JPH06215690A - カラー陰極線管の色選別手段の製造方法 - Google Patents

カラー陰極線管の色選別手段の製造方法

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JPH06215690A
JPH06215690A JP50A JP607093A JPH06215690A JP H06215690 A JPH06215690 A JP H06215690A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 607093 A JP607093 A JP 607093A JP H06215690 A JPH06215690 A JP H06215690A
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JP
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adhesive sheet
sheet
electron beam
color
slit
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JP50A
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Shinzo Takei
慎三 武井
Hiroyuki Ida
博行 伊田
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Dexerials Corp
Sony Corp
Original Assignee
Sony Chemicals Corp
Sony Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/14Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes
    • H01J9/142Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes of shadow-masks for colour television tubes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/02Local etching
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/07Shadow masks
    • H01J2229/0727Aperture plate
    • H01J2229/075Beam passing apertures, e.g. geometrical arrangements
    • H01J2229/0755Beam passing apertures, e.g. geometrical arrangements characterised by aperture shape
    • H01J2229/0761Uniaxial masks having parallel slit apertures, i.e. Trinitron type

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属薄板よりなるカラー陰極線管の色選別手
段を歩留り良く確実に製造する。 【構成】 金属薄板1に、多数のスリット状電子ビーム
透過孔2が並置穿設されて成るカラー陰極線管の色選別
手段4の製造方法において、この金属薄板1の一主面1
Aに、反応型再剥離粘着シート11を貼着し、この状態
で、金属薄板1の他方の主面1B側から選択的エッチン
グを行ってスリット状電子ビーム透過孔2の穿設を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー陰極線管の色選
別手段の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管においては、そのカラー
蛍光面に対向して色選別手段が設けられて、これによっ
て各色に対応する電子ビームを所定の色の蛍光体パター
ン上にランディングするようになされている。
【0003】一般のカラー陰極線管においては、例えば
ドット状の赤、緑及び青の蛍光体トリプレットに対して
1つの例えば円形のビーム透過孔が金属板に穿設されて
成るシャドウマスクが色選別手段としてカラー蛍光体に
対向して配置される。
【0004】このようなシャドウマスクは、金属板プレ
ス等によりドーミング状に成形されて、その周辺がフレ
ームに溶接されて保持される。この場合のシャドウマス
クはテンションをかけずにフレームに保持しているた
め、走査電子ビームによりマスク温度が上昇すると、熱
膨張によって色ずれを起こすいわゆるドーミングが起こ
り、この対策としてマスク材に低膨張率の高価格材料を
使用し、更にその強度を大とするために板厚を大とする
傾向がある。
【0005】これに対して、トリニトロン(商標登録)
型カラー陰極線管は、図1に斜視図を示すように、カラ
ー蛍光面10に対向してアパーチャグリル型の色選別手
段4が配置される。
【0006】カラー蛍光面10は、それぞれ垂直方向に
延びる赤、緑及び青の各色の蛍光体ストライプ(図示せ
ず)が所定の順序をもって並置配列されて成り、これに
対向するように、蛍光体ストライプの延長方向に沿って
少くとも全有効画面のほぼ上縁から下縁に亘って延長す
る多数のスリット状電子ビーム透過孔2が形成されたア
パーチャグリル型の色選別手段4が配置される。
【0007】このアパーチャグリル型の色選別手段は、
図1に示すように、厚さ0.08〜0.15mmの高純
度の鉄薄板より成る金属薄板1に多数のスリット状電子
ビーム透過孔2が並置穿設され、この金属薄板1がフレ
ーム3に架張されて成る。
【0008】フレーム3は、例えば相対向する対の枠辺
3A及び3Bと、これら枠辺3A及び3B間に差し渡っ
て配される腕部3C及び3Dとより成る。枠辺3A及び
3Bは、その前方端面が同一円筒面を形成する湾曲面と
され、これら枠辺3A及び3Bの前方端面に差し渡って
金属薄板1が架張される。
【0009】この金属薄板1をフレーム3に架張して取
付ける際には、フレーム3の枠辺3A及び3Bを互に引
き寄せる方向にターンバックルを掛け、この状態で枠辺
3A及び3Bの前方端面に金属板1を、その各スリット
2の両端に相当する縁部を溶接して固定した後、フレー
ム3に加えた外力を解除することによって、フレーム3
の復元力によって金属薄板1の各スリット状電子ビーム
透過孔2間の帯状部分がスリット2の延長方向に所要の
張力をもって架張されるようにする。
【0010】一方、近年カラー陰極線管型の大型化に伴
って、このアパーチャグリル型色選別手段4の金属薄板
1の各スリット2間の帯状部分の長さが大となり、この
ため電子線入射時に音声や衝撃等による振動によってこ
の帯状部分が振動し易くなり、これによる色ずれ等の発
生が問題となっている。
【0011】この帯状部分の振動を抑制するために金属
板1の厚さを大として剛性を大としたり、フレーム3を
構成する材料の厚さを大として、上述したフレームの復
元力、すなわち弾性力を大として帯状部分の振動を抑え
るようにしている。
【0012】一方、このような比較的厚い金属薄板1に
対するスリット状電子ビーム透過孔2の形成方法として
は、金属薄板1の両面からそれぞれフォトリソグラフィ
によるエッチングを行うという方法がとられる。
【0013】この方法を図13を参照して説明する。先
ず、図13Aに示すように、金属薄板1の一方の主面1
A上にフォトレジストの塗布、パターン露光、現像、レ
ジスト除去等のフォトリソグラフィ技術を適用して所要
のストライプ状のパターンに開口1WAを開口したフォ
トレジストによるエッチングマスク11Aを形成した
後、同様に他方の主面すなわち裏面1B上に、エッチン
グマスク11Aのパターンに正対して開口1WBを有
し、かつその開口幅が開口1WAの幅に比して大とされ
たエッチングマスク11Bを同様にフォトリソグラフィ
によるフォトレジストによって形成する。
【0014】次に図13Bに示すように、FeCl3(塩
化第2鉄)等のエッチング液を用いてエッチングを行っ
て金属薄板1の両面側から両マスク11A及び11Bの
1WA及び1WBを通じてストライプ状の溝を形成する
第1回目のエッチングを行う。
【0015】次に図13Cに示すように、一方の面1側
のストライプ溝内に例えばニス等の保護膜12を塗布
し、これをエッチングマスクとして他方の面1B側から
比較的濃度の薄いFeCl3 等のエッチング液を用い
て、図13Dに示すように保護膜12が露出するまで、
比較的緩やかな第2回目のエッチングを行う。
【0016】その後保護膜12を除去する。このように
すると、図14Dに示すように、断面「8」の字状の図
14の紙面と直交する方向に延びるストライプ状、すな
わちスリット状の電子ビーム透過孔2が穿設される。こ
のようにエッチングを2回に分け、更に2回目のエッチ
ングをエッチング速度を小として電子ビーム透過孔2を
形成する場合は、金属薄板1の厚さが比較的大であって
も1回のエッチングで溝を形成する場合に比して、その
エッチング時間の制御を容易かつ確実に行うことができ
ることから、エッチングの過度な進行を防ぐことができ
てこれにより各エッチング深度をより正確に形成するこ
とができ、厚い金属薄板1に対しても透過孔2の実効幅
即ち両面エッチングによって生じるエッチング5間の距
離SWを制御性良く高精度に形成することができる。し
かしながら1回のエッチングで溝を形成する場合に比し
て、作業性の劣化を招くという問題がある。
【0017】このようにエッジ5を形成する場合、各面
1A及び1Bからエッジ5にかけてながらかな曲線状の
テーパ部6が形成される。
【0018】従って図15にこのアパーチャグリル4を
用いたときのカラー蛍光面10への電子線の入射態様の
断面図を示すように、入射電子線Eiを電子ビーム透孔
孔2を通過してカラー蛍光面10に入射して、ストライ
プ状に形成された蛍光体を発光させるが、一方このカラ
ー蛍光面10からの2次電子放出による反射電子線Er
1 がアパーチャグリル4の表面やテーパ部5において反
射して散乱電子線Esや反射電子線Er2 が発生するた
め、カラー蛍光面10の発光が不正確となり、色のコン
トラストや色純度の劣化を招くという問題があった。と
は云え厚い金属薄板1に対してアパーチャグリル4のス
リット状電子ビーム透過孔2を1回のエッチングで形成
する場合には、テーパ部5の表面積が更に増大するた
め、上述したような色コントラスト及び色純度劣化の問
題が更に顕著となる。
【0019】上述したように、従来一般のトリニトロン
型のカラー陰極線管においては、そのアパーチャグリル
型の比較的厚い金属薄板1を用いることがよいものとさ
れているが、この場合前述したように振動抑制のために
弾性力を大とする必要性からアパーチャグリル型色選別
手段4の重量が大となり、従ってカラー陰極線管の総重
量が大となるという問題があった。
【0020】また上述したエッチングの際に形成可能な
スリット4の幅SWは、エッチングの特性上の制約か
ら、金属薄板1の厚みtに対して約50%とされてい
る。このため上述したように金属薄板1の厚さを大とす
ると、電子ビーム透過孔2の幅SWが厚みtに比例して
大となってしまい、高密度化即ち高精細度化がはかれな
いという問題があった。
【0021】これに対し、本出願人は、このような問題
の解決をはかって、アパーチャグリルの精度の向上、生
産性の向上、軽量化をはかり、更にカラー陰極線管の高
精細度化をはかることのできるカラー陰極線管を提案し
た。
【0022】このカラー陰極線管は、特開平4−126
341号公報に開示されているように、各色の蛍光体ス
トライプが所定の順序をもって並置配列されて成るカラ
ー蛍光面に対向して、蛍光体ストライプの延長方向に沿
って延長する多数のスリットが金属薄板に並置穿設され
て成るアパーチャグリル型の色選別手段が配置されて成
るカラー陰極線管において、その色選別手段を構成する
金属薄板が、フレームに、そのスリットの延長方向に所
要の張力をもって架張された構成とし、この金属薄板の
厚さを0.05mm以下とするというものである。
【0023】この場合、金属薄板の厚さを0.05mm
以下とするものであるが、このように厚みを小として
も、このアパーチャグリル型色選別手段の各スリット
(電子ビーム透過孔)間の帯状部分における、音声や衝
撃によって生じる振動を、従来と同様に抑制することが
できた。これは次の理由に因るものと思われる。
【0024】アパーチャグリルの上述の帯状部分を弦と
するとその共振周波数fは、次式数1で与えられる。
【0025】
【数1】 f=(gT/ρ)1/2 /2Ls ‥‥‥‥(11)
【0026】ここでgは重力加速度、ρは弦の線密度、
Tは応力、Lsは弦の長さである。従って、従来はカラ
ー陰極線管の大型化に伴って弦の長さLsが大となるこ
とに対して、応力Tを大とすることによって共振周波数
fの値を大とし、音声等の主要な振動の周波数帯を回避
するようにして振動を抑制していたが、この構成による
場合はアパーチャグリルの金属薄板の厚さを小とするこ
とによって、弦の線密度即ちρが小となり、従って共振
周波数fが大となって音声や振動等の周波数に係わる主
要な共振周波数帯からずらすことができ、これによって
上述したように金属薄板の厚みを小としても、その帯状
部分の振動を従来と同様に抑制することができたものと
思われる。このため、電子線入射時における、音声や衝
撃等の振動による色ずれ等の発生を回避することがで
き、カラー陰極線管の高画質化をはかることができると
いうものである。
【0027】また、図16にアパーチャグリル型色選別
手段4の金属薄板1の断面図を示すように、その厚みが
小であるためその一方の主面側からの1回のエッチング
によっても精度よくスリット状電子ビーム透過孔2を形
成することができ、またエッチング時間の短縮による生
産性、材料の少量化、歩留りの向上をはかることができ
る。
【0028】更に、エッチングの際に形成可能なスリッ
ト状電子ビーム透過孔2の幅はこれを形成する金属板の
厚さtに対して約0.5tであるため、厚みtが小とな
ったことにより透過孔2の幅を従来より小とすることが
でき、これによってアパーチャグリル型色選別手段4の
精度の向上をはかり、高密度化即ち高精細度化をはかる
ことができる。
【0029】また、厚みの減少に伴ってテーパ部6の表
面積が小となるため、図17にその電子線の入射態様の
略線的断面図を示すように、テーパ部6における電子線
の反射や散乱を抑制することができ、色のコントラスト
や色純度の劣化を抑制して高精度化をはかることができ
る。
【0030】またアパーチャグリル金属薄板1の厚さを
小とすることによりフレーム3の材料の剛性を下げら
れ、軽量化が可能となる。更にこの軽量化に伴って、カ
ラー陰極線管において外部磁気の消磁を行うディガウス
コイルに要する電力量を小とすることができ、低消費電
力化と共に、確実な消磁を行うことができることによっ
て特性の向上をはかることができるというものである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
カラー陰極線管の色選別手段として用いる金属薄板の厚
さが薄くなると、特にその厚さが、0.08mm以下と
なると、更に上述したように、特開平4ー126341
号公開公報に開示された発明におけるように、その厚さ
が0.05mm以下にも及ぶと、この金属薄板自体の取
扱いに問題が生じて来る。
【0032】すなわち、この金属薄板に対して前述した
ように、スリット状電子ビーム透過孔を穿設するエッチ
ング加工作業、このスリット状電子ビーム透過孔が穿設
された金属薄板つまりアパーチャグリルが良品であるか
を検査するに際しての取扱い作業、更にこのスリット状
電子ビーム透過孔が穿設されかつ良品であると判断され
た金属薄板を図1で説明したフレーム3上に載せて溶接
する作業等において、その金属薄板自体が薄いこと、加
えて特にスリット状電子ビーム透過孔の穿設後の金属薄
板は、隣り合うスリット状電子ビーム透過孔相互間に形
成された多数の帯状部がその各両端においてのみ結合し
た極めて柔軟的で不安定な状態となるため、その取扱い
において、帯状部の撓曲、屈曲、帯状部相互の絡み合い
等が発生し、これによってこれら帯状部あるいはその周
囲の連結部等において皺の発生を来す。
【0033】このため、最終的にこの金属薄板をフレー
ムに所要の張力をもって架張させても、この皺が排除さ
れずに残存してしまって、スリット状電子ビーム透過孔
を形成した金属薄板が良品であっても、最終的に得たカ
ラー陰極線管の色選別手段が、正確に電子ビームを目的
とするカラー蛍光体上にランディングさせることのでき
ない不良品となって歩留りの低下を来すという問題が起
きてきている。
【0034】更に、昨今大型のHD(High Difinition:
高品位、高精細度)管の普及が目ざましいが、このよう
に大型でかつ高品位が要求される場合に、その金属薄板
の厚さが0.08mm以下に及ぶことのない場合におい
てもその取扱いが問題となる。
【0035】本発明は、このようにその取扱いが問題と
なるアパーチャグリル型のカラー陰極線管の色選別手段
を製造する場合において、これを歩留り良く製造するこ
とのできるカラー陰極線管の色選別手段の製造方法を提
供するものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1で説明し
たように、金属薄板1に、多数のスリット状電子ビーム
透過孔2が並置穿設されて成るカラー陰極線管の色選別
手段4の製造方法において、図2にその各工程での略線
的断面図を示すように、図2Aで示すように、この金属
薄板1の一主面1Aに、反応型再剥離粘着シート11を
貼着し、この状態で図2Cに示すように、金属薄板1の
他方の主面1B側から選択的エッチングを行ってスリッ
ト状電子ビーム透過孔2の穿設を行う。
【0037】本発明は、上述の方法において、反応型再
剥離粘着シート11を紫外線硬化型粘着シートとする。
【0038】本発明は、上述の方法において、反応型再
剥離粘着シート11を加温発泡型粘着シートとし、上述
の選択的エッチングによってスリット状電子ビーム透過
孔を穿設して後に、反応型再剥離粘着シート11、すな
わちこの場合は加温発泡型粘着シートの加温発泡処理を
行う。
【0039】また、本発明は、金属薄板1に、多数のス
リット状電子ビーム透過孔2が並置穿設されて成るカラ
ー陰極線管の色選別手段4の製造方法において、図2A
に示すように、金属薄板1の一主面1Aに、反応型再剥
離粘着シート11を貼着し、この状態で図2Cに示すよ
うに、金属薄板1の他方の主面1B側から選択的エッチ
ングを行ってスリット状電子ビーム透過孔2を穿設し、
このスリット状電子ビーム透過孔2が穿設された金属薄
板1を、図3に斜視図を示すように、カラー陰極線管の
色選別手段4のフレーム3に架張し、その後反応型再剥
離粘着シート11の剥離を行う。
【0040】
【作用】上述したように、本発明では、厚さが0.08
mmというような自己保持力が小さいとか、大面積であ
るが故に全体的に機械的剛性に乏しい、特に多数のスリ
ット状電子ビーム透過孔2が並置された状態では、より
皺等の発生が生じ易い金属薄板1によってカラー陰極線
管の色選別手段4を構成するにもかかわらず、少なくと
もこれに対するスリット状電子ビーム透過孔2の穿設前
に、これの一方の面1Aに反応型再剥離粘着シート11
を裏打ちしたので、金属薄板1にスリット状電子ビーム
透過孔2が穿設された状態においても、反応型再剥離粘
着シート11によってその形状が保持されることから、
その搬送その他の取扱いにおいて金属薄板1を撓曲させ
たり屈曲させるなどして皺を発生させて不良品を発生さ
せてしまうような不都合を回避できる。
【0041】また、スリット状電子ビーム透過孔2が穿
設された金属薄板1が、良品であるか不良品であるかの
検査を行うに当たって、これが反応型再剥離粘着シート
11で固定された状態で行うことができることから、こ
のままの状態でその測定検査を正確に行うことができ
る。
【0042】また、色選別手段4を構成する金属薄板1
を、連続した長尺シート状の金属薄板シートから選択的
エッチングによって作製する場合において、金属薄板1
に対する反応型再剥離粘着シート11を、この長尺物の
金属薄板シートの状態でその一主面に対して貼着してお
くことによって、それぞれスリット状電子ビーム透過孔
2が選択的エッチングによって作製された各金属薄板1
が、反応型再剥離粘着シート11によって連なった状態
を保持して形成されるので、これら互いに連ねられた各
金属薄板1に対して、これが良品であるか不良品あるか
の検査を連続的に行うことができ、この検査の機械化、
自動化を容易に行うことができる。
【0043】また、上述したようにスリット状電子ビー
ム透過孔2が形成された金属薄板1をフレーム3上に載
せて所定の溶接を行って後に、この反応型再剥離粘着シ
ート11の剥離を行うときは、少なくともスリット状電
子ビーム透過孔2が穿設されて後の極めて機械的に不安
定な状態での金属薄板1を単独で取扱うことが全く回避
されるので、目的とするカラー陰極線管の色選別手段4
の作製をさらに確実に歩留り良く製造することができ
る。
【0044】また、本発明では、特に反応型再剥離粘着
シート11、つまり例えば紫外線硬化型粘着シートある
いは加温発泡型粘着シート等を用いるものであり、紫外
線照射によってあるいは加温による発泡によって適度の
剥離性を付与させるので、最終的にはこのシート11を
良好に剥離でき、これが最終的に残存することによっ
て、この色選別手段4を陰極線管管体に組み込んだ状態
でこのシート11から発生する有機物によって管体内の
真空度を低下させ、寿命を低下させるような不都合が回
避される。
【0045】
【実施例】本発明は、図1で説明したように、厚さが
0.15mm以下例えば0.08mm以下の金属薄板1
に、多数のスリット状電子ビーム透過孔2が並置穿設さ
れて成るカラー陰極線管の色選別手段4の製造方法にお
いて、図2Aに示すように、この金属薄板1の一主面1
Aに、反応型再剥離粘着シート11を貼着し、この状態
で図2Cに示すように、金属薄板1の他方の主面1B側
から選択的エッチングを行ってスリット状電子ビーム透
過孔2の穿設を行う。
【0046】この本発明方法の一例を詳細に説明する。
この例では、金属薄板1は、所要の幅を有するテープ状
すなわちいわゆる長尺物の金属薄板シート21から複数
枚選択的エッチングによって作製するという製造態様を
とる場合である。
【0047】また、この例では、反応型再剥離粘着シー
ト11として紫外線硬化型粘着シーを用いる場合であ
る。
【0048】この場合、図4に示すように、複数の金属
薄板1を得るための厚さが0.15mm以下例えば厚さ
0.025〜0.05mmの平滑なアルミキルド低炭素
鋼板よりなる長尺物の金属薄板シート21を用意する。
図4において、22はこの金属薄板シート21が巻き込
まれていて、これを順次送り出すシート21の供給ロー
ルを示す。
【0049】そして、この供給ロール22から送り出さ
れた金属薄板シート21を、図4で示す洗浄装置23に
よって洗浄する。
【0050】この洗浄装置23は、複数の処理部23a
〜23eを通過するようになされる。例えばけい酸ソー
ダによる洗浄処理部23a、水洗処理部23b、防錆処
理部23c、水洗処理部23d、乾燥処理部23eの各
処理工程等を採り、これら処理のなされた金属薄板シー
ト21を必要に応じて一旦巻取りロール24に巻き取
る。
【0051】次に、図5に示すように、このロール24
から繰り出した金属薄板シート21を、レジスト塗布装
置25に送り込む。このレジスト塗布装置25は、これ
に対する選択的エッチングのマスクとなる感光性樹脂い
わゆるフォトレジストを、金属薄板シート21の一方の
面に塗布するものであり、このレジスト塗布装置25
は、例えばスラリー状のレジスト材が収容され、金属薄
板シート21の移行によってその一方の面にのみレジス
トの塗布を行うことができるレジスト塗布部25aと、
これによって塗布されたレジスト層をヒータ加熱、ラン
プ加熱等によって例えば60℃に加熱してこれを乾燥さ
せる加熱乾燥部25bとを有して成る。
【0052】このレジスト層の塗布がなされた金属薄板
シート21は、図5に示すように、必要に応じて供給ロ
ール26から供給されたスペーサシート27と重ね合わ
されて巻取りロール28に巻き取られる。
【0053】次に、図6に示すように、金属薄板シート
21をロール28から繰り出し、スペーサシート27と
分離して露光装置29に送り込む。30は、この分離さ
れたスペーサシート27を巻き取るロールを示す。
【0054】露光装置29は、図1に示す最終的に得る
カラー陰極線管の色選別手段4を構成する金属薄板1の
輪郭パターンと、その内側に位置して最終的に得るスリ
ット状電子ビーム透過孔2のパターンに対応するパター
ンとを有する露光原板31が金属薄板シート21に密着
され、これを通じて金属薄板シート21上のレジスト層
に例えば紫外線を照射してこのレジスト層をパターン露
光し例えばこの露光部を硬化する。
【0055】このようにしてパターン露光がなされたレ
ジスト層を有する金属薄板シート21を図6に示すよう
に、必要に応じて供給ロール32から供給されたスペー
サシート33と重ね合わされて巻取りロール34に巻き
取る。
【0056】次に、図7に示すように、金属薄板シート
21をロール34から繰り出し、スペーサシート33と
分離して現像処理と更に硬膜処理とを行う現像/硬膜処
理装置35に送り込む。36は、この分離されたスペー
サシート33を巻き取るロールを示す。
【0057】この現像/硬膜処理装置35は、例えば複
数の処理部35a〜35eからなる。例えば現像処理部
35a、水洗処理部35b、硬膜処理部35c、水洗処
理部35d、乾燥処理部35eの各工程を採るようにな
され、この各処理部を通過することによって、最終的に
得るカラー陰極線管の色選別手段4としての金属薄板1
の輪郭形状に対応する輪郭形状を有し、かつこの輪郭内
にスリット状電子ビーム透過孔2に対応する開口が形成
されたパターンのエッチングマスクとしてのレジスト層
51を、図2Aに示すように、金属薄板シート21の一
方の主面1Bに被着形成する。
【0058】このようにしてレジスト層51が形成され
た金属薄板シート21は、図7に示すように、必要に応
じて供給ロール37から供給された耐熱シート38と重
ね合わされて巻取りロール39に巻き取られる。
【0059】次に、このようにしてレジスト層51が形
成された金属薄板シート21を、例えば図8に示すよう
に、ロール39から繰り出してヒータ加熱、ランプ加熱
等による加熱手段40によって例えば230℃の加熱い
わゆるポストベーキングを行ってレジスト層51の、よ
り機械的、化学的安定化を行う。
【0060】その後、図8に示すように、例えば耐熱シ
ート38を金属薄板シート21から分離してこれをロー
ル41に巻取り、一方金属薄板シート21はロール42
に巻き取る。
【0061】その後、図2Aに示すように、金属薄板シ
ート21のレジスト層51が被着形成された側とは反対
側の主面1Aに反応型再剥離粘着シート11の紫外線硬
化型粘着シートを貼着する。
【0062】この反応型再剥離粘着シート11すなわち
紫外線硬化型粘着シートは、図9に示すように、その供
給ロール43から繰り出してロール42から繰り出した
金属薄板シート21の、上述したレジスト層51を有す
る側とは反対側に重ね合わされて圧着ローラ45によっ
て圧着されて金属薄板シート21に対する紫外線硬化型
粘着シート11の貼着、すなわち裏打ちがなされる。
【0063】そして、この状態で金属薄板シート21に
対する選択的エッチングすなわちレジスト層51をエッ
チングマスクとするエッチングを行う。
【0064】このエッチングは、図9Aに示すように、
例えば第1のエッチング処理工程46と、第2のエッチ
ング処理工程47の2段階を経て行うようにし、第1の
エッチング処理工程46においては比較的速いエッチン
グ速度によるエッチングを行い、第2のエッチング処理
工程47においては比較的遅いエッチング速度によるい
わば高精度のエッチングを行う。この場合のエッチング
液としては、例えば塩化第2鉄を用いその液温あるいは
溶液濃度等の選定によってエッチング速度を選定でき
る。
【0065】また、これらエッチング処理工程46及び
47は、それぞれ46a〜46c及び47a〜47cの
3段階の処理部、すなわちそれぞれエッチング処理部4
6a及び47a、水洗処理部46b及び47a、乾燥処
理部46c及び46cを経るようになされる。
【0066】このようにして金属薄板シート21に対す
る選択的エッチングによって図2Bに示すように、それ
ぞれスリット状電子ビーム透過孔2が形成された複数の
金属薄板1が反応型再剥離粘着シート11すなわち紫外
線硬化型粘着シートによって裏打ちされる。
【0067】その後、図10に示すように、ロール48
から上述したように選択的エッチングがなされ、反応型
再剥離粘着シート11によって裏打ちされた金属薄板シ
ート21を繰り出して、レジスト層51の除去処理工程
49を行って図2Cに示すように、レジスト層51の除
去を行う。この処理工程49は、レジスト層51の溶液
の吹きつけによる洗除処理部49a、水洗処理部49
b、乾燥処理部49cを順次経るようになされる。
【0068】このようにして、図11に示すように、反
応型再剥離粘着シート11すなわちこの例では紫外線硬
化型粘着シート上に、上述した金属薄板シート21が選
択的にエッチングされてそれぞれスリット状電子ビーム
透過孔2が並置穿設された金属薄板1が配列形成され、
これら金属薄板1が相互に粘着シート11で機械的に連
ねられて形成される。
【0069】その後、図10に示すように、紫外線照射
装置50によって紫外線硬化型粘着シート11に対する
紫外線照射を行ってこのシート11を硬化してその剥離
性を高める。
【0070】そして、この紫外線照射後、又は前に紫外
線硬化型粘着シート11上に形成されたスリット状電子
ビーム透過孔2が形成された各金属薄板1に対して検査
装置52によって例えば光学的に画像処理等によってそ
の良否を判断する。そして例えば不良品についてはこれ
を紫外線硬化型粘着シート11から剥離排除するか、良
否を判知できるようなマークを付す。
【0071】このようにして、検査のなされた複数の金
属薄板1が形成されたシート21を必要に応じて図10
に示すように一旦ロール53に巻取る。
【0072】次に図3に示すように、カラー陰極線管の
色選別手段4のフレーム3上に紫外線硬化型粘着シート
11で裏打ちされたままの状態で載せる。
【0073】フレーム3は、前述したと同様に、例えば
相対向する対の枠辺3A及び3Bと、これら枠辺3A及
び3Bに差し渡って配される腕部3C及び3Dとより成
る。
【0074】枠辺3A及び3Bは、その前方端面が同一
円筒面を形成する湾曲面とされ、これら枠辺3A及び3
Bの前方端面上に差し渡ってスリット状電子ビーム透過
孔2が穿設された金属薄板1を、これらスリット状電子
ビーム透過孔2の延長方向に所要の張力をもって架張取
着する。
【0075】この金属薄板1のフレーム3に対する取着
は、その枠辺3A及び3Bを互いに引き寄せる方向にタ
ーンバックルを掛け、この状態で枠辺3A及び3Bの前
方端面に金属薄板1を、そのスリット状電子ビーム透過
孔2の長手方向に関する両端の縁部において電気溶接、
レーザ溶接等によって固定し、その後上述のターンバッ
クルを解除する。
【0076】この場合、金属薄板1に反応型再剥離粘着
シート11が存在することによってその溶接が阻害され
るおそれがある場合は、反応型再剥離粘着シート11の
この溶接部分に予め透孔を穿設しておき、この透孔を通
じて金属薄板1のフレーム3に対する溶接を行うように
する。
【0077】そして、この溶接が終了して後に、フレー
ム3に取着された金属薄板1を反応型再剥離粘着シート
11から剥離する。
【0078】この方法によれば、多数のスリット状電子
ビーム透過孔2が形成されることによってこれらスリッ
ト状電子ビーム透過孔2間の細くて薄い軟弱な帯状部の
配列による金属薄板1が、紫外線硬化型粘着シートより
なる反応型再剥離粘着シート11によって機械的に保持
されるので、この状態で金属薄板1の搬送等の取扱いを
行なうことによって、この肉薄の金属薄板1を単独に取
り扱う場合に問題となる湾曲、屈曲、絡み合いによる皺
等の発生を回避できる。
【0079】そして、この反応型再剥離粘着シート11
は、適宜適当な工程で、例えば上述した例では金属薄板
1のフレーム3への取着後にこれを剥離するものである
が、この剥離は、反応型再剥離粘着シート11の紫外線
硬化型粘着シートに対して紫外線照射による硬化によっ
て比較的剥離し易い状態としてその剥離を行うものであ
ることから、その粘着剤が金属薄板1に残ることなくき
れいに排除される。
【0080】尚、上述した例では、反応型再剥離粘着シ
ート11として紫外線硬化型粘着シートを用いるもので
あるが、この場合、紫外線硬化型粘着シートを貼着して
後は、剥離性付与のための紫外線照射装置50からの紫
外線照射による硬化以外の紫外線照射は回避されるべき
ものである。
【0081】しかしながら、紫外線硬化型粘着シートを
用いる場合においても、単にこれを金属薄板シート21
に貼り合わせただけでは、図9Aで示したエッチング工
程での化学的、機械的安定性に問題がある場合は、図9
Bに示すように、エッチング処理工程46及び47の工
程前において紫外線照射装置50を設け、これにより予
め或る程度の化学的、機械的安定化をはかる硬化処理を
行うことができる。この場合は、図10で説明した紫外
線照射装置50による紫外線照射を省略することができ
るが、場合によってはこの図10の剥離工程で再び紫外
線照射を行ってより剥離性を高めることができる。
【0082】そして、上述した図4〜図11で説明した
工程は、実際上は個々に単独で行われるよりは、むしろ
自動化された連続した一連の流れ作業として行われる。
【0083】また、金属薄板1、すなわち金属薄板シー
ト21は、Fe、或いはFeを含む合金、例えばアンバ
ー等によって構成することもできるなど、種々の材料に
よる金属薄板によって構成することができる。
【0084】また、本発明で用いられる反応型再剥離粘
着シート11は、図12にその一例の断面図を示すよう
に、例えば厚さ50〜125μmのPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE
(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PA(ポ
リアリレート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)、PES(ポリエーテルスルホン)等より成る光透
過率例えば紫外線の透過率が50%以上のシート状ベー
ス61上に粘着剤層62、すなわちいわゆる感圧性接着
剤層が塗布された構成を有する。
【0085】上述した例では、この反応型再剥離粘着シ
ート11として、紫外線硬化型粘着シートを用いた場合
で、この紫外線硬化型粘着シートとしては、例えばアク
リル系粘着剤によるソニーケミカル社製、商品名:PE
T−8800を用いることができる。
【0086】このPET−8800は、厚さ125μm
のPETシート状ベースの上に、30μmの厚さの紫外
線反応型粘着剤を塗布して成り、アルミキルド低炭素鋼
板による金属薄板1に対し貼着した状態の、紫外線照射
前の金属薄板1に対する剥離強度は70g/2cmであ
り、紫外線照射後の剥離強度は3g/2cmとなった。
【0087】この場合剥離強度の測定方法は、180度
剥離で、剥離速度を300mm/分とした場合で、紫外
線照射条件は、160Wメタルハライドランプを用い、
15cmの距離で、1m/分の速度で相対的に移行させ
て2.0J/cm2 の積算光量とした。
【0088】上述した例では、反応型再剥離粘着シート
11として紫外線硬化型粘着シートを用いた場合である
が、本発明では、反応型再剥離粘着シート11として加
温発泡型粘着シートを用いることもできる。
【0089】この加温発泡型粘着シートとしては、前述
したと同様にベースフィルム61上に加温によって発泡
するが、加温前の常態では粘着性すなわち感圧性接着性
を有するアクリル系の加温発泡型の粘着剤層62が塗布
された例えば日東電工社製、商品名:No3192H,
No3193H,No3194H等を用いることができ
る。
【0090】そして、このように反応型再剥離粘着シー
ト11として加温発泡型粘着シートを用いる場合におい
ても、前述した例、すなわち図3,図4〜図11で説明
したとほぼ同様の工程を採ってカラー陰極線管の色選別
手段4の製造を行うことができるが、この加温発泡型粘
着シートを用いる場合は、この加温発泡型粘着シートの
金属薄板シート21に対する接着性が、紫外線照射によ
って阻害されることが殆どないことから、この金属薄板
シート21に対する加温発泡型粘着シートの貼着は、金
属薄板シート21に塗布したレジスト層51に対する図
6で説明したパターン露光工程前において貼着すること
ができる。
【0091】すなわち、この反応型再剥離粘着シート1
1としての紫外線硬化型粘着シートの金属薄板シート2
1との貼着は、例えば図5で説明したレジスト層51の
塗布工程前もしくは後に行うことができるものであるこ
とから、より肉薄の金属薄板シート21を安全に湾曲、
屈曲等を生ずることなく取り扱うことができる。
【0092】そして、図9及び図10で説明したと同様
にレジスト層51をマスクとして金属薄板シート21に
対しての選択的エッチングによってスリット状電子ビー
ム透過孔2を穿設し、レジスト層51の除去を行って後
に、図10で示す紫外線照射装置50による紫外線照射
に代えてこの加温発泡型粘着シートを用いた場合におい
ては加熱ヒータあるいは赤外線ランプ等の適当な加温装
置63を配置し、これによって加温発泡型粘着シートを
例えば90℃〜150℃に加熱処理することによりその
粘着剤層を発泡させる。このようにすると、金属薄板シ
ート21との剥離性が高まる。
【0093】したがってその後、またはその前に検査装
置52によって前述したと同様に金属薄板1の良否の検
査を行い、良品についてフレーム3への取着を行い、そ
の後加温発泡型粘着シートによる反応型再剥離粘着シー
ト11の剥離を行う。
【0094】この場合においても加温発泡型粘着シート
よりなる反応型再剥離粘着シート11によってスリット
状電子ビーム透過孔2が形成された金属薄板1が保持さ
れていることによってこの肉薄の金属薄板1を単独に取
り扱う場合に問題となる湾曲、屈曲、絡み合いによる皺
等の発生を回避できる。
【0095】尚、反応型再剥離粘着シート11として、
熱硬化型粘着シートを用いることもできる。この場合に
おいても、上述した加温発泡型粘着シートを用いた場合
と同様に、その剥離性の付与を加熱によって行うので上
述した加温発泡型粘着シートを用いる場合と同様の方法
と、効果、したがって金属薄板シート21への貼着はレ
ジスト層51に対するパターン露光前の工程での被着が
可能となる。
【0096】
【発明の効果】上述したように、本発明では、その厚さ
が比較的薄いとか、大面積であるために自己保持力が不
充分で全体的に機械的剛性に乏しい、特に多数のスリッ
ト状電子ビーム透過孔2が並置された状態ではより皺等
の発生が生じ易い金属薄板1によってカラー陰極線管の
色選別手段4を構成するにもかかわらず、少なくともこ
れに対するスリット状電子ビーム透過孔2の穿設前に、
これの一方の面1Aに反応型再剥離粘着シート11を裏
打ちしたので、金属薄板1にスリット状電子ビーム透過
孔2が穿設された状態においても、反応型再剥離粘着シ
ート11によってその形状が保持されることから、その
搬送その他の取扱いにおいて金属薄板1を撓曲させたり
屈曲させるなどして皺を発生させて不良品を発生させて
しまうような不都合を回避できる。
【0097】また、スリット状電子ビーム透過孔2が穿
設された金属薄板1が、良品であるか不良品であるかの
検査を行うに当たって、これが反応型再剥離粘着シート
11で固定された状態あることから、このままの状態で
その測定検査を正確に行うことができる。すなわち、従
来においては、多数のスリット状電子ビーム透過孔2が
穿設された軟弱な金属薄板1を単独に扱ってその測定検
査を行っていたが、この場合、正確な測定を期するため
に、これに大きな張力を与える必要があり、そのため、
その測定検査作業に付随する装置と手間は極めて大とな
り、またこの検査時において不良品化する事故が発生す
る不都合があったが、本発明では、確実にこのような不
都合を回避できるものである。
【0098】また、上述した例におけるように、色選別
手段4を構成する金属薄板1は、連続した長尺シート状
の金属薄板シートから順次所要の間隔を保持して各色選
別手段に対応するスリット状電子ビーム透過孔群を選択
的エッチングによって作製しする場合において、この長
尺物の金属薄板シートの一主面に、反応型再剥離粘着シ
ート11を貼着しておくことによって、それぞれスリッ
ト状電子ビーム透過孔2が選択的エッチングによって作
製された各金属薄板1が、反応型再剥離粘着シート11
によって連なった状態を保持して形成されるので、これ
ら互いに連ねられた各金属薄板1に対して、これが良品
であるか不良品あるかの検査を連続的に行うことがで
き、この検査の機械化、自動化を容易に行うことができ
る。
【0099】また、上述したようにスリット状電子ビー
ム透過孔2が形成された金属薄板1をフレーム3上に載
せて所定の溶接を行って後に、この反応型再剥離粘着シ
ート11の剥離を行うときは、少なくともスリット状電
子ビーム透過孔2が穿設されて後の極めて機械的に不安
定な状態での金属薄板1を単独で取扱うことが全く回避
されるので、目的とするカラー陰極線管の色選別手段4
の作製をさらに確実に歩留り良く製造することができ
る。
【0100】また、本発明では、特に反応型再剥離粘着
シート11、つまり例えば紫外線硬化型粘着シートある
いは加温発泡型粘着シート等を用いるものであり、紫外
線照射によってあるいは加温による発泡によって適度の
剥離性を付与させるので、最終的にはこのシート11を
良好に剥離でき、これが最終的に残存することによっ
て、この色選別手段4を陰極線管管体に組み込んだ状態
でこのシート11から発生する有機物によって管体内の
真空度を低下させ、寿命を低下させるような不都合が回
避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって得るカラー陰極線管の色選
別手段の斜視図である。
【図2】本発明方法の一例の工程図である。
【図3】本発明方法の一例の一工程の斜視図である。
【図4】本発明方法の一例の作業状態を示す図である。
【図5】本発明方法の一例の作業状態を示す図である。
【図6】本発明方法の一例の作業状態を示す図である。
【図7】本発明方法の一例の作業状態を示す図である。
【図8】本発明方法の一例の作業状態を示す図である。
【図9】本発明方法の各例の作業状態を示す図である。
【図10】本発明方法の一例の作業状態を示す図であ
る。
【図11】本発明方法によって得た金属薄板の配列状態
の一例を示す正面図である。
【図12】反応型再剥離シートの断面図である。
【図13】従来方法の工程図である。
【図14】従来の色選別手段の要部の断面図である。
【図15】電子線の入射態様を示す断面図である。
【図16】色選別手段の要部の断面図である。
【図17】電子線の入射態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属薄板 2 スリット状電子ビーム透過孔 3 フレーム 4 カラー陰極線管の色選別手段 11 反応型再剥離粘着シート 21 金属薄板シート21
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】また、本発明では、特に反応型再剥離粘着
シート11、つまり例えば紫外線硬化型粘着シートある
いは加温発泡型粘着シート等を用いるものであり、紫外
線照射によってあるいは加温による発泡によって適度の
剥離性を付与させるので、最終的にはこのシート11
、のり残しなく良好に剥離でき、これが最終的に残存
することによって、この色選別手段4を陰極線管管体に
組み込んだ状態でこのシート11から発生する有機物に
よって管体内の真空度を低下させ、寿命を低下させるよ
うな不都合が回避される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】また、この例では、反応型再剥離粘着シー
ト11として紫外線硬化型粘着シートを用いる場合であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】また、本発明では、特に反応型再剥離粘着
シート11、つまり例えば紫外線硬化型粘着シートある
いは加温発泡型粘着シート等を用いるものであり、紫外
線照射によってあるいは加温による発泡によって適度の
剥離性を付与させるので、最終的にはこのシート11
、のり残しなく良好に剥離でき、これが最終的に残存
することによって、この色選別手段4を陰極線管管体に
組み込んだ状態でこのシート11から発生する有機物に
よって管体内の真空度を低下させ、寿命を低下させるよ
うな不都合が回避される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板に、多数のスリット状電子ビー
    ム透過孔が並置穿設されて成るカラー陰極線管の色選別
    手段の製造方法において、 上記金属薄板の一主面に、反応型再剥離粘着シートを貼
    着し、この状態で上記金属薄板の他方の主面側から選択
    的エッチングを行って上記スリット状電子ビーム透過孔
    を穿設することを特徴とするカラー陰極線管の色選別手
    段の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記反応型再剥離粘着シートが紫外線硬
    化型粘着シートであることを特徴とする請求項1に記載
    のカラー陰極線管の色選別手段の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記反応型再剥離粘着シートが加温発泡
    型粘着シートであり、上記選択的エッチングによって上
    記スリット状電子ビーム透過孔を穿設して後に、上記加
    温発泡型粘着シートの加温発泡処理を行うことを特徴と
    する請求項1に記載のカラー陰極線管の色選別手段の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 金属薄板に、多数のスリット状電子ビー
    ム透過孔が並置穿設されて成るカラー陰極線管の色選別
    手段の製造方法において、 上記金属薄板の一主面に、反応型再剥離粘着シートを貼
    着し、この状態で上記金属薄板の他方の主面側から選択
    的エッチングを行って上記スリット状電子ビーム透過孔
    を穿設し、 該スリット状電子ビーム透過孔が穿設された金属薄板
    を、フレームに架張して後、上記反応型再剥離粘着シー
    トの剥離を行うことを特徴とするカラー陰極線管の色選
    別手段の製造方法。
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