JP3330170B2 - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のデファレンシャ
ルの差動制限装置に関し、より詳細には、デファレンシ
ャルの差動制限力を変化させることができる車両の差動
制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車は、旋回時における前後及び
左右輪の軌跡差を補償すべく、前後輪の車軸間に配設さ
れるセンタデファレンシャル、前輪間に配設されるフロ
ントデファレンシャル、更に、後輪間に配設されるリヤ
デファレンシャルをそれぞれ備えている。これらのデフ
ァレンシャルの働きによって、所謂タイトコーナーブレ
ーキング現象等を排除することが可能となる。しかしな
がら、これらのデファレンシャルを備えた車両では、発
進・加速時に4輪の内のいずれかの車輪が空転すると他
の車輪に駆動力が十分伝わらず、安定した発進・加速が
困難となってしまい、操縦安定性、制動性、加速性が低
下してしまうという問題があった。
【0003】上記問題点に鑑み、特開昭62-74719号公報
には、車速と車輪速との関係から、車輪のスリップ状態
を検出し、スリップを検知したときに、デファレンシャ
ルをロック状態にし、走行性能の著しい低下を防ぐ4輪
駆動車の制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、車両の走破性
を向上させるという観点からは、スプリット低μ等で、
デファレンシャルに差動が生じ駆動力が効率的に伝わら
ないときには、上記公報で開示されている制御装置のよ
う、タイヤのスリップ検出時にデファレンシャルをロッ
ク状態にすることが効果的である(図15)。
【0005】しかしながら、極低μのような路面状況で
あれば、このような制御装置のようにデファレンシャル
を瞬時にロックしたり、デファレンシャルの差動制限を
大きな力で行うと、かえって車両の安定走行が乱される
という問題がある。即ち、一輪にスリップが発生してい
る状況において、デファレンシャルを瞬時にロックさせ
る、つまり、デファレンシャルの差動制限力(締結力)
を高めると、デファレンシャルロック時のショック、差
動を制限したことによる他輪の同時スリップ等が発生
し、車両のバランスが崩れ、車両の安定した走行が困難
になるという問題が起こる。従って、車両の安定性重視
の観点からは、デファレンシャルの差動制限はできるだ
け小さな力で行うことが好ましい(図16)。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みて構成され
たもので、スリップ量が増加するに従って、車両の走行
安定性を重視したデファレンシャルの差動制御に移行す
る車両の差動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる技術的課題を達成
すべく、本発明は、左右前輪間に配置されたフロントデ
ファレンシャルと、左右後輪間に配置されたリアデファ
レンシャルと、前後輪間に配置されたセンタデファレン
シャルとのそれぞれに対する差動制限力を、各デファレ
ンシャルの差動回転数に応じて変化させる車両の差動制
限装置であって、デファレンシャルの差動回転数が高ま
るにつれて制限力を高めるようにした第1の制御特性
と、該第1の制御特性より勾配が小さい第2の制御特性
の少なくとも2つの制御特性を備え、前記各デファレン
シャルにおいて、差動回転数に応じて前記2つの制御特
性に所定の重み付けを行い、前記各デファレンシャルの
差動制限力を変化させ、前記車両の実車速と車輪速の最
大値との差が所定値以下のときは、第1の制御特性に大
きな重み付けをした差動制限を行って、前記車両の実車
速と車輪速の最大値との差が所定値より大きいときは、
第2の制御特性に大きな重み付けをした差動制限を行
い、前記センタデファレンシャルの差動を、前記リアデ
ファレンシャルの差動より先に制限することを特徴とす
る車両の差動制限装置を提供する。
【0008】このような構成を備えた本発明によれば、
実車速と車輪速との差が大きくなったときには、デファ
レンシャルの差動制限が小さな力で行われるので、全車
輪がスリップを起こすことが回避される。また、差動回
転数が増大したときには、車両の走行安定性を重視した
デファレンシャルの差動制御に移行するため、車両の急
激な挙動を防止することができる。さらに、センタデフ
ァレンシャルの差動制限を、リアデファレンシャルの差
動制限より先に行うので、まず、センタデファレンシャ
ルの差動制限により車輪のスリップを効果的に打ち消し
て車体の安定性が確保される。
【0009】本発明の好ましい態様によれば、路面と車
輪との間の摩擦係数を判定する判定手段を設け、該判定
手段が極めて低い摩擦係数を判定したとき、前記差動制
限制御を行う。
【0010】このような構成によれば、極めてスリップ
が起こりやすい状況でのみ、本発明の差動制御が行われ
ることになる。
【0011】
【0012】
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明の一実施例の車両の制御装
置の概略構成図である。先ず、図1に示された車両の動
力伝達系を説明する。車両はエンジン10を備え、エン
ジン10にはトランスミッション11が接続される。ト
ランスミッション11の出力側に、センタデファレンシ
ャル12が配置される。センタデファレンシャル12に
は、エンジン10からの出力を前輪側に伝達するフロン
トプロペラシャフト13及び後輪側に伝達するリヤプロ
ペラシャフト14がそれぞれ接続されている。このフロ
ントプロペラシャフト13には、フロントアクスル15
を介して前輪16が接続されている。またリヤプロペラ
シャフト14には、リヤアクスル17を介して後輪18
が接続されている。フロントアクスル15にはフロント
デファレンシャル19(以下、フロントデフという。)
が、リヤアクスル15にはリヤデファレンシャル20
(以下、リヤデフという。)がそれぞれ設けられてい
る。
【0014】本実施例の車両は、各デファレンシャル1
2,19,20等を制御するコントロールユニット22
を備える。このコントロールユニット22には、各種の
走行状態を表す信号が入力される。各前輪16及び各後
輪18には、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサが
それぞれ取り付けられており、車輪速センサからの信号
が、コントロールユニット22に入力される。コントロ
ールユニット22には、車速センサ23からの車速信
号、スロットルセンサからのスロットル開度、エンジン
回転数センサからのエンジン回転数等の信号が入力され
る。コントロールユニット22は、エンジン10に対し
スロットル開度信号を出力してスロットル開度を調整す
るとともに、燃料噴射信号を出力して、燃料噴射弁の制
御を行う。さらに、イグニッション信号を出力して点火
時期を制御するようになっている。また、トランスミッ
ション11にシフト信号を出力して変速制御を行う。
【0015】コントロールユニット22は、入出力セク
ション25、CPU27及びメモリ29を備えている。
上記の入出力信号は、すべて入出力セクション25を介
して送られる。差動制御は、コントロールユニット22
が、各入力された値に基づいてセンタデフ12へセンタ
デフ電流、フロントデフ19へフロントデフ電流、リヤ
デフ20へリヤデフ電流をそれぞれ供給し、これらの電
流値に基づいてセンタデフ12、フロントデフ19及び
リヤデフ20がアンロック状態、中間ロック状態及び完
全ロック状態になることによっておこなわれる。中間ロ
ック状態においては、差動トルクが電流量に応じて連続
的に変化するようになっている。
【0016】図2は、センタデフに設けられた電磁多板
クラッチを示す断面図である。センタデフ12、フロン
トデフ19及びリヤデフ20には、それぞれ電磁多板ク
ラッチ50が設けられ、この電磁多板クラッチ50によ
り各センタデフ12、フロントデフ19及びリヤデフ2
0がアンロック状態から完全ロック状態まで連続的に差
動状態が連続的に変化する。この電磁多板クラッチ50
は、フロントプロペラシャフト13とリヤプロペラシャ
フト14との差動を制限できるものであれば、どのよう
な形式のものでもよい。その一例を図2に示す。図2に
おいて、電磁多板クラッチ50は複数枚のインナディス
クとアウタディスクとよりなるクラッチ板51及びこの
クラッチ板51へ押圧力を生じさせるアクチュエータ5
2から構成されている。また53は軸受、54は一方の
プロペラシャフトに伝動連結する伝動部材、55は他方
のプロペラシャフトに伝動連結する伝動部材である。ア
クチュエータ52は、ソレノイド56に電流が流れる時
に発生する磁力によってアーマチュア57がクラッチ板
51を押圧するように構成されている。この電磁多板ク
ラッチ50においては、ソレノイド56に流れる電流と
クラッチ板51を摩擦係合させる押圧力すなわち電磁多
板クラッチ50で発生するトルクとが比例関係にあるの
で、センタデフ12、フロントデフ19及びリヤデフ2
1の差動回転数を電流の増減により連続的に変化させる
ことができる。
【0017】次に、本発明のデファレンシャルの制御に
ついて説明する。図3は、本発明の1実施例のデファレ
ンシャル12、19及び20の差動制御のフロチャート
を示す。図3に示すフロチャートは、デファレンシャル
12、19及び20の差動制御のメインルーチンの内容
を示す。コントロールユニット22は、先ず、車輪速セ
ンサからの信号に基づいて、各車輪の車輪速(左前輪車
輪速NFL 、右前輪車輪速NFR 、左後輪車輪速NRL 及び右
後輪車輪速NRR を演算する(S1)。つぎに、これらの
車輪速に基づいて各デフ19、12及び20の差動回転
ΔNF、ΔNC及びΔNRを演算する(S2)。次いで、コン
トロールユニット22に各車輪速及び車速センサ23か
らの車速信号等に基づいて求められる路面のμ値が所定
値以下か否かを判定する。(S3)。μ値が所定値より
大きい時には、各デファレンシャルの差動制御力及び制
御電流に関する通常の(従来通りの)演算がおこなわれ
る(S4)。一方、μ値が所定値以下の時には、コント
ロールユニット22は、各デフ19、12及び20のロ
ック力すなわち差動制限力FF、FC及びFRを図4のフロチ
ャートに示すルーチンによって算出する(S5)。各デ
フの差動制限力FF、FC及びFRが求まると各デフ19、1
2及び20の電磁多板クラッチ50を動作させるソレノ
イド56に通電する制御電流量IF、IC及びIRが演算され
る(S6)。
【0018】この場合、各制御電流量IF、IC及びIRは、
差動制限力FF、FC及びFRの関数IF=f(FF) 、IC=f(FC)
及びIR=f(FR) である。従って、所定の関数を与えてお
くことにより差動制限力FF、FC及びFRから電流値を求め
ることができる。また、図5に示すような特性を各デフ
について予め設定してメモリ29に記憶しておき、この
特性にしたがって電流値を求めるようにしてもよい。
【0019】そして、コントロールユニット22は、求
めた電流値を各デフのソレノイド56に通電することに
より所望の差動制限力FF、FC及びFRを得る(S7)。つ
ぎに図4を参照して図3における(S5)の内容である
差動制限力FF、FC及びFRを算出する手順について説明す
る。この手順は、各デフ12、19及び20について共
通であるので、センタデフ12の差動制限力FFの算出に
ついて説明し、他のデフ19及び20についての説明は
省略する。
【0020】まず、コントロールユニット22は、走破
性の重み付け関数Kc1(ΔNC) と安定性の重み付け関数Kc
2(ΔNC) に基づいて走破性及び安定性の重み付け量KC1
=kc1(ΔNC) 及びKC2 =kc2(ΔNC) を算出する(T
1)。走破性及び安定性の重み付け量Kc1(ΔNC) 及びKc
2(ΔNC) は、0.0 から1.0 の間で変化する(図6)。走
破性重み付け関数kc1(ΔNC) は差動回転数ΔNCが所定値
以上に増大すると、ほぼ0から1になる。また、走行安
定性重み付け関数kc2(ΔNC) は、逆に差動回転数ΔNCが
所定値以下のときは1で所定値を越えるとほぼ0とな
る。
【0021】次にコントロールユニット22は、図8の
フローチャートに従って、スリップ量ΔVの算出を行う
(T2)。次いで、このスリップ量ΔVに基づく差動制
限力FCの補正係数HC1 、HC2 を決定する(T3)。これ
らの補正量HC1 、HC2 は走破性に関するスリップ量補正
関数hc1(ΔV) 、安定性に関するスリップ量補正関数hc
2 ( ΔV) に基づいて決定される(図7)。すなわち、
HC1 =hc1(ΔV) 、HC2 =hc2(ΔV) である。
【0022】このスリップ量補正関数hc1(ΔV) 及びhc
2 ( ΔV) は本実施例では、図7に示すような特性で与
えられている。すなわち、スリップ量ΔVが増大すると
き、走破性を重視するスリップ量補正関数hc1(ΔV) は
1から徐々に減少し、逆に走行安定性を重視するスリッ
プ量補正関数hc2 ( ΔV) は、1から徐々に増加する。
【0023】つぎに、コントロールユニットは、このス
リップ量補正係数HC1 、HC2 を考慮して重み付け量KC1
及びKC2 を更新する(T4)。次いで、差動制限力FCを
FC={KC1 ×fc1(ΔNC) +KC2 ×fc2(ΔNC) }/(KC1+K
C2)により計算する(T5)。ここで、最終的な差動制
限力FCは、センタデフ12の差動回転ΔNCの関数として
与えられ、走破性に関する制御関数fc1(ΔNC)(図9)
と安定性に関する制御関数fc2(ΔNC) (図10)に上記の
手順で求めた重みKC1 及びKC2 に従った重み付けを行っ
て求められたものとなる。
【0024】ここで走破性を重視した差動制限力の制御
関数は、図9に示すような特性を有する。すなわち、差
動回転数が小さい領域において差動回転ΔNCが増大する
とき、差動制限力FCが比較的急激に増大し、その後差動
回転ΔNCが増大しても差動制限力FCの増大はそれほど大
きくならない。また走行安定性を重視する差動制限力の
制御関数は図10に示すような特性を有する。差動回転
ΔNCが比較的小さい領域では、差動回転ΔNCと差動制限
力FCとはほぼ比例関係にあるが、差動回転ΔNCが増大し
ても差動制限力FCはそれほど増大しない。比較的差動回
転ΔNCの大きい範囲では、差動回転ΔNCの増大とともに
差動制限力FCの増加幅は大きくなる。
【0025】次に、図8を参照して、スリップ量ΔVを
算出する手順について説明する。まず、コントロールユ
ニット22は、実際の車速VRを算出する(P1)。こ
の算出方法は、従来から知られている、車速センサ23
からの信号を使用したり、車輪速変化に理論ガードを設
けて実車速を推定したりする手法が採られる。次いで、
4つの車輪の回転速度の最大値Vcを求め(P3)、こ
の最大値Vcと実車速VRの差をスリップ量ΔVとす
る。
【0026】フロントデフ19、リアデフ20について
も同様にして、差動制限力FF、FRが算出され差動制限力
の制御が行われるが、これらのデフ19及び20につい
ての差動制限力FF及びFRの基本的な算出手順は、上記の
センタデフの場合と異なるところがないのでその説明は
省略する。但し、その過程で考慮する重み付け関数kf1
(ΔNF) 、kf2(ΔNF) 及びkr1(ΔNR) 、kr2(ΔNR) 、ス
リップ量補正関数hf1(ΔV) 及びhf2 ( ΔV) 、hr1(Δ
V) 及びhr2 ( ΔV) の特性はそれぞれ異なるものを用
いる。
【0027】たとえば、フロントデフ19の重み付け関
数kf1(ΔNF) 、kf2(ΔNF) には図11に示すような特性、
またリヤデフ20の重み付け関数kr1(ΔNR) 、kr2(ΔN
R) には図12に示すような特性が与えられる。各デフ1
9、12及び20についての特性を比較するとフロント
デフ12は、リヤデフ20及びセンタデフ19に比して
安定性の重み付け量が差動回転ΔN が大きくなるまで高
く保たれ、安定性重視の傾向になっている。差動回転Δ
N 増大するとき、センタデフ12、リヤデフ20及びフ
ロントデフ19の順で安定性重視の重み付けから走破性
重視の重み付けに移行する。従って、フロントデフ19
が最も差動回転ΔN の大きい範囲まで走行安定性重視の
重み付けが維持される。その結果、また、スリップ量補
正関数hc1(ΔV) 及びhc2 ( ΔV) については、フロン
トデフ19及びリヤデフ20対して、それぞれ、図13、
図14に示すような特性が与えられる。この特性を図7に
示すセンタデフ12のものと比較すると、差動回転ΔN
が増大するときセンタデフ12のスリップ量補正係数の
変化が最も緩やかで、フロントデフ19のスリップ量補
正係数の変化が最も顕著である。リヤデフ20の特性
は、フロントデフ19とセンタデフ20との中間の変化
特性を有する。
【0028】すなわち、フロントデフ19のスリップ量
補正関数hc1(ΔV) 及びhc2 ( ΔV) の特性はスリップ
量ΔVが比較的小さい領域において、安定性重視の傾向
と走破性重視の傾向とを明瞭に区別した補正を行う。リ
ヤデフ20では、フロントデフ19ほどではないが比較
的低いΔVの段階で安定性重視及び走破性重視の補正の
区別をはっきりさせるようになっている。
【0029】具体的には、上記実施例では、スリップ量
に応じてセタデフ20、リアデフ20、フロントデフ1
9の順でロックしていく制御がおこなわれる。センタデ
フ20の差動を先に制限し、車輪のスリップを効果的に
打ち消し、車体の安定性を優先的に確保している。つい
で、操縦性に対する影響が比較的少ないリアデフ20の
差動を制限する。従って、フロントデフ19の差動を先
に制限する場合に比して、操縦性に優れた味つけとな
る。
【0030】又、上記の様な制御が、路面のμ値が極め
て低い状態、即ち、スリップが起こりやすい状況、での
み行われるようにしてもよい。又、上記のようなデファ
レンシャルの差動制限を行う際に、エンジン、ATのト
ルクゲインを小さくすることで、安定性をさらに向上さ
せることができる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
実車速と車輪速との差が大きくなった際でも、差動制限
力が必要以上に大きくなって、全輪がスリップを起こす
ことを防止できる。更に、差動回転数が増大した時に、
車両の走行安定性を重視した制御に移行するため、急激
な車両の挙動を防止することが出来る。
【0032】又、本発明による制御を路面μ値が極めて
低い値でのみ行われるようにすると、極めてスリップし
易い状態でのみ、車両の走行安定性を重視した車両の差
動制限が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置を適用した車両の制御装
置の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】センタデフに設けられた電磁多板クラッチを示
す断面図である。
【図3】デファレンシャルの差動制御のメインルーチン
を示すフローチャートである。
【図4】差動制限力を算出するルーチンのフロチャート
である。
【図5】差動制限力とソレノイドへの制御電流との関係
を示すグラフである。
【図6】センタデフの差動回転量と差動制限力の重み付
け量との関係を示すグラフである。
【図7】センタデフのスリップ量とスリップ量に基づく
差動制限力の補正係数との関係を示すグラフである。
【図8】スリップ量を算出するルーチンのフローチャー
トである。
【図9】センタデフの差動回転と走破性を重視した差動
制限力との関係を示すグラフである。
【図10】センタデフの差動回転と走行安定性を重視し
た差動制限力との関係を示すグラフである。
【図11】フロントデフの差動回転量と差動制限力の重
み付け量との関係を示すグラフである。
【図12】リヤデフの差動回転量と差動制限力の重み付
け量との関係を示すグラフである。
【図13】フロントデフのスリップ量とスリップ量に基
づく差動制限力の補正係数との関係を示すグラフであ
る。
【図14】リヤデフのスリップ量とスリップ量に基づく
差動制限力の補正係数との関係を示すグラフである。
【図15】走破性を重視した差動制限を示すグラフ。
【図16】走行安定性を重視した差動制限を示すグラ
フ。
【符号の説明】
12 センタデファレンシャル(センタデフ) 19 フロントデファレンシャル(リアデフ) 20 リアデファレンシャル(リアデフ) 22 コントロールユニット 50 電磁多板クラッチ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右前輪間に配置されたフロントデファ
    レンシャルと、左右後輪間に配置されたリアデファレン
    シャルと、前後輪間に配置されたセンタデファレンシャ
    ルとのそれぞれに対する差動制限力を、各デファレンシ
    ャルの差動回転数に応じて変化させる車両の差動制限装
    置であって、 デファレンシャルの差動回転数が高まるにつれて制限力
    を高めるようにした第1の制御特性と、該第1の制御特
    性より勾配が小さい第2の制御特性の少なくとも2つの
    制御特性を備え、 前記各デファレンシャルにおいて、差動回転数に応じて
    前記2つの制御特性に所定の重み付けを行って、前記各
    デファレンシャルの差動制限力を変化させ、 前記車両の実車速と車輪速の最大値との差が所定値以下
    のときは、第1の制御特性に大きな重み付けをした差動
    制限を行い、前記車両の実車速と車輪速の最大値との差
    が所定値より大きいときは、第2の制御特性に大きな重
    み付けをした差動制限を行い、 前記センタデファレンシャルの差動を、前記リアデファ
    レンシャルの差動より先に制限する、 ことを特徴とする車両の差動制限装置。
  2. 【請求項2】 路面と車輪との間の摩擦係数を判定する
    判定手段を設け、 該判定手段が極めて低い摩擦係数を判定したとき、前記
    差動制限制御を行うことを特徴とする、 請求項1に記載の車両の差動制限装置。
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