JPH06219472A - 青果物包装用フィルム - Google Patents

青果物包装用フィルム

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JPH06219472A
JPH06219472A JP5011419A JP1141993A JPH06219472A JP H06219472 A JPH06219472 A JP H06219472A JP 5011419 A JP5011419 A JP 5011419A JP 1141993 A JP1141993 A JP 1141993A JP H06219472 A JPH06219472 A JP H06219472A
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JP
Japan
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film
gas permeability
metal alkoxide
vegetables
gas
Prior art date
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Pending
Application number
JP5011419A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yasujima
廣行 安島
Toshiaki Yoshihara
俊昭 吉原
Koji Takeshita
耕二 竹下
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】所望のガス透過度を簡単に得ることができる青
果物包装用フィルムを提供する。 【構成】金属アルコキシドもしくは金属アルコキシドの
加水分解物、あるいは金属アルコキシドもしくは金属ア
ルコキシドの加水分解物及び水酸基を有する水溶性樹脂
との複合物を高ガス透過度フィルム上に印刷、形成する
ことにより、ガスバリヤ部が高ガス透過度フィルムを部
分的に被覆する。ガス透過度は高ガス透過度フィルム単
独の場合より小さく、被覆率により任意に調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮青果物等の包装材
に利用されるガス透過度が調整された青果物包装用フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】青果物をプラスチック等のフィルムを用
いて包装する場合、酸素ガス透過度が10000〜60
000cc/m2 ・day・atmで、酸素ガスと炭酸
ガスの透過比が、1:3〜1:4となるプラスチックフ
ィルムの使用が好ましいとの知見が得られている。な
お、ガス(本明細書で単に”ガス”と言う場合は、酸素
ガスと炭酸ガスを意味する)透過度の値が範囲を持って
表されるのは、青果物により最適な値が異なるからであ
る。
【0003】ところで、汎用プラスチックフィルムのう
ち、比較的ガス透過度の高いフィルムはポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン系のフィルムである
が、その酸素ガス透過度は2000〜8000cc/m
2 ・day・atm程度である。
【0004】前記した汎用プラスチックフィルムのガス
透過度を高めるためには、フィルムの膜厚を極端に薄く
する方法が考えられるが、実際の製造技術上、強度上の
限界がある。そこで、フィラー練り込みにより含空孔構
造のフィルム形態とする方法(フィラー練り込み法と言
う)や、レーザーや突起物により通気孔をフィルム面に
穿孔する方法(穿孔法と言う)が有効と思われる。
【0005】しかしながら前記のフィラー練り込み法
は、フィラーの量が少ないとガス透過度の向上の効果は
小さく、また、フィラーが多いとガス透過度は大きくな
るが、フィラー練り込みにより発生する空孔が酸素ガ
ス、炭酸ガス分子に比べて大きいため、酸素ガスと炭酸
ガスの透過比は1:1に近くなってしまう。また、穿孔
法も同様である。
【0006】他方、高いガス透過度を有するフィルムと
して、ポリメチルペンテン樹脂フィルムがある。このフ
ィルムの酸素ガス透過度および炭酸ガス透過度は、20
μmの単体フィルムとして、それぞれ80000cc/
2 ・day・atm、255000cc/m2 ・da
y・atmという値を示す。この値は、前記した好まし
い値より大きい。
【0007】そこで本出願人は、高いガス透過度を有す
る樹脂と低いガス透過度を有する樹脂を混合し、好まし
い値に調整した高ガス透過フィルムを出願した(特願平
5−7652号参照)。
【0008】その一例を挙げると、高いガス透過度を有
するポリメチルペンテン樹脂に低いガス透過度を有する
ポリオレフィン樹脂を10〜90%混合したフィルム
は、酸素透過度が10000〜100000cc/m2
・day・atmで、かつ炭酸ガス透過度も30000
〜300000cc/m2 ・day・atmを示す。こ
の値は青果物の包装材には有効である。
【0009】なお、前記フィルムの酸素ガス透過度と炭
酸ガス透過度が異なるのは、フィルム中の分子レベルの
微細構造により、酸素ガスと炭酸ガスの移動性が異なる
ことに起因すると思われる。
【0010】しかしながら前記フィルムは、混合する樹
脂の混合比でガス透過度を調整するものであり、ガス透
過度が異なる多品種のフィルムが必要な場合、その都度
樹脂を混合しフィルムを製造しなければならず、多品種
少量生産には向いていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の課題に
鑑みてなれたものであって、その課題とするところは、
所望のガス透過度を簡単に得ることができる青果物包装
用フィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
高ガス透過度フィルムの少なくとも片面に、金属アルコ
キシドもしくは金属アルコキシドの加水分解物、あるい
は金属アルコキシドもしくは金属アルコキシドの加水分
解物及び水酸基を有する水溶性樹脂との複合物を部分的
に印刷、形成したガスバリヤ部を有することを特徴とす
る青果物包装用フィルムである。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明を前提とし、青果物包装用フィルムの酸素ガス透過度
が10000〜60000cc/m2 ・day・atm
であることを特徴とする青果物包装用フィルムである。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1、2記載
の発明を前提とし、高ガス透過度フィルムがポリメチル
ペンテン樹脂フィルムであることを特徴とする青果物包
装用フィルムである。
【0015】
【作用】本発明に係わる青果物包装用フィルムによれ
ば、金属アルコキシドもしくは金属アルコキシドの加水
分解物、あるいは金属アルコキシドもしくは金属アルコ
キシドの加水分解物及び水酸基を有する水溶性樹脂との
複合物を高ガス透過度フィルム上に印刷、形成すること
により、ガスバリヤ部が高ガス透過度フィルムを部分的
に被覆することになるので、ガス透過度は高ガス透過度
フィルム単独の場合より小さく、被覆率(ガスバリヤ部
の面積/青果物包装用フィルムの面積×100)により
任意に調整できる。
【0016】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は、本発明の青果物包装用フィルムの断面構造
を示す説明図である。
【0017】本発明に係わる高ガス透過度フィルム
(1)は、生鮮青果物の包装材料として必要な、酸素ガ
ス透過度で60000cc/m2 ・day・atm以上
の高い特性を有する樹脂フィルムである。現在、上市さ
れている樹脂フィルムでは、ポリメチルペンテン樹脂フ
ィルムが前記特性を有する。なお、厚さ20μmのポリ
メチルペンテン樹脂フィルムは、酸素ガス透過度および
炭酸ガス透過度がそれぞれ、93000cc/m2 ・d
ay・atm、280000cc/m2 ・day・at
m(透過比1:3)である。
【0018】本発明に係わるガスバリヤ部(2)は、前
記高ガス透過度フィルム(1)上に部分的に形成され
る。そして、ガスバリヤ部(2)の被覆率を制御するこ
とにより、青果物包装用フィルムのガス透過度を所望な
値に調整できる。
【0019】ガスバリヤ部(2)形成に用いる材料は、
基本的には金属アルコキシドもしくは金属アルコキシド
の加水分解物である。その具体例を例示すれば、テトラ
エチルオルソシリケート(Si(OC2 5 4 )、ト
リイソプロピルアルミニウム(Al(OC3 7 3
等、一般式M(OR)n (MはSi,Ti,Al,Zr
等の金属、RはCH3 ,C2 5 等のアルキル基)で表
せるものである。前記材料を高ガス透過度フィルム
(1)上に印刷すると、SiO2 やAl2 3 のセラミ
ックス質の被膜となる。なお、前記被膜はガスバリヤ性
を有する。また、前記材料にポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等、
水酸基を有する水溶性樹脂を加え複合物を印刷、形成し
た被膜は、さらにガスバリヤ性に優れる。
【0020】また、ガスバリヤ部(2)を部分的に形成
する方法は、各種印刷法が適用できるが、ガスバリヤ性
を得るためにはある程度厚い被膜を形成する必要がある
ため、グラビア印刷法が好ましい。また、ガスバリヤ部
の被覆の厚さも特に制限するものではないが、一様な被
膜が得られる0.1μmの薄膜からクラックが発生しや
すくなる50μmまでの厚膜が望ましい。なお、本明細
書中の部分的とは、全面的ではないと言う意味である。
【0021】また、ガスバリヤ部(2)は、基本的には
金属酸化物薄膜となるので無色透明であるが、着色材を
混入して着色することも可能であり、フィルムのガス透
過度の識別表示や商品差別化にも適用することができ
る。
【0022】さらにまた、本発明に係わる青果物包装用
フィルムは、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層
したり、印刷層を設けたり、複数の樹脂を接着層を介し
て積層して使用することも出来る。なお、ガスバリヤ部
に使用される材料は自然界での存在比が大きな材料であ
り、焼却されても有毒ガスや有害物質を発生しないた
め、包装材と使用する場合に内容物や環境への影響が少
ない。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】〔実施例1〕高ガス透過度フィルムとして
ポリメチルペンテン樹脂フィルム(厚さ20μm)を用
いた。
【0025】ガスバリヤ部を形成する材料として下記組
成からなる印刷インキを作製した。印刷インキは乾燥す
ると、20から95%の金属酸化物を含む被覆(ガスバ
リヤ部)となる。
【0026】印刷インキ組成 テトラエチルオルソシリケート 20重量部 PVA水溶液(1%) 200重量部 0.1N塩酸 10重量部 エタノール 80重量部 ジエチレングリコール 20重量部
【0027】前記印刷インキをグラビア印刷機にて、高
ガス透過度フィルム上に部分的に印刷した。また、印刷
に用いた版は、1インチ当たり100線、被覆率(網点
面積率)30%の版である。印刷条件は、100度Cの
加熱オーブン中に10minの滞在時間になる条件で行
なった。なお、乾燥後のガスバリヤ部は、1μmの膜厚
を有していた。
【0028】得られた青果物包装用フィルムのガス透過
度は、酸素ガスで50000cc/m2 ・day・at
m、炭酸ガスで180000cc/m2 ・day・at
mであった。
【0029】また、本実施例で得られた青果物包装用フ
ィルムでほうれん草を包装し、室温で保存したところ5
日間保存することができた。一方、本実施例のポリメチ
ルペンテン樹脂フィルムのみでほうれん草を包装し、室
温で保存したところ2日間の保存で鮮度が落ちてきた。
【0030】なお、ガスバリヤ部のみの酸素ガスの透過
度を測定したところ、0.8cc/m2 ・day・at
mであった。
【0031】〔実施例2〕高ガス透過度フィルムとして
ポリメチルペンテン樹脂フィルム(厚さ20μm)を用
いた。
【0032】ガスバリヤ部を形成する材料として下記組
成からなる印刷インキを作製した。
【0033】印刷インキ組成 テトラエチルオルソシリケート 10重量部 PVA水溶液(1%) 200重量部 0.1N塩酸 50重量部 トリイソプロピルアルコール 15重量部 イソプロピルアルコール 50重量部
【0034】前記印刷インキをグラビア印刷機にて、高
ガス透過度フィルム上に部分的に印刷した。また、印刷
に用いた版は、被覆率が20,50,70,90%の版
であり、版を交換しながら青果物包装用フィルムを作成
した。印刷条件は、100度Cの加熱オーブン中に10
minの滞在時間になる条件で行なった。なお、乾燥後
のガスバリヤ部は、1μmの膜厚を有していた。得られ
た青果物包装用フィルムの被覆率と、酸素ガス、炭酸ガ
ス透過度を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】前記表1に示したように被覆率に応じてガ
ス透過度が変化することがわかる。なお、本実施例に用
いた材料の場合、好ましい被覆率は20〜90%であ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明に係わる青果物包装用フィルムに
よれば、高ガス透過度フィルムの少なくとも片面に、金
属アルコキシドもしくは金属アルコキシドの加水分解
物、あるいは金属アルコキシドもしくは金属アルコキシ
ドの加水分解物及び水酸基を有する水溶性樹脂との複合
物を部分的に印刷、ガスバリヤ部を形成した構成である
ので、特定のガス透過度を有する青果物包装用フィルム
が必要な場合、簡便な印刷法の利用のみで製造すること
ができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の青果物包装用フィルムの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 高ガス透過度フィルム 2 ガスバリヤ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高ガス透過度フィルムの少なくとも片面
    に、金属アルコキシドもしくは金属アルコキシドの加水
    分解物、あるいは金属アルコキシドもしくは金属アルコ
    キシドの加水分解物及び水酸基を有する水溶性樹脂との
    複合物を部分的に印刷、形成したガスバリヤ部を有する
    ことを特徴とする青果物包装用フィルム。
  2. 【請求項2】青果物包装用フィルムの酸素ガス透過度が
    10000〜60000cc/m2・day・atmで
    あることを特徴とする請求項1記載の青果物包装用フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】高ガス透過度フィルムがポリメチルペンテ
    ン樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1、2記
    載の青果物包装用フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09105752A (ja) * 1995-05-31 1997-04-22 Biomerieux Vitek Inc 試料ホルダー用の改良シーラント
JP2021129534A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 三井化学株式会社 イチゴの保管方法及び包装体

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