JPH06219175A - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JPH06219175A
JPH06219175A JP812193A JP812193A JPH06219175A JP H06219175 A JPH06219175 A JP H06219175A JP 812193 A JP812193 A JP 812193A JP 812193 A JP812193 A JP 812193A JP H06219175 A JPH06219175 A JP H06219175A
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differential
vehicle
force
characteristic curve
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Yuji Shitani
有司 志谷
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 数多くの制御マップ群を設ける必要なしに、
所定状態の変化に応じた的確な差動制限特性を得ること
ができる車両の差動制限装置を提供する。 【構成】 左右の車輪間もしくは前後の車軸間の差動を
各々の差動回転数に応じて制限する車両の差動制限装置
において、差動低回転時から急激に差動制限力Lcを高
める第1の差動制限特性曲線を有する第1制御マップ
と、差動低回転時から差動高回転時に至るまでなだらか
に差動制限力Lcを高める第2の差動制限特性曲線を有
する第2制御マップとを備え、所定状態に応じてこれら
両制御マップを使い分けるか、もしくは、上記両制御マ
ップの各差動制限特性曲線を所定状態に応じた重み付け
で組み合わせて差動制限力Lcを演算し、この演算値に
基づいて差動制限力を制御する制御手段が設けられてい
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の差動制限装
置、特に、左右の車輪間もしくは前後の車軸間の差動を
各々の差動回転数に応じて制限する差動制限装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば自動車等の車両で
は、エンジンの出力を車輪側に伝達するに際して、例え
ば車両旋回時など、車輪軌跡差に起因して各車輪に回転
速度差が生じる場合においても、タイヤスリップの発生
防止を図り、車両の操縦性を十分に確保することができ
るように、エンジンから各車輪側に至る動力伝達系の途
中に、差動作用によって回転速度差を機構的に吸収し得
る差動装置(デファレンシャル装置)が設けられている。
すなわち、前輪駆動車にあっては左右の前輪間の、ま
た、後輪駆動車にあっては左右の後輪間の回転速度差を
それぞれ吸収するために、前輪用または後輪用の差動装
置(所謂、フロントデフまたはリヤデフ)が設けられ、更
に、4輪駆動車にあっては、上記左右の車輪間の差動装
置に加えて、前輪側と後輪側との間にも差動装置(所
謂、センタデフ)が設けられる。
【0003】また、各車輪へのトルク伝達を適正に行う
ために上記差動装置による差動を制限する差動制限装置
として、差動回転数に応じて差動制限力を制御するよう
にしたものが知られている。例えば、特開平1−101
229号公報では、前輪側と後輪側へのトルク配分をク
ラッチの締結力の増減によって変えるようにし、旋回状
態が比較的多い低車速域では、差動回転数がある程度上
昇しても差動を余り制限せずに所謂タイトコーナブレー
キ現象の防止を図る一方、走破性が求められる高車速域
では、クラッチ締結力を高めて差動を制限し、全車輪に
駆動力(トルク)が伝達されるようにしたものが開示され
ている。
【0004】この従来の差動制限装置は、前後の車軸間
での伝達トルク(換言すれば差動制限装置のロック力)と
前後輪の差動回転数との関係を規定する直線状の差動制
限特性ラインを有する制御マップを備え、車速をパラメ
ータとして、この制御マップにおける特性ライン(直線)
の傾きを、車速が大きくなるにつれてロック力が大きく
なるように徐々に変化させ得るようにしたもので、通常
走行時における走破性を確保した上で、低車速で旋回す
る際における所謂タイトコーナブレーキ現象の防止を図
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば路面
摩擦係数が大きい所謂高μ路や悪路等を走行する場合な
ど、より一層高い走破性が要求される場合には、差動回
転数がある程度低い領域でもクラッチ締結力を高めてロ
ック力を大きくするのが望ましい。また、例えば路面摩
擦係数が小さい所謂低μ路走行時や高速走行時など、よ
り一層高い走行安定性が求められる場合には、差動回転
数の変化に対して上記ロック力の変化ができるだけなだ
らかであることが望ましい。しかしながら、上記従来の
差動制限装置では、差動制限特性ラインは直線状に設定
されており、単に、この直線の傾きを車速に応じて変化
させるだけでは、上記のような相反する二つの要求に対
して的確に応えることができなかった。
【0006】また、車両の走行状態やドライバの運転操
作状態あるいは車両を取り巻く交通状態(例えば、路面
の滑り易さや道路事情等)など、種々の状態の変化に対
して上記ような相反する二つの要求を同時に満たそうと
すれば、従来では、個々の状態変化に対して適合する差
動制限特性曲線をそれぞれ設定するとともに、これら特
性曲線を各々有する多数の制御マップ群を設け、これら
を当該状態に応じて切換制御することが考えられる。し
かしながら、この場合には、上記多数の制御マップ群を
メモリし、これらを必要に応じて呼び出し、更に状態に
応じて切換制御するために、処理能力が十分に高い制御
装置が必要とされ、また、そのメモリ容量が肥大化する
という難点があった。
【0007】この発明は、上記諸問題に鑑みてなされた
もので、数多くの制御マップ群を設ける必要なしに、所
定状態の変化に応じた的確な差動制限特性を得ることが
できる車両の差動制限装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、左右の車輪間もしくは前後の車軸間の差動を各
々の差動回転数に応じて制限する車両の差動制限装置に
おいて、該差動制限装置には、差動低回転時から急激に
差動制限力を高める第1の差動制限特性曲線を有する第
1制御マップと、差動低回転時から差動高回転時に至る
までなだらかに差動制限力を高める第2の差動制限特性
曲線を有する第2制御マップとを備えるとともに、所定
状態に応じてこれら両制御マップを使い分ける制御手段
が設けられているようにしたものである。
【0009】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明に係る車両の差動制限装置において、上記所定状態が
車両の走行状態であることを特徴としたものである。
【0010】更に、本願の第3の発明は、上記第2の発
明に係る車両の差動制限装置において、上記車両の定常
走行時には上記第2制御マップに基づいて差動制限力が
制御される一方、非定常走行時には上記第1制御マップ
に基づいて差動制限力が制御されることを特徴としたも
のである。
【0011】また、更に、本願の第4の発明は、上記第
2の発明に係る車両の差動制限装置において、上記車両
の高速走行時には上記第2制御マップに基づいて差動制
限力が制御される一方、低速走行時には上記第1制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御されることを特徴とし
たものである。
【0012】また、更に、本願の第5の発明は、上記第
2の発明に係る車両の差動制限装置において、上記車両
のエンジン出力が比較的小さい場合には上記第2制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御される一方、上記エン
ジン出力が比較的大きい場合には上記第1制御マップに
基づいて差動制限力が制御されることを特徴としたもの
である。
【0013】また、更に、本願の第6の発明は、上記第
2の発明に係る車両の差動制限装置において、上記車両
の降坂走行時には上記第2制御マップに基づいて差動制
限力が制御される一方、登坂走行時には上記第1制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御されることを特徴とし
たものである。
【0014】また、更に、本願の第7の発明は、上記第
1の発明に係る車両の差動制限装置において、上記所定
状態がドライバの運転操作状態であることを特徴とした
ものである。
【0015】また、更に、本願の第8の発明は、上記第
7の発明に係る車両の差動制限装置において、上記ドラ
イバのハンドル操舵量が比較的大きい場合には上記第2
制御マップに基づいて差動制限力が制御される一方、上
記ハンドル操舵量が比較的小さい場合には上記第1制御
マップに基づいて差動制限力が制御されることを特徴と
したものである。
【0016】また、更に、本願の第9の発明は、上記第
7の発明に係る車両の差動制限装置において、上記車両
の変速機の変速段位が高速段の場合には上記第2制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御される一方、上記変速
段位が低速段の場合には上記第1制御マップに基づいて
差動制限力が制御されることを特徴としたものである。
【0017】また、更に、本願の第10の発明は、上記
第7の発明に係る車両の差動制限装置において、上記ド
ライバのアクセル踏み込み量の変化率が小さい場合には
上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制御される
一方、上記アクセル踏み込み量の変化率が大きい場合に
は上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御され
ることを特徴としたものである。
【0018】また、更に、本願の第11の発明は、上記
第7の発明に係る車両の差動制限装置において、上記車
両の変速機の操作頻度が少ない場合には上記第2制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御される一方、上記変速
機の操作頻度が多い場合には上記第1制御マップに基づ
いて差動制限力が制御されることを特徴としたものであ
る。
【0019】また、更に、本願の第12の発明は、上記
第1の発明に係る車両の差動制限装置において、上記所
定状態が交通状態であることを特徴としたものである。
【0020】また、更に、本願の第13の発明は、上記
第12の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
車両が走行する道路の渋滞度が大の場合には上記第2制
御マップに基づいて差動制限力が制御される一方、上記
渋滞度が小の場合には上記第1制御マップに基づいて差
動制限力が制御されることを特徴としたものである。
【0021】また、更に、本願の第14の発明は、上記
第12の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
車両が走行する道路の路面摩擦係数が小さい場合には上
記第2制御マップに基づいて差動制限力が制御される一
方、上記路面摩擦係数が大きい場合には上記第1制御マ
ップに基づいて差動制限力が制御されることを特徴とし
たものである。
【0022】また、更に、本願の第15の発明は、上記
第1の発明に係る車両の差動制限装置において、上記第
1および第2制御マップの使い分けが、種類の異なる複
数の状態量に応じて行なわれることを特徴としたもので
ある。
【0023】また、本願の第16の発明は、左右の車輪
間もしくは前後の車軸間の差動を各々の差動回転数に応
じて制限する車両の差動制限装置において、該差動制限
装置には、差動低回転時から急激に差動制限力を高める
第1の差動制限特性曲線を有する第1制御マップと、差
動低回転時から差動高回転時に至るまでなだらかに差動
制限力を高める第2の差動制限特性曲線を有する第2制
御マップとを備えるとともに、これら両制御マップの上
記各差動制限特性曲線を所定状態に応じた重み付けで組
み合わせて差動制限力を演算し、この演算値に基づいて
差動制限力を制御する制御手段が設けられているように
したものである。
【0024】また、本願の第17の発明は、上記第16
の発明に係る車両の差動制限装置において、上記所定状
態が車両の走行状態であることを特徴としたものであ
る。
【0025】更に、本願の第18の発明は、上記第17
の発明に係る車両の差動制限装置において、上記両差動
制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両の定常
走行時には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高
くなるように重み付けされる一方、非定常走行時には上
記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように
重み付けされることを特徴としたものである。
【0026】また、更に、本願の第19の発明は、上記
第17の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
の高速走行時には上記第2の差動制限特性曲線のウエイ
トが高くなるように重み付けされる一方、低速走行時に
は上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるよ
うに重み付けされることを特徴としたものである。
【0027】また、更に、本願の第20の発明は、上記
第17の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
のエンジン出力が比較的小さい場合には上記第2の差動
制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
る一方、上記エンジン出力が比較的大きい場合には上記
第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重
み付けされることを特徴としたものである。
【0028】また、更に、本願の第21の発明は、上記
第17の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
の降坂走行時には上記第2の差動制限特性曲線のウエイ
トが高くなるように重み付けされる一方、登坂走行時に
は上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるよ
うに重み付けされることを特徴としたものである。
【0029】また、更に、本願の第22の発明は、上記
第16の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
所定状態がドライバの運転操作状態であることを特徴と
したものである。
【0030】また、更に、本願の第23の発明は、上記
第22の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記ドラ
イバのハンドル操舵量が比較的大きい場合には上記第2
の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付
けされる一方、上記ハンドル操舵量が比較的小さい場合
には上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなる
ように重み付けされることを特徴としたものである。
【0031】また、更に、本願の第24の発明は、上記
第22の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
の変速機の変速段位が高速段の場合には上記第2の差動
制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
る一方、上記変速段位が低速段の場合には上記第1の差
動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けさ
れることを特徴としたものである。
【0032】また、更に、本願の第25の発明は、上記
第22の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組みわせるに際して、上記ドライ
バのアクセル踏み込み量の変化率が小さい場合には上記
第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重
み付けされる一方、上記アクセル踏み込み量の変化率が
大きい場合には上記第1の差動制限特性曲線のウエイト
が高くなるように重み付けされることを特徴としたもの
である。
【0033】また、更に、本願の第26の発明は、上記
第22の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
の変速機の操作頻度が少ない場合には上記第2の差動制
限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされる
一方、上記変速操作頻度が多い場合には上記第1の差動
制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
ることを特徴としたものである。
【0034】また、更に、本願の第27の発明は、上記
第16の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
所定状態が交通状態であることを特徴としたものであ
る。
【0035】また、更に、本願の第28の発明は、上記
第27の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
が走行する道路の渋滞度が大の場合には上記第2の差動
制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
る一方、上記渋滞度が小の場合には上記第1の差動制限
特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるこ
とを特徴としたものである。
【0036】また、更に、本願の第29の発明は、上記
第27の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
両差動制限特性曲線を組み合わせるに際して、上記車両
が走行する道路の路面摩擦係数が小さい場合には上記第
2の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み
付けされる一方、上記路面摩擦係数が大きい場合には上
記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように
重み付けされることを特徴としたものである。
【0037】また、更に、本願の第30の発明は、上記
第16の発明に係る車両の差動制限装置において、上記
第1および第2の両差動制限特性曲線の組み合わせが、
種類の異なる複数の状態量に応じて行なわれることを特
徴としたものである。
【0038】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記各差動
制限特性曲線をそれぞれ有する二つの制御マップを備え
るようにしたので、例えば路面摩擦係数が大きい所謂高
μ路や悪路等を走行する場合など、より一層高い走破性
が要求される場合には、少しの差動回転でもクラッチ締
結力を高めて差動制限力を(つまりデフロックのロック
力を)大きくすることができ、また、例えば路面摩擦係
数が小さい所謂低μ路走行時や高速走行時など、より一
層高い走行安定性が求められる場合には、差動回転数の
変化に対して上記ロック力をできるだけなだらかに変化
させることができる。すなわち、走破性と走行安定性と
いう相反する二つの要求に対して的確に応えることがで
きる。また、上記二つの制御マップを所定状態に応じて
使い分けるようにしたので、数多くの制御マップを設け
る必要なしに、車両の走行状態やドライバの操作状態あ
るいは車両を取り巻く交通状態(例えば、路面の滑り易
さや道路事情等)など、種々の状態の変化に対して、走
破性と走行安定性という相反する二つの要求を同時に満
たすことが可能になる。この場合において、数多くの差
動制限特性曲線を有する制御マップ群をメモリし、ま
た、状態変化等に応じてこれらを呼び出し切換制御する
必要はなく、制御装置に必要とされるの処理能力やメモ
リ容量の肥大化を招くことはない。
【0039】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。そして、特に、車両の走行状態に応じて上記二つの
制御マップを使い分けるようにしたので、例えば、定常
走行とオフロード等の非定常走行,車速,エンジン出力あ
るいは坂の登りや下りなどの車両の走行状態の変化に対
して、走破性と走行安定性という相反する二つの要求を
同時に満たすことができるようになる。
【0040】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第2の発明と同様の効果を奏することがで
き、特に、定常走行か非定常走行かに応じて、例えば市
街地等の通常路を走行するオンロードなどの定常走行時
には、上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制御
されるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、例えばオフロード等の悪路を走行する非定常走行時
には、上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御
されるので、より高い走破性を得ることができる。
【0041】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第2の発明と同様の効果を奏すること
ができ、特に、車速に応じて、高速走行時には、上記第
2制御マップに基づいて差動制限力が制御されるので、
より高い走行安定性を得ることができ、一方、低速走行
時には、上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制
御されるので、より高い走破性を得ることができる。
【0042】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第2の発明と同様の効果を奏すること
ができ、特に、エンジン出力に応じて、出力が比較的小
さく走破性の要求が低い場合には、上記第2制御マップ
に基づいて差動制限力が制御されるので、より高い走行
安定性を得ることができ、一方、エンジン出力が比較的
大きく走破性が要求される場合には、上記第1制御マッ
プに基づいて差動制限力が制御されるので、より高い走
破性を得ることができる。
【0043】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第2の発明と同様の効果を奏すること
ができ、特に、走行する道路の登り下りに応じて、走破
性の要求が低く走行安定性が求められる降坂走行時に
は、上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制御さ
れるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、走破性が要求される登坂走行時には、上記第1制御
マップに基づいて差動制限力が制御されるので、より高
い走破性を得ることができる。
【0044】また、本願の第7の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。そして、特に、ドライバの運転操作状態に応じて上
記二つの制御マップを使い分けるようにしたので、例え
ば、ハンドル操舵量,アクセル踏み込み量の変化率,ある
いは変速機の変速段位や操作頻度などのドライバの運転
操作状態の変化に対して、走破性と走行安定性という相
反する二つの要求を同時に満たすことができるようにな
る。
【0045】また、更に、本願の第8の発明によれば、
基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏すること
ができ、特に、ドライバのハンドル操舵量に応じて、ハ
ンドル操舵量が比較的大きくコーナリングでの走行安定
性が求められる場合には、上記第2制御マップに基づい
て差動制限力が制御されるので、より高い走行安定性を
得ることができ、一方、ハンドル操舵量が比較的小さい
場合には、上記第1制御マップに基づいて差動制限力が
制御されるので、より高い走破性を得ることができる。
【0046】また、更に、本願の第9の発明によれば、
基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏すること
ができ、特に、変速機の変速操作に(つまり変速段位に)
応じて、高速段での走行時には、上記第2制御マップに
基づいて差動制限力が制御されるので、より高い走行安
定性を得ることができ、一方、低速段での走行時には、
上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御される
ので、より高い走破性を得ることができる。
【0047】また、更に、本願の第10の発明によれ
ば、基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏する
ことができ、特に、ドライバのアクセル踏み込み量の変
化率に(換言すれば車両の加速変化に)応じて、アクセル
踏み込み量の変化率が小さく走破性の要求が低い場合に
は、上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制御さ
れるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、上記踏み込み量の変化率が大きく走破性の要求が高
い場合には、上記第1制御マップに基づいて差動制限力
が制御されるので、より高い走破性を得ることができ
る。
【0048】また、更に、本願の第11の発明によれ
ば、基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏する
ことができ、特に、変速機の操作頻度に応じて、この頻
度が少ない通常走行時には、上記第2制御マップに基づ
いて差動制限力が制御されるので、より高い走行安定性
を得ることができ、一方、例えば峠道を走行する場合な
ど変速操作頻度が多い場合には、上記第1制御マップに
基づいて差動制限力が制御されるので、より高い走破性
を得ることができる。
【0049】また、本願の第12の発明によれば、基本
的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することがで
きる。そして、特に、交通状態に応じて上記二つの制御
マップを使い分けるようにしたので、例えば、道路の渋
滞度や路面摩擦係数などの車両を取り巻く交通状態の変
化に対して、走破性と走行安定性という相反する二つの
要求を同時に満たすことができるようになる。
【0050】また、更に、本願の第13の発明によれ
ば、基本的には、上記第12の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、道路の渋滞度に応じて、渋滞度が
大である場合には、上記第2制御マップに基づいて差動
制限力が制御されるので、より高い走行安定性を得るこ
とができ、一方、渋滞度が小である通常走行時には、上
記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御されるの
で、より高い走破性を得ることができる。
【0051】また、更に、本願の第14の発明によれ
ば、基本的には、上記第12の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、路面の摩擦係数応じて、摩擦係数
が小さく路面が滑り易い場合には、上記第2制御マップ
に基づいて差動制限力が制御されるので、より高い走行
安定性を得ることができ、一方、路面摩擦係数が大きい
場合には、上記第1制御マップに基づいて差動制限力が
制御されるので、より高い走破性を得ることができる。
【0052】また、本願の第15の発明によれば、基本
的には、上記第1の発明と同様の効果を奏することがで
きる。そして、特に、種類の異なる複数の状態量に応じ
て上記二つの制御マップを使い分けるようにしたので、
この複数の状態量の変化に対して、走破性と走行安定性
という相反する二つの要求を同時に満たすことができる
ようになる。
【0053】本願の第16の発明によれば、上記各差動
制限特性曲線をそれぞれ有する二つの制御マップを備え
るようにしたので、例えば路面摩擦係数が大きい所謂高
μ路や悪路等を走行する場合など、より一層高い走破性
が要求される場合には、少しの差動回転でもクラッチ締
結力を高めて差動制限力を(つまりデフロックのロック
力を)大きくすることができ、また、例えば路面摩擦係
数が小さい所謂低μ路走行時や高速走行時など、より一
層高い走行安定性が求められる場合には、差動回転数の
変化に対して上記ロック力をできるだけなだらかに変化
させることができる。すなわち、走破性と走行安定性と
いう相反する二つの要求に対して的確に応えることがで
きる。また、上記二つの差動制限特性曲線を所定状態に
応じた重み付けで組み合わせて差動制限力を演算し、こ
の演算値に基づいて差動制限力を制御するようにしたの
で、数多くの制御マップを設ける必要なしに、車両の走
行状態やドライバの操作状態あるいは車両を取り巻く交
通状態(例えば、路面の滑り易さや道路事情等)など、種
々の状態の変化に対して、よりきめ細かく対応すること
ができ、走破性と走行安定性という相反する二つの要求
を、同時に、かつより的確に満たすことが可能になる。
この場合において、数多くの差動制限特性曲線を有する
制御マップ群をメモリし、また、状態変化等に応じてこ
れらを呼び出し切換制御する必要はなく、制御装置に必
要とされるの処理能力やメモリ容量の肥大化を招くこと
はない。
【0054】また、本願の第17の発明によれば、基本
的には、上記第16の発明と同様の効果を奏することが
できる。そして、特に、車両の走行状態に応じた重み付
けで上記二つの差動制限特性曲線を組み合わせるように
したので、例えば、定常走行とオフロード等の非定常走
行,車速,エンジン出力あるいは坂の登りや下りなどの車
両の走行状態の変化に対して、走破性と走行安定性とい
う相反する二つの要求を、同時に、かつより的確に満た
すことができるようになる。
【0055】更に、本願の第18の発明によれば、基本
的には、上記第17の発明と同様の効果を奏することが
でき、特に、定常走行は非定常走行かに応じて、例えば
市街地等の通常路を走行するオンロードなどの定常走行
時には、上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高く
なるように重み付けされるので、より高い走行安定性を
得ることができ、一方、例えばオフロード等の悪路を走
行する非定常走行時には、上記第1の差動制限特性曲線
のウエイトが高くなるように重み付けされるので、より
高い走破性を得ることができる。
【0056】また、更に、本願の第19の発明によれ
ば、基本的には、上記第17の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、車速に応じて、高速走行時には、
上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるよう
に重み付けされるので、より高い走行安定性を得ること
ができ、一方、低速走行時には、上記第1の差動制限特
性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるの
で、より高い走破性を得ることができる。
【0057】また、更に、本願の第20の発明によれ
ば、基本的には、上記第17の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、エンジン出力に応じて、出力が比
較的小さく走破性の要求が低い場合には、上記第2の差
動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けさ
れるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、エンジン出力が比較的大きく走破性が要求される場
合には、上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高く
なるように重み付けされるので、より高い走破性を得る
ことができる。
【0058】また、更に、本願の第21の発明によれ
ば、基本的には、上記第17の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、走行する道路の登り下りに応じ
て、走破性の要求が低く走行安定性が求められる降坂走
行時には、上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高
くなるように重み付けされるので、より高い走行安定性
を得ることができ、一方、走破性が要求される登坂走行
時には、上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高く
なるように重み付けされるので、より高い走破性を得る
ことができる。
【0059】また、本願の第22の発明によれば、基本
的には、上記第16の発明と同様の効果を奏することが
できる。そして、特に、ドライバの運転操作状態に応じ
た重み付けで上記二つの差動制限特性曲線を組み合わせ
るようにしたので、例えば、ハンドル操舵量,アクセル
踏み込み量の変化率,あるいは変速機の変速段位や操作
頻度などのドライバの運転操作状態の変化に対して、走
破性と走行安定性という相反する二つの要求を同時に満
たすことができるようになる。
【0060】また、更に、本願の第23の発明によれ
ば、基本的には、上記第22の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、ドライバのハンドル操舵量に応じ
て、ハンドル操舵量が比較的大きくコーナリングでの走
行安定性が求められる場合には、上記第2の差動制限特
性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるの
で、より高い走行安定性を得ることができ、一方、ハン
ドル操舵量が比較的小さい場合には、上記第1の差動制
限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされる
ので、より高い走破性を得ることができる。
【0061】また、更に、本願の第24の発明によれ
ば、基本的には、上記第22の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、変速機の変速操作に(つまり変速
段位に)応じて、高速段での走行時には、上記第2の差
動制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けさ
れるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、低速段での走行時には、上記第1の差動制限特性曲
線のウエイトが高くなるように重み付けされるので、よ
り高い走破性を得ることができる。
【0062】また、更に、本願の第25の発明によれ
ば、基本的には、上記第22の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、ドライバのアクセル踏み込み量の
変化率に(換言すれば車両の加速変化に)応じて、アクセ
ル踏み込み量の変化率が小さく走破性の要求が低い場合
には、上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くな
るように重み付けされるので、より高い走行安定性を得
ることができ、一方、上記踏み込み量の変化率が大きく
走破性の要求が高い場合には、上記第1の差動制限特性
曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるので、
より高い走破性を得ることができる。
【0063】また、更に、本願の第26の発明によれ
ば、基本的には、上記第22の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、変速機の操作頻度に応じて、この
頻度が少ない通常走行時には、上記第2の差動制限特性
曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるので、
より高い走行安定性を得ることができ、一方、例えば峠
道を走行する場合など変速操作頻度が多い場合には、上
記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるように
重み付けされるので、より高い走破性を得ることができ
る。
【0064】また、本願の第27の発明によれば、基本
的には、上記第16の発明と同様の効果を奏することが
できる。そして、特に、交通状態に応じた重み付けで上
記二つの差動制限特性曲線を組み合わせるようにしたの
で、例えば、道路の渋滞度や路面摩擦係数などの車両を
取り巻く交通状態の変化に対して、走破性と走行安定性
という相反する二つの要求を、同時に、かつより的確に
満たすことができるようになる。
【0065】また、更に、本願の第28の発明によれ
ば、基本的には、上記第27の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、道路の渋滞度に応じて、渋滞度が
大である場合には、上記第2の差動制限特性曲線のウエ
イトが高くなるように重み付けされるので、より高い走
行安定性を得ることができ、一方、渋滞度が小である通
常走行時には、上記第1の差動制限特性曲線のウエイト
が高くなるように重み付けされるので、より高い走破性
を得ることができる。
【0066】また、更に、本願の第29の発明によれ
ば、基本的には、上記第27の発明と同様の効果を奏す
ることができ、特に、路面の摩擦係数応じて、摩擦係数
が小さく路面が滑り易い場合には、上記第2の差動制限
特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされるの
で、より高い走行安定性を得ることができ、一方、路面
摩擦係数が大きい場合には、上記第1の差動制限特性曲
線のウエイトが高くなるように重み付けされるので、よ
り高い走破性を得ることができる。
【0067】また、本願の第30の発明によれば、基本
的には、上記第16の発明と同様の効果を奏することが
できる。そして、特に、種類の異なる複数の状態量に応
じた重み付けで上記二つの差動制限特性曲線を組み合わ
せるようにしたので、この複数の状態量の変化に対し
て、走破性と走行安定性という相反する二つの要求を、
同時に、かつより的確に満たすことができるようにな
る。
【0068】
【実施例】以下、この発明の実施例を、例えば4輪駆動
タイプの自動車に適用した場合について、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。図1は、本実施例に係る自
動車の駆動力伝達系の全体構成を概略的に表す全体構成
図であるが、この図に示すように、上記自動車では、エ
ンジン10の出力側に連結されたトランスミッション1
1にトランスファ12が接続され、該トランスファ12
には、フロント及びリヤのプロペラシャフト13及び1
4の一端がそれぞれ接続されている。
【0069】上記フロントプロペラシャフト13の前端
側は、フロントデファレンシャル21(以下、フロント
デフと略称する)を介してフロントアクスル15に接続
されており、エンジン10の出力は、トランスミッショ
ン11及びトランスファ12から、フロントプロペラシ
ャフト13,フロントデフ21及びフロントアクスル1
5を順次介して左右の前輪16に伝達される。また、上
記リヤプロペラシャフト14の後端側は、リヤデファレ
ンシャル22(以下、リヤデフと略称する)を介してリヤ
アクスル17に接続されており、エンジン10の出力
は、トランスミッション11及びトランスファ12か
ら、リヤプロペラシャフト14,リヤデフ22及びリヤ
アクスル17を順次介して左右の後輪18に伝達される
ようになっている。
【0070】上記フロントデフ21は、左右の前輪1
6,16間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト13を介して伝
えられるエンジン10の出力を前輪16,16に伝達す
る際には、左右の各前輪16へのトルク配分を制御する
ものである。また、上記リヤデフ22は、左右の前輪1
8,18間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト14を介して伝
えられるエンジン10の出力を後輪18,18に伝達す
る際には、左右の各後輪18へのトルク配分を制御する
ものである。更に、上記トランスファ12には、前輪1
6,16側と後輪18,18側との間でのトルク配分を制
御するために、センタデファレンシャル20(以下、セ
ンタデフと略称する)が設けられている。
【0071】上記各車輪16,16,18,18の近傍に
は、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ30がそれ
ぞれ配設され、各車輪速センサ30の検出信号(車輪速
信号)は、アンチスキッドブレーキ装置用コントロール
ユニット41(以下、ABS用コントロールユニットと
いう。)に入力されている。また、エンジン10には、
該エンジン10のスロットル開度を検出するスロットル
センサ32が取り付けられ、該スロットルセンサ32の
検出信号(スロットル開度信号)はエンジン用コントロー
ルユニット40に入力されている。更に、車両フロント
側には、ブレーキのON/OFFを検出するブレーキス
イッチ31が設けられ、該ブレーキスイッチ31の検出
信号(ブレーキ信号)は、デファレンシャル用コントロー
ルユニット43に入力されている。このデファレンシャ
ル用コントロールユニット43には、後述するデフロッ
クのモード選択を行うマニュアルスイッチ44及びバッ
テリ45が接続されている。
【0072】上記デファレンシャル用コントロールユニ
ット43には、上記ブレーキスイッチ31からのブレー
キ信号の他、スロットルセンサ32からスロットル開度
信号が、また、ABS用コントロールユニット41から
アンチスキッドブレーキ装置が作動しているか否かを示
すABS信号および各車輪16,16,18,18の車輪
速信号が、更に、上記マニュアルスイッチ44からモー
ド信号がそれぞれ入力される。デファレンシャル用コン
トロールユニット43では、これらの入力信号に基づい
て、フロント,リヤ及びセンタの各デファレンシャル2
1,22及び20に対して供給すべき制御電流値をそれ
ぞれ演算し供給する。そして、この供給された各制御電
流(フロントデフ電流,リヤデフ電流およびセンタデフ電
流)に応じて、各デファレンシャル21,22及び20の
差動制限力(ロック力)が制御されるようになっている。
尚、上記デファレンシャル用コントロールユニット43
からは、上記ABS用コントロールユニット41に向か
ってABS禁止信号を出力し得るようになっている。
【0073】上記フロント,リヤ及びセンタの各デファ
レンシャル21,22及び20は、例えばセンタデフ2
0を例にとって説明すれば、図2にその一例を示すよう
な電磁式の多板クラッチ50を備え、この多板クラッチ
50の締結状態により、センタデフ20のロック力が制
御される。尚、このクラッチ50としてはは、センタデ
フ20の場合、フロントプロペラシャフト13とリヤプ
ロペラシャフト14との差動を制限できるものであれ
ば、他のどのような形式のものであっても良い。
【0074】上記多板クラッチ50は、、複数枚のイン
ナディスクとアウタディスクとが組み合わされてなるク
ラッチ板51と、このクラッチ板51に押圧力を作用さ
せるアクチュエータ52とを備えている。尚、53は軸
受、54は一方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動
部材、55は他方のプロペラシャフトに伝動連結する伝
動部材である。上記アクチュエータ52は、ソレノイド
56が通電された際に発生する磁力によってアーマチュ
ア57がクラッチ板51を押圧するように構成されてい
る。この電磁多板クラッチ50では、ソレノイド56に
流れる電流とクラッチ板51を摩擦係合させる押圧力
(つまり、電磁多板クラッチ50で発生するトルク)とが
比例関係にあるので、センタデフ20の差動回転数を電
流の増減によって連続的に変化させることができる。
尚、フロントデフ21及びリヤデフ22にも、上記と同
様の構成を備えた電磁多板クラッチが設けられている。
【0075】本実施例では、上記デファレンシャル用コ
ントロールユニット43に、差動低回転時から急激に差
動制限力を高める第1の差動制限特性曲線を有する第1
制御マップと、差動低回転時から差動高回転時に至るま
でなだらかに差動制限力を高める第2の差動制限特性曲
線を有する第2制御マップとが備えられている。これら
差動制限特性が互いに異なる二つの制御マップは、フロ
ント,リヤ及びセンタの各デフ21,22及び20に対し
て、それぞれ固有のものが一組ずつ用意されているが、
ここでは、例えばセンタデフ20用のものを例にとって
説明する。尚、本実施例では、より好ましくは、上記各
デフ21,22及び20の差動制限力(ロック力)は、セ
ンタデフ20が最も大きく、次いでリヤデフ22が大き
く、フロントデフ21が最も小さくなるように設定され
ている。
【0076】上記センタデフ20用の第1制御マップ
は、例えば図3にその一例を示すように、前後の車軸間
の差動回転数ΔNcを変数とした関数Fc1(ΔNc)で表
される第1差動制限特性曲線Sc1を有しており、該第
1差動制限特性曲線Sc1は、差動回転数ΔNcが比較的
小さい領域においてロック力Lcが急激に立ち上げら
れ、その後、差動回転数ΔNcの増加に伴って漸増する
ように設定されている。すなわち、少しの差動回転ΔN
cでもクラッチ締結力を高めて差動制限力(ロック力Lc
を)大きくすることができ、より高い走破性の要求に応
えることができる。一方、センタデフ20用の第2制御
マップは、例えば図4にその一例を示すように、前後の
車軸間の差動回転数ΔNcを変数とした関数Fc2(ΔN
c)で表される第2差動制限特性曲線Sc2を有してお
り、該第2差動制限特性曲線Sc2は、差動回転数ΔNc
の増加に対して非常になだらかにロック力Lcが上昇す
るように設定されている。すなわち、差動回転数ΔNc
の変化に対して上記ロック力Lcをできるだけなだらか
に変化させることにより、より高い走行安定性の要求に
応えることができる。
【0077】次に、上記デファレンシャル用コントロー
ルユニット43による差動制限力(ロック力)の制御につ
いて、主に上記センタデフ20の場合を例にとって説明
する。まず、フロントデフ21及びリヤデフ22を含め
た制御全体の概略について、図5のフローチャートを参
照しながら説明する。制御が開始されると、まずステッ
プ#1で、各車輪速センサ30からの入力信号に基づい
て、左右の前後輪16,16,18,18の車輪速Nfl,N
fr,Nrl,Nrrが演算される。尚、この演算値を相互に比
較することにより、いずれかの車輪にスリップが生じて
いるか否かを知ることができる。また、上記車輪速Nf
l,Nfr,Nrl,Nrrから車体速を算出することができる。
【0078】次いで、ステップ#2で、上記各車輪速N
fl,Nfr,Nrl,Nrrに基づいて各デフ毎の差動回転数が
演算される。センタデフ20の差動回転数ΔNcおよび
リヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算するサブルーチ
ンを、それぞれ図6および図7に示す。尚、フロントデ
フ21の差動回転数ΔNfについては、リヤデフ22の
場合と同様の演算式で、Nrl,NrrをそれぞれNfl,Nfr
に置き換えて演算することができる。次に、ステップ#
3で、上記差動回転数の各演算値ΔNc,ΔNr,ΔNfに
基づいて、後述する方法に各デフ毎の差動制限力(ロッ
ク力)Lc,Lf,Lrが演算される。
【0079】そして、ステップ#4で、各デフ毎に、各
々のロック力Lc,Lf,Lrに対応する制御電流値、すな
わち各デフの電磁多板クラッチ50のソレノイド56に
供給すべき制御電流値Ic,If,Irの演算が行なわれ
る。本実施例では、より好ましくは、上記デファレンシ
ャル用コントロールユニット43に、デフのロック力と
上記電磁多板クラッチ50のソレノイド56側への制御
電流値Ic,If,Irとの対応関係を規定する制御電流マ
ップが、各デフ毎に設けられており、この制御電流マッ
プに基づいて、上記制御電流値の演算が行なわれる。次
いで、この演算値を基準にして、各デフ20,21,22
の電磁多板クラッチ50にのソレノイド56への供給電
流の制御が行なわれるようになっている(ステップ#
5)。
【0080】本実施例では、差動回転数の演算値に基づ
いて各デフのロック力を演算するに際して(上記図5の
フローチャートにおけるステップ#3参照)、各デフ毎
に設けられた第1および第2の差動制限特性曲線を、所
定状態に応じた重み付けで組み合わせ、これに基づいて
差動制限力(ロック力)を演算するようにしている。尚、
上記重み付けを行う際のパラメータである上記所定状態
としては、車両の走行状態やドライバの運転操作状態あ
るいは車両を取り巻く交通状態などが考えられ、また、
各所定状態についての具体的な状態量に関しても種々の
ものが考えられるが、本実施例では、上記重み付けのパ
ラメータとして、例えば以下に示すように、2つの所定
状態に分類される4つの具体的な状態量を採用した。
【0081】・ハンドル操舵量 : ドライバの運転操舵状態を表す状態量の一つで、この
値がある程度(例えば操舵角で60度)以上になると、円
滑かつ安全なコーナリングのために、より高い走行安定
性が求められる。 ・アクセル踏み込み量の変化率(ΔTVO) : ドライバの運転操作状態を表す状態量の一つで、スロ
ットル開度の変化率に対応し、車両の加速変化に影響を
及ぼすものである。この変化率ΔTVOが大きくなるに
つれて走破性の要求が高くなる。 ・道路の渋滞度 : 車両を取り巻く交通状態を表す状態量の一つで、この
値が小さく通常走行に近付くほど走破性の要求が高くな
る。この渋滞度は、外部からの通信による交通情報を定
量化して入力したり、あるいはドライバがマニュアルで
入力するなどして、上記重み付けの際のパラメータとし
て用いることが可能である。 ・路面摩擦係数μ : 車両を取り巻く交通状態を表す状態量の一つで、この
値が小さいほどスリップが生じ易く走行安定性の要求が
高くなる。
【0082】上記デファレンシャル用コントロールユニ
ット43には、例えばセンタデフ20の場合を例にとれ
ば、図9乃至図12に示すように、上記各状態量毎に、
当該状態量の値と上記各差動制限特性曲線Sc1,Sc2
の重み付け係数との関係を規定する重み付けマップが備
えられており、各状態量についてその値が定まると、上
記マップを用いることにより、当該状態量に関して各差
動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数が
求まる。尚、上記図9乃至図12では、kcd1,kca1,kc
j1及びkcm1で示される各曲線が、当該状態量と第1差
動制限特性曲線Sc1の重み付け係数との関係をそれぞ
れ表し、kcd2,kca2,kcj2及びkcm2で示される各曲線
が、当該状態量と第2差動制限特性曲線Sc2の重み付
け係数との関係をそれぞれ表している。
【0083】以下、上記両差動制限特性曲線を所定状態
に応じた重み付けで組み合わせる方法およびロック力の
演算方法を、例えばセンタデフ20の場合を例にとっ
て、図8のフローチャートを参照しながら説明する。デ
フロック力の演算ルーチンが開始されると、ステップ#
11〜ステップ#14に示すように、各状態量について
各差動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係
数が決定される。この重み付け係数の決定は、上述した
ように、各状態量の値と図9乃至図12に示した重み付
けマップとに基づいて行なわれる。すなわち、図9乃至
図12の重み付けマップに示された各曲線kcd1,kca1,
kcj1及びkcm1と各状態量の値とに基づいて、各状態量
についての第1差動制限特性曲線Sc1の重み付け係数
KCD1,KCA1,KCJ1及びKCM1が求められ
る。また、上記重み付けマップに示された各曲線kcd2,
kca2,kcj2及びkcm2と各状態量の値とに基づいて、各
状態量についての第2差動制限特性曲線Sc2の重み付
け係数KCD2,KCA2,KCJ2及びKCM2が求め
られる。尚、上記各重み付け係数の決定順序は、図8の
フローチャートにおけるステップ#11〜ステップ#1
4に限定されるものではない。
【0084】本実施例では、図9の重み付けマップから
明らかなように、ドライバのハンドル操舵量に応じて各
差動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数
を決定するに際して、ドライバのハンドル操舵量が比較
的大きくコーナリングでの走行安定性が求められる場合
には、上記第2の差動制限特性曲線Sc2のウエイトが
高くなるように重み付けされるので、より高い走行安定
性を得ることができ、一方、ハンドル操舵量が比較的小
さい場合には、上記第1の差動制限特性曲線Sc1のウ
エイトが高くなるように重み付けされるので、より高い
走破性を得ることができる。
【0085】また、図10の重み付けマップから明らか
なように、アクセル踏み込み量の変化率(ΔTVO)に応
じて各差動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付
け係数を決定するに際して、アクセル踏み込み量の変化
率ΔTVO(換言すれば車両の加速変化)が小さく走破性
の要求が低い場合には、上記第2の差動制限特性曲線S
c2のウエイトが高くなるように重み付けされるので、
より高い走行安定性を得ることができ、一方、上記踏み
込み量の変化率ΔTVOが大きく走破性の要求が高い場
合には、上記第1の差動制限特性曲線Sc1のウエイト
が高くなるように重み付けされるので、より高い走破性
を得ることができる。
【0086】このように、ドライバの運転操作状態に応
じた重み付けで上記二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc
2を組み合わせるようにしたので、例えば、ハンドル操
舵量,アクセル踏み込み量の変化率(ΔTVO)などのド
ライバの運転操作状態の変化に対して、走破性と走行安
定性という相反する二つの要求を同時に満たすことがで
きるようになる。
【0087】更に、図11の重み付けマップから明らか
なように、道路の渋滞度に応じて各差動制限特性曲線S
c1,Sc2に対する各重み付け係数を決定するに際し
て、渋滞がひどい(渋滞度が大)場合には、上記第2の差
動制限特性曲線Sc2のウエイトが高くなるように重み
付けされるので、より高い走行安定性を得ることがで
き、一方、渋滞度が小である通常走行時には、上記第1
の差動制限特性曲線Sc1のウエイトが高くなるように
重み付けされるので、より高い走破性を得ることができ
る。
【0088】また、更に、図12の重み付けマップから
明らかなように、路面摩擦係数μに応じて各差動制限特
性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数を決定する
に際して、摩擦係数が小さく路面が滑り易い場合には、
上記第2の差動制限特性曲線Sc2のウエイトが高くな
るように重み付けされるので、より高い走行安定性を得
ることができ、一方、路面摩擦係数が大きい場合には、
上記第1の差動制限特性曲線Sc1のウエイトが高くな
るように重み付けされるので、より高い走破性を得るこ
とができる。
【0089】このように、交通状態に応じた重み付けで
上記二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc2を組み合わせ
るようにしたので、例えば、道路の渋滞度や路面摩擦係
数などの車両を取り巻く交通状態の変化に対して、走破
性と走行安定性という相反する二つの要求を、同時に、
かつより的確に満たすことができるようになる。
【0090】次に、上記のようにして、各状態量につい
て両差動制限特性曲線Sc1及びSc2の重み付け係数K
CD1,KCA1,KCJ1,KCM1及びKCD2,KC
A2,KCJ2,KCM2をそれぞれ求めた後、ステップ
#15で、上記第1,び第2の各差動制限特性曲線S1,
S2の重み付け係数についてその積算値KC1,KC2
をそれぞれ算出する。そして、ステップ#16で、上記
重み付け係数の積算値KC1,KC2と、前後の車軸間
の差動回転数ΔNcと、図3および図4に示された第1
および第2制御マップとに基づき、第1,第2の両差動
制限特性曲線Sc1,Sc2を所定状態に応じた重み付け
で組み合わせた上で、センタデフ20のデフロック力
(つまり差動制限力)が演算されるようになっている。
【0091】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記各差動制限特性曲線S1,S2をそれぞれ有す
る二つの制御マップを備えるようにしたので、より一層
高い走破性が要求される場合には、少しの差動回転ΔN
cでもクラッチ締結力を高めて差動制限力(ロック力Lc)
を大きくすることができ、また、より一層高い走行安定
性が求められる場合には、差動回転数ΔNcの変化に対
して上記ロック力Lcをできるだけなだらかに変化させ
ることができる。すなわち、走破性と走行安定性という
相反する二つの要求に対して的確に応えることができ
る。また、上記二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc2を
所定状態に応じた重み付けで組み合わせて差動制限力を
演算し、この演算値に基づいて差動制限力を制御するよ
うにしたので、数多くの制御マップを設ける必要なし
に、ドライバの運転操作状態あるいは車両を取り巻く交
通状態(例えば、路面の滑り易さや道路事情等)など、種
々の状態の変化に対して、よりきめ細かく対応すること
ができ、走破性と走行安定性という相反する二つの要求
を、同時に、かつより的確に満たすことが可能になる。
この場合において、数多くの差動制限特性曲線を有する
制御マップ群をメモリし、また、状態変化等に応じてこ
れらを呼び出し切換制御する必要はなく、制御装置に必
要とされるの処理能力やメモリ容量の肥大化を招くこと
はない。
【0092】更に、本実施例では、種類の異なる複数
(4つ)の状態量に応じた重み付けで上記二つの差動制限
特性曲線Sc1,Sc2を組み合わせるようにしたので、
この複数の状態量の変化に対して、走破性と走行安定性
という相反する二つの要求を、同時に、かつより的確に
満たすことができるようになる。
【0093】尚、上記実施例は、ドライバの運転操作状
態を表す状態量であるハンドル操舵量およびアクセル踏
み込み量の変化率(ΔTVO)、並びに、車両を取り巻く
交通状態を表す状態量である道路渋滞度および路面摩擦
係数μに応じて上記二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc
2を組み合わせるようにしたものであったが、これらの
代わりに、あるいはこれらに加えて、以下のような所定
状態および状態量に基づいて上記の重み付けを行うよう
にしても良い。
【0094】・定常走行/非定常走行 : 車両の走行状態を表す状態量の一つで、例えばオフロ
ード等の悪路を走行する場合など、一般に、道路状態が
悪くなるにつれて、より高い走破性が要求される。尚、
この悪路の程度については、上記ABSコントロールユ
ニット41で判定が行なわれ、その判定結果がデファレ
ンシャル用コントロールユニット43に信号入力される
ようになっている。 ・車速 : 車両の走行状態を表す状態量の一つで、この車速が一
定以上の場合には、一般に、その値が高くなるにつれ
て、より高い走行安定性が求められる。 ・エンジン出力 : 車両の走行状態を表す状態量の一つで、一般に、この
値が大きいほど走破性の要求が高くなる。 ・登坂走行/降坂走行 : 車両の走行状態を表す状態量の一つで、一般に、登坂
走行時にはより高い走破性が要求される一方、降坂走行
時にはより高い走行安定性が求められる。 ・変速機の変速段位 : ドライバの運転操作状態を表す状態量の一つで、一般
に、この変速段位が一定よりも高い場合には、より高い
走行安定性が求められる。尚、この変速段位の代わり
に、あるいはこれに加えて、副変のHi/Lowの切換を
パラメータに用いるようにしても良い。 ・変速機の操作頻度 : ドライバの運転操作状態を表す状態量の一つで、一般
に、例えば高速走行時などこの操作頻度が低い場合に
は、より高い走行安定性が求められ、例えば峠道運行時
など変速操作頻度が高い場合には、より高い走破性が要
求される。尚、この変速操作頻度は所定時間(例えば1
分間)内に行なわれた変速操作の回数でカウントされ
る。
【0095】上記各種状態量について、当該状態量の値
と上記各差動制限特性曲線Sc1,Sc2の重み付け係数
との関係を規定する重み付けマップの一例を、それぞれ
図13乃至図18に示す。これらの図において、kcw1,
kcv1,kce1,kcs1,kct1及びkch1で各々示される各曲
線または折れ線が、当該状態量と第1差動制限特性曲線
Sc1の重み付け係数との関係をそれぞれ表し、kcw2,k
cv2,kce2,kcs2,kct2及びkch2で各々示される各曲
線または折れ線が、当該状態量と第2差動制限特性曲線
Sc2の重み付け係数との関係をそれぞれ表している。
【0096】すなわち、図13の重み付けマップから明
らかなように、定常走行か非定常走行かに応じて各差動
制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数を決
定するに際して、例えば市街地等の通常路を走行するオ
ンロードなどの定常走行時には、上記第2の差動制限特
性曲線Sc2のウエイトが高くなるように重み付けされ
るので、より高い走行安定性を得ることができ、一方、
例えばオフロード等の悪路を走行する非定常走行時に
は、上記第1の差動制限特性曲線Sc1のウエイトが高
くなるように重み付けされるので、より高い走破性を得
ることができる。
【0097】また、図14の重み付けマップから明らか
なように、車速に応じて各差動制限特性曲線Sc1,Sc
2に対する各重み付け係数を決定するに際して、車速が
一定以上の場合において、高速走行時には、上記第2の
差動制限特性曲線Sc2のウエイトが高くなるように重
み付けされるので、より高い走行安定性を得ることがで
き、一方、低速走行時には、上記第1の差動制限特性曲
線Sc1のウエイトが高くなるように重み付けされるの
で、より高い走破性を得ることができる。尚、この車速
に応じて重み付け係数を決定する場合、車速変化に対し
てデフロック力が余り急激に変わることは望ましくない
ので、重み付けマップの曲線kcv1,kcv2は、共にかな
りなだらかに設定されている。
【0098】更に、図15の重み付けマップから明らか
なように、エンジン出力(換言すればスロットル開度)に
応じて各差動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み
付け係数を決定するに際して、エンジン出力が比較的小
さく走破性の要求が低い場合には、上記第2の差動制限
特性曲線Sc2のウエイトが高くなるように重み付けさ
れるので、より高い走行安定性を得ることができ、一
方、エンジン出力が比較的大きく走破性が要求される場
合には、上記第1の差動制限特性曲線Sc1のウエイト
が高くなるように重み付けされるので、より高い走破性
を得ることができる。
【0099】また、更に、図16の重み付けマップから
明らかなように、登坂走行か降坂走行かに応じて各差動
制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数を決
定するに際して、走破性の要求が低く走行安定性が求め
られる降坂走行時には、上記第2の差動制限特性曲線S
c2のウエイトが高くなるように重み付けされるので、
より高い走行安定性を得ることができ、一方、走破性が
要求される登坂走行時には、上記第1の差動制限特性曲
線Sc1のウエイトが高くなるように重み付けされるの
で、より高い走破性を得ることができる。尚、この走行
道路の登り下りに応じて重み付け係数を決定する場合、
道路の勾配変化に対してデフロック力が余り急激に変わ
ることは望ましくないので、重み付けマップの曲線kcs
1,kcs2は、共にかなりなだらかに設定されている。
【0100】このように、車両の走行状態に応じた重み
付けで上記二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc2を組み
合わせるようにしたので、例えば、定常走行か非定常走
行か,車速,エンジン出力あるいは登坂走行か降坂走行か
など、車両の走行状態の変化に対して、走破性と走行安
定性という相反する二つの要求を同時に満たすことがで
きるようになる。
【0101】また、図17の重み付けマップから明らか
なように、変速機の変速操作(つまり変速段位)に応じて
各差動制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係
数を決定するに際して、高速段での走行時には、上記第
2の差動制限特性曲線Sc2のウエイトが高くなるよう
に重み付けされるので、より高い走行安定性を得ること
ができ、一方、低速段での走行時には、上記第1の差動
制限特性曲線Sc1のウエイトが高くなるように重み付
けされるので、より高い走破性を得ることができる。
【0102】また、更に、図18の重み付けマップから
明らかなように、変速機の変速操作頻度に応じて各差動
制限特性曲線Sc1,Sc2に対する各重み付け係数を決
定するに際して、の頻度が少ない通常走行時には、上記
第2の差動制限特性曲線Sc2のウエイトが高くなるよ
うに重み付けされるので、より高い走行安定性を得るこ
とができ、一方、例えば峠道を走行する場合など変速操
作頻度が多い場合には、上記第1の差動制限特性曲線S
c1のウエイトが高くなるように重み付けされるので、
より高い走破性を得ることができるのである。
【0103】尚、上記のように、各種状態量に応じてデ
フの差動制限力を制御する場合、状態量の変化に対して
余り急激に差動制限特性が変化することは望ましくな
い。この差動制限特性の急変を防止するためには、以下
のような方法が考えられる。すなわち、各状態量につい
ての重み付け係数、あるいは、より好ましくは、重み付
け係数の積算値KC1,KC2(図8のフローチャートに
おけるステップ#15参照)に対して、前回演算値KC
1(t−1),KC2(t−1)からの変化度合の許容値αc
1,αc2を設定し、上記積算値KC1,KC2の今回演
算値KC1(t),KC2(t)が、この許容値αc1,αc2を
越えて前回の値から変化する場合には、前回演算値KC
1(t−1),KC2(t−1)に上記各許容値αc1,αc2を
それぞれ加えたもの(前回演算値から大きくなる場合)、
あるいは減じたもの(前回演算値から小さくなる場合)
を、今回演算値KC1(t),KC2(t)として採用するよ
うにすれば良い。
【0104】つまり、この方法によれば、変化の度合が
上記許容値αc1,αc2を越える場合には、今回演算値
KC1(t),KC2(t)は次のように設定される。 ・ 今回演算値KC1(t),KC2(t)が前回演算値KC
1(t−1),KC2(t−1)よりも大きくなる場合。 KC1(t)=KC1(t−1)+αc1 KC2(t)=KC2(t−1)+αc2 ・ 今回演算値KC1(t),KC2(t)が前回演算値KC
1(t−1),KC2(t−1)よりも小さくなる場合。 KC1(t)=KC1(t−1)−αc1 KC2(t)=KC2(t−1)−αc2
【0105】また、上記実施例は、所定状態に応じてデ
フの差動制限力を制御するに際して、各種状態量に応じ
た重み付けで上記二つの差動制限特性曲線S1,S2を
組み合わせるようにしたものであったが、この代わり
に、上記所定状態あるいは状態量の変化に応じて、上記
二つの差動制限特性曲線Sc1,Sc2を単に切り換えて
使い分けるようにしても良い。この場合には、両者Sc
1,Sc2を組み合わせて差動制限力の演算を行う場合に
比べて、コントロールユニットの構成および差動制限力
の制御を簡素化することができる。
【0106】尚、上記実施例は、いずれも、基本的には
センタデフ20の差動制限力の制御についてのものであ
ったが、本発明は、上記センタデフ20に限らず、フロ
ントあるいはリヤのデフ21あるいは22の差動制限力
を制御する場合についても、有効に適用することができ
るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動車の駆動力伝達系
の全体構成を概略的に示す全体構成図である。
【図2】 上記自動車のデファレンシャルに設けられた
電磁多板クラッチの一例を示す断面説明図である。
【図3】 上記自動車のセンタデフの第1差動制限特性
曲線の一例を示す図である。
【図4】 上記センタデフの第2差動制限特性曲線の一
例を示す図である。
【図5】 上記センタデフの差動制限力の制御全体を概
略的に説明するためのフローチャートである。
【図6】 上記センタデフの差動回転数を演算するサブ
ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 上記自動車のリヤデフの差動回転数を演算す
るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 上記センタデフの差動制限力の演算を説明す
るためのフローチャートである。
【図9】 ハンドル操舵量に対する重み付けマップの一
例を示す図である。
【図10】 アクセル踏み込み量の変化率に対する重み
付けマップの一例を示す図である。
【図11】 道路の渋滞度に対する重み付けマップの一
例を示す図である。
【図12】 路面摩擦係数に対する重み付けマップの一
例を示す図である。
【図13】 道路状態に対する重み付けマップの一例を
示す図である。
【図14】 車速に対する重み付けマップの一例を示す
図である。
【図15】 エンジン出力に対する重み付けマップの一
例を示す図である。
【図16】 道路の勾配に対する重み付けマップの一例
を示す図である。
【図17】 変速機の変速段位に対する重み付けマップ
の一例を示す図である。
【図18】 変速機の変速操作頻度に対する重み付けマ
ップの一例を示す図である。
【符号の説明】
15…フロントアクスル 16…前輪 17…リヤアクスル 18…後輪 20…センタデファレンシャル(センタデフ) 21…フロントデファレンシャル(フロントデフ) 22…リヤデファレンシャル(リヤデフ) 43…デファレンシャル用コントロールユニット 50…電磁多板クラッチ ΔNc,ΔNf,ΔNr…差動回転数 Sc1…センタデフの第1差動制限特性曲線 Sc2…センタデフの第1差動制限特性曲線

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の車輪間もしくは前後の車軸間の差
    動を各々の差動回転数に応じて制限する車両の差動制限
    装置において、 該差動制限装置には、差動低回転時から急激に差動制限
    力を高める第1の差動制限特性曲線を有する第1制御マ
    ップと、差動低回転時から差動高回転時に至るまでなだ
    らかに差動制限力を高める第2の差動制限特性曲線を有
    する第2制御マップとを備えるとともに、所定状態に応
    じてこれら両制御マップを使い分ける制御手段が設けら
    れていることを特徴とする車両の差動制限装置。
  2. 【請求項2】 上記所定状態が車両の走行状態であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の差動制限装置。
  3. 【請求項3】 上記車両の定常走行時には上記第2制御
    マップに基づいて差動制限力が制御される一方、非定常
    走行時には上記第1制御マップに基づいて差動制限力が
    制御されることを特徴とする請求項2記載の車両の差動
    制限装置。
  4. 【請求項4】 上記車両の高速走行時には上記第2制御
    マップに基づいて差動制限力が制御される一方、低速走
    行時には上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制
    御されることを特徴とする請求項2記載の車両の差動制
    限装置。
  5. 【請求項5】 上記車両のエンジン出力が比較的小さい
    場合には上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制
    御される一方、上記エンジン出力が比較的大きい場合に
    は上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御され
    ることを特徴とする請求項2記載の車両の差動制限装
    置。
  6. 【請求項6】 上記車両の降坂走行時には上記第2制御
    マップに基づいて差動制限力が制御される一方、登坂走
    行時には上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制
    御されることを特徴とする請求項2記載の車両の差動制
    限装置。
  7. 【請求項7】 上記所定状態がドライバの運転操作状態
    であることを特徴とする請求項1記載の車両の差動制限
    装置。
  8. 【請求項8】 上記ドライバのハンドル操舵量が比較的
    大きい場合には上記第2制御マップに基づいて差動制限
    力が制御される一方、上記ハンドル操舵量が比較的小さ
    い場合には上記第1制御マップに基づいて差動制限力が
    制御されることを特徴とする請求項7記載の車両の差動
    制限装置。
  9. 【請求項9】 上記車両の変速機の変速段が高速段位の
    場合には上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制
    御される一方、上記変速段位が低速段の場合には上記第
    1制御マップに基づいて差動制限力が制御されることを
    特徴とする請求項7記載の車両の差動制限装置。
  10. 【請求項10】 上記ドライバのアクセル踏み込み量の
    変化率が小さい場合には上記第2制御マップに基づいて
    差動制限力が制御される一方、上記アクセル踏み込み量
    の変化率が大きい場合には上記第1制御マップに基づい
    て差動制限力が制御されることを特徴とする請求項7記
    載の車両の差動制限装置。
  11. 【請求項11】 上記車両の変速機の操作頻度が少ない
    場合には上記第2制御マップに基づいて差動制限力が制
    御される一方、上記変速機の操作頻度が多い場合には上
    記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御されるこ
    とを特徴とする請求項7記載の車両の差動制限装置。
  12. 【請求項12】 上記所定状態が交通状態であることを
    特徴とする請求項1記載の車両の差動制限装置。
  13. 【請求項13】 上記車両が走行する道路の渋滞度が大
    の場合には上記第2制御マップに基づいて差動制限力が
    制御される一方、上記渋滞度が小の場合には上記第1制
    御マップに基づいて差動制限力が制御されることを特徴
    とする請求項12記載の車両の差動制限装置。
  14. 【請求項14】 上記車両が走行する道路の路面摩擦係
    数が小さい場合には上記第2制御マップに基づいて差動
    制限力が制御される一方、上記路面摩擦係数が大きい場
    合には上記第1制御マップに基づいて差動制限力が制御
    されることを特徴とする請求項12記載の車両の差動制
    限装置。
  15. 【請求項15】 上記第1および第2制御マップの使い
    分けが、種類の異なる複数の状態量に応じて行なわれる
    ことを特徴とする請求項1記載の車両の差動制限装置。
  16. 【請求項16】 左右の車輪間もしくは前後の車軸間の
    差動を各々の差動回転数に応じて制限する車両の差動制
    限装置において、 該差動制限装置には、差動低回転時から急激に差動制限
    力を高める第1の差動制限特性曲線を有する第1制御マ
    ップと、差動低回転時から差動高回転時に至るまでなだ
    らかに差動制限力を高める第2の差動制限特性曲線を有
    する第2制御マップとを備えるとともに、これら両制御
    マップの上記各差動制限特性曲線を所定状態に応じた重
    み付けで組み合わせて差動制限力を演算し、この演算値
    に基づいて差動制限力を制御する制御手段が設けられて
    いることを特徴とする車両の差動制限装置。
  17. 【請求項17】 上記所定状態が車両の走行状態である
    ことを特徴とする請求項16記載の車両の差動制限装
    置。
  18. 【請求項18】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両の定常走行時には上記第2の差動
    制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
    る一方、非定常走行時には上記第1の差動制限特性曲線
    のウエイトが高くなるように重み付けされることを特徴
    とする請求項17記載の車両の差動制限装置。
  19. 【請求項19】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両の高速走行時には上記第2の差動
    制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
    る一方、低速走行時には上記第1の差動制限特性曲線の
    ウエイトが高くなるように重み付けされることを特徴と
    する請求項17記載の車両の差動制限装置。
  20. 【請求項20】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両のエンジン出力が比較的小さい場
    合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くな
    るように重み付けされる一方、上記エンジン出力が比較
    的大きい場合には上記第1の差動制限特性曲線のウエイ
    トが高くなるように重み付けされることを特徴とする請
    求項17記載の車両の差動制限装置。
  21. 【請求項21】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両の降坂走行時には上記第2の差動
    制限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされ
    る一方、登坂走行時には上記第1の差動制限特性曲線の
    ウエイトが高くなるように重み付けされることを特徴と
    する請求項17記載の車両の差動制限装置。
  22. 【請求項22】 上記所定状態がドライバの運転操作状
    態であることを特徴とする請求項16記載の車両の差動
    制限装置。
  23. 【請求項23】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記ドライバのハンドル操舵量が比較的大
    きい場合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが
    高くなるように重み付けされる一方、上記ハンドル操舵
    量が比較的小さい場合には上記第1の差動制限特性曲線
    のウエイトが高くなるように重み付けされることを特徴
    とする請求項22記載の車両の差動制限装置。
  24. 【請求項24】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両の変速機の変速段位が高速段の場
    合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くな
    るように重み付けされる一方、上記変速段位が低速段の
    場合には上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高く
    なるように重み付けされることを特徴とする請求項22
    記載の車両の差動制限装置。
  25. 【請求項25】 上記両差動制限特性曲線を組みわせる
    に際して、上記ドライバのアクセル踏み込み量の変化率
    が小さい場合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイ
    トが高くなるように重み付けされる一方、上記アクセル
    踏み込み量の変化率が大きい場合には上記第1の差動制
    限特性曲線のウエイトが高くなるように重み付けされる
    ことを特徴とする請求項22記載の車両の差動制限装
    置。
  26. 【請求項26】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両の変速機の操作頻度が少ない場合
    には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くなる
    ように重み付けされる一方、上記変速操作頻度が多い場
    合には上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くな
    るように重み付けされることを特徴とする請求項22記
    載の車両の差動制限装置。
  27. 【請求項27】 上記所定状態が交通状態であることを
    特徴とする請求項16記載の車両の差動制限装置。
  28. 【請求項28】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両が走行する道路の渋滞度が大の場
    合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイトが高くな
    るように重み付けされる一方、上記渋滞度が小の場合に
    は上記第1の差動制限特性曲線のウエイトが高くなるよ
    うに重み付けされることを特徴とする請求項27記載の
    車両の差動制限装置。
  29. 【請求項29】 上記両差動制限特性曲線を組み合わせ
    るに際して、上記車両が走行する道路の路面摩擦係数が
    小さい場合には上記第2の差動制限特性曲線のウエイト
    が高くなるように重み付けされる一方、上記路面摩擦係
    数が大きい場合には上記第1の差動制限特性曲線のウエ
    イトが高くなるように重み付けされることを特徴とする
    請求項27記載の車両の差動制限装置。
  30. 【請求項30】 上記第1および第2の両差動制限特性
    曲線の組み合わせが、種類の異なる複数の状態量に応じ
    て行なわれることを特徴とする請求項16記載の車両の
    差動制限装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EA023385B1 (ru) * 2012-07-25 2016-05-31 Государственное Научное Учреждение "Объединенный Институт Машиностроения Национальной Академии Наук Беларуси" Бортовая система управления блокировками дифференциалов многоприводной колесной машины

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