JPH06241082A - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置Info
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- JPH06241082A JPH06241082A JP2515993A JP2515993A JPH06241082A JP H06241082 A JPH06241082 A JP H06241082A JP 2515993 A JP2515993 A JP 2515993A JP 2515993 A JP2515993 A JP 2515993A JP H06241082 A JPH06241082 A JP H06241082A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- differential
- engine output
- vehicle
- engine
- differential limiting
- Prior art date
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- Pending
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- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 差動装置に対する差動制限力が高い場合に
は、エンジン出力の急激な立ち上がりを防止し、全輪ス
リップの発生を有効に防止する。 【構成】 左右の車輪間および前後の車軸間にそれぞれ
介設された各差動装置に対する差動制限力を各々所定の
パラメータによって変化させ得る差動制限装置がそれぞ
れ設けられた車両の制御装置であって、路面摩擦係数
(路面μ)が所定値以下の場合には、上記差動制限力の増
大に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるよ
うに燃料噴射量TPaを制御し、かつ、該燃料噴射量T
Paの変化特性を上記各差動制限装置の差動制限状態に
応じて補正するエンジン用コントロールユニット40を
備えることにより、極低μ路での発進あるいは急加速に
伴う全輪スリップの発生を防止し、車両の操縦安定性を
高めることを特徴とする。
は、エンジン出力の急激な立ち上がりを防止し、全輪ス
リップの発生を有効に防止する。 【構成】 左右の車輪間および前後の車軸間にそれぞれ
介設された各差動装置に対する差動制限力を各々所定の
パラメータによって変化させ得る差動制限装置がそれぞ
れ設けられた車両の制御装置であって、路面摩擦係数
(路面μ)が所定値以下の場合には、上記差動制限力の増
大に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるよ
うに燃料噴射量TPaを制御し、かつ、該燃料噴射量T
Paの変化特性を上記各差動制限装置の差動制限状態に
応じて補正するエンジン用コントロールユニット40を
備えることにより、極低μ路での発進あるいは急加速に
伴う全輪スリップの発生を防止し、車両の操縦安定性を
高めることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の制御装置、特
に、左右の車輪間や前後の車軸間に介設された差動装置
に対する差動制限力を所定のパラメータに応じて変化さ
せ得る差動制限装置を備えた車両の制御装置に関する。
に、左右の車輪間や前後の車軸間に介設された差動装置
に対する差動制限力を所定のパラメータに応じて変化さ
せ得る差動制限装置を備えた車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば自動車等の車両で
は、エンジンの出力を車輪側に伝達するに際して、例え
ば車両旋回時など、車輪軌跡差に起因して各車輪に回転
速度差が生じる場合においても、タイヤスリップの発生
防止を図り、車両の操縦性を十分に確保することができ
るように、エンジンから各車輪側に至る動力伝達系の途
中に、差動作用によって回転速度差を機構的に吸収し得
る差動装置(デファレンシャル装置)が設けられている。
すなわち、前輪駆動車にあっては左右の前輪間の、ま
た、後輪駆動車にあっては左右の後輪間の回転速度差を
それぞれ吸収するために、前輪用または後輪用の差動装
置(所謂、フロントデフまたはリヤデフ)が設けられ、更
に、4輪駆動車にあっては、上記左右の車輪間の差動装
置に加えて、前輪側と後輪側との間にも差動装置(所
謂、センタデフ)が設けられる。
は、エンジンの出力を車輪側に伝達するに際して、例え
ば車両旋回時など、車輪軌跡差に起因して各車輪に回転
速度差が生じる場合においても、タイヤスリップの発生
防止を図り、車両の操縦性を十分に確保することができ
るように、エンジンから各車輪側に至る動力伝達系の途
中に、差動作用によって回転速度差を機構的に吸収し得
る差動装置(デファレンシャル装置)が設けられている。
すなわち、前輪駆動車にあっては左右の前輪間の、ま
た、後輪駆動車にあっては左右の後輪間の回転速度差を
それぞれ吸収するために、前輪用または後輪用の差動装
置(所謂、フロントデフまたはリヤデフ)が設けられ、更
に、4輪駆動車にあっては、上記左右の車輪間の差動装
置に加えて、前輪側と後輪側との間にも差動装置(所
謂、センタデフ)が設けられる。
【0003】また、各車輪へのトルク伝達を適正に行う
ために上記差動装置による差動を制限する差動制限装置
として、差動回転数やスロットル開度等の所定のパラメ
ータにより、差動装置に対する差動制限力を変化させ得
るようにしたものが知られている。かかる差動制限装置
を備えた車両では、上記所定のパラメータに応じて差動
装置に対する差動制限力が高められた場合には、各車輪
に駆動力が伝達される結果、一般により高い走破性を得
ることができる一方、上記差動制限力が低下せしめられ
た場合には、各車輪間の差動が許容される結果、一般に
走行安定性がより高められる。
ために上記差動装置による差動を制限する差動制限装置
として、差動回転数やスロットル開度等の所定のパラメ
ータにより、差動装置に対する差動制限力を変化させ得
るようにしたものが知られている。かかる差動制限装置
を備えた車両では、上記所定のパラメータに応じて差動
装置に対する差動制限力が高められた場合には、各車輪
に駆動力が伝達される結果、一般により高い走破性を得
ることができる一方、上記差動制限力が低下せしめられ
た場合には、各車輪間の差動が許容される結果、一般に
走行安定性がより高められる。
【0004】一方、車両の駆動輪のスリップ制御に関し
て、各車輪速の変化の状態から各車輪のスリップ状態を
検出し、ある程度以上のスリップが発生した場合にはエ
ンジン出力を低下せしめるように制御することにより、
駆動輪に過大なスリップが発生することを防止し、操縦
安定性の向上を図るようにした、所謂、トラクションコ
ントロール装置は一般に良く知られている。例えば特開
昭61−285130号公報では、全車輪について車輪
速に差が出ることのない全輪駆動車において、所定の方
法で疑似車体速を演算し、車輪速がこの疑似車体速に対
して所定以上になった場合に、エンジン出力を低下させ
て車輪の駆動トルクを減じるようにした全輪駆動車のト
ラクションコントロール装置が開示されている。
て、各車輪速の変化の状態から各車輪のスリップ状態を
検出し、ある程度以上のスリップが発生した場合にはエ
ンジン出力を低下せしめるように制御することにより、
駆動輪に過大なスリップが発生することを防止し、操縦
安定性の向上を図るようにした、所謂、トラクションコ
ントロール装置は一般に良く知られている。例えば特開
昭61−285130号公報では、全車輪について車輪
速に差が出ることのない全輪駆動車において、所定の方
法で疑似車体速を演算し、車輪速がこの疑似車体速に対
して所定以上になった場合に、エンジン出力を低下させ
て車輪の駆動トルクを減じるようにした全輪駆動車のト
ラクションコントロール装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記差動制限装置を備
えた車両では、上述したように、差動装置に対する差動
制限力を高めることによって走破性を高めることができ
るようになっており、例えば4WD車の場合を例にとっ
て説明すれば、各差動装置が所謂デフロックされている
場合、片輪だけにスリップが生じることがないので、ア
クセルペダルを踏み込んでエンジン出力を上昇させるこ
とによって全輪により高い駆動力を付与し、このエンジ
ンの出力に見合った良好な走破性を得ることができる。
えた車両では、上述したように、差動装置に対する差動
制限力を高めることによって走破性を高めることができ
るようになっており、例えば4WD車の場合を例にとっ
て説明すれば、各差動装置が所謂デフロックされている
場合、片輪だけにスリップが生じることがないので、ア
クセルペダルを踏み込んでエンジン出力を上昇させるこ
とによって全輪により高い駆動力を付与し、このエンジ
ンの出力に見合った良好な走破性を得ることができる。
【0006】しかしながら、例えば、路面摩擦係数(路
面μ)が極めて低い場合など、車輪と路面との間で得ら
れる摩擦力が特に小さい場合には、差動装置がデフロッ
クされており、本来、高い走破性が得られるべき条件で
あっても、発進時あるいは加速時など、アクセルペダル
を踏み込んでエンジン出力を上昇させた際に全輪がスリ
ップすることがあり得る。かかる場合には、たとえ差動
装置がデフロックされていても、車輪に付与される駆動
力があまり急激に上昇しない方が良い。すなわち、この
ように車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さい場合
など所定の場合において、差動装置に対する差動制限力
がある程度以上高い際には、アクセルペダルが強く踏み
込まれても、エンジン出力が余り急激に上昇しない方が
操縦安定性を確保する上で好ましい。
面μ)が極めて低い場合など、車輪と路面との間で得ら
れる摩擦力が特に小さい場合には、差動装置がデフロッ
クされており、本来、高い走破性が得られるべき条件で
あっても、発進時あるいは加速時など、アクセルペダル
を踏み込んでエンジン出力を上昇させた際に全輪がスリ
ップすることがあり得る。かかる場合には、たとえ差動
装置がデフロックされていても、車輪に付与される駆動
力があまり急激に上昇しない方が良い。すなわち、この
ように車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さい場合
など所定の場合において、差動装置に対する差動制限力
がある程度以上高い際には、アクセルペダルが強く踏み
込まれても、エンジン出力が余り急激に上昇しない方が
操縦安定性を確保する上で好ましい。
【0007】そこで、この発明は、差動装置に対する差
動制限力が高い場合には、エンジン出力の急激な立ち上
がりを防止することができる車両の制御装置を提供する
ことを目的としてなされたものである。
動制限力が高い場合には、エンジン出力の急激な立ち上
がりを防止することができる車両の制御装置を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明に係る車両の制御装置は、左右の車輪間もしくは前
後の車軸間に介設された差動装置に対する差動制限力を
所定のパラメータによって変化させ得る差動制限装置を
備えた車両の制御装置であって、上記差動制限力の増大
に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるよう
にエンジン出力を制御する制御手段を備えたことを特徴
としたものである。
発明に係る車両の制御装置は、左右の車輪間もしくは前
後の車軸間に介設された差動装置に対する差動制限力を
所定のパラメータによって変化させ得る差動制限装置を
備えた車両の制御装置であって、上記差動制限力の増大
に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるよう
にエンジン出力を制御する制御手段を備えたことを特徴
としたものである。
【0009】また、本願の第2の発明に係る車両の制御
装置は、左右の車輪間および前後の車軸間にそれぞれ介
設された各差動装置に対する差動制限力を各々所定のパ
ラメータによって変化させ得る差動制限装置がそれぞれ
設けられた車両の制御装置であって、上記差動制限力の
増大に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになる
ようにエンジン出力を制御し、かつ、該エンジン出力の
変化特性を上記各差動制限装置の差動制限状態に応じて
補正する制御手段を備えたことを特徴としたものであ
る。
装置は、左右の車輪間および前後の車軸間にそれぞれ介
設された各差動装置に対する差動制限力を各々所定のパ
ラメータによって変化させ得る差動制限装置がそれぞれ
設けられた車両の制御装置であって、上記差動制限力の
増大に応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになる
ようにエンジン出力を制御し、かつ、該エンジン出力の
変化特性を上記各差動制限装置の差動制限状態に応じて
補正する制御手段を備えたことを特徴としたものであ
る。
【0010】更に、本願の第3の発明に係る車両の制御
装置は、上記第1または第2の発明に係る車両の制御装
置において、路面μが所定値よりも低い場合に、上記エ
ンジン出力の変化特性をなだらかにするエンジン出力の
制御が行なわれることを特徴としたものである。
装置は、上記第1または第2の発明に係る車両の制御装
置において、路面μが所定値よりも低い場合に、上記エ
ンジン出力の変化特性をなだらかにするエンジン出力の
制御が行なわれることを特徴としたものである。
【0011】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、エンジン出
力は上記差動制限力の増大に応じてその変化特性がなだ
らかになるように制御されるので、差動制限力が高い場
合には、アクセルペダルを踏み込んでも、エンジン出力
が急激に立ち上がり車輪に付与される駆動力が急激に上
昇することを防止できる。従って、発進時あるいは加速
時における全輪スリップの発生を有効に防止し、車両の
操縦安定性を高めることができる。
力は上記差動制限力の増大に応じてその変化特性がなだ
らかになるように制御されるので、差動制限力が高い場
合には、アクセルペダルを踏み込んでも、エンジン出力
が急激に立ち上がり車輪に付与される駆動力が急激に上
昇することを防止できる。従って、発進時あるいは加速
時における全輪スリップの発生を有効に防止し、車両の
操縦安定性を高めることができる。
【0012】また、本願の第2の発明によれば、エンジ
ン出力は上記差動制限力の増大に応じてエンジン出力の
変化特性がなだらかになるように制御されるので、差動
制限力が高い場合には、アクセルペダルを踏み込んで
も、エンジン出力が急激に立ち上がり車輪に付与される
駆動力が急激に上昇することを防止できる。従って、発
進時あるいは加速時における全輪スリップの発生を有効
に防止し、車両の操縦安定性を高めることができる。こ
の場合において、上記エンジン出力の変化特性は上記各
差動制限装置の差動制限状態に応じて補正されるので、
エンジン出力をよりきめ細かく制御することができ、車
両の操縦安定性をより一層高めることができる。
ン出力は上記差動制限力の増大に応じてエンジン出力の
変化特性がなだらかになるように制御されるので、差動
制限力が高い場合には、アクセルペダルを踏み込んで
も、エンジン出力が急激に立ち上がり車輪に付与される
駆動力が急激に上昇することを防止できる。従って、発
進時あるいは加速時における全輪スリップの発生を有効
に防止し、車両の操縦安定性を高めることができる。こ
の場合において、上記エンジン出力の変化特性は上記各
差動制限装置の差動制限状態に応じて補正されるので、
エンジン出力をよりきめ細かく制御することができ、車
両の操縦安定性をより一層高めることができる。
【0013】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。特に、路面μが所定値よりも低い場合、
すなわち、車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さく
スリップが発生し易い場合において、発進あるいは加速
に伴う全輪スリップの発生を有効に防止し、車両の操縦
安定性を高めることができる。
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。特に、路面μが所定値よりも低い場合、
すなわち、車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さく
スリップが発生し易い場合において、発進あるいは加速
に伴う全輪スリップの発生を有効に防止し、車両の操縦
安定性を高めることができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を、例えば4輪駆動
タイプの自動車に適用した場合について、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。図1は、本実施例に係る自
動車の駆動力伝達系の全体構成を概略的に表す全体構成
図であるが、この図に示すように、上記自動車では、エ
ンジン10の出力側に連結されたトランスミッション1
1にトランスファ12が接続され、該トランスファ12
には、フロント及びリヤのプロペラシャフト13及び1
4の一端がそれぞれ接続されている。
タイプの自動車に適用した場合について、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。図1は、本実施例に係る自
動車の駆動力伝達系の全体構成を概略的に表す全体構成
図であるが、この図に示すように、上記自動車では、エ
ンジン10の出力側に連結されたトランスミッション1
1にトランスファ12が接続され、該トランスファ12
には、フロント及びリヤのプロペラシャフト13及び1
4の一端がそれぞれ接続されている。
【0015】上記フロントプロペラシャフト13の前端
側は、フロントデファレンシャル21(以下、フロント
デフと略称する)を介してフロントアクスル15に接続
されており、エンジン10の出力は、トランスミッショ
ン11及びトランスファ12から、フロントプロペラシ
ャフト13,フロントデフ21及びフロントアクスル1
5を順次介して左右の前輪16に伝達される。また、上
記リヤプロペラシャフト14の後端側は、リヤデファレ
ンシャル22(以下、リヤデフと略称する)を介してリヤ
アクスル17に接続されており、エンジン10の出力
は、トランスミッション11及びトランスファ12か
ら、リヤプロペラシャフト14,リヤデフ22及びリヤ
アクスル17を順次介して左右の後輪18に伝達される
ようになっている。
側は、フロントデファレンシャル21(以下、フロント
デフと略称する)を介してフロントアクスル15に接続
されており、エンジン10の出力は、トランスミッショ
ン11及びトランスファ12から、フロントプロペラシ
ャフト13,フロントデフ21及びフロントアクスル1
5を順次介して左右の前輪16に伝達される。また、上
記リヤプロペラシャフト14の後端側は、リヤデファレ
ンシャル22(以下、リヤデフと略称する)を介してリヤ
アクスル17に接続されており、エンジン10の出力
は、トランスミッション11及びトランスファ12か
ら、リヤプロペラシャフト14,リヤデフ22及びリヤ
アクスル17を順次介して左右の後輪18に伝達される
ようになっている。
【0016】上記フロントデフ21は、左右の前輪1
6,16間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト13を介して伝
えられるエンジン10の出力を前輪16,16に伝達す
る際には、左右の各前輪16へのトルク配分を制御する
ものである。また、上記リヤデフ22は、左右の前輪1
8,18間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト14を介して伝
えられるエンジン10の出力を後輪18,18に伝達す
る際には、左右の各後輪18へのトルク配分を制御する
ものである。更に、上記トランスファ12には、前輪1
6,16側と後輪18,18側との間でのトルク配分を制
御するために、センタデファレンシャル20(以下、セ
ンタデフと略称する)が設けられている。
6,16間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト13を介して伝
えられるエンジン10の出力を前輪16,16に伝達す
る際には、左右の各前輪16へのトルク配分を制御する
ものである。また、上記リヤデフ22は、左右の前輪1
8,18間に回転速度差が生じた場合にはこれを機構的
に吸収するとともに、プロペラシャフト14を介して伝
えられるエンジン10の出力を後輪18,18に伝達す
る際には、左右の各後輪18へのトルク配分を制御する
ものである。更に、上記トランスファ12には、前輪1
6,16側と後輪18,18側との間でのトルク配分を制
御するために、センタデファレンシャル20(以下、セ
ンタデフと略称する)が設けられている。
【0017】上記各車輪16,16,18,18の近傍に
は、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ30がそれ
ぞれ配設され、各車輪速センサ30の検出信号(車輪速
信号)は、アンチスキッドブレーキ装置用コントロール
ユニット41(以下、ABS用コントロールユニットと
いう。)に入力されている。また、エンジン10には、
該エンジン10のスロットル開度を検出するスロットル
センサ32が取り付けられ、該スロットルセンサ32の
検出信号(スロットル開度信号)はエンジン用コントロー
ルユニット40に入力されている。更に、車両フロント
側には、ブレーキのON/OFFを検出するブレーキス
イッチ31が設けられ、該ブレーキスイッチ31の検出
信号(ブレーキ信号)は、デファレンシャル用コントロー
ルユニット43に入力されている。このデファレンシャ
ル用コントロールユニット43には、後述するデフロッ
クのモード選択を行うマニュアルスイッチ44及びバッ
テリ45が接続されている。
は、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ30がそれ
ぞれ配設され、各車輪速センサ30の検出信号(車輪速
信号)は、アンチスキッドブレーキ装置用コントロール
ユニット41(以下、ABS用コントロールユニットと
いう。)に入力されている。また、エンジン10には、
該エンジン10のスロットル開度を検出するスロットル
センサ32が取り付けられ、該スロットルセンサ32の
検出信号(スロットル開度信号)はエンジン用コントロー
ルユニット40に入力されている。更に、車両フロント
側には、ブレーキのON/OFFを検出するブレーキス
イッチ31が設けられ、該ブレーキスイッチ31の検出
信号(ブレーキ信号)は、デファレンシャル用コントロー
ルユニット43に入力されている。このデファレンシャ
ル用コントロールユニット43には、後述するデフロッ
クのモード選択を行うマニュアルスイッチ44及びバッ
テリ45が接続されている。
【0018】上記デファレンシャル用コントロールユニ
ット43には、上記ブレーキスイッチ31からのブレー
キ信号の他、スロットルセンサ32からスロットル開度
信号が、また、ABS用コントロールユニット41から
アンチスキッドブレーキ装置が作動しているか否かを示
すABS信号および各車輪16,16,18,18の車輪
速信号が、更に、上記マニュアルスイッチ44からモー
ド信号がそれぞれ入力される。デファレンシャル用コン
トロールユニット43では、これらの入力信号に基づい
て、フロント,リヤ及びセンタの各デファレンシャル2
1,22及び20に対して供給すべき制御電流値をそれ
ぞれ演算し供給する。そして、この供給された各制御電
流(フロントデフ電流,リヤデフ電流およびセンタデフ電
流)に応じて、各デファレンシャル21,22及び20の
差動制限力(ロック力)が制御されるようになっている。
尚、上記デファレンシャル用コントロールユニット43
からは、上記ABS用コントロールユニット41に向か
ってABS禁止信号を出力し得るようになっている。
ット43には、上記ブレーキスイッチ31からのブレー
キ信号の他、スロットルセンサ32からスロットル開度
信号が、また、ABS用コントロールユニット41から
アンチスキッドブレーキ装置が作動しているか否かを示
すABS信号および各車輪16,16,18,18の車輪
速信号が、更に、上記マニュアルスイッチ44からモー
ド信号がそれぞれ入力される。デファレンシャル用コン
トロールユニット43では、これらの入力信号に基づい
て、フロント,リヤ及びセンタの各デファレンシャル2
1,22及び20に対して供給すべき制御電流値をそれ
ぞれ演算し供給する。そして、この供給された各制御電
流(フロントデフ電流,リヤデフ電流およびセンタデフ電
流)に応じて、各デファレンシャル21,22及び20の
差動制限力(ロック力)が制御されるようになっている。
尚、上記デファレンシャル用コントロールユニット43
からは、上記ABS用コントロールユニット41に向か
ってABS禁止信号を出力し得るようになっている。
【0019】上記フロント,リヤ及びセンタの各デファ
レンシャル21,22及び20は、例えばセンタデフ2
0を例にとって説明すれば、図2にその一例を示すよう
な電磁式の多板クラッチ50を備え、この多板クラッチ
50の締結状態により、センタデフ20のロック力が制
御される。尚、このクラッチ50としてはは、センタデ
フ20の場合、フロントプロペラシャフト13とリヤプ
ロペラシャフト14との差動を制限できるものであれ
ば、他のどのような形式のものであっても良い。
レンシャル21,22及び20は、例えばセンタデフ2
0を例にとって説明すれば、図2にその一例を示すよう
な電磁式の多板クラッチ50を備え、この多板クラッチ
50の締結状態により、センタデフ20のロック力が制
御される。尚、このクラッチ50としてはは、センタデ
フ20の場合、フロントプロペラシャフト13とリヤプ
ロペラシャフト14との差動を制限できるものであれ
ば、他のどのような形式のものであっても良い。
【0020】上記多板クラッチ50は、、複数枚のイン
ナディスクとアウタディスクとが組み合わされてなるク
ラッチ板51と、このクラッチ板51に押圧力を作用さ
せるアクチュエータ52とを備えている。尚、53は軸
受、54は一方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動
部材、55は他方のプロペラシャフトに伝動連結する伝
動部材である。上記アクチュエータ52は、ソレノイド
56が通電された際に発生する磁力によってアーマチュ
ア57がクラッチ板51を押圧するように構成されてい
る。この電磁多板クラッチ50では、ソレノイド56に
流れる電流とクラッチ板51を摩擦係合させる押圧力
(つまり、電磁多板クラッチ50で発生するトルク)とが
比例関係にあるので、センタデフ20の差動回転数を電
流の増減によって連続的に変化させることができる。
尚、フロントデフ21及びリヤデフ22にも、上記と同
様の構成を備えた電磁多板クラッチが設けられている。
ナディスクとアウタディスクとが組み合わされてなるク
ラッチ板51と、このクラッチ板51に押圧力を作用さ
せるアクチュエータ52とを備えている。尚、53は軸
受、54は一方のプロペラシャフトに伝動連結する伝動
部材、55は他方のプロペラシャフトに伝動連結する伝
動部材である。上記アクチュエータ52は、ソレノイド
56が通電された際に発生する磁力によってアーマチュ
ア57がクラッチ板51を押圧するように構成されてい
る。この電磁多板クラッチ50では、ソレノイド56に
流れる電流とクラッチ板51を摩擦係合させる押圧力
(つまり、電磁多板クラッチ50で発生するトルク)とが
比例関係にあるので、センタデフ20の差動回転数を電
流の増減によって連続的に変化させることができる。
尚、フロントデフ21及びリヤデフ22にも、上記と同
様の構成を備えた電磁多板クラッチが設けられている。
【0021】ここで、上記マニュアルスイッチ44によ
って選択される各デフロックモードにおけるフロント,
センタ及びリヤの各デファレンシャル21,20及び2
2の制御内容の一例を表1に示す。この表1の「制御内
容」欄において、"アンロック"の場合には、当該デファ
レンシャル装置の電磁多板クラッチに対する供給電流は
0(零)であり、また、"完全ロック"の場合には最大値の
電流が供給される。
って選択される各デフロックモードにおけるフロント,
センタ及びリヤの各デファレンシャル21,20及び2
2の制御内容の一例を表1に示す。この表1の「制御内
容」欄において、"アンロック"の場合には、当該デファ
レンシャル装置の電磁多板クラッチに対する供給電流は
0(零)であり、また、"完全ロック"の場合には最大値の
電流が供給される。
【0022】
【表1】
【0023】上記各モードは、マニュアルスイッチ44
を操作することにより、運転者が任意に選択することが
でき、例えば、「Aモード」では、フロントデフ21がア
ンロック状態とされているため、駆動性に影響が少なく
操作性が優れており、市街地などの通常路を走行するオ
ンロード走行に適している。一方、「Fモード」では、全
てのデファレンシャル21,20,22が完全ロック状態
とされているため、操作性は低下するが駆動性に優れて
おり、悪路などを走行するオフロード走行に適してい
る。また、「Cモード」及び「Rモード」は、共に上記両モ
ードの間の特性を有し、運転者の好みに応じて選択され
る。尚、上記各モードにおいて、各デファレンシャル2
1,20,22に対する差動制限力がそれぞれ制御され、
種々の差動制限パターンが得られるが、この差動制限パ
ターンは、上記マニュアルスイッチ44の操作によるモ
ード選択で得られるものだけでなく、例えば、ABS信
号やブレーキ信号の入力等の種々の条件に応じて異なる
パターンのものが得られるようになっている。
を操作することにより、運転者が任意に選択することが
でき、例えば、「Aモード」では、フロントデフ21がア
ンロック状態とされているため、駆動性に影響が少なく
操作性が優れており、市街地などの通常路を走行するオ
ンロード走行に適している。一方、「Fモード」では、全
てのデファレンシャル21,20,22が完全ロック状態
とされているため、操作性は低下するが駆動性に優れて
おり、悪路などを走行するオフロード走行に適してい
る。また、「Cモード」及び「Rモード」は、共に上記両モ
ードの間の特性を有し、運転者の好みに応じて選択され
る。尚、上記各モードにおいて、各デファレンシャル2
1,20,22に対する差動制限力がそれぞれ制御され、
種々の差動制限パターンが得られるが、この差動制限パ
ターンは、上記マニュアルスイッチ44の操作によるモ
ード選択で得られるものだけでなく、例えば、ABS信
号やブレーキ信号の入力等の種々の条件に応じて異なる
パターンのものが得られるようになっている。
【0024】次に、上記デファレンシャル用コントロー
ルユニット43による各デファレンシャル装置の電磁多
板クラッチ50への供給電流の制御について説明する。
制御が開始されると、まず、各車輪速センサ30からの
入力信号に基づいて、左右の前後輪16,16,18,1
8の車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrが演算される。この演
算値を相互に比較することにより、いずれかの車輪にス
リップが生じているか否かを知ることができる。また、
上記車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrから車体速および各デ
フ20,21,22の差動回転数を算出することができ
る。車体速Vsp並びにセンタデフ20の差動回転数ΔN
cおよびリヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算するサブ
ルーチンを、それぞれ図3並びに図4および図5に示
す。
ルユニット43による各デファレンシャル装置の電磁多
板クラッチ50への供給電流の制御について説明する。
制御が開始されると、まず、各車輪速センサ30からの
入力信号に基づいて、左右の前後輪16,16,18,1
8の車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrが演算される。この演
算値を相互に比較することにより、いずれかの車輪にス
リップが生じているか否かを知ることができる。また、
上記車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrから車体速および各デ
フ20,21,22の差動回転数を算出することができ
る。車体速Vsp並びにセンタデフ20の差動回転数ΔN
cおよびリヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算するサブ
ルーチンを、それぞれ図3並びに図4および図5に示
す。
【0025】図3のフローチャートに示すように、車体
速Vspを演算する場合、各車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrr
を入力し(ステップ#10)、これらの車輪速Nfl,Nfr,
Nrl,Nrrの内の最低値を車体速度Vspと定義する(ステ
ップ#11)。また、図4のフローチャートに示すよう
に、センタデフ20の差動回転数ΔNcを演算する場
合、各車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrを入力し(ステップ#
20)、この入力値に基づいて、前輪側と後輪側との回
転差であるセンタデフ20の差動回転数ΔNcを演算す
る(ステップ#21)。更に、図5のフローチャートに示
すように、リヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算する
場合、左右のリヤ車輪速Nrl,Nrrを入力し(ステップ#
30)、この入力値に基づいて、左右の後輪間の回転差
であるリヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算する(ステ
ップ#31)。尚、フロントデフ21の差動回転数ΔNf
については、リヤデフ22の場合と同様の演算式で、N
rl,NrrをそれぞれNfl,Nfrに置き換えて演算すること
ができる。
速Vspを演算する場合、各車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrr
を入力し(ステップ#10)、これらの車輪速Nfl,Nfr,
Nrl,Nrrの内の最低値を車体速度Vspと定義する(ステ
ップ#11)。また、図4のフローチャートに示すよう
に、センタデフ20の差動回転数ΔNcを演算する場
合、各車輪速Nfl,Nfr,Nrl,Nrrを入力し(ステップ#
20)、この入力値に基づいて、前輪側と後輪側との回
転差であるセンタデフ20の差動回転数ΔNcを演算す
る(ステップ#21)。更に、図5のフローチャートに示
すように、リヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算する
場合、左右のリヤ車輪速Nrl,Nrrを入力し(ステップ#
30)、この入力値に基づいて、左右の後輪間の回転差
であるリヤデフ22の差動回転数ΔNrを演算する(ステ
ップ#31)。尚、フロントデフ21の差動回転数ΔNf
については、リヤデフ22の場合と同様の演算式で、N
rl,NrrをそれぞれNfl,Nfrに置き換えて演算すること
ができる。
【0026】次に、上記のようにして求めた各デフ2
0,21,22の差動回転数に応じて、各デフ20,21,
22の電磁多板クラッチ50のソレノイド56に供給す
べき制御電流値の演算が行なわれる。まず、センタデフ
20の制御電流値の演算例について説明する。図6は、
オートモード制御時におけるセンタデフ電流の設定ルー
チンを示すフローチャートであるが、この図に示すよう
に、まず、ステップ#40でセンタデフ電流Icを設定
する。このセンタデフ電流Icは、上記センタデフ差動
回転数△Ncとスロットル開度TVOから求められる。
図7は電流値I1とセンターデフ差動回転数△Ncとの関
係を示す線図、図8は電流値I2とスロットル開度TV
Oとの関係を示す線図である。すなわち、センタデフ差
動回転数△Ncとスロットル開度TVOのいずれかが最
大電流値Imaxとなった場合、センターデフ電流Icを、
「Ic=Imax」と設定する。また、センタデフ差動回転数
△Ncとスロットル開度TVOのいずれもが最大電流値
Imax以下の場合には、そのときの電流値I1と電流値I
2に基づきセンターデフ電流Icを所定の演算式を用いて
求める。
0,21,22の差動回転数に応じて、各デフ20,21,
22の電磁多板クラッチ50のソレノイド56に供給す
べき制御電流値の演算が行なわれる。まず、センタデフ
20の制御電流値の演算例について説明する。図6は、
オートモード制御時におけるセンタデフ電流の設定ルー
チンを示すフローチャートであるが、この図に示すよう
に、まず、ステップ#40でセンタデフ電流Icを設定
する。このセンタデフ電流Icは、上記センタデフ差動
回転数△Ncとスロットル開度TVOから求められる。
図7は電流値I1とセンターデフ差動回転数△Ncとの関
係を示す線図、図8は電流値I2とスロットル開度TV
Oとの関係を示す線図である。すなわち、センタデフ差
動回転数△Ncとスロットル開度TVOのいずれかが最
大電流値Imaxとなった場合、センターデフ電流Icを、
「Ic=Imax」と設定する。また、センタデフ差動回転数
△Ncとスロットル開度TVOのいずれもが最大電流値
Imax以下の場合には、そのときの電流値I1と電流値I
2に基づきセンターデフ電流Icを所定の演算式を用いて
求める。
【0027】次に、ステップ#41で、センタデフ電流
Icが最大電流値Imaxか否かを判断し、センターデフ電
流Icが最大電流値Imaxと異なる場合、すなわち最大電
流値Imaxより小さい場合は、ステップ#42において
「Ic=Ic」と設定する。このとき、センタデフ20は中
間ロック状態となり、また「Ic=0」の場合はアンロッ
ク状態となる。センタデフ電流Icが最大電流値Imaxの
場合には、ステップ#43においてタイマをセットし、
ステップ#44においてセンタデフ電流Icを「Ic=Im
ax」と設定する。このとき、センタデフ20は完全ロッ
ク状態となる。その後、ステップ#45においてタイマ
がカウントアップされ、ステップ#46において所定時
間経過したか否が判断される。すなわち、スリップなど
によりセンターデフ差動回転数△Ncが急激に増大した
とき、センタデフ20を所定時間完全ロック状態に保持
するようにしている。
Icが最大電流値Imaxか否かを判断し、センターデフ電
流Icが最大電流値Imaxと異なる場合、すなわち最大電
流値Imaxより小さい場合は、ステップ#42において
「Ic=Ic」と設定する。このとき、センタデフ20は中
間ロック状態となり、また「Ic=0」の場合はアンロッ
ク状態となる。センタデフ電流Icが最大電流値Imaxの
場合には、ステップ#43においてタイマをセットし、
ステップ#44においてセンタデフ電流Icを「Ic=Im
ax」と設定する。このとき、センタデフ20は完全ロッ
ク状態となる。その後、ステップ#45においてタイマ
がカウントアップされ、ステップ#46において所定時
間経過したか否が判断される。すなわち、スリップなど
によりセンターデフ差動回転数△Ncが急激に増大した
とき、センタデフ20を所定時間完全ロック状態に保持
するようにしている。
【0028】次に、リヤデフ22の制御電流値の演算例
について説明する。図9はオートモード制御時における
リヤデフ制御電流値設定ルーチンを示すフローチャート
である。リヤデフ制御電流値設定ルーチンは、基本的に
上記のセンターデフ制御電流値設定ルーチンと同様であ
る。すなわち、図9に示すように、まず、ステップ#5
0においてリヤデフ電流Irを同様に設定し、ステップ
#51において、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxか
否かを判断し、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxより
小さい場合は、ステップ#52において「Ir=Ir」と設
定する。このとき、リヤデフ22は中間ロック状態とな
り、また「Ic=0」の場合はアンロック状態となる。リ
ヤデフ電流Irが最大電流値Imaxの場合には、ステップ
#53においてタイマをセットし、ステップ#54にお
いてリヤデフ電流Irを「Ic=Imax」と設定する。この
とき、リヤデフ22は完全にロック状態となる。次に、
ステップ#54においてタイマがカウントアップされ、
ステップ#56において所定時間経過したか否が判断さ
れる。すなわち、スリップなどによりリヤデフ差動回転
数△Nrが急激に増大したとき、リヤデフ22を所定時
間完全ロック状態に保持するようにしている。
について説明する。図9はオートモード制御時における
リヤデフ制御電流値設定ルーチンを示すフローチャート
である。リヤデフ制御電流値設定ルーチンは、基本的に
上記のセンターデフ制御電流値設定ルーチンと同様であ
る。すなわち、図9に示すように、まず、ステップ#5
0においてリヤデフ電流Irを同様に設定し、ステップ
#51において、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxか
否かを判断し、リヤデフ電流Irが最大電流値Imaxより
小さい場合は、ステップ#52において「Ir=Ir」と設
定する。このとき、リヤデフ22は中間ロック状態とな
り、また「Ic=0」の場合はアンロック状態となる。リ
ヤデフ電流Irが最大電流値Imaxの場合には、ステップ
#53においてタイマをセットし、ステップ#54にお
いてリヤデフ電流Irを「Ic=Imax」と設定する。この
とき、リヤデフ22は完全にロック状態となる。次に、
ステップ#54においてタイマがカウントアップされ、
ステップ#56において所定時間経過したか否が判断さ
れる。すなわち、スリップなどによりリヤデフ差動回転
数△Nrが急激に増大したとき、リヤデフ22を所定時
間完全ロック状態に保持するようにしている。
【0029】ところで、本実施例に係る自動車では、エ
ンジン10の出力を制御する上記エンジン用コントロー
ルユニット40は、運転状態に応じた通常どうりのエン
ジン出力の制御に加えて、所定の条件下では、フロン
ト,センタ及びリヤの各デフ21,20及び22に対する
各差動制限力の増大に応じて、エンジン出力の変化特性
がなだらかになるようにエンジン出力を制御するように
構成されている。
ンジン10の出力を制御する上記エンジン用コントロー
ルユニット40は、運転状態に応じた通常どうりのエン
ジン出力の制御に加えて、所定の条件下では、フロン
ト,センタ及びリヤの各デフ21,20及び22に対する
各差動制限力の増大に応じて、エンジン出力の変化特性
がなだらかになるようにエンジン出力を制御するように
構成されている。
【0030】図10に示すように、上記エンジン用コン
トロールユニット40には、スロットル開度To,エンジ
ン冷却水温TW,エンジン回転数Neおよび吸気量Qaの
検出データが入力されるとともに、上記各デフ21,2
0及び22に対する差動制限力(ロック力)Ff,Fc及び
Frをそれぞれ表す信号および路面μの検出データ等が
入力されるようになっている。上記各デフ21,20及
び22の差動制限力Ff,Fc及びFrは、各デフ21,2
0,22の電磁クラッチ50に供給される制御電流値に
基づいて演算で求めることができ、また、上記路面μの
データは、例えばミュー(μ)センサで検出された値が、
ABS用コントロールユニット41を介して入力され
る。
トロールユニット40には、スロットル開度To,エンジ
ン冷却水温TW,エンジン回転数Neおよび吸気量Qaの
検出データが入力されるとともに、上記各デフ21,2
0及び22に対する差動制限力(ロック力)Ff,Fc及び
Frをそれぞれ表す信号および路面μの検出データ等が
入力されるようになっている。上記各デフ21,20及
び22の差動制限力Ff,Fc及びFrは、各デフ21,2
0,22の電磁クラッチ50に供給される制御電流値に
基づいて演算で求めることができ、また、上記路面μの
データは、例えばミュー(μ)センサで検出された値が、
ABS用コントロールユニット41を介して入力され
る。
【0031】上記エンジン用コントロールユニット40
は、上記各検出データや信号に基づいて、燃料噴射量,
点火時期あるいはスロットル開度等、エンジン出力およ
びその変化特性に影響を及ぼす因子を制御する。以下、
エンジン用コントロールユニット40によるエンジン出
力の制御について、図11のフローチャートを参照しな
がら説明する。上記エンジン用コントロールユニット4
0によるエンジン出力の制御が開始されると、まず、ス
テップ#60で、スロットル開度To,エンジン冷却水温
TW,エンジン回転数Neおよび吸気量Qa等の各種検出
信号、および各デフ21,20,22に対する差動制限力
(ロック力)Ff,Fc,Frをそれぞれ表す信号および路面
μの検出データ等が読み込まれる。
は、上記各検出データや信号に基づいて、燃料噴射量,
点火時期あるいはスロットル開度等、エンジン出力およ
びその変化特性に影響を及ぼす因子を制御する。以下、
エンジン用コントロールユニット40によるエンジン出
力の制御について、図11のフローチャートを参照しな
がら説明する。上記エンジン用コントロールユニット4
0によるエンジン出力の制御が開始されると、まず、ス
テップ#60で、スロットル開度To,エンジン冷却水温
TW,エンジン回転数Neおよび吸気量Qa等の各種検出
信号、および各デフ21,20,22に対する差動制限力
(ロック力)Ff,Fc,Frをそれぞれ表す信号および路面
μの検出データ等が読み込まれる。
【0032】次に、ステップ#61で、上記各検出信号
に基づいて基本燃料噴射量TPが演算される。この場
合、上記基本燃料噴射量TPは、例えば次式で算出され
る。 TP=k・Qa/Ne (ただし、kは定数) 次に、ステップ#62で、路面μが所定値以下であるか
否か、つまり車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さ
くスリップが生じ易い条件であるか否かが判定される。
に基づいて基本燃料噴射量TPが演算される。この場
合、上記基本燃料噴射量TPは、例えば次式で算出され
る。 TP=k・Qa/Ne (ただし、kは定数) 次に、ステップ#62で、路面μが所定値以下であるか
否か、つまり車輪と路面との間で得られる摩擦力が小さ
くスリップが生じ易い条件であるか否かが判定される。
【0033】上記ステップ#62での判定結果がYES
の場合には、ステップ#63で、各デフ21,20,22
に対する差動制限力Ff,Fc,Frに基づいて、燃料噴射
量の補正係数、つまりエンジン出力のなまし率Xが演算
される。本実施例では、上記エンジン用コントロールユ
ニット40に、各デフ21,20,22毎について、その
差動制限力Ff,Fc,Frとなまし率Xf,Xc,Xrとの関係
をそれぞれ定めるマップが備えられており、これらマッ
プと当該デフに対する差動制限力とに基づいて、当該デ
フが差動制限されることによるエンジン出力のなまし率
が求められる。そして、上記三つのデフ21,20,22
がそれぞれ差動制限されることによる総合的ななまし率
Xは、各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xr
の積として求められる。
の場合には、ステップ#63で、各デフ21,20,22
に対する差動制限力Ff,Fc,Frに基づいて、燃料噴射
量の補正係数、つまりエンジン出力のなまし率Xが演算
される。本実施例では、上記エンジン用コントロールユ
ニット40に、各デフ21,20,22毎について、その
差動制限力Ff,Fc,Frとなまし率Xf,Xc,Xrとの関係
をそれぞれ定めるマップが備えられており、これらマッ
プと当該デフに対する差動制限力とに基づいて、当該デ
フが差動制限されることによるエンジン出力のなまし率
が求められる。そして、上記三つのデフ21,20,22
がそれぞれ差動制限されることによる総合的ななまし率
Xは、各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xr
の積として求められる。
【0034】上記各デフ21,20,22毎について、そ
の差動制限力Ff,Fc,Frとなまし率Xf,Xc,Xrとの関
係を定めるマップの一例を図12〜図14に示す。これ
らの図に示すように、本実施例では、より好ましくは、
各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xrは、い
ずれも、差動制限力が増大するほどその値が大きくな
り、また、Xr>Xf>Xcの関係が成立するように設定
されている。三つのなまし率Xf,Xc,Xrのうち、リヤ
デフ22についてのなまし率Xrが最も大きくなるよう
に設定したのは、リヤデフ22がロックされている場合
には、タイヤスリップが生じるとオーバステア傾向にな
り、車両の操縦安定性に対して最も大きな影響を及ぼす
からである。これに対して、フロントデフ21がロック
されている場合には、タイヤスリップが生じるとアンダ
ステア傾向になるが、上記オーバステアよりは悪影響が
少なくてすむ。また、センタデフ20の場合には、前後
の差動を制御するのみで、スリップ条件に対しては直接
的な影響を及ぼすことは無いので、なまし率は最も小さ
くて良い。
の差動制限力Ff,Fc,Frとなまし率Xf,Xc,Xrとの関
係を定めるマップの一例を図12〜図14に示す。これ
らの図に示すように、本実施例では、より好ましくは、
各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xrは、い
ずれも、差動制限力が増大するほどその値が大きくな
り、また、Xr>Xf>Xcの関係が成立するように設定
されている。三つのなまし率Xf,Xc,Xrのうち、リヤ
デフ22についてのなまし率Xrが最も大きくなるよう
に設定したのは、リヤデフ22がロックされている場合
には、タイヤスリップが生じるとオーバステア傾向にな
り、車両の操縦安定性に対して最も大きな影響を及ぼす
からである。これに対して、フロントデフ21がロック
されている場合には、タイヤスリップが生じるとアンダ
ステア傾向になるが、上記オーバステアよりは悪影響が
少なくてすむ。また、センタデフ20の場合には、前後
の差動を制御するのみで、スリップ条件に対しては直接
的な影響を及ぼすことは無いので、なまし率は最も小さ
くて良い。
【0035】以上のようにしてエンジン出力に対するな
まし率X(=Xf・Xc・Xr)が算出されると、ステップ
#64で、エンジンが加速状態であるか否かが判定され
る。この場合、例えばスロットル開度Toの変化率ある
いは吸気量Qaの変化率によって加速状態であるか否か
が判定される。上記ステップ#64での判定結果がYE
Sの場合には、ステップ#65で、トランスミッション
11のギヤが走行段に入っているか否かが判定される。
この判定結果がYESの場合には、ステップ#66で、
エンジン冷却水温TWが所定温度(例えば70℃)を越え
ているか否かが判定される。
まし率X(=Xf・Xc・Xr)が算出されると、ステップ
#64で、エンジンが加速状態であるか否かが判定され
る。この場合、例えばスロットル開度Toの変化率ある
いは吸気量Qaの変化率によって加速状態であるか否か
が判定される。上記ステップ#64での判定結果がYE
Sの場合には、ステップ#65で、トランスミッション
11のギヤが走行段に入っているか否かが判定される。
この判定結果がYESの場合には、ステップ#66で、
エンジン冷却水温TWが所定温度(例えば70℃)を越え
ているか否かが判定される。
【0036】そして、上記ステップ#66での判定結果
がYESの場合には、路面μが所定値以下である場合の
基本燃料噴射量TPaが演算される。この場合、基本燃
料噴射量TPaは次式で算出される。 TPa=X・TPn-1+(1−X)・TPn … 尚、この式において、TPn-1は前回の演算サイクルに
おける基本燃料噴射量TPの値、また、TPnは今回の
演算サイクルにおける基本燃料噴射量TPの値を表して
いる。
がYESの場合には、路面μが所定値以下である場合の
基本燃料噴射量TPaが演算される。この場合、基本燃
料噴射量TPaは次式で算出される。 TPa=X・TPn-1+(1−X)・TPn … 尚、この式において、TPn-1は前回の演算サイクルに
おける基本燃料噴射量TPの値、また、TPnは今回の
演算サイクルにおける基本燃料噴射量TPの値を表して
いる。
【0037】上式から分かるように、この場合における
基本燃料噴射量TPaは、なまし率Xの値が大きいほど
前回の演算値の影響が大きくなり、従って、エンジン出
力の変化特性はなだらかになる。すなわち、各デフ2
1,20,22に対する差動制限力Ff,Fc,Frが増大し
て各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xrが大
きくなるほど(従って、総合的ななまし率Xが大きくな
るほど)、エンジン出力の変化特性はなだらかになるよ
うにエンジン出力が制御されるようになっている。
基本燃料噴射量TPaは、なまし率Xの値が大きいほど
前回の演算値の影響が大きくなり、従って、エンジン出
力の変化特性はなだらかになる。すなわち、各デフ2
1,20,22に対する差動制限力Ff,Fc,Frが増大し
て各デフ21,20,22毎のなまし率Xf,Xc,Xrが大
きくなるほど(従って、総合的ななまし率Xが大きくな
るほど)、エンジン出力の変化特性はなだらかになるよ
うにエンジン出力が制御されるようになっている。
【0038】一方、上記ステップ#62,#64,#6
5,#66のいずれかにおいて、その判定結果がNOの
場合には、ステップ#68で、次式によって基本燃料噴
射量TPbが演算される。 TPb=(3TPn-1+TPn)/4 この式から分かるように、この場合には、基本燃料噴射
量TPaの場合のように、デフに対する差動制限状態に
応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるように
なまされることはない。
5,#66のいずれかにおいて、その判定結果がNOの
場合には、ステップ#68で、次式によって基本燃料噴
射量TPbが演算される。 TPb=(3TPn-1+TPn)/4 この式から分かるように、この場合には、基本燃料噴射
量TPaの場合のように、デフに対する差動制限状態に
応じてエンジン出力の変化特性がなだらかになるように
なまされることはない。
【0039】次に、上記ステップ#67またはステップ
#68で算出された基本燃料噴射量TPaまたはTPbの
値に、エンジン水温や吸気温度等の各種データに基づく
補正値TPcを加えて最終燃料噴射量Tiを算出し出力す
る(ステップ#69およびステップ#70)ようになって
いる。
#68で算出された基本燃料噴射量TPaまたはTPbの
値に、エンジン水温や吸気温度等の各種データに基づく
補正値TPcを加えて最終燃料噴射量Tiを算出し出力す
る(ステップ#69およびステップ#70)ようになって
いる。
【0040】以上のように制御することにより、路面μ
が所定値以下で車輪と路面との間で得られる摩擦力が小
さくスリップが生じ易い場合には、基本燃料噴射量TP
aは、各デフ21,20,22に対する差動制限力Ff,F
c,Frの増大に応じて大きくなるなまし率Xによって変
化させられ、このなまし率Xが大きいほどなだらかに変
化する。従って、スロットル開度変化に対するエンジン
出力の変化の仕方は、例えば図15に示すように、上記
差動制限力が最も低く(0:零)全デフがフリーである場
合(図15の破線参照)が最も敏感で、差動制限力が最も
高い全デフがロックされている場合(図15の一点鎖線
参照)がもっともなだらかになる。
が所定値以下で車輪と路面との間で得られる摩擦力が小
さくスリップが生じ易い場合には、基本燃料噴射量TP
aは、各デフ21,20,22に対する差動制限力Ff,F
c,Frの増大に応じて大きくなるなまし率Xによって変
化させられ、このなまし率Xが大きいほどなだらかに変
化する。従って、スロットル開度変化に対するエンジン
出力の変化の仕方は、例えば図15に示すように、上記
差動制限力が最も低く(0:零)全デフがフリーである場
合(図15の破線参照)が最も敏感で、差動制限力が最も
高い全デフがロックされている場合(図15の一点鎖線
参照)がもっともなだらかになる。
【0041】すなわち、エンジン出力は差動制限力の増
大に応じてその変化特性がなだらかになるように制御さ
れることとなり、差動制限力が高い場合には、アクセル
ペダルを踏み込んでも、エンジン出力が急激に立ち上が
り車輪に付与される駆動力が急激に上昇することが防止
される。従って、発進時あるいは加速時における全輪ス
リップの発生を有効に防止し、車両の操縦安定性を高め
ることができるのである。
大に応じてその変化特性がなだらかになるように制御さ
れることとなり、差動制限力が高い場合には、アクセル
ペダルを踏み込んでも、エンジン出力が急激に立ち上が
り車輪に付与される駆動力が急激に上昇することが防止
される。従って、発進時あるいは加速時における全輪ス
リップの発生を有効に防止し、車両の操縦安定性を高め
ることができるのである。
【0042】尚、上記実施例では、各デフ21,20,2
2に対する差動制限力Ff,Fc,Frが増大するほど燃料
噴射量TPaの変化が緩慢となるようにすることによ
り、エンジン出力の変化特性をなだらかにするようにし
たものであったが、他の要因を制御することによって同
様の効果を奏することが可能である。例えば、エンジン
吸気系に、アクセルペダルの踏み込み操作に連動してそ
の開度が制御される通常のスロットル弁(所謂メカスロ
ットル弁)に加えて、このメカスロットル弁に対する補
助的なスロットル弁として、電動式のアクチュエータで
開閉駆動でき、このアクチュエータを電気信号に応じて
作動させることによって吸入空気量を制御できるように
した、所謂、エレキスロットル弁を設け、このエレキス
ロットル弁の開度の変化特性を、例えば図16に示すよ
うに、各デフに対する差動制限力の大小に応じて変化す
るように制御することにより、全体としてのスロットル
開度の変化特性を同様に制御し、差動制限力が高い場合
にはエンジン出力の変化特性がなだらかなものとなるよ
うにエンジン出力を制御することが可能である。
2に対する差動制限力Ff,Fc,Frが増大するほど燃料
噴射量TPaの変化が緩慢となるようにすることによ
り、エンジン出力の変化特性をなだらかにするようにし
たものであったが、他の要因を制御することによって同
様の効果を奏することが可能である。例えば、エンジン
吸気系に、アクセルペダルの踏み込み操作に連動してそ
の開度が制御される通常のスロットル弁(所謂メカスロ
ットル弁)に加えて、このメカスロットル弁に対する補
助的なスロットル弁として、電動式のアクチュエータで
開閉駆動でき、このアクチュエータを電気信号に応じて
作動させることによって吸入空気量を制御できるように
した、所謂、エレキスロットル弁を設け、このエレキス
ロットル弁の開度の変化特性を、例えば図16に示すよ
うに、各デフに対する差動制限力の大小に応じて変化す
るように制御することにより、全体としてのスロットル
開度の変化特性を同様に制御し、差動制限力が高い場合
にはエンジン出力の変化特性がなだらかなものとなるよ
うにエンジン出力を制御することが可能である。
【0043】また、上記各実施例は、路面μが所定値以
下の場合について、各デフに対する差動制限力の増大に
応じてエンジン出力の変化特性をなだらかにするもので
あったが、本発明の適用は路面μが特に低い場合だけに
限定されるものではでなく、路面μが特に低くない場合
でも、エンジン出力を上記のように制御することによ
り、発進あるいは急加速に伴って生じる可能性がある全
輪スリップを未然に防止し、車両の操縦安定性の向上に
寄与することができる。
下の場合について、各デフに対する差動制限力の増大に
応じてエンジン出力の変化特性をなだらかにするもので
あったが、本発明の適用は路面μが特に低い場合だけに
限定されるものではでなく、路面μが特に低くない場合
でも、エンジン出力を上記のように制御することによ
り、発進あるいは急加速に伴って生じる可能性がある全
輪スリップを未然に防止し、車両の操縦安定性の向上に
寄与することができる。
【0044】尚、上記実施例は、フロントデフ21,セ
ンタデフ20,リヤデフ22の三つのデフが設けられた
4WD車の場合についてのものであったが、本発明は、
かかる場合に限定されず、車軸間デフ(センタデフ)と1
個の車輪間デフ(例えばリヤデフ)の二つのデフのみを備
えた車両、あるいはいずれか一方のデフのみを備えた車
両の場合についても、有効に適用することができるには
勿論のことである。
ンタデフ20,リヤデフ22の三つのデフが設けられた
4WD車の場合についてのものであったが、本発明は、
かかる場合に限定されず、車軸間デフ(センタデフ)と1
個の車輪間デフ(例えばリヤデフ)の二つのデフのみを備
えた車両、あるいはいずれか一方のデフのみを備えた車
両の場合についても、有効に適用することができるには
勿論のことである。
【図1】 本発明の実施例に係る自動車の駆動力伝達系
の全体構成を概略的に示す全体構成図である。
の全体構成を概略的に示す全体構成図である。
【図2】 上記自動車のデファレンシャルに設けられた
電磁クラッチの一例を示す断面説明図である。
電磁クラッチの一例を示す断面説明図である。
【図3】 上記自動車の車体速を演算するサブルーチン
を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
【図4】 上記自動車のセンタデフの差動回転数を演算
するサブルーチンを示すフローチャートである。
するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 上記自動車のリヤデフの差動回転数を演算す
るサブルーチンを示すフローチャートである。
るサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 オートモード制御時におけるセンタデフ電流
の設定ルーチンを示すフローチャートである。
の設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 電流値とセンタデフの差動回転数との関係の
一例を示すグラフである。
一例を示すグラフである。
【図8】 電流値とスロットル開度との関係の一例を示
すグラフである。
すグラフである。
【図9】 オートモード制御時におけるリヤデフ電流の
設定ルーチンを示すフローチャートである。
設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】 上記自動車のエンジン用コントロールユニ
ットへの入力信号を示すブロック説明図である。
ットへの入力信号を示すブロック説明図である。
【図11】 上記エンジン用コントロールユニットによ
るエンジン出力の制御を説明するためのフローチャート
である。
るエンジン出力の制御を説明するためのフローチャート
である。
【図12】 リヤデフについての差動制限力となまし率
との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
【図13】 フロントデフについての差動制限力となま
し率との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
し率との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
【図14】 センタデフについての差動制限力となまし
率との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
率との関係を定めるマップの一例を示す図ある。
【図15】 エンジン出力とスロットル開度の変化特性
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図16】 本発明の他の実施例に係るエレキスロット
ル弁の開度変化特性の一例を示すグラフである。
ル弁の開度変化特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】 10…エンジン 15…フロントアクスル 16…前輪 17…リヤアクスル 18…後輪 20…センタデファレンシャル(センタデフ) 21…フロントデファレンシャル(フロントデフ) 22…リヤデファレンシャル(リヤデフ) 40…エンジン用コントロールユニット 43…デファレンシャル用コントロールユニット 50…電磁クラッチ Ff,Fc,Fr…差動制限力 Ne…エンジン回転数 X,Xf,Xc,Xr…なまし率
Claims (3)
- 【請求項1】 左右の車輪間もしくは前後の車軸間に介
設された差動装置に対する差動制限力を所定のパラメー
タによって変化させ得る差動制限装置を備えた車両の制
御装置であって、 上記差動制限力の増大に応じてエンジン出力の変化特性
がなだらかになるようにエンジン出力を制御する制御手
段を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 【請求項2】 左右の車輪間および前後の車軸間にそれ
ぞれ介設された各差動装置に対する差動制限力を各々所
定のパラメータによって変化させ得る差動制限装置がそ
れぞれ設けられた車両の制御装置であって、 上記差動制限力の増大に応じてエンジン出力の変化特性
がなだらかになるようにエンジン出力を制御し、かつ、
該エンジン出力の変化特性を上記各差動制限装置の差動
制限状態に応じて補正する制御手段を備えたことを特徴
とする車両の制御装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された車
両の制御装置において、 路面摩擦係数が所定値よりも低い場合に、上記エンジン
出力の変化特性をなだらかにするエンジン出力の制御が
行なわれることを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2515993A JPH06241082A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2515993A JPH06241082A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06241082A true JPH06241082A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12158250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2515993A Pending JPH06241082A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06241082A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109795317A (zh) * | 2019-02-15 | 2019-05-24 | 徐州徐工矿业机械有限公司 | 一种驱动力分配装置及控制方法 |
-
1993
- 1993-02-15 JP JP2515993A patent/JPH06241082A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109795317A (zh) * | 2019-02-15 | 2019-05-24 | 徐州徐工矿业机械有限公司 | 一种驱动力分配装置及控制方法 |
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