JPH0621914Y2 - クリーム状物吐出容器用内装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はクリーム状物吐出容器用の内装体に係る。

尚本案においてクリーム状物とはクリームと液体とを含
むものとする。

「従来の技術」 液体吐出容器として、底部に吸込み弁を有して容器体内
へ垂下させたシリンダと、該シリンダ内から上方へ付勢
させてステムを起立し、該ステム上端にノズル付きの押
下げヘッドを嵌合させた、吐出弁付きの作動部材とを有
し、容器体に対する作動部材押下げによりシリンダ内が
高圧化されて吐出弁が開き上記ノズルからシリンダ内液
体を吐出し、又その下降状態から解放すると作動部材が
上昇し、吐出弁閉塞と吸込み弁の開放により容器体内液
体がシリンダ下端から垂下する吸込みパイプを介してシ
リンダ内へ吸い込まれるよう設けたポンプ式のものが知
られている。

かかる液体吐出容器を、流動性が乏しいクリーム吐出容
器として使用すると、吸込み口上方のクリーム部分が吐
出されることで吸込みパイプ側方に空気路が形成され、
そのため吐出が不能となる。このような欠点除去のため
に、クリームを柔軟な袋内へ充填して該袋内のクリーム
を吐出させるようにすることが考えられる。

「考案が解決しようとする課題」 従来のポンプ式液体吐出容器によってクリームを吐出さ
せようとすれば、そのクリームを柔軟な袋内に入れ、又
該袋を容器体内へ入れて使用することが不可欠となる。
尚該袋の使用は、クリームの場合だけでなく、空気に触
れると酸化等し易い液体の場合にも便利である。

本案はクリーム状物吐出容器の容器体内への装着が容易
な、上記袋付きの内装体を提案するものである。

「課題を解決するための手段」 筒部３の上端部に付設した外向きフランジ４外周縁から
嵌合筒５を垂設すると共にその筒部３上部に外気吸入窓
６を穿設し、該窓よりも下方筒部分内面に小内径部７を
有する上下両端面開口の筒体２と、上記外気吸入窓６よ
りも下方筒部分を、折返した柔軟な薄肉シート部11両端
の厚肉シート部12,12間に、下端を薄肉シート部間へ突
出させて筒部３を挿通させ、それ等厚肉シート部と筒部
分との、又厚肉シート部相互の各接触面をそれぞれ接着
させると共に薄肉シート部の各左右両側縁相互を接着し
て形成した合成樹脂製袋10とからなり、上記筒部の下端
を袋10内へ開口させた。

「作用」 容器体20の口頸部21上端部外周面へ、嵌合筒５を嵌合さ
せて袋10と筒体２とを容器体20内へ入れ、該状態から筒
体内を通して袋内へクリーム状物を充填する。充填後、
筒体２内へポンプのシリンダ26および吸上げパイプを差
込み、装着筒33を容器体口頸部外面へ螺合する。シリン
ダ26外面は筒体２の小内径部７内面へ気密に接するよう
設けておき、又外気吸入窓６は、シリンダ26の外気吸入
孔27および容器体内と連通するよう設けておく。該状態
からのポンプ作動によって袋内クリーム状物は吐出され
て減少し、又その減少と共に袋は収縮して該収縮と共に
袋10と容器体との間に外気が流入して袋内クリーム状物
を残らず吐出させることが出来る。

「実施例」 本案内装体１は、筒体と合成樹脂製の袋とで形成させ
る。

筒体２は、筒部３の上端部に、容器体口頂面上へ載置さ
せる外向きフランジ４を付設すると共にそのフランジ外
周縁から口端部外周面へ嵌合させる嵌合筒５を垂設す
る。又その筒部３の上部には外気吸入窓６を穿設してお
り、その窓６よりも下方筒部分、図示例ではその下端部
を小内径部７としている。該小内径部は後述吐出器シリ
ンダの下端外面へ水密に嵌合可能とするものである。袋
10は、第３図のように柔軟な薄肉シート部11両端に厚肉
シート部12,12を付設した合成樹脂製シート13を第２図
のように折返して両厚肉シート部を重ね、その両厚肉シ
ート部間に、下端を薄肉シート部間へ突出させて筒部３
を挿通させ、それ等厚肉シート部と筒部分との、又厚肉
シート部相互の各接触面をそれぞれ接触させると共に薄
肉シート部の各左右両側縁相互を接着14,14して形成し
たものである。筒部３の下端は袋10内へ開口する。

上記構成の内装体１は、第４図が示すように、嵌合筒５
を容器体口頸部21の上端部外面へ嵌合させて袋10および
筒体２を容器体20内へ入れ、該状態から筒部２を通して
容器体内へクリーム状物を充填する。該充填後吐出器25
を装着する。該装着状態において筒部３の外気吸入窓６
とシリンダ26上部に設けた外気吸入孔27とは連通するよ
う設け、又既述筒部の小内径部７内面はシリンダの胴部
外面へ気密に接するよう設ける。図示のようにシリンダ
上端に螺管28を固着し、該螺管に作動部材29上部を螺合
させた吐出器25の場合は、その螺合を外し、シリンダ26
に対して作動部材29を上下動させればよい。このように
して吸上げパイプ30を通ってシリンダ26内へ袋内クリー
ム状物が吸上げられ、又シリンダ内クリーム状物がステ
ム31を通ってノズル32から吐出される。袋内クリーム状
物の減少につれて袋10は収縮し、すると袋10と容器体20
との間へ外気が流入して容器体内負圧化を防止する。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、筒部３の外面に、該筒部
下端を袋内へ開口させて袋上端部を接着させたから、そ
の袋内へのクリーム状物の充填を筒部３内を通して行う
ことで容易に行うことが出来、筒部上端の外向きフラン
ジ外周縁から嵌合筒５を垂下したから、その嵌合筒を容
器体口頸部の上端部外面へ嵌合させることで容器体に対
する内装体の装着が容易であり、筒部上部には外気吸入
窓６を穿設したから該吸入窓を介しての容器体内への外
気流入を容易とすることが出来、その窓よりも下方筒部
分内面へ小内径部７を設けたから、吐出器のシリンダを
筒部３内へ水密に嵌合させることが出来、袋10は、折返
した柔軟な薄肉シート部11両端には付設した厚肉シート
部12,12間に筒部３を挿通させ、それ等厚肉シート部と
筒部分との又厚肉シート部相互の各接触面をそれぞれ接
着させたから、袋口部の閉塞と筒部３に対する接着を確
実とすることが出来、又上記のように両厚肉シート部を
接着すると共に薄肉シート部の各左右両側縁相互を接着
させるだけでよいから、袋の形成も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案内装体の斜視図、第２図はその分解斜視
図、第３図はその内装体の袋を形成するためのシートの
斜視図、第４図はその内装体を容器体に装着し、かつそ
の内装体内へ吐出器を嵌合させた状態での半断面図であ
る。 ２……筒体、６……外気吸入窓 10……袋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒部３の上端部に付設した外向きフランジ
   ４外周縁から嵌合筒５を垂設すると共にその筒部３上部
   に外気吸入窓６を穿設し、該窓よりも下方筒部分内面に
   小内径部７を有する上下両端面開口の筒体２と、上記外
   気吸入窓６よりも下方筒部分を、折返した柔軟な薄肉シ
   ート部11両端の厚肉シート部12,12間に、下端を薄肉シ
   ート部間へ突出させて筒部３を挿通させ、それ等厚肉シ
   ート部と筒部分との、又厚肉シート部相互の各接触面を
   それぞれ接着させると共に薄肉シート部の各左右両側縁
   相互を接着して形成した合成樹脂製袋10とからなり、上
   記筒部の下端を袋10内へ開口させたことを特徴とするク
   リーム状物吐出容器用内装体。