JPH062185Y2 - しや断器の手動投入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ．産業上の利用分野 本考案は、しゃ断器の手動投入装置に関する。

Ｂ．考案の概要 本考案は、投入バネの蓄勢状態で投入カムのラツチに先
端部が当接する回動自在な投入フックを設けるとともに
投入フックの基端部を押圧する投入電磁石を設ける一
方、回動自在な回動板に、長孔へピンを遊嵌してなる連
結機構と連結杆とを介して投入フックの基端部を連結
し、投入フックの回動を阻止するロック手段を回動板に
連結したしゃ断器の手動投入装置において、 長手方向へ移動自在な手動投入レバーの先端部を、長孔
へピンを遊嵌してなる連結機構を介して回動板に連結す
ることにより、 投入電磁石が故障しても手動投入レバーを操作すること
によって確実にしゃ断部を投入できるようにしたもので
ある。

Ｃ．従来の技術 主回路を開閉するしゃ断器は、真空インタラプタ等のし
ゃ断部と、しゃ断部を操作する操作部とから構成されて
いる。操作部には、一端が回動自在にフレーム等に固定
されるとともに他端がしゃ断部を開閉する可動リード棒
に連結され、直線状に伸ばすとしゃ断部が投入状態にな
るリンク機構が設けられている。

リンク機構を直線状に伸ばす手段としては、第２図に示
す投入カム７が用いられる。図中、投入カム７は操作軸
６に固定されており、図示しない駆動手段によって操作
軸支６が反時計方向へ駆動されると、投入バネ８が圧縮
されて蓄勢される。投入バネ８の蓄勢が完了してデッド
ポイントを通過すると、投入カム７の側面に設けたラッ
チ９に回動軸10ａを中心として回動自在な投入フック10
の先端部が当接して投入準備が完了する。

しゃ断器を投入するには、投入電磁石11を励磁してロッ
ド11ａを上方へ突出させ、アーム13を時計方向へ回動さ
せる。このとき、長孔34の下部は空いているのでピン35
は下動でき、アーム13は回動できる。すると、連結杆14
を介して投入フック10が反時計方向へ回動されてラッチ
９から外れ、投入バネ８の方勢力によって投入カム７が
勢いよく反時計方向へ回転する。投入カム７の図中左に
は図示しない前記リンク機構があり、このリンク機構が
投入カム７の回動によって直線状に伸ばされることで、
図示しないしゃ断部が投入される。

アーム13の下方には回動板36が回動自在に具えられ、回
動板36は、連結杆41と、長孔34内へピン35を遊嵌した連
結機構とを介して連結杆14に連結されており、回動板36
には、回動板36を反時計方向へ回動させて固定すること
により投入操作を阻止するロック手段50が接続されてい
る。取付板32に関する取り付けられた取手46をスプリン
グ47,48の付勢力に抗して左方へ引き、ロック手段50に
差し込まれたキー51を回すとロッド52が降下して突起33
ａの右方への移動を阻止し、取手46を左方へ引くことに
よるロック金具33の左方への移動がアーム38，連結杆4
4，回動板36，連結杆41へ伝わり、長孔34が上方へ移動
することによってピン35の下方への移動が阻止され、投
入操作が阻止される（詳細は実願昭６１−１８２９０７
参照）。

投入電磁石11に電気的故障が生じた場合は、スプリング
42の付勢力に抗して手動投入レバー39を図中、右方へ移
動させて回動板40を反時計方向へ回動させ、回動板40で
投入電磁石11のロッド11ａを上方へ押してしゃ断部の投
入を行なう。なお、１〜４は支持軸である。

Ｄ．考案が解決しようとする問題点 ところが、長期間使用しているうちに何らかの原因で投
入電磁石のロッドが動かなくなることがあり、ロッドが
動かなくなると投入フックを回動させることができず、
しゃ断部の投入が不可能となる。

そこで本考案は、投入電磁石のロッドが動かなくてもし
ゃ断部を投入することができるしゃ断器の手動投入装置
を提供することを目的とする。

Ｅ．問題点を解決するための手段 斯かる目的を達成するための本考案の構成は、投入バネ
の蓄勢状態で投入カムに設けたラッチに先端部が当接す
る投入フックを、回動軸を中心として回動自在に設け、
該投入フックの基端部を押す投入電磁石を設ける一方、
投入電磁石による投入フックの動きを選択的に拘束又は
開放するために長孔へピンを遊嵌した連結機構と連結杆
とを介して投入フックの基端部を回動自在な回動板に連
動連結し、該回動板を一定方向へ移動自在なロック金具
に連動連結するとともに該ロック金具に突起を設け、投
入フックの動きを拘束した状態で当該突起の移動を拘束
することによってロック金具の移動を阻止するロック手
段をロック金具の近傍に具えたしゃ断器の手動投入装置
であって、手動投入レバーを該手動投入レバーの長手方
向へ移動自在に設けるとともに当該手動投入レバーの先
端部を、投入フックの動きを拘束する際のロック金具の
移動を拘束しないように長孔へピンを遊嵌してなる連結
機構を介して前記回動板に連動連結し、かつ手動投入レ
バーによる回動板の回動を拘束しないように長孔へピン
を遊嵌してなる連結機構を介して回動板をロック金具に
連動連結したことを特徴とする。

Ｆ．作用 手動投入レバーを押すと回動板が回動し、回動板の回動
が連結杆を介して投入フックの基端部へ伝わって投入操
作が行なわれる。このとき、回動板とロック金具とは長
孔へピンを遊嵌してなる連結機構を介して連動連結され
ているので、ロック金具が回動板と連動連結されていて
も回動板の動きがロック金具によって拘束されることは
ない。つまり、投入電磁石と手動投入レバーとは並列関
係にあり、いずれを用いても投入が可能である。

手動投入レバーと回動板とは長孔にピンを遊嵌した連結
機構を介して連結されているので、投入フックをロック
するために回動板を回動させてもピンは長孔内で動くだ
けとなり手動投入レバーに力が加わることはない。

Ｇ．実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。なお、本考案は従来の手動投入装置の一部を改良
したものなので、同一部分には同一符号を付し、異なる
部分のみを説明する。

第１図に示すように、手動投入レバー43が図中の左右方
向へ移動自在に取付板32に取り付けられ、スプリング42
によって左方へ付勢されている。この手動投入レバー43
の先端部は、連結機構を介して回動板36に連結されてい
る。即ち、手動投入レバー43の先端部に長孔45が形成さ
れ、回動板36に固着されたピン37が長孔45内に遊嵌され
ている。

そして、従来のストッパ49の代わりに、取付板32にスリ
ーブ55が取り付けられるとともにスリーブ55にはスプリ
ング57を介してロッド56が挿通されている。

一方、アーム３８とロック金具３３との間にも連結機構
が設けられている。即ち、ロック金具３３には長孔54が
形成され、アーム38の上部に固着したピン53が長孔54に
遊嵌されている。

次に、本考案によるしゃ断器の手動投入装置の作用を説
明する。

手動でしゃ断部を投入する場合は、第１図において手動
投入レバー43をスプリング42の付勢力に抗して右方へ移
動させる。すると、ピン37が長孔45の左側へ相対的に移
動したあと回動板36が図中、右回動する。その結果、連
結杆41及び14が下動して投入フック10が左回動し、投入
が行なわれる。一方、回動板36が右回動することによっ
て連結杆44がスプリング57に抗して左方へ移動し、アー
ム38の上部に固着したピン53が右方へ移動するが、ピン
53は長孔54内でのみ移動することになるので、ロック金
具33に影響を与えることはない。

投入フック10をロックして投入を阻止する場合に取手46
を左方へ引き、第１図において回動板36が左回動する
と、連結杆４１が上動してピン３５は長孔３４の下部に
位置し投入電磁石１１による投入フック１０の回動を阻
止する。このとき、回動板３６に固着されたピン37は長
孔45内の右側から左側へ移動するだけであり、手動投入
レバー43に影響を与えることはない。

しゃ断器の手動投入装置に何らの力を加えていない状態
ではスプリング48と57との付勢力がつり合って、レバー
38が中立の位置で停止する。

Ｈ．考案の効果 以上説明したように本考案によれば、手動投入レバーを
手動投入レバーの長手方向へ移動自在に設けるとともに
手動投入レバーの先端部を長孔へピンを遊嵌してなる連
結機構を介して、投入フックと連結された回動板に連結
したので、投入電磁石のロッドが動かなくなった場合で
あっても手動投入レバーを動かすことによってしゃ断部
を投入することができ、しかもロック金具を移動させ回
動板を回動させることによって投入フックの動きを拘束
する際に、回動板に連動連結された投入レバーの存在に
よって回動板の動きが拘束されることはない。

また、回動板とロック金具とを長孔へピンを遊嵌してな
る連結機構を介して連動連結したので、手動投入レバー
による投入の際に回動板を回動させても回動板に連動連
結されたロック金具の存在によって回動板の動きが拘束
されることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるしゃ断器の手動投入装置を示す構
成図、第２図は従来のしゃ断器の手動投入装置を示す構
成図である。 ６…操作軸、７…投入カム、８…投入バネ、９…ラッ
チ、10…投入フック、10ａ…回動軸、11…投入電磁石、
33…ロック金具、33ａ…突起、３４，４５，５４…長
孔、３５，３７，５３…ピン、３６…回動板、３８…ア
ーム、４３…手動投入レバー、５０…ロック手段、１
４，４１，４４…連結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】投入バネの蓄勢状態で投入カムに設けたラ
   ッチに先端部が当接する投入フックを、回動軸を中心と
   して回動自在に設け、該投入フックの基端部を押す投入
   電磁石を設ける一方、投入電磁石による投入フックの動
   きを選択的に拘束又は開放するために長孔へピンを遊嵌
   した連結機構と連結杆とを介して投入フックの基端部を
   回動自在な回動板に連動連結し、該回動板を一定方向へ
   移動自在なロック金具に連動連結するとともに該ロック
   金具に突起を設け、投入フックの動きを拘束した状態で
   当該突起の移動を拘束することによってロック金具の移
   動を阻止するロック手段をロック金具の近傍に具えたし
   ゃ断器の手動投入装置であって、 手動投入レバーを該手動投入レバーの長手方向へ移動自
   在に設けるとともに当該手動投入レバーの先端部を、投
   入フックの動きを拘束する際のロック金具の移動を拘束
   しないように長孔へピンを遊嵌してなる連結機構を介し
   て前記回動板に連動連結し、かつ手動投入レバーによる
   回動板の回動を拘束しないように長孔へピンを遊嵌して
   なる連結機構を介して回動板をロック金具に連動連結し
   たことを特徴とするしゃ断器の手動投入装置。