JPH06219878A - 推進薬組成物 - Google Patents

推進薬組成物

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JPH06219878A
JPH06219878A JP5268644A JP26864493A JPH06219878A JP H06219878 A JPH06219878 A JP H06219878A JP 5268644 A JP5268644 A JP 5268644A JP 26864493 A JP26864493 A JP 26864493A JP H06219878 A JPH06219878 A JP H06219878A
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ゴーティエ ジャン−クロード
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フォンタニル ミッシェル
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ライナル サージュ
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体推進薬中のフェロセン分子の移動を減少
させた固体推進薬組成物を提供する。 【構成】 エチレン性不飽和基を含有し、該エチレン性
不飽和基にシリルメタロセン基が付加されているポリマ
ーを含んで成る固体推進薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エチレン性不飽和を
含有し該不飽和の少なくとも幾つかにシリルメタロセン
(silylmetallocene) 基が付加されているポリマーを含
んで成る固体推進組成物に関する。さらに詳しくは、こ
の発明の対象は、ポリマー鎖に結合したビニル型不飽和
及び官能末端基を含有し、該不飽和の少なくとも部分に
シラン−タイプの結合を介してメタロセン基が付加され
ているポリマーを含んで成る推進組成物である。
【0002】
【従来の技術】メタロセン化合物、そして特にフェロセ
ンは、非常に長い間推進組成物中の燃焼触媒として使用
されてきた。しかしながら、これらの化合物は推進組成
物と単に混合されるに過ぎないため、これらは経時中に
ブロックの表面に向って移動する傾向を有する。この移
動がブロック中にフェロセンの濃度勾配をもたらし、こ
のことがその燃焼に不規則性を生じさせ、そしてさらに
推進剤への阻害剤の接着に影響を与える場合がある。
【0003】固体推進組成物中でのフェロセンの移動を
減少し又は除去するために多くの解決策が提案されてい
る。これらの解決策の1つは、フェロセン分子にイソシ
アナート又はヒドロキシ基を付加し、次にこれらの基を
ポリマーの末端基、例えばヒドロキシテレケリックポリ
ブタジエン(hydroxytelechelic polybutadiene)又はカ
ルボキシテレケリックポリブタジエン (carboxyteleche
lic polybutadiene)のヒドロキシ基又はカルボキシ基と
反応せしめることによって前記フェロセン分子を修飾す
ることから成る。
【0004】この解決方法は特に米国特許第3,93
2,240号及び第3,843,700号に記載されて
いる。すなわち、ポリマーに化学的に結合したフェロセ
ン化合物は推進組成物中をもはや移動しない。しかしな
がら、この解決方法は2つの大きな欠点を有する。確か
に、架橋されたポリマー中の遊離末端基の数がこのポリ
マーの量に比べて非常に小さい場合非常に少量のフェロ
センのみを組成物中に導入することが可能であり、ある
いは、フェロセンがプレポリマーに結合する場合、末端
基の数が有意に減少し、そして適切な機械的性質を有す
る重合組成物を製造することが不可能になる。
【0005】さらに、ビニルフェロセンのごときフェロ
セン化合物をブタジエンと共に重合せしめてカルボキシ
末端基を有するポリマーを生成せしめることにより得ら
れるポリマーを製造することが提案されている。この解
決法においては、重合組成物が適切な機械的性質を保持
することが意図される場合、十分な量の鉄を導入するこ
とが不可能である。最後に、他の解決法においては、米
国特許第4,023,994号に例示されているよう
に、フェロセンを推進組成物に付加される可塑剤に結合
せしめることが提案されている。しかしながらこの方法
は推進組成物中での燃焼触媒の移動を除去しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、メ
タロセン基そして特にフェロセン基を含有するポリマー
であって、該メタロセンが該ポリマーの末端基に影響を
与えることなくその鎖に結合しており、その結果として
架橋ポリマーの機械的特性がほとんど又は全く影響を受
けないポリマーを提供することによって前記のすべての
欠点を克服することである。得られるポリマーのメタロ
セン又は金属含量は高く、そしてこのため結合剤として
このポリマーを有し、そして高い燃焼速度を得るために
適当な金属含量を有する推進組成物を製造することが可
能となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、この発
明により提案されるポリマーはエチレン性不飽和を含有
し、その少なくとも幾つかに、次の式(I)、
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、Mは、鉄、オスミウム、ルテニウ
ム、ニッケル、コバルト、マンガン及びチタンから成る
群から選ばれた遷移金属であり;R1 は置換もしくは非
置換脂肪族基又は置換もしくは非置換芳香族基であり;
そして、R2 及びR3 は異なっていても同一でもよく、
置換もしくは非置換脂肪族基、置換もしくは非置換芳香
族基、又は基−〔R1 −(C5 4 )M(C5 5 )〕
である、〕の基が付加されている。
【0010】式(I)の前記の基を“シリルメタロセン
基”と称する。この発明の他の特徴に従えば、ポリマー
が含有するエチレン性不飽和の少なくとも幾つかはビニ
ル型の不飽和であり、シリルメタロセン基は好ましくは
これらのビニル型不飽和の少なくとも部分に付加されて
いる。ビニル型不飽和はポリマー鎖の炭素により担持さ
れ、又はポリマー鎖の炭素により担持された置換基中に
存在し、これらの置換基は1〜10個の炭素原子を含有
する炭化水素化合物である。
【0011】有利には、ビニル型不飽和はポリマー鎖を
形成する炭素原子により担持され、末端炭素原子は官能
基を担持する。すなわち、シリルメタロセン基はペンデ
ントビニル型不飽和にのみ付加され、そしてポリマーの
末端官能基とは反応しない。このポリマーは、この結果
として、その末端官能基の介在により架橋されそしてさ
らにシリルメタロセンにより飽和されていないエチレン
性不飽和を介して架橋される。
【0012】しかしながら、この発明に従えば、所望に
よりポリマー鎖中に存在するエチレン性不飽和にシリル
メタロセンを添加することができる。この場合、ポリマ
ー末端基の性質に依存してシリルメタロセン基はこれら
の末端基と反応することができるであろう。これは、こ
れらの末端基が例えばヒドロキシもしくはカルボキシ
基、又はビニル型不飽和の場合である。
【0013】結論として、この発明に適するポリマー
は、その鎖中にエチレン性不飽和を含有し、そして/又
はペンデントもしくは末端ビニル型不飽和を有し、官能
末端基を有するか又は有しないポリマーである。この発
明のために適当なポリマーの例として、ジエン化合物の
重合又は共重合により得られるポリマー、例えばポリブ
タジエン又はポリイソプレン(縮合により得られる不飽
和ポリマー)を挙げることができる。
【0014】この発明の好ましい態様のために適当なポ
リマーは、エチレン性不飽和を含有し、その少なくとも
幾つかがビニル型でありそしてポリマー鎖に対してペン
デントである。このようなポリマーは、ジエン化合物の
重合又は共重合によって得られ、例えば1,2−及び
1,4−重合ポリブタジエン、並びに1,2−、3,4
−及び1,4−重合ポリイソプレンである。有利にはこ
れらのポリマーは官能末端基、例えばヒドロキシ基又は
カルボキシ基を有する。
【0015】この発明の好ましいポリマーはビニル型不
飽和を含有するヒドロキシテレケリックポリブタジエン
又はカルボキシテレケリックポリブタジエンである。シ
リルメタロセン基はポリマー中に存在する必要な数のビ
ニル型不飽和に付加される。すなわち、これらの基は、
ポリマー中の末端官能基には影響を与えないでビニル型
不飽和のすべてに付加することができる。ポリマー中の
官能基、例えばヒドロキシテレケリックポリブタジエン
のヒドロキシ基又はカルボキシテレケリックポリブタジ
エンのカルボキシ基はシリルメタロセン基と反応せず、
そしてそれ故にポリイソシアナート又はポリエポキシド
のごとき架橋剤の存在下でポリマーの架橋のために機能
することができる。
【0016】この発明の好ましいシリルメタロセン基は
Mが鉄原子である式(I)のシリルフェロセン基であ
る。基R2 及びR3 は好ましくはメチルもしくはエチル
基、又は基−〔R1 −(C 5 4 )Fe(C5 5 )〕
である。基R1 は置換もしくは非置換メチレン鎖、又は
フェニレン、ベンジリデンもしくはベンジレン基であ
る。この発明の好ましい態様において基R1 はnが1〜
6である式(CH2 )nのメチレン鎖である。
【0017】シリルメタロセン基を含有するこれらのポ
リマーは多くの用途において使用され、そして特に固体
推進組成物の結合剤の部分又は全部として使用され、こ
の用途はこの発明の他の対象である。実際に、コンポジ
ット推進薬として知られる推進薬は本質上不活性結合
剤、例えばポリイソシアナート又はポリエポキシドによ
り架橋されたヒドロキシテレケリックポリブタジエン
(HTPB)又はカルボキシテレケリックポリブタジエ
ン(CTPB)に基礎を置くポリマー、酸化剤、ほとん
どの場合無機酸化剤、例えば過塩素酸アンモニウム、及
び適当であれば燃料、例えばアルミニウムから成る。
【0018】コンポジット推進薬はさらに多くの添加
物、例えば可塑剤、抗酸化剤、重合触媒、及び燃焼触媒
を含有する。メタロセン、そして好ましくはフェロセン
は一般に燃焼触媒として使用される。この発明の推進組
成物において、コンポジット推進薬は上記のそして現在
使用されている成分と同じ成分を含んで成る。しかしな
がら、不活性結合剤は全体として又は部分的に、シリル
メタロセン基を担持するこの発明のポリマーから成る。
この結果、推進組成物に燃焼触媒を添加する必要はもは
やない。前者はポリマーに直接結合しているからであ
る。
【0019】さらに、この発明のポリマーは、常用のポ
リマーを架橋するために使用される架橋系と同一の架橋
系により架橋される。すなわち、シリルメタロセン基を
担持するヒドロキシテレケリックポリブタジエンのため
の架橋剤はポリイソシアナート、例えばトルエンジイソ
シアナート、イソフォロンジイソシアナート、ヘキサメ
チレンジイソシアナート、トリメチルヘキサンジイソシ
アナート又はメチルジシクロヘキシルジイソシアナート
である。同様に、この発明のカルボキシテレケリックポ
リブタジエンのための架橋剤はポリエポキシド、例えば
シエルから販売されるエポン812、又はポリアジリジ
ン、例えばトリス(2−メチル−1−アジリジニル)ホ
スフィンオキシド(MAPO)である。
【0020】推進薬中の燃焼触媒の比率(その組成物中
の金属の比率、例えば鉄の比率として表現される)は、
一方において推進薬中に存在するポリマーの量を介し
て、そして他方において各ポリマー分子に結合したシリ
ルメタロセン基の数を介して調節することができる。さ
らに、基−〔R1 −(C5 4 )M(C5 5 )〕を表
わすR2 及びR3 基を含有するシリルメタロセン基を付
加することによって金属含量を増加することが一般に可
能である。従って、約3〜15重量%の金属を含有する
HTPBポリマー、そして約0.2〜4重量%の金属を
含有する推進薬を得ることが一般に可能である。
【0021】下記の例により例示されるように、この発
明の推進薬の機械的性質は適当であり、そして常用のポ
リマーを用いて製造される推進薬のそれと同じオーダー
である。さらに、これらの組成物の燃焼特性は、燃焼速
度及び圧力指数の点から、常用のポリマーから成りそし
て金属、例えば鉄の比率が同じ結合剤を用いるコンポジ
ット推進薬のそれと同じオーダーである。ここで金属
は、従来技術のコンポジット推進薬に燃焼触媒を付加す
ることにより寄与する。
【0022】最後に、燃焼触媒の移動によって惹起され
る、推進薬のブロックの表面又は推進薬のブロックに適
用された阻害剤層の表面の黄化現象は、この発明の推進
剤組成物においてはもはや観察されない。この観察は、
この発明の重要な結果の1つ、すなわち組成物の機械的
特性又はその燃焼特性における有意な変化を生じさせな
い、推進組成物中の燃焼触媒の固定を証明している。
【0023】さらに、この発明の推進薬は、シリルメタ
ロセン基を含有しないポリマー結合剤を含有するコンポ
ジット推進薬の製造に用いられるのと同様の常用の製造
法により製造される。この方法は後記の例において説明
する。この発明はさらに、この発明のポリマーの製造方
法を提供する。第1段階において、この方法は、重合触
媒の存在下において、エチレン性不飽和を含有するポリ
マーを次の(II)、
【0024】
【化3】
【0025】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びMは前記の
意味を有する、)のシリルメタロセン化合物と反応せし
めることから成り;そして第2段階において、前記生成
したポリマーを溶解しない化合物又は化合物の混合物を
反応媒体に添加することによって、生成したポリマーを
沈澱せしめ;そして第3段階において、生成したポリマ
ーを、例えば重量分離、濾過、遠心分離により、又は他
の任意の適当な分離法により分離しそして回収する。
【0026】この発明のために適当なヒドロシリル化触
媒は過酸化物、白金、ヘキサクロロ白金酸(H2 PtC
6 ・6H2 O)、金属カルボニル、例えばコバルトカ
ルボニル、ニッケルカルボニル及びこれらに類するもの
である。この発明の好ましい触媒はヘキサクロロ白金酸
である。第1段階の反応により生成したポリマーを沈澱
せしめるのに適当な化合物又は化合物の混合物はメタノ
ール、エタノール、アセトン、アセトンとエタノールと
の混合物、又は転換されたポリマーを溶解しないが出発
物質及び触媒の溶剤である他の任意の化合物又は混合物
である。
【0027】第1段階は、不均一媒体中で溶剤を用いな
いで行うことができ、又は出発物質にポリマー及びシリ
ルメタロセンに共通な溶剤又は溶剤混合物を加えること
により均一媒体中で行うことができる。この発明の好ま
しい溶剤はテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、
ヘキサン及び四塩化炭素である。反応は、使用する溶剤
及び要求される2重結合の転換の程度に依存して、約−
5℃〜約90℃の間の温度で行う。
【0028】使用するシリルメタロセンの量は2重結合
の必要数を転換するのに必要な理論量に対応する。有利
には、理論量の約10%過剰量を添加する。上記の条件
がこの発明の好ましい態様に対応し、そして末端官能基
と反応することなく、そして分子量の増加そしてそれ故
にその粘度の上昇をもたらすかもしれない架橋の形成を
伴わないで、シリルメタロセン基が主としてビニル型2
重結合に付加することを可能にする。
【0029】この発明に従えば、90℃より高温で反応
を行うことにより、又は触媒、反応媒体中のプレポリマ
ーの濃度及び反応時間の選択により、プレポリマー鎖中
に存在する2重結合にシリルメタロセン基を付加するこ
とも可能である。反応媒体から修飾されたプレポリマー
を抽出するため、この発明の好ましい態様においては、
アセトンとメタノールとの混合物に反応媒体を添加する
ことによりプレポリマーを沈澱せしめる。沈澱を重力分
離及び遠心分離により回収する。反応媒体にアセトン及
びメタノールの混合物を添加することも可能である。
【0030】残留溶剤は、好ましくは真空蒸発により蒸
発除去する。式(II)のシリルメタロセン化合物は、種
々の方法により、特にフランス特許No. 1,398,2
55及びNo. 1,456,277に記載されている方法
により、又は本出願会社のフランス特許出願No. 84/
11,506に記載されている方法により得られる。次
に、例によりこの発明をさらに明瞭に説明する。記号F
cは基(C5 5 )Fe(C5 4 )を表わす。
【0031】例1. ジメチルシリルテトラメチレンフ
ェロセン基を担持するヒドロキシテレケリックポリブタ
ジエンの製造 アルコ(Arco) から“R45M”の名のもとに販売され
ているヒドロキシテレケリックポリブタジエン(このポ
リマーは−80℃のガラス転移温度を有する)50gを
1.8lの乾燥ヘキサン(28g/lのプレポリマ
ー)に加える。この混合物を撹拌しながら60℃に加熱
し、そして次にヘキサクロロ白金酸のアルコール性溶液
1mlを加える。20mlのヘキサンに溶解した15gの
【0032】
【化4】
【0033】を加え(全不飽和の15%を飽和するため
の理論量)、これにさらに10%過剰量が加えられてい
る。温度を60℃に24時間保持し、そして次に混合物
を周囲温度に冷却する。反応媒体をアセトンとメタノー
ルとの混合物に加え、修飾されたプレポリマーを沈澱せ
しめる。次に、後者を重力分離及び遠心分離により回収
する。
【0034】ヒドロシリル化反応の進行を赤外線スペク
トル分析により、そして特にSi−H結合に対応する
2,100cm-1のバンドの消失により追跡する。プレポ
リマー中の2重結合の転換の程度をグラフト化フェロセ
ンの測定により決定する。これは、NMR分析により、
標準、例えばベンゼンを修飾されたポリマーに加え、そ
してベンゼン及びグラフト化フェロセンのそれぞれのピ
ークを比較することにより行う。
【0035】下記の例において、2重結合の11.1%
が修飾されたことがわかる。これは、使用したシリルフ
ェロセン化合物に基いて74%の収率に相当する。NM
R分析はさらに、下記の例においてビニル型2重結合の
約56%が修飾され、他方エチレン性(ジエン)2重結
合の約1%が飽和されるに過ぎないことを示している。
【0036】さらに、ゲル透過クロマトグラフィーは、
プレポリマーが修飾された際に架橋反応が生じなかった
ことを示す。さらに、修飾されたプレポリマー中の末端
ヒドロキシ基の測定は、その官能価(約2.3)が出発
プレポリマーのそれと実質上同じであることを示してい
る。さらに、修飾されたプレポリマーのガラス転移温度
は−60℃のオーダーである。
【0037】例2.例1と同じ方法に従って、そして同
じ出発物質を用いて、しかし10.5gの
【0038】
【化5】
【0039】(HTPBポリマー中の全不飽和の10%
の転換を行うための理論量である)を添加して、その2
重結合の7.7%が飽和された修飾されたプレポリマー
(ビニル結合の38%及びエチレン性結合の0.5%)
が得られた。これは使用したシリルフェロセン化合物に
基いて77%の収率に相当する。この修飾されたプレポ
リマーのガラス転移温度は−65℃である。
【0040】例3.例1の操作を反復する。但し、10
0gのヒドロキシテレケリックポリブタジエンプレポリ
マー及び150gの
【0041】
【化6】
【0042】を使用する。シリルフェロセンのこの量
は、プレポリマー中のすべてのビニル型結合を飽和する
こと、そしてそれ故にポリマー中9.9%の鉄の比率を
得ることを可能にする。得られたポリマーの分析は、1
00%のビニル結合が飽和され、他方シリルフェノセン
の付加がエチレン型の結合の1%未満において生じたこ
とを示している。
【0043】ポリマー中の測定された鉄含量は9.6%
であり、これは使用したシリルフェロセン化合物を基礎
にして95%の収率に相当する。この修飾されたプレポ
リマーのガラス転移温度は−60℃である。
【0044】例4.及び5.修飾されたプレポリマー
を、例1及び2と同様にして、ジメチルシリルテトラメ
チレンフェロセンの代りにジメチルシリルベンジルフェ
ロセンを使用して製造した。下記の表に要約する得られ
た結果は例1及び2において得られた結果に類似する。
【0045】
【表1】
【0046】例6.及び7.例1に記載した方法に従っ
て、しかし次の化合物、
【0047】
【化7】
【0048】をシリルフェロセンとして用いて、3重量
%の鉄含量を有する修飾されたHTPBプレポリマーを
製造する。得られた修飾されたプレポリマーは、化合物
(a)を使用した場合には−71℃のガラス転移温度を
有し、そして化合物(b)の場合には−74℃のガラス
転移温度を有する。
【0049】例8.例1の操作法と同一の操作法に従っ
て、グラフト:
【0050】
【化8】
【0051】によりカルボキシテレケリックポリブタジ
エンプレポリマーを製造する。飽和された2重結合の比
率は1.90%のオーダーである。
【0052】例9.例1において得られた修飾されたプ
レポリマーを、コンポジットと称する推進組成物中の結
合剤として使用する。トータルメソッドと称される、推
進組成物を製造するための常法に従って、次の重量組成
を有する推進剤を製造した。
【0053】
【表2】
【0054】推進薬中の鉄含量は0.94%である。得
られた推進薬の機械的性質は次の通りである。
【0055】
【表3】
【0056】ストランドバーナー中で行った燃焼試験
は、この組成物の燃焼速度Vが、ポリマーに化学的に結
合していない燃焼触媒を含有するコンポジット推進薬に
ついて得られるそれと同じオーダーであることを示して
いる。さらに、下記の表に要約する結果により示される
ように、V+aPn 中の燃焼指数nが燃焼速度の測定さ
れた値について低い。
【0057】
【表4】
【0058】上記の表現において、Pは燃焼圧力であ
り、aは圧力係数である。この発明の他の重要な結果が
視覚的に注目される。実際に、結合していない燃焼触媒
を含有する推進薬ブロックにおいて、この触媒の移動は
阻害剤の黄化、及びブロックの断面にわたる不均一燃焼
として観察された。この発明の推進薬を使用して作られ
たブロックにおいては、この老化現象はもはや観察され
ず、このことがこれらのブロックの寿命を延長し、そし
てこのブロックの断面にわたる実質上均一な燃焼速度を
得ることを可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サージュ ライナル フランス国,91210 ドゥラベル,バティ マン ヘレディア,オレー ドゥセナル (番地なし)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性結合剤、酸化剤、燃料、可塑剤、
    及び添加剤を含んで成る固体推進組成物であって、該不
    活性結合剤の少なくとも部分が、エチレン性不飽和基を
    含有するポリマーであって、該エチレン性不飽和基の少
    なくとも幾つかに次の式(I)、 【化1】 〔式中、Mは、鉄、オスミウム、ルテニウム、ニッケ
    ル、コバルト、マンガン及びチタンから成る群から選ば
    れた遷移金属であり;R1 は置換もしくは非置換脂肪族
    基又は置換もしくは非置換芳香族基であり;そして、R
    2 及びR3 は異なっていても同一でもよく、置換もしく
    は非置換脂肪族基、置換もしくは非置換芳香族基、又は
    基−〔R1 −(C5 4 )M(C5 5 )〕である、〕
    で表わされるシリルメタロセン基が付加されているポリ
    マーであることを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 前記のポリマーがヒドロキシ末端及びカ
    ルボキシ末端を有するポリブタジエンであり、前記組成
    物が付加された金属0.2〜4重量%を含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の推進組成物。
  3. 【請求項3】 前記不活性結合剤が前記ポリマーから成
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の推進組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーにより担持されるシリルメ
    タロセン基がシリルフェロセン基であり、該ポリマー中
    の鉄含量が3〜15%であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1〜第3項のいずれか1項に記載の推進組成
    物。
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