JP2023063859A - ガスバリア紙、ガスバリア包装材およびガスバリア包装体 - Google Patents

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裕美子 小島
Yumiko Kojima
純一 神永
Junichi Kaminaga
良樹 越山
Yoshiki Koshiyama
里佳 石井
Rika Ishii
寛之 若林
Hiroyuki Wakabayashi
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Abstract

【課題】紙の特長である折り目保持性を有し、且つ折り曲げ加工後においても十分なガスバリア性を保持するとともに、高いバイオマス度と生分解性を有し、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア紙を提供することを課題とする。【解決手段】紙基材上に少なくともガスバリア層、オーバーコート層がこの順に積層されてなるガスバリア紙であって、前記ガスバリア層が無機蒸着層からなり、前記オーバーコート層がポリ乳酸系材料からなることを特徴とするガスバリア紙である。【選択図】図1

Description

本発明は、高いバイオマス度と生分解性を有し、折り曲げ後のガスバリア性を維持可能なガスバリア紙、ガスバリア包装材およびガスバリア包装体に関する。
食品、飲料、医薬品及び化学品等の多くの分野では、それぞれの内容物に応じた包装材が使用されている。包装材は、内容物の変質の原因となる酸素及び水蒸気等の透過防止性(ガスバリア性)が求められる。特許文献1は、特定の処理が施された熱可塑性樹脂基材フィルムの少なくとも片面上に、ガスバリア性コート層を積層してなるガスバリア性フィルムを開示している。このガスバリア性コート層は、特定の鱗片状シリカとポリビニルアルコール系樹脂とからなる。
ところで、近年、海洋プラスチックごみ問題等に端を発する環境意識の高まりから、脱プラスチックの機運が高まっている。プラスチック材料の使用量削減の観点から、種々の分野において、プラスチック材料の代わりに、紙を使用することが検討されている。包装材を構成する材料の一部をプラスチックフィルムから紙に変更すれば、包装材の分野において、プラスチック材料の使用量を削減することができる。
また、生物由来の原料は、廃棄された包装体が土壌中で分解されることから、石油由来の原料を、生物由来(バイオマス)の原料に置き換えることも検討されている。さらに、地球温暖化を防ぐため、温室効果ガスの排出削減の観点からも、生物由来の原料が検討されている。
紙は折り目保持性(デッドホールド性とも称される。)を有することから、加工がしやすいという特長を有する。従来、紙にガスバリア性を付与する検討もなされている。例えば、特許文献2は、紙又は板紙のコート面に、蒸着アンカー層、蒸着薄膜層、オーバーコート層が順に設けられている防湿紙を開示している。オーバーコート層の一態様として、ポリビニルアルコールと無機層状化合物(例えば、モンモリロナイト、ヘクライト、サポナイト)の混合物からなる層を開示している(特許文献2の段落[0039]参照)。特許文献2の段落[0027]の記載によれば、この防湿紙はコピー用紙の梱包紙又はたばこの紙製包装袋(ソフトタイプ)もしくは紙製箱(ボックスタイプ)として好適に使用できる。
また、特許文献3は、生分解性を有するバリア材料を用い、紙基材に、水蒸気バリア層、ガスバリア層、ポリ乳酸などの生分解性樹脂を設けた、バイオマス度の高いバリア紙を開示している。
特開2005-138289号公報 特開2004-204366号公報 特開2020-157757号公報
しかし、特許文献2に記載の防湿紙を、鋭角な折り目がある包装(例えば、ピロー包装、三方シール包装及びガゼット包装)に適用した場合、蒸着薄膜層及びオーバーコート層にクラックが生じてガスバリア性が低下する点において改善の余地がある。これに加え、紙は水分を吸収すると伸びる性質があるため、この伸びにオーバーコート層が十分に追従できず、ガスバリア性が低下し得る。
また、特許文献3では、水蒸気バリア層、ガスバリア層に石油由来の原料を用いているが、より高いバリア性を発現するには、水蒸気バリア層、ガスバリア層の厚みを増やす必要があり、バイオマス度は低下する。また、平板状無機層状化合物の迷路効果によってバリア性を出しているが、硬い成分の無機層状化合物が多いと、柔軟性にかけ折り曲げ後のバリア性低下が大きく、内容物の長期保存には向かない。
本発明は上記の問題を鑑み、紙の特長である折り目保持性を有し、且つ折り曲げ加工後においても十分なガスバリア性を保持するとともに、高いバイオマス度と生分解性を有し、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア紙を提供することを課題とする。
本発明に於いて上記課題を解決するために、本発明の第一の態様は、
紙基材上に少なくともガスバリア層、オーバーコート層がこの順に積層されてなるガスバリア紙であって、
前記ガスバリア層が無機蒸着層からなり、前記オーバーコート層がポリ乳酸系材料からなることを特徴とするガスバリア紙である。
また、本発明の第二の態様は、
前記ガスバリア紙のバイオマス度が、全質量の75質量%以上であってよい。
また、本発明の第三の態様は、
前記オーバーコート層の厚みが1μm以上であってよい。
また、本発明の第四の態様は、
前記紙基材とガスバリア層の間に、アンカーコート層を有してもよい。
また、本発明の第五の態様は、
請求項1~4のいずれかに記載のガスバリア紙を含む包装材料、袋、紙器、段ボール、紙カップ、軟包材である。
また、本発明の第六の態様は、
折り曲げ部を有する、請求項5に記載の包装体である。
上記手段により、紙の特長である折り目保持性を有し、且つ折り曲げ加工後においても十分なガスバリア性を保持するとともに、高いバイオマス度と生分解性を有し、プラスチック材料の使用量削減に寄与するガスバリア紙を提供することが可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係るガスバリア紙を模式的に示す断面図である。 図2は本発明の一実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<ガスバリア紙>
図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア紙を模式的に示す断面図である。この図に示すように、本実施形態に係るガスバリア紙10は、紙基材1と、クレーコート層2と、アンカーコート層3と、ガスバリア層4と、オーバーコート層5とをこの順序で備える積層構造を有する。ガスバリア層4は無機蒸着層からなり、オーバーコート層5はポリ乳酸系材料からなる。
(紙基材)
紙基材1としては特に限定されるものではなく、ガスバリア紙10が適用される包装材の用途に応じて適宜選択すればよい。紙基材1の具体例として、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙及びクラフト紙、グラシン紙が挙げられる。紙基材1の厚さ(単位面積あたりの質量)は、例えば、20~500g/m2又は25~400g/m2の範囲であればよい。
紙基材1には、アンカーコート層3と接する側にクレーコート層2を設けてあってもよい。クレーコート層2を設けることで、紙の繊維の凸凹を埋める目止めの役割を果たすだけでなく、アンカーコート層3の染み込みを防ぐことができき、アンカーコート層3を欠陥なく均一に製膜することができる。クレーコート層2には、例えば、バインダー樹脂として、スチレン-ブタジエン系、スチレン-アクリル系、エチレン-酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を用い、填料としてカオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
(アンカーコート層)
アンカーコート層3は、紙基材1の表面上に設けられ、紙基材1とガスバリア層4(以後、無機蒸着層とよぶ)との間の密着性能向上を目的としたものである。これに加え、アンカーコート層3は、無機蒸着層4が形成される面を平滑にすることで無機蒸着層4が欠陥なく均一に製膜され、ガスバリア性が得られやすい。アンカーコート層3は、柔軟性に優れ、蒸着層との密着性を向上させ、さらにバリア性に優れる、PVA系樹脂やポリオレフィン系樹脂が好ましい。
アンカーコート層3は紙基材1の表面上にコーティング液を塗布する工程を経て形成される。塗布方法としては、通常用いられるキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等の従来公知の方法を用いることが可能である。コーティング液の塗布によって形成された塗膜を加熱乾燥させることでアンカーコート層2が形成される。アンカーコート層2の厚さは、例えば、0.01μm~10μm程度である。
(ガスバリア層)
ガスバリア層4は金属又は無機化合物を蒸着した層である。ガスバリア性の高い材料として酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素素(SiOx)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化マグネシウム(MgO)又はインジウム-スズ酸化物(ITO)などを用いることができる。材料コスト、バリア性能及び透明性の点から、ガスバリア層4を構成する材料は酸化アルミニウム又は酸化ケイ素が好ましい。ガスバリア層4はアルミニウムを蒸着して形成されたものであってもよい。
ガスバリア層4の厚さは使用用途によって適宜設定すればよいが、好ましくは10~300nmであり、より好ましくは20~200nmである。ガスバリア層4の厚さを10nm以上とすることでガスバリア層4の連続性を十分なものとしやすく、他方、300nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
ガスバリア層4は、真空成膜手段によって成膜できる。酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御し易いことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
(オーバーコート層)
オーバーコート層5はポリ乳酸系材料からなる。ポリ乳酸系材料は、ガスバリア層4のオーバーコートとして用いられ、ガスバリア層4の保護機能に加え、ヒートシール性を有することで、従来のガスバリア紙に欠けていた折り曲げ加工後のガスバリア性低下を改善した。
ポリ乳酸系材料は、疎水性が高いため(極性基が少ない)、水蒸気を通しにくく、また柔軟性に優れ、ガスバリア層4の上にコートすることにより、蒸着のクラックに染み込むことで、蒸着層の割れを防止する効果があり、折り曲げ加工後のガスバリア性を向上することができる。また、オーバーコート層5は、ヒートシール層としての役割も兼ねることができるため、ヒートシール層を別途設けなくともよい。
オーバーコート層5は、乾燥後塗布量で1μm以上有することで、ガスバリア性とヒートシール性の両方を付与できる。厚くするほど、割れやすいガスバリア層4が中立点に位置するため、折り曲げ加工後のガスバリア層4の割れが低減しやすい(ただし、厚くしすぎるとコストに影響する)。また、オーバーコート層5のポリ乳酸系材料に水系のものを用いると、製造時の環境負荷が少なくなるので好ましい。
オーバーコート層5を設ける方法としては、ガスバリア層4上に上述したポリ乳酸系材料及び溶媒を含む塗液をコートし、乾燥させることで得ることができる。その他の方法として、ポリ乳酸系材料を押出し成形で積層することも可能だが、押出成形では蒸着のクラックを埋めることができず、蒸着の保護効果が失われるため、押出成形ではなく、塗液をコートすることで設けることが望ましい。
<包装材>
本発明のガスバリア紙を用いて、包装材料、袋、紙器、段ボール、紙カップ、軟包材を作製することが可能である。これらの包装材20は、折り曲げ加工後においても十分なガスバリア性を保持するとともに、高いバイオマス度と生分解性を有し、プラスチック材料の使用量削減に寄与する。
<包装体>
図2は、本発明の包装材20からなる包装体50を示す斜視図である。図は、包装体50の一例として、ガゼット袋を示す。ガゼット袋50に内容物(不図示)を封入した後、上部の開口部51をシールすることで包装体50が製造される。ガゼット袋50は、包装材20が折り曲げられている箇所(折り曲げ部B1,B2)を有する。折り曲げ部B1は、最内層側から見て包装材20が谷折りされている箇所であり、他方、折り曲げ部B2は、最内層側から見て包装材20が山折りされている箇所である。
ガゼット袋50は、折り曲げられた後においても十分なガスバリア性を維持できるガスバリア紙10を含んでいる。このため、内容物の変質を十分に長期にわたって抑制するこ
とができる。また、プラスチック材料で全体が構成された容器と比較して、プラスチック材料の使用量を削減できる。本実施形態に係る包装体は、内容物が要冷蔵又は要冷凍のものであってもよい。低温の内容物によって包装体の表面に結露が生じて紙基材1が吸湿した後においても、包装材20は十分なガスバリア性を有する。包装体の一例として、ガゼット袋を挙げたが、本開示に係る包装材を使用して、例えば、ピロー袋、三方シール袋又はスタンディングパウチを作製してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<ガスバリア紙の作製>
(実施例1)
クレーコート層の塗工:紙基材(コート紙、50g/m2)の表面上に、スチレン-ブタジエンラテックスおよびカオリンを100/100で混合した塗工液を塗工し、オーブンで乾燥させてクレーコート層を形成した。塗工後のクレーコート層の厚みは、12g/m2であった。
アンカーコート層の塗工:クレーコート層の上に、PVA水溶液(クラレ製ポバール5-98を使用)を塗工し、オーブンで乾燥させてアンカーコート層を形成した。塗工後のアンカーコート層の厚みは、3g/m2であった。
ガスバリア層(無機蒸着層):クレーコート層の上に、真空蒸着法でAl蒸着を施した。膜厚は50nmとした。
オーバーコート層の塗工:無機蒸着層上に、ランディPL-3000(ミヨシ油脂製)を塗工し、オーブンで乾燥させてオーバーコート層を形成した。塗工後のオーバーコート層の厚みは、3μmであった。上記操作を行い、実施例1のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、77.3%であった。
(実施例2)
オーバーコート層の厚みを、10μmで形成した以外は、実施例1と同様の操作によって実施例2のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、79.6%であった。
(実施例3)
オーバーコート層の厚みを、1μmで形成した以外は、実施例1と同様の操作によって実施例3のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、76.6%であった。
(比較例1)
オーバーコート層の厚みを、0.5g/m2で形成した以外は、実施例1と同様の操作によって比較例1のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、76.0%であった。
(比較例2)
アンカーコート層を設けない以外は、実施例1と同様の操作によって比較例2のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、81.6%であった。
(比較例3)
オーバーコート層を、ケミパールS100(三井化学製;ポリオレフィン系エマルジョン)とした以外は、実施例1と同様の操作によって比較例3のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、72.9%であった。
(比較例4)
オーバーコート層を、ポリ乳酸系材料を押し出して形成した以外は、実施例1と同様の
操作によって比較例5のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、83.1%であった。
(比較例5)
クレーコート層は、平板状カオリン(イメリス社バリサーフHX)を用いて形成し、アンカーコート層は、PVA水溶液(クラレ製ポバール5-98を使用)と平板状カオリンを100/100で混合した塗工液で塗工して形成した。また、無機蒸着層は設けなかった。その他は実施例1と同様の操作によって比較例6のガスバリア紙を得た。全体のバイオマス度は、77.3%であった。
<評価方法>
(水蒸気透過度の測定)
実施例及び比較例に係るガスバリア紙の水蒸気透過度(初期透過度)をMOCON法で測定した。測定条件は、温度40℃、相対湿度90%とした。600gのローラーを300mm/分の速さで転がしながら、ガスバリア紙に折り目を付け、開いた後のガスバリア紙の水蒸気透過度(折り曲げ後透過度)も同様に測定した。なお、表1に結果を単位[g/m2・day]で表記した。
(ヒートシール強度の測定)
2枚のガスバリア紙をオーバーコート層5が向かい合うように合わせ、温度120℃、圧力0.2MPa、1秒の条件にてヒートシールバーで熱圧着させた。熱圧着部を15mm巾に切り出し、引張試験機でT字剥離したときの強度を記録した。剥離速度は、300mm/分とした。表1に結果を単位[N/15mm]で表記した。
Figure 2023063859000002
<評価内容>
(実施例1)
バイオマス度、初期および折り曲げ後のガスバリア性、ヒートシール強度に優れる。
(実施例2)
オーバーコート層を増やしたことにより、ガスバリア性、ヒートシール性が向上。とりわけ、割れやすいガスバリア層(無機蒸着層)が中立点に位置することで折り曲げ後のガスバリア性低下が小さい
(実施例3)
オーバーコート層が1μmあれば、包材として必要なヒートシール強度(>2.0)が得られる。
(比較例1)
オーバーコート層が薄いと、ヒートシール強度が得られない(<2.0)。
(比較例2)
アンカーコートがないと、蒸着が平滑に積もらず、初期ガスバリア性が劣る。また、蒸着の保護機能も少なくなり、折り曲げ後のガスバリア性も劣る。
(比較例3)
石油由来のオーバーコート層。
(比較例4)
オーバーコート層を押し出し樹脂で形成した。無機蒸着層の保護機能がなく、初期ガスバリア性に劣る。厚みが厚い分、バイオマス度は高くなるがコストも高くなる。
(比較例5)
蒸着なしでガスバリアを発現させる構成では、平板状カオリンが硬いため、折り曲げ後のガスバリア性が劣る。
表を見てわかるように、実施例の構成では、バイオマス度75%以上で、折り曲げ後のガスバリア性およびヒートシール強度に優れることがわかった。
1・・・紙基材
2・・・クレーコート層
3・・・アンカーコート層
4・・・ガスバリア層(無機蒸着層)
5・・・オーバーコート層
10・・・ガスバリア紙
20・・・ガスバリア紙を用いた包装材
50・・・包装体
B1,B2・・・折り曲げ部

Claims (6)

  1. 紙基材上に少なくともガスバリア層、オーバーコート層がこの順に積層されてなるガスバリア紙であって、
    前記ガスバリア層が無機蒸着層からなり、前記オーバーコート層がポリ乳酸系材料からなることを特徴とするガスバリア紙。
  2. 前記ガスバリア紙のバイオマス度が、全質量の75質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア紙。
  3. 前記オーバーコート層の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア紙。
  4. 前記紙基材とガスバリア層の間に、アンカーコート層を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガスバリア紙。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のガスバリア紙を含む包装材料、袋、紙器、段ボール、紙カップ、軟包材。
  6. 折り曲げ部を有する、請求項5に記載の包装体。
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