JPH0717282A - 4輪駆動車の駆動力制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の駆動力制御装置

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JPH0717282A
JPH0717282A JP18721293A JP18721293A JPH0717282A JP H0717282 A JPH0717282 A JP H0717282A JP 18721293 A JP18721293 A JP 18721293A JP 18721293 A JP18721293 A JP 18721293A JP H0717282 A JPH0717282 A JP H0717282A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4輪駆動車の駆動力配分制御(差動制限制
御)において、低車速域において、直進安定性とタイト
コーナー旋回性と操縦安定性を高める。 【構成】 4輪駆動車のセンタ差動装置としての電磁多
板クラッチの締結トルクを、差動回転数反映締結トルク
と、推定横加速度反映締結トルクと、車速反映締結トル
クとの合計トルクで設定するようにし、差動回転数反映
締結トルクは、差動回転数ΔN(主に前後輪間の差動回
転数)に応じてマップから求めた締結トルクを、車速と
ヨーレイトとをパラメータとするマップM2から求めた
ゲインG1nと、差動回転数に応じたゲインとでゲイン
変更して設定される。前記マップM2の特性において、
低車速域において、ヨーレイト微小領域A1では、ゲイ
ンG1n=1.0、ヨーレイト中間領域A2では、G1
n=0、ヨーレイト過大領域A3では、ゲインG1n=
1.0、に夫々設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4輪駆動車の駆動力制
御装置に関し、特に、ヨーレイトに応じて差動制限クラ
ッチ手段の差動制限トルクを制御することにより駆動力
配分を制御するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、4輪駆動車には、前輪と後輪
へ駆動力を配分するトランスファ装置が設けられ、この
トランスファ装置には、通常、差動制限機能を持たない
差動ギヤ機構が設けられているが、最近では、4輪への
駆動力配分を制御可能にする為に、差動ギヤ機構と共に
又は差動ギヤ機構の代わりに、電磁多板クラッチからな
る差動制限装置を設けたものも提案されている。そし
て、旋回走行時の操縦安定性を確保する為に、前記差動
制限装置を、ヨーレイトをパラメータとして制御する技
術も提案されている。例えは、特公平5−14659号
公報には、旋回走行時にスピンやステア特性の急変が生
じるのを高い応答性で以て防止する為に、検出された実
ヨーレイトと実ヨー加速度が、車速と舵角とから求めた
目標ヨーレイトと目標ヨー加速度となるように差動制限
装置を制御する車両用駆動系クラッチ制御装置が記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヨーレイト
と関連づけて、低車速領域における差動制限制御(駆動
力配分)について考察してみると、直進走行の安定性を
確保する為には、4輪駆動状態とすることが望ましい
が、4輪駆動状態として前後輪間の差動を制限した状態
では、タイトコーナーを走行する時の旋回性が極度に低
下してしまうという問題がある。そこで、所定値以上の
ヨーレイトが発生したときには、差動制限を解除して前
輪駆動にすることが考えられるが、その場合、低摩擦路
面等の影響により過大なヨーレイトが発生したときの操
縦安定性が低下してしまう。本発明の目的は、4輪駆動
車の駆動力制御装置において、低車速領域における直進
安定性を高め、タイトコーナーの旋回性を高め、過大な
ヨーレイト発生時の操縦安定性を高めること、等であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の4輪駆動車の
駆動力制御装置は、4つの車輪に対する駆動力配分を、
前後輪間の差動を制限する差動制限クラッチ手段を介し
て、車体に作用するヨーレイトに応じて、制御する4輪
駆動車の駆動力制御装置において、前記ヨーレイトを検
出する検出手段と、前記検出手段で検出されたヨーレイ
トを受けて差動制限手段を制御する制御手段であって、
ヨーレイト微小領域では差動制限トルクを高め、ヨーレ
イト中間領域では差動制限トルクを低め、ヨーレイト過
大領域では差動制限トルクを高めるような制御特性で制
御する制御手段とを備えたものである。
【0005】ここで、前記制御手段は、4輪駆動車の走
行状態が所定状態のときには、前記制御特性による制御
を禁止するようにした構成(請求項1に従属の請求項
2)、前記所定状態が、車速が所定値以上の状態である
構成(請求項2に従属の請求項3)、前記所定状態が、
ヨーレイト変化率が所定値以上の状態である構成(請求
項2に従属の請求項4)、等の種々の態様に構成でき
る。
【0006】
【発明の作用及び効果】請求項1の4輪駆動車の駆動力
制御装置においては、4つの車輪に対する駆動力配分
を、ヨーレイトに応じて、差動制限クラッチ手段を介し
て制御するが、検出手段によりヨーレイトが検出される
と、制御手段は、検出ヨーレイトを受けて、ヨーレイト
微小領域では差動制限トルクを高め、ヨーレイト中間領
域では差動制限トルクを低め、ヨーレイト過大領域では
差動制限トルクを高めるような制御特性で制御する。こ
のように、ヨーレイト微小領域で差動制限トルクを高め
ることで、直進安定を確保でき、また、ヨーレイト中間
領域で差動制限トルクを低めることで、タイトコーナー
の旋回性を確保でき、また、ヨーレイト過大領域で差動
制限トルクを高めることで、スピン防止を図り、操縦安
定を確保することができる。
【0007】ここで、請求項2の駆動力制御装置におい
ては、前記制御手段は、所定状態のときには、前記制御
特性による制御を禁止するため、車速が所定値以上の領
域やヨーレイト変化率が所定値以上の領域等の所定領域
では、前記制御特性に制約されることがない。
【0008】請求項3の駆動力制御装置においては、前
記所定状態が車速が所定値以上の状態であるので、高車
速時のヨーレイトが発生しやすい領域でのステア特性の
変化を小さくできるので、操縦安定性の低下を防止でき
る。請求項4の駆動力制御装置においては、前記所定状
態がヨーレイト変化率が所定値以上の状態であるので、
急旋回時にそのステア特性の変化を防止できるため、操
縦安定性の低下を防止できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。本実施例は、通常の走行時には前輪駆動
とされ、差動制限が必要な走行状態では後輪をも駆動す
る型式の4輪駆動車に本発明を適用した場合の一例であ
る。最初に、この4輪駆動車MCの概略全体構成につい
て説明する。図1に示すように、4輪駆動車MCにおい
て、左右の前輪1,2間に左前輪車軸5と右前輪車軸6
とが設けられ、左右の後輪3,4間には左後輪車軸8と
右後輪車軸9とが設けられ、左前輪車軸5と右前輪車軸
6とは、左右の前輪1,2の差動を許す前輪用差動装置
7で連動連結され、左後輪車軸8と右後輪車軸9とは、
左右の後輪3,4の差動を許す後輪用差動装置10で連
動連結されている。
【0010】車体(図示略)の前部の中央部には、エン
ジンとこのエンジンに直結された自動変速機とからなる
パワーユニット11が前後方向向きに配設され、このパ
ワーユニット11の出力軸12から前輪用差動装置7に
駆動力を伝達する前輪駆動力伝達系13と、パワーユニ
ット11の出力軸12から後輪用差動装置10に駆動力
を伝達する後輪駆動力伝達系14とが設けられている。
前輪駆動力伝達系13は、出力軸12に固定されたギヤ
15からギヤ16に駆動力を伝達し、このギヤ16の駆
動力を前輪用駆動軸17を介して前輪用差動装置7に伝
達するように構成してある。後輪駆動力伝達系14に
は、後輪用差動装置10に連動連結された後輪駆動軸1
8と、出力軸12と後輪駆動軸18間に設けられた電磁
クラッチ19であって差動制限トルクを制御可能な電磁
クラッチ19(これが、差動制限クラッチ手段に相当す
る)とが設けられている。
【0011】前記電磁クラッチ19は、出力軸12と一
体回転するケース20と、ケース20内に配設されケー
ス20と一体回転する複数のクラッチプレート21と、
ケース20内に配設され後輪駆動軸18と一体回転する
複数のクラッチディスク22と、これら複数のクラッチ
プレート21とクラッチディスク22とに磁力を作用さ
せる電磁石(これは、コイル23と磁路形成部材とを含
む)であって、車体に固定された電磁石等で構成されて
いる。この電磁クラッチ19のコイル23へ通電しない
状態では、電磁クラッチ19が分断状態となって、左右
の前輪1,2のみが駆動され、後輪駆動軸18へ駆動力
が伝達されないが、コイル23へ通電すると、そのコイ
ル電流の大きさに比例する締結トルクに等しい駆動トル
クが後輪駆動軸18へ伝達され、4輪駆動状態となる。
【0012】次に、制御系について説明する。パワーユ
ニット11を制御するパワーユニット制御装置30と、
ブレーキ装置(図示略)を制御するABS制御装置31
(アンチスキッド制御用の制御装置)と、電磁クラッチ
19を制御するクラッチ制御装置32とが設けられてい
る。更に、センサ類としては、左前輪1の回転速度N1
を、左前輪車軸5と一体回転するディスク33を介して
検出する左前輪車輪速センサ34と、右前輪2の回転速
度N2を、右前輪車軸6と一体回転するディスク35を
介して検出する右前輪車輪速センサ36と、左後輪3の
回転速度N3を、左後輪車軸8に固定されたディスク3
7を介して検出する左後輪車輪速センサ38と、右後輪
4の回転速度N4を、右後輪車軸9と一体回転するディ
スク39を介して検出する右後輪車輪速センサ40と、
ブレーキスイッチ41と、ハンドル42の舵角θhを検
出する舵角センサ43と、ニュートラル/インヒビタス
イッチ44と、車体に作用するヨーレイトψvを検出す
るヨーレイトセンサ45と、エンジンに設けられたアイ
ドルスイッチ46及びスロットル開度センサ47及びク
ランク角センサ48等が設けられている。
【0013】前記車輪速センサ34,36,38,40
の車輪速信号N1,N2,N3,N4は、ABS制御装
置31に入力され、ABS制御装置31からは、アンチ
スキッド制御実行中にONとなるABS信号と車輪速信
号N1,N2,N3,N4がクラッチ制御装置32に供
給される。前記ブレーキスイッチ41からのスイッチ信
号BRと、舵角センサ43からの舵角信号θhと、ヨー
レイトセンサ45からのヨーレイト信号ψvとは、クラ
ッチ制御装置32に直接入力されている。
【0014】前記ニュートラル/インヒビタスイッチ4
4からのスイッチ信号NIと、アイドルスイッチ46か
らのスイッチ信号IDと、スロットル開度センサ47か
らのスロットル開度信号TVOと、クランク角センサ4
5からのクランク角信号CAは、パワーユニット制御装
置30を介してクラッチ制御装置32に供給される。前
記クラッチ制御装置32から電磁クラッチ19のコイル
23に対してコイル電流Ioutを出力可能に構成して
あり、クラッチ制御装置32は、イグニションスイッチ
がONのときに、電源に接続されるとともに、イグニシ
ョンスイッチがOFFのときに、バックアップバッテリ
49から給電され、また、クラッチ制御装置32は、基
本的には、イグニションスイッチがONのときに入力さ
れるイグニション信号IGが入力されている状態のとき
に作動するように構成されているが、テーリング処理の
ときには、イグニションスイッチ信号IGがOFFでも
作動する。
【0015】前記クラッチ制御装置32は、検出信号を
必要に応じてA/D変換するA/D変換器、検出信号を
必要に応じて波形整形する波形整形回路、入出力インタ
ーフェイス、CPUとROMとRAMとを含むマイクロ
コンピュータ、コイル23にコイル電流Ioutを出力
するコイル駆動回路、等から構成されている。前記マイ
クロコンピュータのROMには、後述するように4輪駆
動車MCの走行状態に応じて締結トルクを制御して、4
つの車輪1〜4に対する駆動力配分を制御する駆動力配
分制御の制御プログラムと、その制御プログラムに付随
する複数のマップ等が予め入力格納してあり、RAMに
は、その制御の演算処理に必要な種々のメモリ類が設け
られている。
【0016】ここで、電磁クラッチ19に対する制御の
概要について簡単に説明しておく。図2に示すように、
4輪駆動車MCの走行状態や挙動に関連する物理量(物
理的パラメータ)として、主として前後輪の差動回転数
ΔNと、ヨーレイトψvと、車速Vとを用いるものとす
る。先ず、検出した差動回転数ΔNをマップM1に適用
して締結トルクTnを求め、その締結トルクTnを、マ
ップM2のゲイン特性から求めたゲインG1nと、マッ
プM3のゲイン特性から求めたゲインG2nとで夫々ゲ
イン変更し、そのゲイン変更後の締結トルクTnに、必
要に応じてホールド処理を施して差動回転数反映締結ト
ルクT1を求める。
【0017】前記と並行的に、検出したヨーレイトψv
と車速V(4輪駆動車MCの速度)とから求めた推定横
加速度αをマップM4に適用して、締結トルクTψを求
め、その締結トルクTψを、マップM5のゲイン特性か
ら求めたゲインG1ψでゲイン変更してヨーレイト反映
締結トルクT2を求める。前記と並行的に、検出した車
速VをマップM6に適用して、締結トルクTvを求めて
車速反映締結トルクT3を求める。
【0018】次に、締結トルクT1とT2とT3を加算
した合計締結トルクTtを、マップM7に適用してコイ
ル電流Iに変換し、次に、そのコイル電流Iに、夫々必
要に応じて、ABS対応処理によるゲインGaとテーリ
ング処理によるゲインGtとを乗算して出力用コイル電
流Ioutを設定し、そのコイル電流Ioutをコイル
23に出力する。
【0019】ここで、前記マップM1,M4,M6の各
々は、締結トルクの特性を設定したトルク特性に相当す
るものであり、マップM2,M3,M5の各々は、締結
トルクに乗ずるゲインの特性を設定したゲイン特性に相
当するものである。次に、これらマップM1〜M7の構
成について説明する。マップM1は、図3に示すよう
に、差動回転数ΔNをパラメータとして締結トルクTn
の特性を設定したものであり、差動回転数ΔNは、検出
された4輪の最大車輪速と最小車輪速との差として、次
式で決定される。
【0020】ΔN=Max〔N1,N2,N3,N4 〕−min
〔N1,N2,N3,N4 〕 マップM1において、実線は、加速時のトルク特性を示
し、破線は減速時のトルク特性を示し、a=80〜12
0、b=40〜80、c=400〜500、程度の値で
ある。加速時には多少のスリップは好ましい、しかし、
減速時には、車輪のロックを防止して、極力多くの車輪
で制動力を分担させることが望ましいので、a>bに設
定してある。これにより、制動性を高めることができ
る。
【0021】マップM2は、図4に示すように、車速V
とヨーレイトψvをパラメータとしてゲインG1nの特
性を設定したものであり、車速Vは検出された最低車輪
速に定数を掛けて次式により決定される。 V=min〔N1,N2,N3,N4 〕・2π・rt・60/10
00 但し、rtは、タイヤの動荷重半径である。最低車輪速
は、路面をグリップしている車輪から発生するので、最
低車輪速から車速Vを求めることとした。マップM2に
おいて、領域A1では、直進安定性確保の為に、ゲイン
G1n=1.0に設定し、領域A3では、急旋回走行時
におけるスピン防止の為に、ゲインG1n=1.0に設
定し、領域A4では、旋回走行時の走破性を確保し、パ
ワードリフト走行を可能とする為に、ゲインG1n=
1.0に設定してある。尚、d=25〜35、e=70
〜100、f=25〜30、g=40〜60、程度の値
である。尚、マップM2が、締結トルク設定特性に相当
するものである。
【0022】更に、領域A2では、タイトコーナーを旋
回する旋回性能を高める為に、ゲインG1n=0に設定
してある。また、旋回走行時には、前輪1,2の輪荷重
が大きく、また後輪3,4の輪荷重が小さいために後輪
3,4が横滑りしやすく、その結果オーバーステア傾向
となり、著しいオーバーステアにより車体がスピンしや
すくなる。それ故、領域A5では、前輪1,2の駆動力
を高めて前輪1,2のグリップ力(タイヤ横力)を低下
させるとともに、後輪3,4のグリップ力(タイヤ横
力)を増大させることによってアンダーステア化を図
り、前記オーバーステア傾向を相殺する為に、ゲインG
1n=0に設定してある。尚、境界線L1は、0.4G
(但し、Gは重力加速度)の横加速度に相当するライン
であり、境界線L2,L3は、車速Vの増大に応じてヨ
ーレイトψvが減少するため、横加速度の増大に応じた
前後輪1〜4へのトルク配分が可能になる。
【0023】マップM3は、図5に示すように、車速V
と差動回転数ΔNをパラメータとして、ゲインG2nの
特性を設定したものである。境界線L4は、タイヤの空
気圧の低下やテンパータイヤの装着により、タイヤ動半
径が10%減少した場合に対応する差動回転数ΔNのラ
インであり、領域B1では、タイヤの空気圧の低下やテ
ンパータイヤの装着による差動回転数ΔNの影響を無視
する為に、ゲインG2n=0に設定してあり、領域B2
では、実質的に発生した差動回転数ΔNに対応すべく、
ゲインG2n=1.0に設定してある。尚、h=7、i
=70〜100、j=30〜50程度の値であり、h=
7の値は、車輪速センサ34,36,38,40の検出
信号から検知可能な最低車速である。
【0024】ホールド処理は、図6に示すように、ハン
チング防止の為に、締結トルクTnを所定時間保持する
制御であり、締結トルクTn≧設定トルクTno(これ
は、最大締結トルクの95%の値である)のときにのみ
実行される。このホールド処理においては、Tn≧Tn
oのときには、カウンタにより計時しつつ、所定のホー
ルド時間thの間締結トルクTnが保持され、その所定
時間th経過後には、ホールド処理を解除して所定の減
少率にて締結トルクTnが減少されるが、ホールド処理
の解除後、所定時間tf以内に締結トルクTn≧設定ト
ルクTnoとなると、次のホールド処理は、前回のホー
ルド時間thの2倍のホールド時間2thの間実行さ
れ、そのホールド時間2thの経過後には、前記同様
に、所定の減少率にて締結トルクTnが減少される。
【0025】マップM4は、図7に示すように、推定横
加速度αをパラメータとして締結トルクTψの特性を設
定したものである。前記推定横加速度αは、ヨーレイト
ψvと車速Vとをパラメータとして、次式により決定さ
れる。 α=(V・1000/3600)・(ψv・π/10
0) このマップM4においては、ワインディング走行の走破
性を高め、パワードリフト走行を可能とする為に、推定
横加速度αがある値以上のときには、ラインL5に示す
ように、推定横加速度αの増大に応じて締結トルクTψ
をある値までは増大させる。
【0026】旋回限界(推定横加速度α=mの位置)付
近においては、後輪3,4の輪荷重が小さいために後輪
3,4のグリップ力が低下し、オーバーステア傾向とな
るので、後輪3,4のグリップ力を増し、かつ前輪1,
2のグリップ力を減少させてオーバーステア傾向を解消
する為に、旋回限界以上では、ラインL6に沿って締結
トルクTψを徐々に低下させるような特性に設定してあ
る。このように、旋回度合いが旋回限界以上のときに
は、締結トルクTψが、ラインL6に沿って徐々に低下
する特性としたので、締結トルクTψが急に解除される
ことがなく、前後輪1〜4のグリップ力が急変すること
がないから、限界的な旋回走行における操縦安定性を確
保することができる。尚、k=5.5〜6.0、m=
6.5〜7.0、n=440〜460、程度の値であ
る。
【0027】マップM5は、図8に示すように、差動回
転数ΔNをパラメータとしてゲインG1ψの特性を設定
したものであり、このマップM5は、旋回走行中に差動
回転が発生したときの応答性を高める為のものである。
尚、p=30〜40、q=60〜80、程度の値であ
る。
【0028】マップM6は、車速Vをパラメータとして
締結トルクTvの特性を設定したものであり、このマッ
プM6は、高速走行時の直進安定性を確保する為のもの
である。尚、r=60、s=70〜90、t=100、
程度の値である。マップM7は、合計締結トルクTtと
コイル電流Iの関係を設定したマップであり、コイル2
3のヒステリシスの影響を加味して、合計締結トルクT
tの増加の際には、折線L7によりコイル電流Iが決定
され、また、合計締結トルクTtの減少の際には、折線
L8によりコイル電流Iが決定される。
【0029】ABS対応処理は、ABS制御装置31に
より、ABS制御実行中には、車輪のロックを防止する
為に、電磁クラッチ19の締結トルクを解除する処理で
あり、ABS信号がONで、かつ、ブレーキスイッチ信
号BRがONの場合には、ゲインGa=0に設定され、
また、それ以外のときには、ゲインGa=1.0に設定
される。
【0030】マップM8は、走行状態から停車状態に移
行する際に、締結トルクの急変によるショックを防止す
る為のテーリング処理によるゲインGtの特性を設定し
たものであり、3sec間に亙って締結トルクを徐々に
減少させるような特性に設定してある。テーリング処理
条件は、イグニションスイッチ信号IG=OFF、クラ
ンク角信号CA=0(rpm)、車速V=0、ニュート
ラル/インヒビタ信号NI=ON、の諸条件が充足され
たときに実行される。
【0031】次に、前記クラッチ制御装置32において
実行されるクラッチ制御であって、4つの車輪への駆動
力配分を走行状態に応じて適切に設定する為の駆動力配
分制御の制御プログラムについて説明する。尚、図中、
符号Si(i=1,2,3・・)は各ステップを示すも
のである。イグニションスイッチ信号IGがONになる
と制御が開始され、最初に、各種検出信号(N1〜N
4,BR,ABS,TVO,CA,NI等)が読み込ま
れ(S1)、次に前記読み込んだ検出信号を用いて、差
動回転数ΔNと、ヨーレイトψvと、車速Vと、推定横
加速度αとが、既述のように演算される(S2)。
【0032】次に、差動回転数ΔNをマップM1に適用
して締結トルクTnが演算され(S3)、次に、車速V
とヨーレイトψvとをマップM2に適用してゲインG1
nが演算され(S4)、次に、車速Vと差動回転数ΔN
をマップM3に適用して、ゲインG2nが演算される
(S5)。次に、ホールド処理が必要か否か判定され
(S6)、その判定結果が No のときには締結トルクT
nが変更されずに保持され(S7)、また、S6の判定
結果がYes のときには、ホールド処理により締結トルク
Tnが補正される(S8)。尚、このホールド処理につ
いては、既述の通りであるので、説明を省略する。次
に、差動回転数反映締結トルクT1が、次式により演算
される(S9)。 T1=Tn×G1n×G2n
【0033】次に、推定横加速度αをマップM4に適用
して締結トルクTψが演算され(S10)、次に、差動
回転数ΔNをマップM5に適用してゲインG1ψが演算
され(S11)、次に、ヨーレイト反映締結トルクT2
が、次式により演算される(S12)。 T2=Tψ×G1ψ
【0034】次に、車速VをマップM6に適用して締結
トルクTvが演算され(S13)、次に、車速反映締結
トルクT3が、次式により演算される(S12)。 T3=Tv 次に、前記トルクT1とT2とT3とを合計した合計締
結トルクTtが次式で演算される(S15)。 Tt=T1+T2+T3
【0035】次に、S16において、合計締結トルクT
tをマップM7に適用してコイル電流Iが演算される
が、合計締結トルクTtが増加するときには、マップM
7のラインL7に基いて演算され、また、合計締結トル
クTtが減少するときには、マップM7のラインL8に
基いて演算される。次に、S17において、ABS信号
がONでABS制御実行中であり、かつ、ブレーキスイ
ッチ信号BRがONでブレーキが作動中か否か判定さ
れ、その判定結果が No のときには、ゲインGaがGa
=1.0に設定され(S18)、また、S17の判定結
果がYes のときには、ゲインGaがGa=0に設定され
る(S19)。
【0036】次に、S20において、テーリング処理が
必要か否か判定されるが、この判定は、イグニションス
イッチ信号IG=OFF、クランク角信号CA=0(r
pm)、車速V=0、ニュートラル/インヒビタ信号N
I=ON、の諸条件が充足されたときにYes と判定さ
れ、前記諸条件が充足されないときに No と判定され
る。その判定結果が No のときには、ゲインGtがGt
=1.0に設定され(S21)、また、その判定結果が
Yes のときには、ゲインGtがカウンタによる計時時間
とマップM8等に基いて演算される(S22)。
【0037】次に、S23において、コイル23へ出力
する出力用コイル電流Iout が、次式により演算され
る。 Iout =I×Ga×Gt 次に、S24において、出力用コイル電流Iout がコイ
ル23へ出力され、その後リターンして、S1〜S24
が、所定の微小時間ごとに繰り返して実行されることに
なる。
【0038】尚、この4輪駆動車MCにおいては、前記
駆動力配分制御を自動的に実行するオートモードと、常
時前輪のみ駆動するFFモードと、常時電磁クラッチ1
9を接続して4輪を駆動する4WDモードとを択一的に
設定可能に構成してあり、また、高μ路走行用モード
と、低μ路走行用モードとを選択的に設定可能に構成し
てある。前記トルク特性及びゲイン特性は、高μ路を前
提とした特性であり、以上の説明は、オートモードと高
μ路走行用モードの場合に関するものである。尚、低μ
路走行用モードにおいても、前記トルク特性及びゲイン
特性と略同様の特性が適用されるが、前記各種の値(a
〜k,m,n,p〜t)の値が、必要に応じてスリップ
抑制方向へ適宜変更され、また、マップM4の特性につ
いては、ラインL5自体が左方へ変更されることにな
る。
【0039】以上説明したように、この4輪駆動車MC
のクラッチ制御装置32により実行される駆動力配分制
御においては、差動回転数ΔNに応じた締結トルクTn
と、推定横加速度αに応じた締結トルクTψと、車速V
に応じた締結トルクTvとを夫々のトルク特性マップか
ら求めて、それらの合計トルクに基いて、電磁クラッチ
19の差動制限トルクを制御するため、坂道走行や旋回
走行時の差動回転数ΔNに応じた駆動力配分と、旋回走
行時のヨーレイトψvに応じた駆動力配分と、車速Vに
応じた駆動力配分とを理想的に実行することができる。
【0040】しかも、締結トルクTnを、車速Vとヨー
レイトψvとに基いてマップM2から求めたゲインG1
nでゲイン変更するため、差動回転数ΔNと車速Vとヨ
ーレイトψvとを総合的に加味して締結トルクTnを適
切に設定できる。特に、マップM2において、所定の車
速d以下の領域に関し、ヨーレイト微小領域A1ではゲ
インG1n=1.0に設定することで、直進安定性を高
めることができ、また、ヨーレイト中間領域A2ではゲ
インG1n=0に設定することで、タイトコーナーを旋
回する際の旋回性を高めることができ、また、ヨーレイ
ト過大領域A3ではゲインG1n=1.0に設定するこ
とで、スピン防止を図り操縦安定性を高めることができ
る。
【0041】しかも、マップM2において、ラインL2
とL3とは、車速Vの増大に応じてよψvが減少する特
性に設定してあるため、横加速度αの増大に応じたトル
ク配分であって、タイヤ横力の限界を考慮したトルク配
分が可能となり、旋回走行時のタイヤ横力の急変および
ステア特性の急変を防止して、旋回性能を格段に高める
ことができる。更に、締結トルクTnを、車速Vと差動
回転数ΔNとから求めたゲインG2nでゲイン変更する
ため、差動回転数ΔNと車速Vとの相関関係を加味して
締結トルクTnを適切に設定できる。
【0042】また、締結トルクTψを、差動回転数ΔN
から求めたゲインG1nでゲイン変更するため、ヨーレ
イトψと、車速Vと、差動回転数ΔNとを総合的に加味
して締結トルクTψを適切に設定することができる。ま
た、コイル23のヒステリシスを加味したマップM7に
基いて、コイル電流Iを決定するため、コイル電流Iを
高精度に設定できる。前記に加えて、ホールド処理によ
り、ハンチングを抑制することができ、また、テーリン
グ処理により、車両停止時のショックを防止できる。
【0043】尚、前記実施例においては、前記3つのト
ルク特性は、マップM1,M4,M6に予め設定した
が、これらの一部又は全部のトルク特性を、テーブルや
演算式に予め設定するように構成してもよい。また、同
様に、前記3つのゲイン特性は、マップM2,M3,M
5に予め設定したが、これらの一部又は全部のゲイン特
性を、テーブルや演算式に予め設定するように構成して
もよい。
【0044】次に、前記実施例の4輪駆動車とは異な
り、常時後輪3,4を駆動する型式の4輪駆動車に本発
明を適用した場合の別実施例について、簡単に説明す
る。但し、前記実施例と同様のものに、同一符号を付し
てある。図14に示すように、この4輪駆動車MCAに
は、左右の前輪1,2と、左右の後輪3,4と、左前輪
車軸5と、右前輪車軸6と、両車軸5,6を連動連結す
るフロント差動装置50と、左後輪車軸8と、右後輪車
軸9と、両車軸8,9を連動連結するリヤ差動装置51
と、エンジン52と自動変速機53とからなるパワーユ
ニットと、パワーユニットに連動連結され駆動力を前輪
1,2と後輪3,4とに分配するトランスファ装置54
と、トランスファ装置54をフロント差動装置50に連
動連結する前輪用駆動軸17と、トランスファ装置54
をリヤ差動装置51に連動連結する後輪用駆動軸18等
が設けられている。
【0045】前記トランスファ装置54は、パワーユニ
ットからの駆動力を常時後輪用駆動軸18に伝達する駆
動力伝達機構と、パワーユニットからの駆動力を差動制
限用の電磁多板クラッチ55(これが、センタ差動装置
である)を介して前輪用駆動軸17に駆動力を伝達する
差動制限機構等で構成されている。ここで、前記電磁多
板クラッチ55について説明する。図15に示すよう
に、パワーユニットの出力軸にギヤ列を介して連動連結
された軸部材56と一体回転する入力部材57と、前輪
用駆動軸17と一体回転するアウタ軸58との間には、
多板クラッチ59が設けられ、コイル61と磁路形成部
材62とからなる電磁アクチュエータ60は車体側に固
定され、電磁アクチュエータ60とアウタ軸58間に
は、ベアリング63が装着され、アマチュア64はアウ
タ軸58に固定されている。
【0046】電磁アクチュエータ60のコイル61へ通
電しない状態では、電磁多板クラッチ55はOFF(分
断状態)であり、また、コイル61へ通電すると、電磁
多板クラッチ55はON(接続状態)となって、そのコ
イル電流に比例する差動制限トルク(つまり、前輪駆動
トルク)が前輪用駆動軸17に伝達されるように構成さ
れている。前記フロント差動装置50は、差動ギヤ機構
と、前記同様の差動制限用の電磁多板クラッチとから構
成され、また、リヤ差動装置51は、差動ギヤ機構と前
記同様の差動制限用の電磁多板クラッチとから構成され
ている。
【0047】更に、この4輪駆動車MCAの制御系とし
て、前記実施例と同様に、パワーユニット制御装置3
0、ABS制御装置31、クラッチ制御装置65、4つ
の車輪速センサ34,36,38,40、ブレーキスイ
ッチ41、舵角センサ43、ニュートラルインヒビタス
イッチ44、ヨーレイトセンサ45、アイドルスイッチ
46、スロットル開度センサ47、クランク角センサ4
8、等が設けられ、種々の検出信号は、前記実施例と同
様に各制御装置30,31,65に供給される。更に、
クラッチ制御装置65には、オートモードと、Cモード
と、Rモードと、Fモードを択一的に設定する為のモー
ド設定器66が接続されている。
【0048】オートモードにおいては、フロント差動装
置50の電磁多板クラッチがフリー状態に制御され、セ
ンタ差動装置55とリヤ差動装置51の電磁多板クラッ
チとが、4輪駆動車MCAの走行状態に応じて自動制御
される。Cモードにおいては、フロント差動装置50の
電磁多板クラッチがフリー状態に制御され、センタ差動
装置55が完全ロック状態に制御され、リヤ差動装置5
1の電磁多板クラッチが、4輪駆動車MCAの走行状態
に応じて自動制御される。Rモードにおいては、フロン
ト差動装置50の電磁多板クラッチがフリー状態に制御
され、センタ差動装置55と、リヤ差動装置51の電磁
多板クラッチが完全ロック状態に制御される。Fモード
においては、フロント差動装置50の電磁多板クラッチ
と、センタ差動装置55と、リヤ差動装置51の電磁多
板クラッチが、完全ロック状態に夫々制御される。
【0049】前記センタ差動装置55を、4輪駆動車M
CAの走行状態に応じて自動制御する制御の特性につい
て、図16のフローチャートに基いて説明する。この差
動制限制御は、クラッチ制御装置65により実行される
制御であり、図中符号Si(i=30,31,・・・)
は各ステップを示すものである。制御の開始後、最初
に、センサ類から各種検出信号(N1〜N4,ψv等)
が読み込まれ(S30)、次に前輪1,2と後輪3,4
間の差動回転数ΔNと、車速Vと、ヨー加速度ψaが演
算される(S31)。但し、前記差動回転数ΔNは、前
輪1,2の車輪速N1,N2の平均値と高輪3,4の車
輪速N3,N4の平均値との差の絶対値として演算さ
れ、また、車速Vは、前記同様に最低車輪速から演算さ
れ、ヨー加速度ψaは、ヨーレイトψvの時間微分値と
して演算される。
【0050】次に、所定のマップ(例えば、前記実施例
のマップM1と同様のマップ、又はその他一般的なマッ
プ)に、前記演算された差動回転数ΔNを適用すること
により、センタ差動装置55の締結トルクTcが演算さ
れ(S32)、次に、車速Vが所定の車速V0(例え
ば、25〜35Km/h)以上か否か判定され(S3
3)、その判定結果がYes のときには、S40へ移行す
るが、その判定結果がNoのときには、S34におい
て、ヨー加速度ψaが所定値C0以上か否か判定され、
その判定結果がYes のときにはS40へ移行するが、そ
の判定結果がNoのときには、S35へ移行する。
【0051】次に、S35においては、ヨーレイトψv
が微小な所定値C1(例えば、8.5deg/s位の値
である)以下か否か判定され、その判定結果がYes のと
きには、S36において締結トルクTcに所定値ΔT1
が加算され、その後S40へ移行する。これにより、前
記実施例のマップM2の領域A1に相当するヨーレイト
微小領域において、直進安定性向上の為に差動制限の締
結トルクTcが高く設定されることになる。S35の判
定の結果Noのときには、S37において、ヨーレイト
ψvが非常に大きな所定値C2(例えば、50.0de
g/s位の値である)以下か否か判定され、その判定結
果がYes のときには、S38において締結トルクTcか
ら所定値ΔT2が減算される。これにより、前記実施例
のマップM2の領域A2に相当するヨーレイト中間領域
においては、前記実施例と同様に、タイトコーナーの旋
回性を高める為に、締結トルクTcが零又は非常に小さ
な値に設定されることになる。そして、S38からS4
0へ移行する。
【0052】S37の判定の結果がNoのとき、つま
り、ヨーレイト過大のときには、S39において、締結
トルクTcに所定値ΔT1が加算され、その後S40へ
移行する。これにより、前記実施例のマップM2の領域
A3に相当するヨーレイト過大領域においては、スピン
を防止して操縦安定性を高める為に、差動制限の締結ト
ルクTcが高く設定されることになる。次に、S40に
おいては、以上のようにして設定された締結トルクTc
を、所定のマップや演算式やテーブルに適用して、セン
タ差動装置55のコイルへ通電するコイル電流Iガ演算
され、次に、演算41において、そのコイル電流Iがこ
いるへ出力され、その制御演算はリターンして、S30
〜S41が所定微小時間毎に繰り返し実行される。
【0053】以上のように、車速Vが所定車速V0以下
の領域において、ヨーレイト微小領域では、締結トルク
Tcを高め、ヨーレイト中間領域では締結トルクTcを
零または微小値とし、ヨーレイト過大領域では締結トル
クTcを高めることで、前記実施例と同様に、ヨーレイ
ト微小領域における直進安定性を高め、ヨーレイト中間
領域におけるタイトコーナー旋回の旋回性を高め、ヨー
レイト過大領域におけるスピン防止と操縦安定性を高め
ることができる。
【0054】4輪駆動車MCAの走行状態に応じて、フ
ロント差動装置50の電磁クラッチの締結トルクを自動
制御する際、その締結トルクは、前記実施例と同様に、
左右の前輪1,2間の差動回転数と、車速と、ヨーレイ
トとをパラメータとして夫々設定された所定のトルク特
性と、各トルク特性に付随するゲイン特性とに基いて設
定されるが、それらトルク特性及びゲイン特性の特性自
体は、前記のものとは異なる所定の特性に設定される。
【0054】4輪駆動車MCAの走行状態に応じて、リ
ヤ差動装置51の電磁クラッチの締結トルクを自動制御
する際、その締結トルクは、前記実施例と同様に、左右
の後輪3,4間の差動回転数と、車速と、ヨーレイトと
をパラメータとして夫々設定された所定のトルク特性
と、各トルク特性に付随するゲイン特性とに基いて設定
されるが、それらトルク特性及びゲイン特性の特性自体
は、前記のものとは異なる所定の特性に設定される。
尚、前記実施例における電磁多板クラッチの代わりに、
油圧式又は空圧式の差動制限機構を設けたものにも、本
発明を同様に適用できるし、また、本発明は、前記実施
例に限定されず、既存周知の種々の変更を付加した構成
にすることもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る4輪駆動車の概略全体構成図であ
る。
【図2】4輪駆動車の駆動力配分制御の概要を説明する
説明図である。
【図3】締結トルクTnのトルク特性であるマップM1
の特性図である。
【図4】ゲインG1nのゲイン特性であるマップM2の
特性図である。
【図5】ゲインG2nのゲイン特性であるマップM3の
特性図である。
【図6】ホールド処理を説明する説明図である。
【図7】締結トルクTψのトルク特性であるマップM4
の特性図である。
【図8】ゲインG1ψのゲイン特性であるマップM5の
特性図である。
【図9】締結トルクTvのトルク特性であるマップM6
の特性図である。
【図10】合計締結トルクTtをコイル電流Iに変換す
るマップM7の特性図である。
【図11】テーリング処理のゲインGtのゲイン特性で
あるマップM8の特性図である。
【図12】駆動力配分制御のフローチャートの一部であ
る。
【図13】駆動力配分制御のフローチャートの残部であ
る。
【図14】別実施例に係る4輪駆動車の概略全体構成図
である。
【図15】図14の4輪駆動車のセンタ差動装置の断面
図である。
【図16】図14の4輪駆動車のセンタ差動装置に対す
る差動制限制御のフローチャートである。
【符号の説明】
MC 4輪駆動車 19 電磁クラッチ 32 クラッチ制御装置 34,36,38,40 車輪速センサ 45 ヨーレイトセンサ MCA 4輪駆動車 50 フロント差動装置 51 リヤ差動装置 55 センタ差動装置(電磁多板クラッチ) 65 クラッチ制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4つの車輪に対する駆動力配分を、前後
    輪間の差動を制限する差動制限クラッチ手段を介して、
    車体に作用するヨーレイトに応じて、制御する4輪駆動
    車の駆動力制御装置において、 前記ヨーレイトを検出する検出手段と、 前記検出手段で検出されたヨーレイトを受けて差動制限
    手段を制御する制御手段であって、ヨーレイト微小領域
    では差動制限トルクを高め、ヨーレイト中間領域では差
    動制限トルクを低め、ヨーレイト過大領域では差動制限
    トルクを高めるような制御特性で制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする4輪駆動車の駆動力制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、4輪駆動車の走行状態
    が所定状態のときには、前記制御特性による制御を禁止
    するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載
    の4輪駆動車の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定状態が、車速が所定値以上の状
    態であることを特徴とする請求項2に記載の4輪駆動車
    の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定状態が、ヨーレイト変化率が所
    定値以上の状態であることを特徴とする請求項2に記載
    の4輪駆動車の駆動力制御装置。
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