JPH06218364A - 浄水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性炭を使用した浄水器において、活性炭を
通過する水流が一部に偏在しないようにするとともに、
浄水器全体の構造を簡略化すること。 【構成】 繊維状活性炭層２１を自己保形性を有する筒
状体６に形成することによって従来の粒状活性炭を使用
する浄水器では必要であった活性炭用の容器を不要にす
るとともに、活性炭を通過する水流が一部に偏在するの
を防止した。中空糸膜７４を使用した中空糸膜浄水ユニ
ット７０を併用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、浄水器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来から活性炭を使用した浄水器は知ら
れているが、従来公知の浄水器は、たとえば図７におい
てその構成を概念的に示すように、いづれも容器９２内
に粒状の活性炭９５を充填し、その容器の一方の入口開
口９３側から他方の出口開口９４側へ水流を供給する間
に粒状活性炭の浄水作用により給水を浄化するものであ
った。

【０００３】ところで、図７に示すように粒状の活性炭
を使用する場合は、必然的に該活性炭を収容する活性炭
容器９２を省略することは不可能であるという問題があ
るほか、長期間の使用中には、容器９２内における粒状
活性炭の移動によって流路抵抗の小さい流水路が形成さ
れ、それによってたとえば符号ＷＬで示すような特定の
流水路に多くの割合で給水が流れ、該流水路水流から外
れた位置にある粒状活性炭が十分に利用されなくなると
いう問題もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記の如き
問題点に鑑みてなされたもので、構造的には活性炭のた
めの容器を省略することができ、さらに機能的には活性
炭中に特定の流水路が形成されにくくなるような浄水器
を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願発明は上記の課題を
達成すべくなされたもので、特許請求の範囲の各請求項
に記載するような構成を有するものである。

【０００６】請求項１記載の浄水器 この請求項１記載の浄水器は、図１に例示するように、
繊維状活性炭層２１を自己保形性を有する筒状体６に形
成してなる繊維状活性炭浄水ユニット７を、浄水器容器
１の水流入口部９と水流出口部１０との間において、該
筒状体６の外周面の周囲に水流通路８が形成されるよう
にして配設し、且つ水流Ｗが前記筒状体６の外周側から
中心部へ向って流入するようにしたことを特徴とするも
のである。

【０００７】請求項２記載の浄水器 この請求項２記載の浄水器は、図２及び図３に例示する
ように、請求項１記載の浄水器において、繊維状活性炭
浄水ユニット７が周囲に通水窓４３を形成した補強枠４
１で補強されていることを特徴とするものである。

【０００８】請求項３記載の浄水器 この請求項３記載の浄水器は、図４に例示するように、
それぞれ浄水特性の異なる繊維状活性炭層を自己保形性
を有する筒状体に形成してなる複数の繊維状活性炭浄水
ユニット５７,６７・・・が、浄水器容器１の水流入口
部９と水流出口部１０との間において水流の方向に直列
に配置され、且つそれぞれの繊維状活性炭浄水ユニット
５７,６７・・・の側周面の外側に水流通路８１,８２・
・・が区画形成されるとともに、前記水流入口部９から
流入した水流Ｗが上流側に位置する水流通路８１から上
流側に位置する繊維状活性炭浄水ユニット５７の繊維状
活性炭層５１を通って該上流側に位置する繊維状活性炭
浄水ユニット５７の内部に流入しさらに次段下流側に位
置する繊維状活性炭浄水ユニット６７の外側に形成され
ている次段下流側の水流通路８２から次段下流側の繊維
状活性炭浄水ユニット６７の繊維状活性炭層６１を通っ
て該次段下流側の浄水ユニット６７の内部に流入しこれ
を必要段数だけ繰返して前記水流出口部１０に達するよ
うに水流通路が構成されていることを特徴とするもので
ある。

【０００９】請求項４記載の浄水器 この請求項４記載の浄水器は、図５に例示するように、
浄水特性の異なる複数種類の繊維状活性炭層２１Ａ,２
１Ｂを、それぞれ自己保形性を有する筒状体６Ａ,６Ｂ
に形成しそれらの筒状体６Ａ,６Ｂを同軸状に重層配置
して複層筒状体４６に形成してなる繊維状活性炭浄水ユ
ニット７７を、浄水器容器１の水流入口部９と水流出口
部１０との間において該複層筒状体４６の側周面の周囲
に水流通路８が形成されるようにして配設し、且つ水流
Ｗが前記筒状体６Ａ,６Ｂの外周側から中心部へ向って
流入するようにしたことを特徴とするものである。

【００１０】請求項５記載の浄水器 この請求項５記載の浄水器は、図５又は図６に例示する
ように、請求項１ないし４記載の浄水器において、筒状
ケーシング７３内に多数の中空糸膜７４を収容し且つ該
各中空糸膜７４の開口両端を前記筒状ケーシング７３の
一端側を閉塞するポッティング材層７５に開口状態のま
ま集約してなる中空糸膜浄水ユニット７０を繊維状活性
炭浄水ユニット７７,８７と水流出口部１０との間に介
設したことを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】本願各発明の浄水器は、上記の如く構成されて
いることにより次のように作用する。

【００１２】請求項１記載の浄水器の作用 請求項１記載の浄水器では、図１に例示するように、給
水管１１から水流入口部９に流入した給水は繊維状活性
炭浄水ユニット７の筒状体６の周囲の水流通路８に充満
し、筒状体６の全外周面から繊維状活性炭層２１を透過
し、その間に種々の不純物又は有害物質を除去されて、
さらに筒状体内部空間２４及び水流出口部１０を経て注
出パイプ２８から外部へ注出される。その場合、繊維状
活性炭浄水ユニット７の繊維状活性炭層２１は自己保形
性を有する筒状体６に形成されていてその使用中におい
てもほとんど型崩れすることがないことから粒状活性炭
を使用した浄水器の場合のような長期使用中における流
水路の経時変化も生じにくい。そのため、繊維状活性炭
層２１を透過する水流Ｗは特定の流水路に偏在すること
なく、全ての繊維状活性炭層２１を平均的に流過する。
なお、この流水路の偏在化防止の作用は、請求項２以下
の各請求項記載の浄水器においても同様であるので、そ
れぞれの請求項記載の浄水器の作用の説明においてはそ
の記載を省略することとする。

【００１３】請求項２記載の浄水器の作用 図２及び図３に例示する、請求項２記載の浄水器では、
請求項１記載の浄水器の場合と同様に流水路が形成され
て給水が浄水化される。

【００１４】請求項３記載の浄水器の作用 図４に例示する、請求項３記載の浄水器では、水流入口
部９へ流入した給水Ｗは、先ず、上流側(下段側)にある
繊維状活性炭浄水ユニット５７の筒状体５６の周囲の水
流通路８１に充満し、同筒状体５６の全外周面から繊維
状活性炭層５１を透過し、その間に一次的に種々の不純
物又は有害物質を除去される。第１段目の繊維状活性炭
浄水ユニット５７を通過して一次的に浄水化された給水
は次段下流側(上段側)の繊維状活性炭浄水ユニット６７
の筒状体６６の周囲の水流通路８２に充満し、同筒状体
６６の全外周面から繊維状活性炭層６１を透過し、その
間に一次的に除去されなかった種々の不純物又は有害物
質を除去される。

【００１５】このようにして複数段の浄水作用が行なわ
れたあと、水流出口部１０及び注出パイプ２８を経て外
部へ浄水化された給水が注出される。

【００１６】請求項４記載の浄水器の作用 図５に例示する請求項４記載の浄水器では、給水管１１
から水流入口部９に流入した給水Ｗは複層筒状体４６の
外周面の外側にある水流通路８に充満し、それから複層
筒状体４６(外側筒状体６Ａと内側筒状体６Ｂ)を通過
し、その間に浄水特性の異なる複数種類の繊維状活性炭
層２１Ａ,２１Ｂと接触して複数種類の不純物あるいは
有害物質を除去される。

【００１７】請求項５記載の浄水器の作用 図５又は図６に例示する、請求項５記載の浄水器では、
給水管１１から水流入口部９に流入した給水Ｗは、先ず
繊維状活性炭浄水ユニット(７７,８７)で浄水化され、
そのあと、中空糸膜７４を透過する間にさらに残余の不
純物又は有害物質を除去される。なお、この請求項５記
載の浄水器における中空糸膜７４は、微小径の中空糸の
膜に無数の超微小孔を形成したものであり、該中空糸の
外側から無数の超微小孔を通って中空糸内に流入する水
から種々の不純物を除去するものである。それぞれの中
空糸はその両端側をポッティング材層７５によって両端
開口状態で集約されており、中空糸内部へ流入した水は
その両端開口から水流出口部１０へ流出するものであ
る。

【００１８】

【発明の効果】本願各請求項記載の各浄水器は、先ず共
通して次のような効果を有する。

【００１９】すなわち、本願各請求項記載の各浄水器
は、繊維状活性炭層を自己保形性を有する筒状体に形成
しているので、従来の粒状活性炭を使用する浄水器の場
合のように該活性炭を収容するための容器を必要とする
ことがない、という効果がある。又、本願各発明の浄水
器では、繊維状活性炭浄水ユニット７の繊維状活性炭層
２１は自己保形性を有する筒状体に形成されているか
ら、その使用中においてもほとんど型崩れを生じること
がなく、粒状活性炭を使用した浄水器の場合のように、
給水Ｗが特定の流水路に偏流するということが生じにく
く、その結果、全ての繊維状活性炭層が有効に利用でき
て浄水効率が良好となるという効果がある。

【００２０】以下、請求項２以下の各請求項記載の浄水
器ごとに上記以外のそれぞれに特有の効果について説明
する。

【００２１】請求項２記載の浄水器の効果 図２及び図３に例示する請求項２記載の浄水器は、上記
共通の効果に加えて、繊維状活性炭浄水ユニット７が補
強枠４１で補強されているために、該繊維状活性炭浄水
ユニット７の強度が向上し、たとえば、該補強枠４１つ
きの繊維状活性炭浄水ユニット７を上下方向から挾圧保
持するような場合であっても繊維状活性炭浄水ユニット
７が型崩れしない、という効果がある。

【００２２】請求項３記載の浄水器の効果 図４に例示する請求項３記載の浄水器は、上記共通の効
果に加えて、それぞれ浄水特性の異なる複数の繊維状活
性炭浄水ユニット(５７,６７)が水流の方向に直列に配
置されているため、それぞれの繊維状活性炭浄水ユニッ
トの段階において異なる種類の不純物あるいは有害物質
を除去し得るという効果がある。

【００２３】請求項４記載の浄水器の効果 図５に例示する請求項４記載の浄水器は、上記共通の効
果に加えて、それぞれ浄水特性の異なる複数種類の繊維
状活性炭層からなる筒状体(６Ａ,６Ｂ)が同軸状に重層
配置されて単一の複層筒状体４６とされているので、複
数種類の繊維状活性炭層を使用するものでありながら構
成をコンパクトにすることができる、という効果があ
る。

【００２４】請求項５記載の浄水器の効果 図５又は図６に例示する請求項５記載の浄水器は、上記
共通の効果に加えて、中空糸膜７４を使用した中空糸膜
浄水ユニットを併用しているので、繊維状活性炭層では
除去し切れない超微細な不純物や有害物質あるいは雑菌
等をも除去することができる、という効果がある。

【００２５】

【実施例】図１には本願請求項１記載の発明の実施例に
かかる浄水器が示されている。

【００２６】この実施例の浄水器は、容器本体２に容器
蓋体３を螺着してなる浄水器容器１内の中心部に以下に
詳述する繊維状活性炭浄水ユニット７を配置し、給水孔
１４を有する容器本体２の底部側に給水管１１、水出口
１８を有する容器蓋体３側に注出パイプ２８を装着して
構成されている。

【００２７】繊維状活性炭浄水ユニット７は、活性炭の
微細短繊維を相互に絡み合わせたものを層状化し且つ該
繊維状活性炭層が自己保形性を得ることができるような
加工処理を施したものを円筒状に成形した筒状体６を主
体とし、該筒状体６の内外周面をポリプロピレン製の薄
膜不織布２０,２０で被覆し、さらに筒状体６の内芯材
として多くの通水孔２３,２３・・・を有する内筒(ポリ
プロピレン成形品)２２を嵌装し、上下両端をシリコン
ゴム製のカバー３１,３２で被覆して構成されている。
なお、筒状体６は、長尺の円筒状素材を輪切りにすると
安価に製作することができる。容器本体２の底部には繊
維状活性炭浄水ユニット７を支持するための受台４が置
かれている。繊維状活性炭浄水ユニット７は容器蓋体３
を容器本体２に螺着する際、同容器蓋体３下面の環状突
子１３と受台４との間で、上下のパッキング１７,５を
介して挾持される。これにより、繊維状活性炭浄水ユニ
ット７の下方には水流入口部９、繊維状活性炭浄水ユニ
ット７の側周部の全周囲には環状の水流通路８、繊維状
活性炭浄水ユニット７の上方には水流出口部１０がそれ
ぞれ形成される。

【００２８】図１の浄水器では給水管１１から給水され
ると、該給水は給水孔１４を通って水流入口部９内に流
入し、次いで受台４の周縁部に形成した通水孔１６から
繊維状活性炭浄水ユニット７の周囲の水流通路８に流入
する。水流通路８内の水Ｗは繊維状活性炭浄水ユニット
７の筒状体６の全外周面から繊維状活性炭層２１を通っ
て浄水処理されながら筒状体内部空間２４内に流入し、
さらに水流出口部１０、注出パイプ２８を経て注出され
る。

【００２９】なお、この浄水器には容器本体２の底部に
排水パイプ３３と排水調節弁３４が設けられている。こ
の排水調節弁３４は薄いゴム膜製の弁で、給水時に浄水
器容器１内に水圧がかかると閉弁し、給水終了後、浄水
器容器１内の水圧が低下すると僅かに開弁して浄水器容
器１内の残水を排水パイプ３３を通して徐々に外部へ放
出させるものである。

【００３０】図２及び図３には本願請求項２記載の発明
の実施例に該当する浄水器が示されている。

【００３１】この実施例では繊維状活性炭浄水ユニット
７の型崩れを防止するために補強枠４１の中に繊維状活
性炭浄水ユニット７を収容し、さらに該枠つき浄水ユニ
ット２７を容器蓋体３の下面の環状突子４５に螺着懸垂
して支持している。

【００３２】補強枠４１の側周部には通水窓４３が多数
形成されており、水流Ｗは該通水窓４３から繊維状活性
炭浄水ユニット７の筒状体６の全周面に供給される。

【００３３】図４には本願請求項３記載の発明の実施例
に該当する浄水器が示されている。

【００３４】この実施例の浄水器は、それぞれ浄水特性
の異なる繊維状活性炭層を直列に配置することによって
単一種類の繊維状活性炭層だけでは除去することの困難
な複数種類の不純物又は有害物質を除去しようとするも
のである。具体的には、図４の浄水器では、水流の上流
側(下方)に位置する第１段浄水ユニット５７とその下流
側(上方)に位置する第２段浄水ユニット６７とを上下方
向同軸状に配置している。第１段浄水ユニット５７は容
器本体２の底部に設けられた受台４上に支持され、第２
段浄水ユニット６７は第１段浄水ユニット５７上に置か
れた容器状受台６５内に支持されている。浄水器容器１
内はこの容器状受台６５によって第１段浄水ユニット５
７の周囲の上流側水流通路８１と第２段浄水ユニット６
７の周囲の下流側水流通路８２とに区画されることにな
る。これらの受台４、第１段浄水ユニット５７、容器状
受台６５及び第２段浄水ユニット６７は、容器本体２に
対して容器蓋体３を螺合緊締する際に同容器本体２の底
部と容器蓋体３との間で挾圧固定される。図４におい
て、符号５は受台４と第１段浄水ユニット５７との間の
パッキング、５８は第１段浄水ユニット５７と容器状受
台６５との間のパッキン、６８は第２段浄水ユニット６
７と容器蓋体３下面の環状突子１３との間のパッキン、
７８は容器状受台６５上端と容器蓋体３下面との間のパ
ッキンを示している。

【００３５】図４に示す浄水器では、給水管１１から給
水孔１４を経て水流入口部９に流入した給水は、通水孔
１６から第１段水流通路８１に充満し、先ず第１段浄水
ユニット５７の繊維状活性炭層５１を透過して筒状体内
部空間５４に至り、一次的に浄水化される。第１段浄水
ユニット５７において一次的に浄水化された給水Ｗは次
段下流側の第２段水流通路８２に充満し、さらに第２段
浄水ユニット６７の繊維状活性炭層６１を透過して筒状
体内部空間６４に至り、二次的に浄水化される。

【００３６】この実施例の浄水器では、第１段浄水ユニ
ット５７においては主として脱臭(カビ臭除去)作用を行
い、第２段浄水ユニット６７においては発ガン性物質の
一つとされているトリハロメタンの除去作用を行わせる
ようにしている。その具体的手段として第１段浄水ユニ
ット５７の繊維状活性炭層５１の密度よりも第２段浄水
ユニット６７の繊維状活性炭層６１の密度を大きくし、
両繊維状活性炭層５１,６１間の密度差により異なる浄
水特性が得られるようにしている。

【００３７】第２段浄水ユニット６７で二次的で浄水化
された水は、水流出口部１０を経て注出パイプ２８から
注出される。

【００３８】図５には、本願請求項４と同５記載の発明
の実施例に該当する浄水器が示されている。

【００３９】この実施例の浄水器は、相互に浄水特性の
異なる第１の繊維状活性炭層２１Ａと第２の繊維状活性
炭層２１Ｂとをそれぞれ自己保形性を有する筒状体(６
Ａ,６Ｂ)に成型し、その両筒状体６Ａ,６Ｂを同軸状に
重層配置して複層筒状体４６としている。そしてこの複
層筒状体４６からなる繊維状活性炭浄水ユニット７７と
後述する中空糸膜浄水ユニット７０とを水流の方向に直
列に(繊維状活性炭浄水ユニット７７を上流側にして)配
置している。

【００４０】複層筒状体４６の第１の筒状体６Ａと第２
の筒状体６Ｂとの間には多数の通水孔２３Ａ,２３Ａ・
・・を有する中間筒２２Ａが設けられ、第２の筒状体６
Ｂの内側には多数の通水孔２３Ｂ,２３Ｂ・・・を有す
る内筒２２Ｂが設けられている。

【００４１】繊維状活性炭浄水ユニット７７の下流側
(上方位置)に設けられる中空糸膜浄水ユニット７０は、
筒状ケーシング７３内に多数の中空糸膜７４,７４・・
・を収容し、且つ各中空糸膜７４の開口両端を筒状ケー
シング７３の一端側を閉塞するポッティング材層７５に
開口状態のまま集約して構成されている。

【００４２】中空糸膜７４は、その直径がたとえば0.1
〜1.0mm程度の中空糸の膜面に微小孔を多数形成したも
ので、水が同中空糸膜を透過するときには分子単位の不
純物でも除去し得る浄水特性を有している。各中空糸膜
７４はＵ字状とされていてその開口両端がポッティング
材層７５の上面７５a上に露出している。すなわち、筒
状ケーシング７３内の水は各中空糸膜７４の微小孔から
同中空糸膜７４内に透過し、その間に雑菌等の微小不純
物を除去されて両端開口から水流出口部１０へ流出す
る。

【００４３】この実施例の浄水器では、給水管１１から
給水孔１４、水流入口部９を経て水流通路８に充満した
給水は、先ず複層筒状体４６の第１の繊維状活性炭層２
１Ａにおいて脱臭(カビ臭除去)され、さらに第２の繊維
状活性炭層２１Ｂにおいてトリハロメタン等の不純物や
有害物質を除去される。この実施例の浄水器において
は、上流側に位置する第１の繊維状活性炭層２１Ａの密
度よりも下流側に位置する第２の繊維状活性炭層２１Ｂ
の方を高密度にしてその密度差により異なる浄水特性が
得られるようにしている。

【００４４】この実施例の浄水器では、中空糸膜浄水ユ
ニット７０の筒状ケーシング７３の下端に繊維状活性炭
浄水ユニット７７を挾圧するための押え板７６が一体形
成されていて、繊維状活性炭浄水ユニット７７はこの押
え板７６と容器本体２底部の受台４との間で挾圧固定さ
れる。

【００４５】図６には、本願請求項５記載の発明の実施
例に該当する浄水器が示されている。

【００４６】この実施例の浄水器は、単層の繊維状活性
炭層１０１を自己保形性を有する筒状体８６に形成して
なる繊維状活性炭浄水ユニット８７と、中空糸膜浄水ユ
ニット７０とを併用し、且つ中空糸膜浄水ユニット７０
を繊維状活性炭浄水ユニット８７と一部分同軸状に重合
させて構成されている。中空糸膜浄水ユニット７０の筒
状ケーシング７３はその上方部分が拡径部７３aとされ
ており、該拡径部７３aで繊維状活性炭浄水ユニット８
７の上部保護カバー３１の内周縁３１aを押圧すること
によって繊維状活性炭浄水ユニット８７の固定が行なわ
れている。

【００４７】この実施例の浄水器においても、中空糸膜
浄水ユニット７０における中空糸膜７４の構成と作用は
さきの図５の実施例の場合と同様である。

【００４８】この実施例の浄水器では、異なる浄水特性
をもつ２種類の繊維状活性炭浄水ユニット８７と中空糸
膜浄水ユニット７０とを併用しながら両者を高さ方向に
重合することによってその全高さを低くしている。

【００４９】この実施例の浄水器においては、給水管１
１から水流入口部９、給水孔１４を経て水流通路８に充
満した給水は、先ず繊維状活性炭浄水ユニット８７の繊
維状活性炭層１０１によって一次的に浄水化され、中空
糸膜浄水ユニット７０によって二次的に浄水化されたあ
と、水流出口部１０を経て注出パイプ２８から注出され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願請求項１記載の発明の実施例にかかる浄水
器の縦断面図。

【図２】本願請求項２記載の発明の実施例にかかる浄水
器の縦断面図。

【図３】図２に示す浄水器における補強枠と繊維状活性
炭浄水ユニットの分解斜視図。

【図４】本願請求項３記載の発明の実施例にかかる浄水
器の縦断面図。

【図５】本願請求項４記載の発明の実施例にかかる浄水
器の縦断面図。

【図６】本願請求項５記載の発明の実施例にかかる浄水
器の縦断面図。

【図７】従来公知の粒状活性炭を使用した浄水器の作用
説明図。

【符号の説明】

１は浄水器容器、２は容器本体、３は容器蓋体、４は受
台、６は筒状体、７は繊維状活性炭浄水ユニット、８は
水流通路、９は水流入口部、１０は水流出口部、１１は
給水管、２０は不織布層、２１は繊維状活性炭層、２２
は内筒、２３は通水孔、２４は筒状体内部空間、２８は
注出パイプ、４１は補強枠、４６は複層筒状体、５７は
第１段浄水ユニット、６５は容器状受台、６７は第２段
浄水ユニット、７０は中空糸膜浄水ユニット、７４は中
空糸膜、７５はポッティング材層である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維状活性炭層(２１)を自己保形性を有
   する筒状体(６)に形成してなる繊維状活性炭浄水ユニッ
   ト(７)を、浄水器容器(１)の水流入口部(９)と水流出口
   部(１０)との間において、該筒状体(６)の外周面の周囲
   に水流通路(８)が形成されるようにして配設し、且つ水
   流(Ｗ)が前記筒状体(６)の外周側から中心部へ向って流
   入するようにしたことを特徴とする浄水器。
2. 【請求項２】 繊維状活性炭浄水ユニット(７)が、周囲
   に通水窓(４３)を形成した補強枠(４１)で補強されてい
   ることを特徴とする請求項１記載の浄水器。
3. 【請求項３】 それぞれ浄水特性の異なる繊維状活性炭
   層(５１,６１)を自己保形性を有する筒状体(５６,６６)
   に形成してなる複数の繊維状活性炭浄水ユニット(５
   ７),(６７)・・・が、浄水器容器(１)の水流入口部(９)
   と水流出口部(１０)との間において水流の方向に直列に
   配置され、且つそれぞれの繊維状活性炭浄水ユニット
   (５７),(６７)・・・の側周面の外側に水流通路(８１),
   (８２)・・・が区画形成されるとともに、前記水流入口
   部(９)から流入した水流(Ｗ)が上流側に位置する水流通
   路(８１)から上流側に位置する繊維状活性炭浄水ユニッ
   ト(５７)の繊維状活性炭層(５１)を通って該上流側に位
   置する繊維状活性炭浄水ユニット(５７)の内部に流入し
   さらに次段下流側に位置する繊維状活性炭浄水ユニット
   (６７)の外側に形成されている次段下流側の水流通路
   (８２)から次段下流側の繊維状活性炭浄水ユニット(６
   ７)の繊維状活性炭層(６１)を通って該次段下流側の浄
   水ユニット(６７)の内部に流入しこれを必要段数だけ繰
   返して前記水流出口部(１０)に達するように水流通路が
   構成されていることを特徴とする浄水器。
4. 【請求項４】 浄水特性の異なる複数種類の繊維状活性
   炭層(２１Ａ,２１Ｂ)を、それぞれ自己保形性を有する
   筒状体(６Ａ,６Ｂ)に形成しそれらの筒状体(６Ａ,６Ｂ)
   を同軸状に重層配置して複層筒状体(４６)に形成してな
   る繊維状活性炭浄水ユニット(７７)を、浄水器容器(１)
   の水流入口部(９)と水流出口部(１０)との間において該
   複層筒状体(４６)の側周面の周囲に水流通路(８)が形成
   されるようにして配設し、且つ水流(Ｗ)が前記筒状体
   (６Ａ,６Ｂ)の外周側から中心部へ向って流入するよう
   にしたことを特徴とする浄水器。
5. 【請求項５】 筒状ケーシング(７３)内に多数の中空糸
   膜(７４)を収容し且つ該各中空糸膜(７４)の開口両端を
   前記筒状ケーシング(７３)の一端側を閉塞するポッティ
   ング材層(７５)に開口状態のまま集約してなる中空糸膜
   浄水ユニット(７０)を繊維状活性炭浄水ユニット(７７,
   ８７)と水流出口部(１０)との間に介設したことを特徴
   とする請求項１ないし４記載の浄水器。