JPH06216067A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH06216067A
JPH06216067A JP5258415A JP25841593A JPH06216067A JP H06216067 A JPH06216067 A JP H06216067A JP 5258415 A JP5258415 A JP 5258415A JP 25841593 A JP25841593 A JP 25841593A JP H06216067 A JPH06216067 A JP H06216067A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくともTi層とその上のTiN層とを有
する金属化層を良好に半導体材料片上に堆積するととも
に、TiN層上に含まれる自由なTiをできるだけ少な
くする。 【構成】 半導体材料片20上に最初にTi層8を、次
にTiN層9を堆積するに当り、半導体材料片を堆積室
22内で、環状陽極31により囲まれたTiのターゲッ
ト32に対向している支持体30上に順次に配置し、T
i層の堆積中はArガス中で、TiN層の堆積中はAr
及びN2 の混合ガス中でターゲットの付近に発生させた
プラズマ35によりこのターゲットから材料をスパッタ
リングし、TiN層の堆積後で次の半導体材料片を堆積
室内に配置する前にその都度行なう追加の処理工程で、
Arガス中で発生させたプラズマによりターゲットから
材料をスパッタリングしてターゲットを清浄にし、この
追加の処理工程は、ターゲットが清浄なTi表面を再び
得る瞬時に終了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体材料片上に最初
にTi層を堆積し、次にTiN層を堆積することにより
半導体装置を製造する方法であって、堆積室内で環状陽
極により囲まれたTiのターゲットに対向して配置され
た支持体上に半導体材料片を順次に配置し、次に、Ti
層の堆積中はArガス中で、TiN層の堆積中はAr及
びN2の混合ガス中でターゲットの付近に発生されたプ
ラズマによりターゲットから材料をスパッタリングさ
せ、その後、次の半導体材料片を堆積室内に配置する前
にその都度追加の処理工程で、Arガス中で発生させた
プラズマによりターゲットから材料をスパッタリングさ
せることによりターゲットを清浄にすることにより半導
体装置を製造する方法に関するものである。
【0002】最近のIC(集積回路)技術では、半導体
本体の表面上に、Ti(チタン)層と、TiN(窒化チ
タン)層と、導電性の他の層(頂部層)とを有する金属
化層がしばしば設けられている。Ti層は、金属化層と
半導体本体との間の接着を良好にするとともにこれらの
間の接触抵抗を低くする作用を有する。Al(アルミニ
ウム)或いはAlと数パーセントのSi(珪素)又はC
u(銅)との合金より成る層を導電性の頂部層として用
いる場合、TiN層は障壁層として作用し、AlとTi
及び障壁層の下側の半導体材料との間の化学反応を阻止
する。WF6 (六弗化タングステン)を用いる通常のC
VD(化学蒸着)処理により導電性の頂部層としてW
(タングステン)を堆積する場合、TiN層は、Tiと
このCVD処理中に形成されるFとの間の化学反応を阻
止する障壁として作用する。
【0003】堆積は実際には、後の工程で多数の別々の
半導体本体に分割される半導体材料片上に行われる。半
導体材料片は投入部を通してスパッタ堆積装置の第1堆
積室内に入れられ、この第1堆積室でTi層及びTiN
層が上述した方法で堆積され、その後半導体材料片が第
2堆積室に移され、この第2堆積室で例えばAl又はW
層が堆積され、最後に半導体材料片が取出部を経てスパ
ッタ堆積装置から取出される。実際には、半導体材料片
を堆積室から移動させる際、新たな半導体材料片を直ち
にこの堆積室内に導入する。
【0004】TiN層の堆積中、Ar及びN2 を有する
混合ガス中でターゲットの付近にプラズマを発生させ
る。これにより、この堆積処理中、窒素を有する層がタ
ーゲット上に生じる。追加の処理工程でこのターゲット
から材料をスパッタリングし、この材料を半導体材料片
上に堆積させる。これにより、窒素を有するTi層が半
導体材料片上に堆積され、この層は最初はTiN層から
成り、窒素の濃度はこの層の厚さ方向で見て減少する。
従って、この層はTiN層と良好に併合する。このよう
な層が金属化層の第1層としてTi層の代りに次の半導
体材料片上に堆積されると、この金属化層の接着が悪く
なり、その接触抵抗が高くなる。
【0005】
【従来の技術】“Eclipse Newsletter”(10,June/
July1992)には前述した種類の方法が開示されてお
り、この場合、追加の処理工程がターゲットの清浄処理
後のある時間の間継続され、従って半導体材料片上に
は、窒素を有するTi層に加えて純粋なTiの他の層が
堆積される。この純粋なTi層は設けるべき他のAl層
との接着を良好にする作用をする。
【0006】この既知の方法によれば、半導体材料片上
に第1層として堆積される層はこの半導体材料片に良好
に接着するとともに、その接触抵抗は低くなる。その理
由は、この層はターゲットの清浄処理の為に純粋なTi
より成っている為である。しかしこの既知の方法には、
自由なTiを有する他の層がTiN層の頂部に堆積され
るという欠点がある。Al或いはAlと数パーセントの
Si又はCuとの合金より成る導電性の頂部層を自由な
Tiを有するこの他の層上に設けると、AlとTiとが
互いに反応し、電気抵抗が比較的高い化合物を形成す
る。この場合接着は実際に良好になるも、比較的抵抗値
の低い導体細条をこのように形成した層構造体で形成し
うるようにするためには、導電性のAl層を比較的肉厚
に設ける必要がある。WF6 を用いる通常のCVD処理
により、自由なTiを有する前記の層上にW層を堆積す
ると、自由なTiがCVD処理中に形成されるFと反応
する。これによりTiF3 を形成し、このTiF3 に対
するWの接着は悪くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特
に、上述した欠点をできるだけ良好になくすようにした
半導体装置の製造方法を提供せんとするにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体材料片
上に最初にTi層を堆積し、次にTiN層を堆積するこ
とにより半導体装置を製造する方法であって、堆積室内
で環状陽極により囲まれたTiのターゲットに対向して
配置された支持体上に半導体材料片を順次に配置し、次
に、Ti層の堆積中はArガス中で、TiN層の堆積中
はAr及びN2の混合ガス中でターゲットの付近に発生
されたプラズマによりターゲットから材料をスパッタリ
ングさせ、その後、次の半導体材料片を堆積室内に配置
する前にその都度追加の処理工程で、Arガス中で発生
させたプラズマによりターゲットから材料をスパッタリ
ングさせることによりターゲットを清浄にすることによ
り半導体装置を製造する方法において、 ターゲットの
Ti表面が再び清浄となると直ちに前記の追加の処理工
程を終了させることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、半導体材料片上に第1層
として堆積されるTi層は純粋なTiより成り、従って
この半導体材料片に良好に接着し、接触抵抗が低くな
る。本発明によれば、ターゲットが清浄なTi表面を有
すると直ちにターゲットの清浄処理を終了させることに
より、必要な前記の追加の処理工程に要する時間をでき
るだけ短くしている。この追加の処理工程中、窒素を有
するTiの追加の層が実際にTiN層上に堆積される
も、この追加の層ができるだけ薄肉となり、従ってこの
追加の層が有するおそれのある自由なTiができるだけ
少くなる。従って、前述した欠点ができるだけ多く解消
される。
【0010】本発明においては、前記の追加の処理工程
中、プラズマに一定の電力を供給し、これにより、この
追加の処理工程中もはや変化しない最終値に到達する変
化電圧をターゲットと陽極との間に生ぜしめ、この最終
値を、追加の処理工程を終了させるために用いるのが好
ましい。
【0011】追加の処理工程中ターゲットと陽極との間
に生じる電圧は電圧計により簡単に測定しうる。この電
圧は、ターゲットが窒素を有するTiの表面を依然とし
て有している限り変化するも、ターゲットの表面が清浄
なTi表面を再び呈すると直ちに最終値に達する。追加
の処理工程をいかにして実行するかが、すなわちいかな
る電力をプラズマに供給するか及びいかなる圧力でAr
ガスを堆積室内に導入するかが決定された後、ターゲッ
トからのスパッタリングを一旦、必要とする以上に長い
期間に亘って継続することにより上述した最終値を容易
に確かめることができる。この場合、この最終値は、タ
ーゲットが清浄となった際のターゲット及び陽極間の電
圧を測定することにより簡単に確かめることができる。
【0012】このように確かめた期間が経過した後その
都度追加の処理工程を終了させると、この追加の処理工
程後にターゲットの表面は常に所望の清浄なTi表面を
呈するようになる。しかし、この方法はそれほど実際的
なものではない。従って、本発明によれば、ターゲット
と陽極との間の電圧を前記の追加の処理工程中測定し、
この電圧が前記の最終値に達すると直ちにこの追加の処
理工程を終了させるのが好ましい。
【0013】TiN層を例えば1分よりも短い実質的な
期間で堆積しうるようにするために、実際に比較的大き
な電力、例えば6KWよりも大きな電力をTiN層の堆
積中にプラズマに供給する。本発明によれば、TiN層
の堆積中プラズマに供給する電力よりも小さな電力を前
記の追加の処理工程中プラズマに供給するのが好まし
い。このようにすると、ターゲットと陽極との間の電圧
は、電力を減少せしめなかった場合よりも著しく長い期
間であって追加の処理工程を終了させる必要のある時を
確かめるのにより一層簡単な手段を用いうる程度に長い
期間で最終値に達する。本発明による手段を講じない
と、この追加の処理工程を実際に例えば約1秒後に終了
させる必要があり、本発明による手段を講じると追加の
処理工程は例えば約10秒後に終了される。
【0014】ほぼ化学量論的な組成を有するTiN層を
得るためには、この層の堆積中比較的流量の少ないAr
及びN2 を堆積室内に導入する。本発明によれば、Ti
N層の堆積中Ar及びN2 の混合ガスの成分として堆積
室内に導入するArの流量よりも多い流量のArを前記
の追加の処理工程中堆積室内に導入するのが好ましい。
このようにすると、ターゲットと陽極との間の電圧が到
達する最終値が一層低くなり、更に、追加の処理工程中
のこの電圧の変化が一層大きくなる。従って、追加の処
理工程を終了せしめる必要がある時をより一層正確に決
定しうる。
【0015】
【実施例】図1〜3は本発明による半導体装置の製造方
法の数工程を線図的に示す断面図であり、半導体装置は
例えばn型のドーピングが行われた単結晶珪素より成る
半導体本体1を具え、この半導体本体1内には、表面4
に隣接するフィールド酸化物領域2及びp型のドーピン
グが行われた半導体領域3が通常のようにして設けられ
る。表面4上には多結晶珪素の導体細条5が設けられ
る。次に、例えば、酸化珪素、窒化珪素又は窒化酸化珪
素(シリコンオキシナイトライド)の絶縁層6を表面4
に設ける。この絶縁層6の下側に位置する珪素領域に接
点を形成するための接点窓7をこの絶縁層6に設ける。
これらの珪素領域は単結晶珪素の領域とすることがで
き、これら領域に金属珪化物の頂部層を設けてもよい
し、設けなくてもよい。
【0016】絶縁層6上及び接点窓7内に、Ti層8、
TiN層9及び他の導電性頂部層10を含む積層体(金
属化層)8,9,10を設ける。Ti層8は、積層体
8,9,10と半導体領域3及び絶縁層6との間の接着
を良好にし且つ積層体8,9,10と半導体領域3との
間の接触抵抗を低くする作用をする。導電性頂部層10
としてAl層或いはAlと数パーセントのSi又はCu
との合金の層を用いる場合、TiN層9は障壁層として
作用し、この障壁層により、導電性頂部層10のアルミ
ニウム(Al)とTi層8のチタン(Ti)及びこの障
壁層の下側に位置する半導体材料との化学反応を阻止す
る。導電性頂部層10として、WF6 を用いる通常のC
VD(化学蒸着)処理により堆積したタングステン
(W)層を用いる場合、TiN層9はTi層8のTiと
CVD処理中に形成されるFとの間の化学反応を阻止す
る障壁として作用する。
【0017】積層体8,9,10を通常のように、接点
窓7を経て半導体領域3に接続された導体パターン11
に腐食形成した後、絶縁層12,13,14の積層体を
この順序で設ける。絶縁層12としては酸化珪素層をプ
ラズマ堆積(PECVD)処理で堆積し、絶縁層13と
してはスピン・オンガラス(SOG)の層をスピン・オ
ン法により堆積し、次に絶縁層14としては酸化珪素層
を再びプラズマ堆積(PECVD)処理により設ける。
積層体12,13,14には接点窓15を形成し、積層
体上に設けた導体パターン16をアルミニウムの導電性
頂部層10に接触させる。積層体12,13,14中に
スピン・オンガラスの層13を用いることにより平滑化
効果が得られる為、上側の酸化珪素層14が比較的平坦
となる。
【0018】半導体装置の製造中、後の工程で多数の別
々の半導体本体1に分割される半導体材料片中にフィー
ルド酸化物領域2及び半導体領域3が設けられ、これに
接点窓7を有する絶縁層6が設けられる。次に、まず最
初Ti層が、続いてTiN層がこれら半導体材料片上に
堆積される。図4に線図的に示すように、半導体材料片
20をスパッタ堆積装置23の第1堆積室22内に、こ
の場合投入部21を介して導入し、この第1堆積室22
内でTi及びTiN層を堆積し、その後半導体材料片を
第2堆積室24に移し、この第2堆積室内で例えばAl
又はWの層を堆積し、最後に半導体材料片を取出部25
を介してスパッタ堆積装置から取出す。半導体材料片を
堆積室から移動させる際、実際には新たな半導体材料片
を直ちにこの堆積室内に導入する。
【0019】図5は、Ti及びTiN層を半導体材料片
20上に堆積する第1堆積室22の断面を線図的に示
す。この目的のために、約15cmの直径を有する半導
体材料片20を堆積室22内で支持体30上に配置す
る。この支持体30は、環状陽極31により囲まれた、
直径が約26cmのTiターゲット32に対向してこの
ターゲットから約5cmの距離に配置されている。この
支持体30を囲んで接地スクリーン33が設けられてい
る。この状態で一種のガス又は混合ガスを供給管34を
経て堆積室22内に導入する。ターゲット32と環状陽
極31との間には電源45が接続され、この電源により
前記のガス又は混合ガス中にプラズマ35を発生させ、
このプラズマがターゲット32の後方に配置した磁石3
6によりターゲット32の近辺でターゲット32と半導
体材料片20との間に位置するようにする。
【0020】磁石36は軸線37を中心に一緒に回転し
うる。実際には、これら磁石は堆積処理中軸線37を中
心に毎秒数回回転し、従ってプラズマ35が同じ軸線3
7を中心に回転する。これにより、原子がターゲット3
2から均一にスパッタリングされ、半導体材料片20の
全体上に均一な堆積が得られるようになる。
【0021】支持体30と半導体材料片20との間に1
00〜2000Paの圧力のガスクッション38を得ること
により堆積中半導体材料片20が冷却される。支持体3
0と半導体材料片20との間にはガス供給管39を経て
Arガスを供給する。支持体30にはリム40が設けら
れており、このリム40に半導体材料片20が緊締部材
(図示せず)により押圧される。これによりガスクッシ
ョン38から堆積室22内へのArガスの漏洩が制限さ
れる。支持体30はTi及びTiN層の堆積中通常の手
段(図示せず)により200〜400℃の温度に保たれ
る。
【0022】堆積室22には更にガス排出管43が設け
られ、この排出管がポンプ(図示せず)に連結され、こ
のポンプによりガスを排出せしめうるとともに反応(堆
積)室22を所望の圧力に維持しうる。
【0023】支持体30上に半導体材料片20を配置し
た後、Ti層の堆積中はArガス中で、又、TiN層の
堆積中はAr及びN2 の混合ガス中でターゲット32の
近くで発生されるプラズマ35により材料をターゲット
32からスパッタリングさせる。その後、次の半導体材
料片20を堆積室22内に配置する前にその都度通過の
処理工程で、Arガス中で発生させるプラズマによりタ
ーゲット32から材料をスパッタリングすることにより
ターゲット32を清浄とする。
【0024】TiN層9の堆積中、Ar及びN2 を有す
る混合ガス中でターゲット32付近にプラズマ35が発
生される。この堆積工程中ターゲット32上に窒素を有
する頂部層(図示せず)が形成される。追加の処理工程
でこのターゲットから材料を半導体材料片20上に堆積
させる。これにより窒素を有するTi層(図示せず)が
半導体材料片上に堆積され、この層は最初はTiNより
成っているがこの層の厚さ方向で見てその窒素濃度は減
少している。従って、この層はTiN層と良好に併合す
る。このような層をTi層の代りの金属化層の第1層と
して次の半導体材料片上に堆積した場合には、この金属
化層の、半導体材料片に対する接着力は弱くなり、接触
抵抗も高くなる。
【0025】本発明によれば、ターゲット32のTi表
面が再び清浄となる瞬時にこの追加の処理工程を終了さ
せる。これにより、半導体材料片20上に第1層として
堆積されたTi層8は純粋なTiから成り、従ってその
半導体材料片20への接着力は良好となる。この必要な
処理工程は、ターゲット32のTi表面が清浄となる瞬
時にターゲット32の清浄化が終了されるという事実の
為に可能な限り短かくなる。この追加の処理工程により
TiN層上に窒素を有するTiの層が堆積されるも、こ
の層はできるだけ薄肉にするためにこの層が含む自由な
Tiはできるだけ少なくなる。この層上に、Alより成
る或いはAlと数パーセントのSi又はCuとの合金よ
り成る導電性頂部層を設けると、AlとTiとが互いに
反応し、電気抵抗が比較的高い化合物が形成される。こ
の場合、良好な接着が得られるも、このようにして形成
された積層体で電気抵抗が比較的低い導体細条を形成し
うるようにする必要があるために、導電性Al層を比較
的厚肉に設ける必要がある。WF6 を用いた通常のCV
D(化学蒸着)処理により、自由なTiを有する前記の
層上にWの層を堆積すると、このCVD処理中に形成さ
れたFと、自由なTiとが反応する。これによりTiF
3 が形成され、このTiF3 に対するWの接着が悪くな
る。これらの欠点は、TiN層上に堆積された窒素含有
層中の自由なTiの量をできるだけ少なくなるように制
限することによりできるだけ多く解消する。
【0026】追加の処理工程中はプラズマに一定の電力
を与える。これにより、もはや変化しない最終値Ve
到達するターゲットと陽極との間の変化電圧Vt を生ぜ
しめる。図6はTiN層の堆積が終了された瞬時t0
のこの電圧Vt の勾配を示す。TiN層の堆積中プラズ
マに6KWの電力を与え、5sccm(1分当りの標準
立方センチメートル)のArと15sccmのN2 との
混合ガスを反応(堆積)室内に導入した。瞬時t0 でN
2 の供給を停止し、Arの供給を50sccmに高め、
これにより反応室内の気圧を1.60Paにした。反応
室に供給する電力は0.3KW、0.5KW、1KW及
び2KWのいずれかに減少させた。図6の曲線50,5
1,52及び53はこれら4つの場合に対し電圧Vt
時間の関数としていかに変化するかを示している。この
図6から明らかなように、これらの電力値に対し、それ
ぞれ25秒、18秒、12秒及び9秒後に最終値Ve
達する。これらの場合の最終値Ve はそれぞれ260
V,280V,300V及び320Vであった。追加の
処理工程中は、プラズマに2KW又はそれ以下の一定の
電力を供給するのが好ましい。さもないと、実際的でな
い短い時間で最終値に到達してしまう。図7は、0.3
KW,0.5KW,1KW及び2KWの電力をプラズマ
に供給した場合にArガスを堆積室内に導入した圧力p
の関数として得られる最終値Ve を曲線55,56,5
7および58で示すグラフである。電圧Vt はもはや変
化しない最終値Ve に到達し、この最終値はArガスを
反応室内に導入する圧力pとプラズマに供給する電力に
依存するということを確かめた。最終値Ve は追加の処
理工程を終了させるのに用いる。上述した場合、追加の
処理工程中に窒素を有するTiの層が8〜10nmの厚
さで堆積されたことが分った。
【0027】電圧Vt は図5の電圧計44で簡単に測定
しうる。この電圧は、ターゲット32が依然として窒素
を含むTiの表面を有している限り変化し、ターゲット
32が清浄なTi表面を再び呈する瞬時に最終値Ve
達する。追加の処理工程を所望の時間で達成しうるよう
にするために、いかなる電力をプラズマに供給し、いか
なる圧力でArガスを堆積室内に導入するかに関して選
択を行う。これらの選択した処理条件の下で必要とする
よりも長い期間に亘ってターゲット32からのスパッタ
リングを続行することにより最終値Ve を容易に決定し
うる。どのくらいの時間後にターゲットが清浄になった
かは電圧Vt を測定することにより簡単に確かめること
ができる。
【0028】このようにして確かめた時間の経過後に追
加の処理工程を終了させると、この追加の処理工程後に
ターゲットのTi表面は常に所望通りに清浄となる。し
かし、この方法はそれぼど実際的なものではない。従っ
て、本発明によれば、ターゲットと陽極との間の電圧を
追加の処理工程中測定し、この電圧が前記の終了値に達
した瞬時にこの追加の処理工程を終了させるのが好まし
い。
【0029】例えば60秒よりも短い実際的な時間でT
iN層を堆積するためには、実際にTiN層の堆積中例
えば6KWよりも大きな比較的高い電力をプラズマに供
給する。本発明によれば、TiN層の堆積中プラズマに
供給される電力よるも小さな一定の電力を追加の処理工
程中プラズマに供給する。この場合、電力を減少させな
かった場合よりも長く、追加の処理工程を終了させる必
要がある時を簡単な手段で確かめうる程度に長い時間
で、ターゲットと陽極との間の電圧が前記の最終値に達
する。本発明による手段を講じない場合には追加の処理
工程を例えば約0.5 秒後に実際に終了させる必要があ
り、本発明による手段を講じると追加の処理工程は上述
した、より一層実際的な時間後に終了する。
【0030】ほぼ化学量論的な組成を有するTiN層を
得るために、TiN層の堆積中、5sccmのArと1
5sccmのN2 との比較的少ない流量の混合ガスを堆
積室内に導入する。本発明によれば、TiN層の堆積中
Ar及びN2 の混合ガスの成分として堆積室内に導入す
るArの流量よりも多い流量のArを追加の処理工程中
に堆積室内に導入する。図8は、追加の処理工程中に
0.5KWの電力をプラズマに供給した場合に対する電
圧Vt の勾配を図6と同様にして示す。図8の曲線51も
Arを1.60Paの圧力で堆積室内に導入した際に電
圧Vt がいかに変化するかを示している。曲線59及び
60はそれぞれArを0.25Pa及び0.13Paの
圧力で堆積室内に導入した場合の電圧Vt の勾配を示
す。この後者の圧力は、本例では、N2 の供給を止めた
後にもArの流量を変化させないことにより得る。Ar
の流量を増大させると、ターゲット32と陽極31との
間の電圧Vt が達する最終値が低くなり、更に追加の処
理工程中のこの電圧の変化が大きくなるということを確
かめた。このことは、追加の処理工程を終了させる時を
一層正確に決定しうるということを意味する。
【0031】追加の処理工程中堆積室内にArを流入さ
せることにより、堆積室内の圧力を1Paよりも大きく
するのが好ましい。この場合、電圧Vt は瞬時t0 から
直ちに減少し、低圧力に対し図8に曲線59及び60で
示したような勾配を呈しなくなる。曲線59及び60で
示す場合には、最終値Ve に達した時を確かめるのが容
易でなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製造する半導体装置の一製造
工程を示す線図的断面図である。
【図2】図1よりも後の一製造工程を示す線図的断面図
である。
【図3】最終製造工程を示す線図的断面図である。
【図4】本発明方法を実施するスパッタ堆積装置を示す
線図である。
【図5】図4の装置の堆積室の1つを示す線図的断面図
である。
【図6】0.3KW,0.5KW,1KW及び2KWの
電力をプラズマに供給した場合で、TiN層の堆積を終
了させた瞬時t0 からのターゲット及び陽極間の電圧V
t の勾配を示す線図である。
【図7】0.3KW,0.5KW,1KW及び2KWの
電力をプラズマに供給した場合で、Arを堆積室内に導
入した圧力の関数として電圧Vt の最終値Ve の勾配を
示す線図である。
【図8】0.5KWの電力をプラズマに供給し、Arを
1.60Pa,0.25Pa及び0.13Paの圧力で
堆積室内に導入した場合の電圧Vt の勾配を示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 半導体本体 2 フィールド酸化物領域 3 p型半導体領域 4 表面 5 導体細条 6 絶縁層 7,15 接点窓 8 Ti層 9 TiN層 10 導電性頂部層 11 導体パターン 12,13,14 絶縁層 20 半導体材料片 21 投入部 22 第1堆積室 23 スパッタ堆積装置 24 第2堆積室 25 取出部 30 支持体 31 環状陽極 32 Tiターゲット 33 接地スクリーン 34,39 供給管 35 プラズマ 36 磁石 37 軸線 38 ガスクッション 40 リム 43 排出管 44 電圧計 45 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドウィン テイベ スワルト オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ 1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体材料片上に最初にTi層を堆積
    し、次にTiN層を堆積することにより半導体装置を製
    造する方法であって、堆積室内で環状陽極により囲まれ
    たTiのターゲットに対向して配置された支持体上に半
    導体材料片を順次に配置し、次に、Ti層の堆積中はA
    rガス中で、TiN層の堆積中はAr及びN2 の混合ガ
    ス中でターゲットの付近に発生されたプラズマによりタ
    ーゲットから材料をスパッタリングさせ、その後、次の
    半導体材料片を堆積室内に配置する前にその都度追加の
    処理工程で、Arガス中で発生させたプラズマによりタ
    ーゲットから材料をスパッタリングさせることによりタ
    ーゲットを清浄にすることにより半導体装置を製造する
    方法において、 ターゲットのTi表面が再び清浄となると直ちに前記の
    追加の処理工程を終了させることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    において、前記の追加の処理工程中、プラズマに一定の
    電力を供給し、これにより、この追加の処理工程中もは
    や変化しない最終値に到達する変化電圧をターゲットと
    陽極との間に生ぜしめ、この最終値を、追加の処理工程
    を終了させるために用いることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置の製造方法
    において、ターゲットと陽極との間の電圧を前記の追加
    の処理工程中測定し、この電圧が前記の最終値に達する
    と直ちにこの追加の処理工程を終了させることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の半導体装置の製
    造方法において、TiN層の堆積中プラズマに供給する
    電力よりも小さな電力を前記の追加の処理工程中プラズ
    マに供給することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置の製造方法
    において、2KW又はそれより小さな電力を前記の追加
    の処理工程中プラズマに供給することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか一項に記載の半
    導体装置の製造方法において、TiN層の堆積中Ar及
    びN2 の混合ガスの成分として堆積室内に導入するAr
    の流量よりも多い流量のArを前記の追加の処理工程中
    堆積室内に導入することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置の製造方法
    において、Arを堆積室内に流入させ、これにより、前
    記の追加の処理工程中の堆積室内の圧力を1Paよりも
    大きくすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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