JPH06216500A - パターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法 - Google Patents
パターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法Info
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- JPH06216500A JPH06216500A JP777893A JP777893A JPH06216500A JP H06216500 A JPH06216500 A JP H06216500A JP 777893 A JP777893 A JP 777893A JP 777893 A JP777893 A JP 777893A JP H06216500 A JPH06216500 A JP H06216500A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回路パターン形成部分の表面粗化状態を緩く
しても、プラスチック成形体の表面と金属層との高い密
着性が得られ、回路パターンの長期信頼性を向上させる
ことができ、且つ、微細な回路パターンの形成を可能に
して回路パターンのファイン化に対応させることができ
るパターン状金属層を有するプラスチック成形体及びそ
の製造方法を提供するものである。 【構成】 プラスチック成形体1の表面に回路パターン
を構成する金属層6を配設したパターン状金属層を有す
るプラスチック成形体1において、上記金属層6の表層
が銅メッキ層5にて形成されると共に、その下層がニッ
ケル系メッキ層4にて形成されたものである。
しても、プラスチック成形体の表面と金属層との高い密
着性が得られ、回路パターンの長期信頼性を向上させる
ことができ、且つ、微細な回路パターンの形成を可能に
して回路パターンのファイン化に対応させることができ
るパターン状金属層を有するプラスチック成形体及びそ
の製造方法を提供するものである。 【構成】 プラスチック成形体1の表面に回路パターン
を構成する金属層6を配設したパターン状金属層を有す
るプラスチック成形体1において、上記金属層6の表層
が銅メッキ層5にて形成されると共に、その下層がニッ
ケル系メッキ層4にて形成されたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメッキ等によりプラスチ
ック成形体の表面を部分的に金属処理した筺体,回路基
板,回路部品,コネクタ及び電磁波シールド部品等のパ
ターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製
造方法に関するものである。
ック成形体の表面を部分的に金属処理した筺体,回路基
板,回路部品,コネクタ及び電磁波シールド部品等のパ
ターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のパターン状金属層を有す
るプラスチック成形体は、例えば、次のような方法で製
造されていた。まず、二段成形法は、メッキ触媒を配合
した樹脂を射出成形して一次成形体を成形し、該一次成
形体上にその一部を回路パターン状に露出させて触媒を
配合しない樹脂を射出成形して二次成形体を被覆し、こ
の一体化した成形体を無電解メッキ液に浸漬して、上記
一次成形体の露出表面にのみ選択的にメッキ層を形成し
ていた。また、紫外線露光法は、プラスチック成形体の
表面に触媒を塗布し、その表面が回路パターン状に露出
するようにこれをマスキングして、これに紫外線を照射
して回路パターン部分に触媒を定着させた後、該回路パ
ターン部分以外の触媒を除去し、これを無電解メッキ液
に浸漬して、触媒を定着させた回路パターン部分にのみ
選択的にメッキ層を形成していた。さらに、Mask−
n−Add法は、触媒を配合した樹脂により成形したプ
ラスチック成形体の表面にその表面が回路パターン状に
露出するように永久レジストを施した後、該回路パター
ン部分にのみ選択的にメッキ層を形成していた。これら
の方法により製造したパターン状金属層を有するプラス
チック成形体は、その回路パターンが単層の化学銅メッ
キ層にて形成されていた。
るプラスチック成形体は、例えば、次のような方法で製
造されていた。まず、二段成形法は、メッキ触媒を配合
した樹脂を射出成形して一次成形体を成形し、該一次成
形体上にその一部を回路パターン状に露出させて触媒を
配合しない樹脂を射出成形して二次成形体を被覆し、こ
の一体化した成形体を無電解メッキ液に浸漬して、上記
一次成形体の露出表面にのみ選択的にメッキ層を形成し
ていた。また、紫外線露光法は、プラスチック成形体の
表面に触媒を塗布し、その表面が回路パターン状に露出
するようにこれをマスキングして、これに紫外線を照射
して回路パターン部分に触媒を定着させた後、該回路パ
ターン部分以外の触媒を除去し、これを無電解メッキ液
に浸漬して、触媒を定着させた回路パターン部分にのみ
選択的にメッキ層を形成していた。さらに、Mask−
n−Add法は、触媒を配合した樹脂により成形したプ
ラスチック成形体の表面にその表面が回路パターン状に
露出するように永久レジストを施した後、該回路パター
ン部分にのみ選択的にメッキ層を形成していた。これら
の方法により製造したパターン状金属層を有するプラス
チック成形体は、その回路パターンが単層の化学銅メッ
キ層にて形成されていた。
【0003】さて、プラスチック成形体は温度,湿度に
応じて伸縮し、又、このプラスチック成形体の表面に形
成された金属層としてのメッキ層も温度に応じて伸縮す
るが、これらの膨脹率は大きく相違している。また、プ
ラスチック成形体は構造体としての役割も担っているの
で、温度変化により上記金属層には大きな引張力や物理
的衝撃力等が作用することがある。これらの力に対処す
るためには、プラスチック成形体の表面と金属層との密
着性を向上させる必要がある。その対処方法としては、
金属層を形成するための無電解メッキ処理工程の前に、
プラスチック成形体の回路パターン形成部分の表面に凹
凸や微小孔(マイクロポアー)を形成する表面粗化処理
工程を取り入れる方法があり、この前処理工程によるア
ンカー効果(投摘効果)によって、プラスチック成形体
の表面と金属層との高い密着性を得ていた。この粗化処
理工程による凹凸粗さは約20μm程度もあり、この条
件下においては、0.3mm幅までの銅メッキ層による
回路パターンの形成が可能であった。
応じて伸縮し、又、このプラスチック成形体の表面に形
成された金属層としてのメッキ層も温度に応じて伸縮す
るが、これらの膨脹率は大きく相違している。また、プ
ラスチック成形体は構造体としての役割も担っているの
で、温度変化により上記金属層には大きな引張力や物理
的衝撃力等が作用することがある。これらの力に対処す
るためには、プラスチック成形体の表面と金属層との密
着性を向上させる必要がある。その対処方法としては、
金属層を形成するための無電解メッキ処理工程の前に、
プラスチック成形体の回路パターン形成部分の表面に凹
凸や微小孔(マイクロポアー)を形成する表面粗化処理
工程を取り入れる方法があり、この前処理工程によるア
ンカー効果(投摘効果)によって、プラスチック成形体
の表面と金属層との高い密着性を得ていた。この粗化処
理工程による凹凸粗さは約20μm程度もあり、この条
件下においては、0.3mm幅までの銅メッキ層による
回路パターンの形成が可能であった。
【0004】その他、従来のプリント配線板における密
着性を高める方法としては、基板表面にニトリルブタジ
エンゴム等の合成ゴムを含むエポキシ樹脂やフェノール
樹脂等を接着剤として塗布する方法がある。しかし、こ
の方法は、現在のところ、プラスチック成形体には実施
化されていない。その理由は、プラスチック成形体がプ
リント配線板のように平板ではなく、立体的な構造体で
あるため、この表面に均一に接着剤を塗布することが困
難だからである。従って、プラスチック成形体における
密着性を高める方法としては、無電解メッキ処理工程の
前処理工程として表面粗化処理工程を施すことにより、
そのアンカー効果に期待する他ないのが現状である。
着性を高める方法としては、基板表面にニトリルブタジ
エンゴム等の合成ゴムを含むエポキシ樹脂やフェノール
樹脂等を接着剤として塗布する方法がある。しかし、こ
の方法は、現在のところ、プラスチック成形体には実施
化されていない。その理由は、プラスチック成形体がプ
リント配線板のように平板ではなく、立体的な構造体で
あるため、この表面に均一に接着剤を塗布することが困
難だからである。従って、プラスチック成形体における
密着性を高める方法としては、無電解メッキ処理工程の
前処理工程として表面粗化処理工程を施すことにより、
そのアンカー効果に期待する他ないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のパタ
ーン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造
方法には、次のような問題があった。即ち、プラスチッ
ク成形体の表面と金属層との高い密着性を得るために、
回路パターン形成部分に表面粗化処理工程により粗い凹
凸面を形成していたので、この凹凸面により金属層に滲
みが生じ、回路パターン間のショート(短絡)や回路パ
ターン幅のバラツキ等を招来し、回路パターンのファイ
ン化に対応することが困難であるという問題があった。
ーン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造
方法には、次のような問題があった。即ち、プラスチッ
ク成形体の表面と金属層との高い密着性を得るために、
回路パターン形成部分に表面粗化処理工程により粗い凹
凸面を形成していたので、この凹凸面により金属層に滲
みが生じ、回路パターン間のショート(短絡)や回路パ
ターン幅のバラツキ等を招来し、回路パターンのファイ
ン化に対応することが困難であるという問題があった。
【0006】逆に、回路パターンのファイン化に対応さ
せるため、回路パターン形成部分の表面粗化状態を緩く
すると、浅い凹凸面が形成され、その結果、アンカー効
果が低下するので、プラスチック成形体の表面と金属層
との密着性が低下し、回路パターンの長期信頼性の低下
を招来するという問題があった。従って、0.3mm以
下の微細な回路パターンを形成することは困難であっ
た。
せるため、回路パターン形成部分の表面粗化状態を緩く
すると、浅い凹凸面が形成され、その結果、アンカー効
果が低下するので、プラスチック成形体の表面と金属層
との密着性が低下し、回路パターンの長期信頼性の低下
を招来するという問題があった。従って、0.3mm以
下の微細な回路パターンを形成することは困難であっ
た。
【0007】本発明の目的は、上記課題に鑑み、回路パ
ターン形成部分の表面粗化状態を緩くしても、プラスチ
ック成形体の表面と金属層との高い密着性が得られ、回
路パターンの長期信頼性を向上させることができ、且
つ、微細な回路パターンの形成を可能にして回路パター
ンのファイン化に対応させることができるパターン状金
属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法を提
供することにある。
ターン形成部分の表面粗化状態を緩くしても、プラスチ
ック成形体の表面と金属層との高い密着性が得られ、回
路パターンの長期信頼性を向上させることができ、且
つ、微細な回路パターンの形成を可能にして回路パター
ンのファイン化に対応させることができるパターン状金
属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明に係るパターン状金属層を有するプラスチック成
形体は、プラスチック成形体の表面に回路パターンを構
成する金属層を配設したパターン状金属層を有するプラ
スチック成形体において、上記金属層の表層が銅メッキ
層にて形成されると共に、その下層がニッケル系メッキ
層にて形成されたものである。
本発明に係るパターン状金属層を有するプラスチック成
形体は、プラスチック成形体の表面に回路パターンを構
成する金属層を配設したパターン状金属層を有するプラ
スチック成形体において、上記金属層の表層が銅メッキ
層にて形成されると共に、その下層がニッケル系メッキ
層にて形成されたものである。
【0009】また、本発明に係るパターン状金属層を有
するプラスチック成形体の製造方法は、プラスチック成
形体の表面を緩く粗化後、この粗化表面の所望の部分に
無電解メッキによりニッケル系メッキ層を形成した後、
このニッケル系メッキ層上に無電解メッキにより銅メッ
キ層を形成するようにしたものである。
するプラスチック成形体の製造方法は、プラスチック成
形体の表面を緩く粗化後、この粗化表面の所望の部分に
無電解メッキによりニッケル系メッキ層を形成した後、
このニッケル系メッキ層上に無電解メッキにより銅メッ
キ層を形成するようにしたものである。
【0010】
【作用】上記プラスチック成形体の材質としては、剛
性,寸法安定性,電気特性及び熱的特性等を考慮して、
例えば、ポリカーボネート,ポリスルホン,ポリエーテ
ルイミド,ポリエーテルスルホン,ポリフェニレンスル
ファイド等のいわゆるエンジニアリングプラスチックと
称される合成樹脂のメッキグレードを採用する。そし
て、メッキ触媒樹脂としては、これらの合成樹脂にパラ
ジウム,金,銀または銅等を配合したものが好適であ
る。
性,寸法安定性,電気特性及び熱的特性等を考慮して、
例えば、ポリカーボネート,ポリスルホン,ポリエーテ
ルイミド,ポリエーテルスルホン,ポリフェニレンスル
ファイド等のいわゆるエンジニアリングプラスチックと
称される合成樹脂のメッキグレードを採用する。そし
て、メッキ触媒樹脂としては、これらの合成樹脂にパラ
ジウム,金,銀または銅等を配合したものが好適であ
る。
【0011】また、このプラスチック成形体の回路パタ
ーン部分への触媒定着方法としては、周知の二色成形法
や紫外線露光法等を採用する。
ーン部分への触媒定着方法としては、周知の二色成形法
や紫外線露光法等を採用する。
【0012】さらに、上記金属層の下層に形成するニッ
ケル系メッキ層としては、ニッケル系メッキ層またはニ
ッケル合金メッキ層がある。このニッケル系メッキ層を
形成するためのメッキ液は無電解メッキ液であり、酸性
タイプとアルカリタイプとのいずれでも構わない。そし
て、このニッケル系メッキ層の析出厚さは、何等限定さ
れることはない。尚、ニッケル系メッキ層またはニッケ
ル合金メッキ層上に銅メッキ層を形成することなく、代
わりに金メッキ層を形成した金属層を回路パターンとし
て利用することも可能である。
ケル系メッキ層としては、ニッケル系メッキ層またはニ
ッケル合金メッキ層がある。このニッケル系メッキ層を
形成するためのメッキ液は無電解メッキ液であり、酸性
タイプとアルカリタイプとのいずれでも構わない。そし
て、このニッケル系メッキ層の析出厚さは、何等限定さ
れることはない。尚、ニッケル系メッキ層またはニッケ
ル合金メッキ層上に銅メッキ層を形成することなく、代
わりに金メッキ層を形成した金属層を回路パターンとし
て利用することも可能である。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係るパターン状金属層を有す
るプラスチック成形体及びその製造方法の好適実施例を
添付図面に基づいて詳述する。
るプラスチック成形体及びその製造方法の好適実施例を
添付図面に基づいて詳述する。
【0014】表面にパターン状金属層を有するプラスチ
ック成形体1は、図1に示すような製造方法により製造
される。まず、図1(a)に示すように、ポリエーテル
スルホン(polyethersulfone)を成形性材料2として用
い、図示するような形状を呈する立体的なプラスチック
成形体1を、常法により射出成形する。
ック成形体1は、図1に示すような製造方法により製造
される。まず、図1(a)に示すように、ポリエーテル
スルホン(polyethersulfone)を成形性材料2として用
い、図示するような形状を呈する立体的なプラスチック
成形体1を、常法により射出成形する。
【0015】次に、プラスチック成形体1の表面を緩か
く粗化した後、図1(b)に示すように、プラスチック
成形体1の表面にパラジウム等の無電解メッキ触媒を塗
布し、その表面が回路パターン状に露出するようにこれ
をマスキングして、これに紫外線を照射して回路パター
ン部分3に触媒を定着させる。
く粗化した後、図1(b)に示すように、プラスチック
成形体1の表面にパラジウム等の無電解メッキ触媒を塗
布し、その表面が回路パターン状に露出するようにこれ
をマスキングして、これに紫外線を照射して回路パター
ン部分3に触媒を定着させる。
【0016】そして、回路パターン部分3以外の触媒を
除去し、図1(c)に示すように、これを無電解ニッケ
ルメッキ液に浸漬して、触媒を定着させた回路パターン
部分3にのみ選択的にニッケル系メッキ層4を形成す
る。
除去し、図1(c)に示すように、これを無電解ニッケ
ルメッキ液に浸漬して、触媒を定着させた回路パターン
部分3にのみ選択的にニッケル系メッキ層4を形成す
る。
【0017】その後、図1(d)に示すように、これを
無電解銅メッキ液に浸漬して、上記ニッケル系メッキ層
4上に銅メッキ層5を形成する。
無電解銅メッキ液に浸漬して、上記ニッケル系メッキ層
4上に銅メッキ層5を形成する。
【0018】即ち、このプラスチック成形体1は、その
表面の回路パターン部分3に金属層6が形成され、該金
属層6の表層が銅メッキ層5で構成され、その下層がニ
ッケル系メッキ層4によって構成されたものである。
表面の回路パターン部分3に金属層6が形成され、該金
属層6の表層が銅メッキ層5で構成され、その下層がニ
ッケル系メッキ層4によって構成されたものである。
【0019】このように形成されたパターン状金属層を
有するプラスチック成形体1の金属層6の剥離強度を確
認するため、以下の実施例1,比較例1及び比較例2に
示すような条件で金属層6の剥離強度を比較検討した。
有するプラスチック成形体1の金属層6の剥離強度を確
認するため、以下の実施例1,比較例1及び比較例2に
示すような条件で金属層6の剥離強度を比較検討した。
【0020】実施例1 プラスチック成形体の成形材料としてポリエーテルスル
フォンを用い、プラスチック成形体の表面の粗化状態を
緩かくした表面において、常法により無電解ニッケルメ
ッキを施してニッケル系メッキ層4を形成した後、これ
を無電解銅メッキ液に浸漬して、上記ニッケル系メッキ
層上に銅メッキ層を形成した。
フォンを用い、プラスチック成形体の表面の粗化状態を
緩かくした表面において、常法により無電解ニッケルメ
ッキを施してニッケル系メッキ層4を形成した後、これ
を無電解銅メッキ液に浸漬して、上記ニッケル系メッキ
層上に銅メッキ層を形成した。
【0021】比較例2 従来法の一例として、プラスチック成形体の成形材料と
してポリエーテルスルフォンを用い、プラスチック成形
体の表面の粗化状態を粗くした表面において、無電解銅
メッキ液に浸漬して、銅メッキ層を形成した。
してポリエーテルスルフォンを用い、プラスチック成形
体の表面の粗化状態を粗くした表面において、無電解銅
メッキ液に浸漬して、銅メッキ層を形成した。
【0022】比較例2 従来法の他例として、プラスチック成形体の成形材料と
してポリエーテルスルフォンを用い、プラスチック成形
体の表面の粗化状態を緩かくした表面において、無電解
銅メッキ液に浸漬して、銅メッキ層を形成した。
してポリエーテルスルフォンを用い、プラスチック成形
体の表面の粗化状態を緩かくした表面において、無電解
銅メッキ液に浸漬して、銅メッキ層を形成した。
【0023】下記表1は、これら実施例1,比較例1及
び比較例2の金属層の剥離強度を示すものである。
び比較例2の金属層の剥離強度を示すものである。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、比較例2のよう
に表面粗化状態を緩かくすると、剥離強度が0.5kg
f/cmと低いが、比較例1のように表面粗化状態を粗
くすると、2.0kgf/cmと高い。実施例1は表面
粗化状態を緩かくしたので、剥離強度が1.5kgf/
cmと比較例1よりもやや劣っているが、比較例2に比
して極めて高い強度を有することが判る。従って、本実
施例によれば、回路パターンのファイン化に対応させる
ため、プラスチック成形体1の回路形成部分3の表面の
粗化状態を緩かくしても、充分にプラスチック成形体1
の表面と金属層6との密着力が得られるものである。
に表面粗化状態を緩かくすると、剥離強度が0.5kg
f/cmと低いが、比較例1のように表面粗化状態を粗
くすると、2.0kgf/cmと高い。実施例1は表面
粗化状態を緩かくしたので、剥離強度が1.5kgf/
cmと比較例1よりもやや劣っているが、比較例2に比
して極めて高い強度を有することが判る。従って、本実
施例によれば、回路パターンのファイン化に対応させる
ため、プラスチック成形体1の回路形成部分3の表面の
粗化状態を緩かくしても、充分にプラスチック成形体1
の表面と金属層6との密着力が得られるものである。
【0026】実施例2 プラスチック成形体1の成形材料としてポリエーテルス
ルフォンを用い、プラスチック成形体1の表面を緩かく
粗化後、全面にメッキ触媒を塗布し、マスキング,露
光,現像という工程を経て、パターン幅,回路幅ともに
0.2mmの櫛形状の触媒の載った回路形成部分3を作
製した。次に、これを無電解ニッケルメッキ液に浸漬し
て回路形成部分3にニッケル系メッキ層4を形成した
後、これを無電解銅メッキ液に浸漬してニッケル系メッ
キ層4上に銅メッキ層5を形成し金属層6とした。この
時、回路パターン間のショート部分は観察されず、良好
に電気回路を形成することができた。従って、本実施例
によれば、プラスチック成形体1における回路パターン
のファイン化に対応することができ、プラスチック成形
体1表面への微細パターンの形成とその密着力の確保と
を両立させることができるものである。
ルフォンを用い、プラスチック成形体1の表面を緩かく
粗化後、全面にメッキ触媒を塗布し、マスキング,露
光,現像という工程を経て、パターン幅,回路幅ともに
0.2mmの櫛形状の触媒の載った回路形成部分3を作
製した。次に、これを無電解ニッケルメッキ液に浸漬し
て回路形成部分3にニッケル系メッキ層4を形成した
後、これを無電解銅メッキ液に浸漬してニッケル系メッ
キ層4上に銅メッキ層5を形成し金属層6とした。この
時、回路パターン間のショート部分は観察されず、良好
に電気回路を形成することができた。従って、本実施例
によれば、プラスチック成形体1における回路パターン
のファイン化に対応することができ、プラスチック成形
体1表面への微細パターンの形成とその密着力の確保と
を両立させることができるものである。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るパター
ン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方
法によれば、回路パターン形成部分の表面粗化状態を緩
くしても、プラスチック成形体の表面と金属層との高い
密着性が得られ、回路パターンの長期信頼性を向上させ
ることができる。また、微細な回路パターンの形成を可
能にして、回路パターンのファイン化に対応させること
ができるという優れた効果を発揮する。
ン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方
法によれば、回路パターン形成部分の表面粗化状態を緩
くしても、プラスチック成形体の表面と金属層との高い
密着性が得られ、回路パターンの長期信頼性を向上させ
ることができる。また、微細な回路パターンの形成を可
能にして、回路パターンのファイン化に対応させること
ができるという優れた効果を発揮する。
【図1】本発明に係るパターン状金属層を有するプラス
チック成形体の製造方法の一実施例を示し、(a)はプ
ラスチック成形体の成形後の状態の斜視図、(b)は紫
外線露光法により回路パターン形成部分に触媒を定着さ
せた状態の斜視図、(c)は回路パターン形成部分にニ
ッケル系メッキ層を形成した状態の斜視図、(d)はニ
ッケル系メッキ層上に銅メッキ層を形成した状態の斜視
図である。
チック成形体の製造方法の一実施例を示し、(a)はプ
ラスチック成形体の成形後の状態の斜視図、(b)は紫
外線露光法により回路パターン形成部分に触媒を定着さ
せた状態の斜視図、(c)は回路パターン形成部分にニ
ッケル系メッキ層を形成した状態の斜視図、(d)はニ
ッケル系メッキ層上に銅メッキ層を形成した状態の斜視
図である。
1 プラスチック成形体 4 ニッケル系メッキ層 5 銅メッキ層 6 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 秀樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック成形体の表面に回路パター
ンを構成する金属層を配設したパターン状金属層を有す
るプラスチック成形体において、上記金属層の表層が銅
メッキ層にて形成されると共に、その下層がニッケル系
メッキ層にて形成されたことを特徴とするパターン状金
属層を有するプラスチック成形体。 - 【請求項2】 プラスチック成形体の表面を緩く粗化
後、該粗化表面の所望の部分に無電解メッキによりニッ
ケル系メッキ層を形成した後、該ニッケル系メッキ層上
に無電解メッキにより銅メッキ層を形成するようにした
ことを特徴とするパターン状金属層を有するプラスチッ
ク成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP777893A JPH06216500A (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | パターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP777893A JPH06216500A (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | パターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06216500A true JPH06216500A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=11675138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP777893A Pending JPH06216500A (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | パターン状金属層を有するプラスチック成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06216500A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019117903A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 株式会社松尾製作所 | 3次元樹脂成形回路部品、その製造方法及びめっき用中間部品 |
-
1993
- 1993-01-20 JP JP777893A patent/JPH06216500A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019117903A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 株式会社松尾製作所 | 3次元樹脂成形回路部品、その製造方法及びめっき用中間部品 |
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