JPH06217575A - 位置決めサーボのゲイン切り換え装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置決めサーボにおいて、移動中から停止中
へのゲイン切り換えをなめらかに行い停止時の振動を低
減し、位置決め時間を短くする。 【構成】 負荷を駆動するアクチュエータ１と、負荷の
位置または速度を検出する検出器２と、負荷の位置の目
標値を発生する指令発生器３と、検出器２の出力信号と
指令発生器３の出力信号との比較値にゲインを乗ずるこ
とにより検出器２と指令発生器３との出力値が一致する
ようにアクチュエータ１に制御入力を与える手段と、比
較値に乗ずる前記ゲインを切り換えることができる手段
を備えた制御器４と、パルスのＯＮ，ＯＦＦに応じてゲ
インを切り換える切り換え器５と、特定の周期で入力に
比例してパルス幅の比を変化させてパルスを発生させる
パルス幅変調器６と、指令発生器３と、検出器２の出力
から最終的な位置決め位置にあることを判断して、ある
特定時間内にパルス幅変調器のパルス幅の比をリニアに
変化させるデューティ調整器７とを設けたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、モーター等の位置決め
制御を行うサーボ装置におけるゲイン切り換え装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のような位置決めサーボ装置は、通
常フィードバック方式が使用され位置決め指令値と実際
の値との比較値に比例または、微分，積分といったゲイ
ンを駆使して、望まれる目標位置に制御しようとするも
のである。

【０００３】このような位置決めサーボ装置は通常、そ
れぞれ異なる２種類のゲインを選択できるようになって
いる。これは、移動中には、動作しやすくなるようにゲ
インを設定し、停止中には外乱に強くなるようにゲイン
を設定するためである。

【０００４】これを行う装置は、図３に示すように、負
荷を駆動するアクチュエータａと、負荷の位置または速
度を検出する検出器ｂと、負荷の位置の目標値を発生す
る指令発生器ｃと、検出器ｂの出力信号と指令発生器ｃ
の出力信号との比較値にゲインを乗ずることにより検出
器と指令発生器ｃとの出力値が一致するようにアクチュ
エータａに制御入力を与える手段と、比較値に乗ずるゲ
インを切り換えることができる手段を備えた制御器ｄ
と、指令発生器ｃと、検出器ｂの出力から最終的な位置
決め位置にあることを判断して、ゲインを切り換える切
り換え器ｅとを備えている。

【０００５】これにより、切り換え器ｅにて制御器ｄの
ゲインを切り換えることにより、移動中には、動作しや
すくなるようにゲインを設定し、停止中には外乱に強く
なるようにゲインを高めに設定することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ここで問題となるの
は、図４に示すように移動中から停止中に状態が変化し
てゲインが切り換わる時、アクチュエータへの入力は不
連続となり、負荷の影響で時には振動的となり、結果と
して位置決め時間が長くなることである。この問題は、
高速，高精度を要求される位置決めテーブル等では致命
的な欠点となる。

【０００７】そこで本発明では、移動中から停止へのゲ
イン切り換えをなめらかに行い停止時の振動を低減し、
位置決め時間を短くすることを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような課
題を解決するために、負荷を駆動するアクチュエータ
と、負荷の位置または速度を検出する検出器と、負荷の
位置の目標値を発生する指令発生器と、検出器の出力信
号と指令発生器の出力信号との比較値にゲインを乗ずる
ことにより検出器と指令発生器との出力値が一致するよ
うにアクチュエータに制御入力を与える手段と、比較値
に乗ずるゲインを切り換えることができる手段を備えた
制御器と、パルスのＯＮ，ＯＦＦに応じてゲインを切り
換える切り換え器と、特定の周期で入力に比例してパル
ス幅の比を変化させてパルスを発生させるパルス幅変調
器と、指令発生器と、検出器の出力から最終的な位置決
め位置にあることを判断して、ある特定時間内にパルス
幅変調器のパルス幅の比をリニアに変化させる制御手段
とを設けたことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】本発明の上記構成によれば、パルス幅変調器の
パルス幅の比を徐々に変化させることにより、平均的に
ゲインが移動中のゲインから停止中のゲインへとある時
間を持って連続的に変化するようになる。従って、アク
チュエータへの制御入力が不連続ではなくなり、移動中
から停止へのゲイン切り換えをなめらかに行い停止時の
振動を低減し、位置決め時間を短くすることができる。

【００１０】

【実施例】以下図１，図２に示す発明の一実施例として
の位置決めサーボのゲイン切り換え装置について説明す
る。

【００１１】本実施例の装置は図１に示すように、負荷
を駆動するアクチュエータ１と、負荷の位置または速度
を検出する検出器２と、負荷の位置の目標値を発生する
指令発生器３と、検出器２の出力信号と指令発生器３の
出力信号との比較値にゲインを乗ずることにより検出器
２と指令発生器３との出力値が一致するようにアクチュ
エータ１に制御入力を与える手段と、比較値に乗ずる前
記ゲインを切り換えることができる手段を備えた制御器
４と、パルスのＯＮ，ＯＦＦに応じてゲインを切り換え
る切り換え器５と、特定の周期で入力に比例してパルス
幅の比を変化させてパルスを発生させるパルス幅変調器
６と、指令発生器３と、検出器２の出力から最終的な位
置決め位置にあることを判断して、ある特定時間内にパ
ルス幅変調器のパルス幅の比をリニアに変化させるデュ
ーティ調整器７とを備えている。

【００１２】ここで、従来と異なる点は、パルス幅変調
器６とデューティ調整器７を備えていることである。以
下、図２を参照しながら動作について説明する。

【００１３】デューティ調整器７により、指令発生器３
と、検出器２の信号から、最終的な位置決め位置近くに
きたと判断したとき、特定時間内にパルス幅の比を一定
の割合で変化させ、この比を信号としてパルス幅変調器
６に送る。これを式で表せば、以下のようになる。

【００１４】

【数１】

【００１５】このデューティ調整器の出力でパルス幅調
整器の一周期内のＯＮ，ＯＦＦの時間の比が決まる。最
初は、ＯＮの時間が長いので移動中のゲインで、コント
ロールされる時間が長く、時間の経過と共に、徐々に停
止中のゲインでコントロールされるようになり、最終的
には停止中のゲインになる。即ち、移動中のゲインと停
止中のゲインを一周期内の時間の比で平均したものとな
り、移動中のゲインから停止中のゲインへと連続的に変
化させたことと同じになる。

【００１６】従って、従来のように切り換え時において
アクチュエータへの制御入力が不連続ではなくなり、移
動中から停止中へのゲイン切り換えをなめらかに行い停
止時の振動を低減し、位置決め時間を短くすることがで
きる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、デューティ調整器によ
り指令発生器と、検出器の信号から、最終的な位置決め
位置近くにきたと判断したとき、特定時間内にパルス幅
の比を一定の割合で変化させ、この比を信号としてパル
ス幅変調器に送りパルス幅変調器のパルス幅の比を徐々
に変化させることにより、平均的にゲインが移動中のゲ
インから停止中のゲインへとある時間を持って連続的に
変化するので、アクチュエータへの制御入力が不連続で
はなくなり、移動中から停止へのゲイン切り換えをなめ
らかに行い停止時の振動を低減し、位置決め時間を短く
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用された一実施例としての位置決め
サーボのゲイン切り換え装置のブロック図

【図２】図１によって制御されるイメージ図

【図３】従来の位置決めサーボのゲイン切り換え装置の
ブロック図

【図４】従来の装置での出力値の特性を示すグラフ

【符号の説明】

１ アクチュエータ ２ 検出器 ３ 指令発生器 ４ 制御器 ５ 切り換え器 ６ パルス幅変調器 ７ デューティ調整器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 負荷を駆動するアクチュエータと、前記
   負荷の位置または速度を検出する検出器と、負荷の位置
   の目標値を発生する指令発生器と、 前記検出器の出力信号と前記指令発生器の出力信号との
   比較値にゲインを乗ずることにより前記検出器と前記指
   令発生器との出力値が一致するように前記アクチュエー
   タに制御入力を与える手段と、 前記比較値に乗ずる前記ゲインを切り換えることができ
   る手段を備えた制御器とからなる位置決めサーボ装置に
   おいて、 パルスのＯＮ，ＯＦＦに応じて前記ゲインを切り換える
   切り換え器と、特定の周期で入力に比例してパルス幅の
   比を変化させてパルスを発生させるパルス幅変調器と、
   前記指令発生器と、前記検出器の出力から最終的な位置
   決め位置にあることを判断して、ある特定時間内に前記
   のパルス幅変調器のパルス幅の比をリニアに変化させる
   制御手段とを設けたことを特徴とする位置決めサーボの
   ゲイン切り換え装置。