を氷冷下に滴下し、0〜5℃で、1時
間撹拌した。これに、DMF15ml にH-AHPBA-Thz-NH-tBu
0.84g(2.3mmol)を懸濁した液を、10℃で滴下し、0〜5
℃で1時間撹拌し、その後室温で終夜撹拌した。以後、
実施例6に記載した方法で精製した結果、標記物0.46g
(収率29.4%) を得た。
【0033】
【実施例8】 Qoa-Mta-AHPBA-Thz-NH-tBu Qoa-Mta-OH 1.41g(4.4mmol)、H-AHPBA-Thz-NH-tBu 1.4
6g(4mmol)及び NDPP1.73g(4.2mmol)を塩化メチレン20m
l-DMF10mlに懸濁し、氷冷下にトリエチルアミン0.41g
(4.0mmol)を滴下した。0〜5℃で、1時間撹拌し、そ
の後終夜撹拌した。これに塩化メチレン100ml 及び5%
炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えて分層し、水層を
塩化メチレン30mlで抽出した。有機層を5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液、5%塩化ナトリウムで洗浄した。これ
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣
を実施例6と同様の方法で精製し、標記物0.86g(収率3
2.2%)を得た。
【0034】
【参考例】本発明の出発物質H-AHPBA-Thz-NH-tBuは次の
方法で製造した。 〔工程1〕 Boc-AHPBA-Thz-NH-tBu (2S,3S)-Boc-AHPBA-OH 3.22g(10.9mmol)、H-Thz-NH-tBu
2.26g(12.0mmol)をジメチルホルムアミド(DMF) 30mlに
溶解させ、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)一
水和物 1.48g (9.7mmol)を加えた。次に、DCC 2.70g (1
3.1mmol)を氷冷下で加え、室温で終夜撹拌した後、ジシ
クロヘキシル尿素をろ別し、減圧濃縮した。これに酢酸
エチル50ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 50ml を加
えて3時間撹拌し、析出したジシクロヘキシル尿素をろ
別、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、5%クエ
ン酸水溶液、飽和食塩水で順に洗浄、硫酸ナトリウムで
乾燥、減圧濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム-メタノール系)で精製して標記化合物
5.07g(収率100 %) を得た。
【0035】〔工程2〕 H-AHPBA-Thz-NH-tBu 上記工程1に準じて合成したBoc-AHPBA-Thz-NH-tBu 15.
8g(34mmol)をジクロロメタン40mlに溶解させ、氷冷下で
4N塩化水素ジオキサン溶液85ml(340mmol) を加えて2時
間撹拌し、水240ml を加えてろ過した。ろ液の水層をメ
タノール80mlで希釈し、炭酸水素ナトリウム34g を少し
ずつ加えて中和し、終夜撹拌した。析出物をろ取し、水
ーメタノール(1:1)80ml で洗浄、真空乾燥して標記化合
物を8.12g(収率65%) を得た。
フロントページの続き (72)発明者 三本 勤 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内 (72)発明者 木佐貫 純嗣 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内 (72)発明者 加藤 良平 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内 (72)発明者 前田 浩 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内 (72)発明者 高橋 治 埼玉県戸田市新曽南三丁目17番35号 株式 会社日鉱共石内 (72)発明者 木曽 良明 大阪府茨木市稲葉町15−26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される1,3-チアゾリジ
    ン-4-カルボン酸アミド誘導体と一般式(II)で示され
    るカルボン酸を、一般式(III)で示される化合物を用い
    て縮合反応させることを特徴とする一般式(IV)で示さ
    れるペプチド誘導体またはその塩の製造法。 【化1】 〔各式中、Phはフェニル基、R1 及びR2 は同一または異
    なる低級アルキル基あるいは水素原子、R3 は低級アル
    キル基、X2 は水素原子または H2N-CHX-CO- 、X はメチ
    ルチオメチル基、メタンスルホニルメチル基、カルバモ
    イルメチル基または低級アルキル基、A はアミノ保護基
    または一般式(VI')で表わされる基、Y は炭素または窒
    素原子、B はアジド基、スクシンイミド基または置換ス
    クシンイミド基をそれぞれ示す。〕
  2. 【請求項2】 カルボン酸として一般式(V)、一般式
    (VI)または一般式(VII)で示される化合物を用いる請
    求項1に記載の製造法。 【化2】 〔各式中、X 及びY は上記と同様であり、A2 はアミノ
    保護基を示す。〕
  3. 【請求項3】 一般式(VI)で示されるカルボン酸を活
    性エステルとした後、一般式 (I')で示される1,3-チア
    ゾリジン-4-カルボン酸アミド誘導体と縮合させること
    を特徴とする一般式(VIII)で示されるペプチド誘導体
    またはその塩の製造法。 【化3】 〔各式中、Ph、R1 、R2 、R3 、X 及びY は上記と同様
    である〕
  4. 【請求項4】 一般式(VII)で示されるカルボン酸を活
    性エステルとした後、一般式 (I")で示される化合物と
    縮合させることを特徴とする一般式(VIII)で示される
    ペプチド誘導体またはその塩の製造法。 【化4】 〔各式中、Ph、R1 、R2 、R3 、X 及びY は上記と同様
    である〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998029118A1 (fr) * 1996-12-27 1998-07-09 Japan Energy Corporation Nouveaux composes de tripeptides et medicaments anti-sida

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998029118A1 (fr) * 1996-12-27 1998-07-09 Japan Energy Corporation Nouveaux composes de tripeptides et medicaments anti-sida
US6291432B1 (en) * 1996-12-27 2001-09-18 Japan Energy Corporation Tripeptide compounds and anti-AIDS medicine

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