JPH0621775U - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】部品点数が少なく構造が簡単な塗布具を提供す
る。 【構成】チップ２に球状塗布体１がその一部がチップ２
の先端から臨出した状態で回転自由に抱持され、チップ
２が粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗布液タンク
４に接続された塗布具において、球状塗布体１を可撓性
に富んだ弾性体で構成し、非使用時には、球状塗布体１
がチップ２の内向きの先端縁 21 に接触するように抱持
し、使用時には球状塗布体１が塗布面に接触して変形
し、チップ２の内向きの先端縁 21 との間に隙間ができ
るようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、修正液や化粧液などの粘度の高い塗布液が充填された塗布具に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

塗布体が球状の塗布具は、可撓性材により成形されて塗布液が充填された塗布 液タンクの先端にチップが取り付けられており、ボールペンと同様に、チップの 先端からその一部が先端から臨出した状態で球状塗布体が回転自由に抱持されて いる。そして、塗布液タンク内の塗布液が球状塗布体の表面に供給され、塗布面 上を球状塗布体が回転することによって塗布面に塗布されるが、球状塗布体をス プリングで弾発された可動子の先端面で前方に付勢しているものが多い。つまり 、不使用時に、球状塗布体をチップの内向きの先端縁に密着させ、球状塗布体と チップの先端縁で弁機構を構成して修正液が吐出しないようにしている。そして 、チップの先端近傍を軸線方向に向けて押圧変形させて座部を形成し、塗布時に は、球状塗布体がスプリングの弾発力に抗して後退して弁機構が開き、座部に接 触した状態で回転するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように、かかる塗布具は、球状塗布体とチップの先端縁で弁機構を構成す るために、球状塗布体を弾発するスプリングや可動子が必要になって部品点数が 多い不具合がある。

【０００４】 そこで本考案は、部品点数が少なく構造が簡単な塗布具を提供することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案の塗布具は、チップに球状塗布体がその 一部がチップの先端から臨出した状態で回転自由に抱持され、チップが粘度の高 い造膜性塗布液が充填された塗布液タンクに接続された塗布具において、球状塗 布体を可撓性に富んだ弾性体で構成し、非使用時には、球状塗布体がチップの内 向きの先端縁に接触するように抱持し、使用時には球状塗布体が塗布面に接触し て変形し、チップの内向きの先端縁との間に隙間ができるようにする。または、 球状塗布体を可撓性に富んだ発泡状の弾性体で構成する。

【０００６】

【作用】

球状塗布体を可撓性に富んだ弾性体で構成するので、非使用時には、球状塗布 体がチップの内向きの先端縁に接触するように抱持しても、使用時には球状塗布 体が塗布面に接触して変形し、チップの内向きの先端縁との間に隙間ができ、こ の隙間から塗布液が滲出して塗布することができる。従って、スプリングや可動 子が不要になり、部品点数が少なくて構造が極めて簡単になる。また、球状塗布 体を可撓性に富んだ発泡状の弾性体で構成すると、球状塗布体の内部に塗布液が 含有されるので、より確実に塗布することができる。

【０００７】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 チップ２の先端に内向きに変形された先端縁 21 が形成されている。そして、チ ップ２の先端内部には複数本の縦リブ 22 が設けられ、この縦リブ 22 に座部材 ５が固着されている。従って、縦リブ 22 の間に溝が塗布液通路であり、座部材 ５の先方がボールハウス 23 であり、塗布液は縦リブ 22 の間を通ってボールハ ウス 23 に供給される。なお、砲弾型のボールペンチップのように、チップと座 部材を一体に形成し、座部材の中心孔を塗布液が通過するようにしてもよいこと は明らかである。

【０００８】 ボールハウス 23 内に、直径が１〜３mmφ程度の球状塗布体１が回転自由に抱 持されている。ここで、球状塗布体１は、シリコンゴムやフッ素ゴムのように、 可撓性に富んだ弾性体からなり、先端縁 21 と座部材５の両方に接触し、球状塗 布体１の一部は先端縁 21 から臨出している。つまり、球状塗布体１は、スプリ ングや可動子を使用することなく、座部材５で押圧された状態で先端縁 21 に接 触しており、きわめて簡単な構造で球状塗布体１と先端縁 21 により弁機構を構 成している。

【０００９】 このチップ２がホルダー３で保持され、ホルダー３に可撓性材により成形され た塗布液タンク４が接続されている。そして、塗布液タンク４の内部からチップ ２にかけて、例えば粘度が３０〜４０ｃｐｓであって造膜性の高い修正液である 塗布液が充填されている。

【００１０】 しかして使用に際しては、塗布液タンク４を指先で押圧して内容積を減少させ ると、塗布液が球状塗布体１の外周に付着する。そして、図２に示すように、塗 布面Ｐに沿って押圧しながら移動させると、球状塗布体１は、３０〜１００μm 程度変形し、円球にきわめて近い楕円球になる。従って、球状塗布体１と先端縁 21 の間に隙間ができ、球状塗布体１の外周に付着した塗布液は、この隙間を通 って塗布面Ｐに塗布される。

【００１１】 このとき、球状塗布体１は円球にきわめて近い楕円球になるので、ボールが超 硬金属からなるボールペンのように滑らかには回転せず、塗布面Ｐ上を滑りなが ら回転することになる。しかし、塗布具の場合は、単純な線状に塗布することが 多いので、球状塗布体１が塗布面Ｐ上を滑りながら回転してもスムーズに塗布す ることができる。または、球状塗布体１を例えばウレタン発泡体のようにポーラ スな弾性体で構成すると、球状塗布体１内に塗布液が含有されてより確実に塗布 することができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の塗布具は、チップに回転自由に抱持される球状 塗布体を可撓性に富んだ弾性体で構成し、非使用時には、球状塗布体がチップの 内向きの先端縁に接触するように抱持し、使用時には球状塗布体が塗布面に接触 して変形し、チップの内向きの先端縁との間に隙間ができるようにしたので、ス プリングや可動子が不要になり、部品点数が少なくて構造が極めて簡単な塗布具 とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【図２】使用状態の説明図である

【符号の説明】

１ 球状塗布体 ２ チップ ２１ チップの先端縁 ２２ 縦リブ ２３ ボールハウス ３ ホルダー ４ 塗布液タンク ５ 座部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チップに球状塗布体がその一部が該チッ
   プの先端から臨出した状態で回転自由に抱持され、該チ
   ップが粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗布液タン
   クに接続された塗布具において、 前記球状塗布体は、可撓性に富んだ弾性体からなり、非
   使用時には、球状塗布体がチップの内向きの先端縁に接
   触するように抱持され、使用時には該球状塗布体が塗布
   面に接触して変形し、チップの内向きの先端縁との間に
   隙間ができることを特徴とする塗布具。
2. 【請求項２】 前記球状塗布体は、可撓性に富んだ発泡
   状の弾性体からなり、内部に塗布液を含有することを特
   徴とする請求項１記載の塗布具。