JPH0621926Y2 - 道路用コンクリート等のカッター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンクリート舗装やアスファルト舗装した道路
を補修その他の理由により切断する際に使用する道路用
コンクリート等のカッター（以下、コンクリートカッタ
ーという）に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の道路用のコンクリートカッターは、第３図に示す
ように、四隅に車輪ｗを取付けた台車11の一側にフレー
ム12を枢着し、該フレーム12に回転刃13，エンジンＥ及
びハンドルＨを取付け、切断作業を行なう際は、油圧又
はスプリング等の作用によりフレーム12の台車11との枢
着軸を軸として下方へ回転させ、回転刃13を路面Ｒに当
てると共にエンジンＥを駆動することにより、コンクリ
ート道路を切断するようになっていて、不使用状態にお
いては、実線図示のようにフレーム12が上方に持ち上げ
られている。尚、従来のカッターには第３図に示したカ
ッターのフレーム12を台車11の中間部に枢着したものも
あるが、機能的には第３図に示したカッターと同じであ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕 然し乍ら、上記従来のカッターは、回転刃13を駆動する
ためのエンジンＥが回転刃13を路面Ｒから逃した状態に
おいては斜めに傾いているため、該エンジンＥ内の油面
Ｅ_ｏが下方に偏在する形となるので、エンジンＥ内の油
に浸されていなければならない部分に油が供給されず、
駆動時にエンジンＥが焼付くなどのエンジントラブルを
起こすという問題点があった。

従って、本考案が解決しようとする課題は、エンジンを
常に水平に保持して、上記のような故障の起こらない道
路用コンクリートカッターを開発することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記の課題を解決することを目的としてなされ
たもので、その構成は、台車上に、平行リンク部材を介
して台板を水平姿勢を保持しながら昇降可能に載設する
と共に、該台板に、コンクリート等切断用の回転刃及び
該回転刃を駆動するエンジンを装着する一方、前記台板
を昇降させる方向に伸縮しかつ適宜高さに固定するため
油圧，スプリング，ネジ等による伸縮部材を、前記台車
と台板の間に前記リンク部材を介し又は介さないで取付
けて成ることを特徴とするものである。

〔考案の作用〕

即ち、本考案道路用コンクリートカッターは、コンクリ
ート切断用の回転刃及びこれを駆動するエンジンを装着
した台板を台車上に間に平行リンク部材を介して水平昇
降自在に取付け、前記平行リンク等を油圧又はスプリン
グの作用により操作することによって、前記台板を水平
姿勢を保持させ乍ら昇降させると共に適宜の高さに固定
できるようにしたから、エンジンが傾くことなく回転刃
を駆動できるので、エンジンオイルの偏差により生じる
エンジントラブルを防止できる。

〔実施例〕

次に本考案の実施の一例を図により説明する。

１は矩形状で四隅に車輪ｗを取付けた台車、２はコンク
リート切断用の回転刃３及び該回転刃３を駆動するエン
ジンＥを装着した台板、４，５は同長で中央部において
枢着し、その二組を台車１と台板２の間に介在させたリ
ンク部材で、リンク部材４，４はその下端を台車１の後
部両側に枢着すると共にそれらの上端を台板２の前部裏
面に連設した案内溝７に摺動自在に嵌合し、一方、リン
ク部材５，５はそれらの上端を台板２の後部両側に枢着
すると共にそれらの下端を台車１の前部両側に連設した
案内溝６に摺動自在に嵌合してある。８は対向するリン
ク部材４，４の中央部よりやや下位に架設した連結杆、
９は前記リンク部材５，５の下端部辺に架設した油圧シ
リンダの取付杆で、油圧シリンダＣを枢着し、該油圧シ
リンダＣのロッドCRの先端部を前記連結杆８に枢着して
あり、以上により本考案の一例を構成する。尚、図中、
Ｈは回転刃３を操作するハンドルである。

上記のように構成される本考案道路用カッターは、これ
を図示の状態で切断すべきコンクリート道路に配置さ
せ、油圧シリンダＣを駆動してそのロッドCRを伸長すれ
ば、リンク部材５，５はそれらの下端側が押されて下端
部が案内溝６内を外方へ摺動する一方、リンク部材４，
４の上端部は案内溝７内を外方へ摺動して、台板２は水
平状態を保ったまま次第に下降し、第２図図示のように
台板２が所望の高さになったところで油圧シリンダＣの
駆動を止め、エンジンＥを駆動しながらハンドルＨを操
作してコンクリート道路を切断するのであるが、エンジ
ンＥは水平状態のまま台板２と一体に下降するので、エ
ンジンオイルは偏在せず、従って、エンジンオイルの偏
在に起因するエンジントラブルの生じるおそれはない
し、また、切断深さも従来のものより深くすることが出
来る。

而して、切断作業が終わったら、油圧シリンダＣを前と
は逆にロッドCRが縮小するように駆動すれば、リンク部
材５，５の下端側が案内溝６内を内方へ摺動する一方、
リンク部材４，４の上端部は案内溝７内を内方へ摺動し
て、台板２は水平状態を保ったまま上昇し、第１図図示
の状態の高さになったところで油圧シリンダＣの駆動を
停止すれば良い。

尚、上記例の油圧シリンダに代え、送りネジを使用した
り、或いは、リンク部材４，５の上端間又は下端間に引
張スプリングを張架し、このスプリングによりリンク部
材４，５の上部又は下部間同志が互いに引き寄せられる
力を常時付勢するようにしても良い。このようにする
と、ハンドルＨの上下動はスプリングの力を利用して人
力により軽く行なうことが出来る。

また、リンク部材４，５の台車１と台板２に対する枢着
位置や摺動自在の嵌合位置は、上記例とは逆でも良く、
更に、連結杆８と取付板９の位置もリンク部材４，５に
対し、任意の位置に設定することが出来る。

〔考案の効果〕

本考案道路用コンクリートカッターは上述の通りであっ
て、エンジン及びコンクリート切断用の回転刃を装着し
た台板を水平状態を保持したまま下降，上昇させるよう
にしたから、切断作業時にエンジンを傾けなければなら
なかった従来のカッターがエンジンの傾斜により生じて
いたエンジントラブルを生じることがないので、常に安
定した切断作業を行なうことが出来るばかりでなく、切
断深さも深くすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は台板を下降途中の状態の側面
図、第３図は従来のカッターの構成を説明する図であ
る。 １……台車、２……台板、３……回転刃、４，５……リ
ンク部材、６，７……案内溝、８……連結杆、９……油
圧シリンダ取付杆 Ｅ……エンジン、Ｃ……油圧シリンダ、CR……油圧シリ
ンダのロッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台車上に、平行リンク部材を介して台板を
   水平姿勢を保持しながら昇降可能に載設すると共に、該
   台板に、コンクリート等切断用の回転刃及び該回転刃を
   駆動するエンジンを装着する一方、前記台板を昇降させ
   る方向に伸縮しかつ適宜高さに固定するため油圧，スプ
   リング，ネジ等による伸縮部材を、前記台車と台板の間
   に前記リンク部材を介し又は介さないで取付けて成るこ
   とを特徴とする道路用コンクリート等のカッター。