JP2002025440A - シャドウマスクの製造方法 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法

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JP2002025440A
JP2002025440A JP2000208621A JP2000208621A JP2002025440A JP 2002025440 A JP2002025440 A JP 2002025440A JP 2000208621 A JP2000208621 A JP 2000208621A JP 2000208621 A JP2000208621 A JP 2000208621A JP 2002025440 A JP2002025440 A JP 2002025440A
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shadow mask
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etching
manufacturing
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Satoko Koyaizu
聡子 小柳津
Fumio Mori
二美男 盛
Junichi Onishi
純一 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、保護フィルムのシャドウマスク用
素材からの剥離を保護フィルムの粘着力を適切に維持し
つつ容易に行うことができ、剥離困難による折れやエッ
チング液の浸入等の不具合を発生させず、高品質のシャ
ドウマスクを得ることができるシャドウマスクの製造方
法を提供する。 【解決手段】 シャドウマスク用素材30Aの被エッチ
ング面と反対面にエッチング保護用の保護フィルム56
を貼り付けて、片面毎のエッチング処理を2段階で行う
2段エッチング法によりシャドウマスク用素材30Aに
多数の孔を貫通開設するとともに、前記保護フィルム5
6の剥離工程を含むシャドウマスクの製造方法におい
て、前記保護フィルム56の剥離工程で、保護フィルム
剥離位置に配置した小径の剥離ローラ41を使用してこ
の保護フィルム56をシャドウマスク用素材30Aから
剥離するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスクの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般のカラー受像管用のシャドウマスク
は、蛍光面に近接して装備されており、電子銃から射出
された電子ビームを規則的に配列されたシャドウマスク
の多数の微細な開孔を介して、対応した3色蛍光体層に
正しく射突発光させることによりカラー映像を映出させ
るための色選別電極として機能する。
【0003】このようなシャドウマスクは、例えば、
鉄、ニッケルを主成分とするシャドウマスク薄板材とし
て図6に示すような厚さ0.10mm〜0.30mm程
度に圧延されたシャドウマスク用素材である金属薄板材
100を用い、フォトエッチング法を採用して製造され
る。
【0004】このシャドウマスクの製造方法としては、
金属薄板材100を例えば高温アルカリ洗浄し、水洗し
た後、カゼイン−重クロム酸アンモニウム系のレジスト
液を前記金属薄板材の両面に塗布し、乾燥してコイル状
に巻き取る。
【0005】続いて、マスクパターンを介して金属薄板
材100に対する露光、現像を行い、乾燥、バーニング
処理を経て必要部分にレジストのパターニングを形成す
る。
【0006】この後、例えば塩化第二鉄溶液等のエッチ
ング液を用いてエッチング処理を行い、多数の所望径の
開孔を金属薄板材に貫通開設する。
【0007】このとき、開孔径がシャドウマスクの板厚
よりも小さい高精細シャドウマスクの製造方法として2
段エッチング法が採用される。
【0008】この2段エッチング法の工程は、第1エッ
チング工程と、第2エッチング工程とに分けられる。
【0009】即ち、2段エッチング法での第1エッチン
グ工程では、金属薄板材100のエッチング処理を施さ
ない片面側のレジストに有機合成フィルム、例えばポリ
エチレンテレフタレート(PET)又はポリプロピレン
等を主成分とする耐酸性、耐アルカリ性さらに耐熱性に
優れた保護フィルムを貼り付け、保護フィルムを貼り付
けてない片面側のみを例えば塩化第二鉄溶液等でエッチ
ングする。
【0010】更に、片面に目的とする孔を開けた後、孔
の開いた片面を水洗し、エッチングされた片面のレジス
トをアルカリで剥離し、水洗、乾燥の処理を施す。
【0011】この後、エッチングされなかった片面のレ
ジストを保護している保護フィルムを巻き取りながら剥
離する。
【0012】次に、孔の開いた片面側に熱硬化型樹脂か
又は光硬化型樹脂の耐エッチング剤を隙間なく充填し、
エッチング抵抗層を設ける。
【0013】更に、エッチング抵抗層の上に保護フィル
ム101を貼り付ける。その後、保護フィルム101を
貼っていないもう一方の面をエッチングし、第1エッチ
ング工程にてエッチングした孔と貫通させる。
【0014】さらに、第1エッチング工程で孔が開いた
片面側に貼り付けている保護フィルム101を、図6に
示すように、ローラ設置ポジションに設置した例えば直
径約200mmのローラ102にて金属薄板材100か
ら巻き取りながら剥離した後、金属薄板材100に残存
するレジストをアルカリにより剥離し、水洗、乾燥の処
理を施し、目的とする形状の孔を貫通開設したシャドウ
マスクを得る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したような2段エ
ッチング法の第1段階エッチング工程において、片側に
目的とする孔を開けた後、もう一方の面をエッチングす
るとき最初に開けた孔を保護するため、エッチング抵抗
層を形成する。エッチング抵抗層としては熱硬化樹脂又
は光硬化型樹脂を使用する。
【0016】さらに、このエッチング抵抗層を保護する
ため、ポリプロピレンを主成分とする保護フィルム10
1を貼り付ける。この場合、エッチング抵抗層に貼り付
ける保護フィルム101はポリプロピレンを基材として
アクリル系又はゴム系樹脂を粘着剤として塗布したフィ
ルムか又はフィルムの主成分をポリプロピレンとした自
己粘着性型のものを使用する。
【0017】エッチング抵抗層にエッチング保護用とし
て保護フィルム101を用いる場合、保護フィルム10
1の粘着力の程度によっては剥離力が増加する傾向があ
り、保護フィルム101を図6に示すようにローラ10
2を使用して金属薄板材100から剥離する際に剥離困
難となり金属薄板材100に折れ等の不具合が生じるこ
とがある。
【0018】また、エッチング抵抗層に保護フィルム1
01を貼り付けてから剥離までの時間が長くなるにつれ
て、保護フィルム101の粘着力が増加する傾向があ
る。これは保護フィルム101に塗布してある粘着剤と
エッチング抵抗層表面との接触面積が増えることによる
と考えられる。
【0019】このような場合には、金属薄板材100か
らの保護フィルム101の剥離困難の事態となり易く、
金属薄板材100が折れるという問題が生じる。また剥
離力を下げるために粘着力の低い(例えば50gf/5
0mm(ステンレス板))保護フィルム101を使用す
ると、粘着剤とエッチング抵抗層表面との接触状態が粗
になることから、エッチング液が保護フィルムと被着体
である金属薄板材100との間に浸入し易く、エッチン
グ液が浸入した部分にシミ等を発生させてしまい、製造
されるシャドウマスクの品質を低下させてしまう。
【0020】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、保護フィルムのシャドウマスク用素材からの剥
離を保護フィルムの粘着力を適切に維持しつつ容易に行
うことができ、剥離困難による折れやエッチング液の浸
入等の不具合を発生させず、高品質のシャドウマスクを
得ることができるシャドウマスクの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シャドウマスク用素材の被エッチング面と反対面にエッ
チング保護用の保護フィルムを貼り付けて、片面毎のエ
ッチング処理を2段階で行う2段エッチング法によりシ
ャドウマスク用素材に多数の孔を貫通開設するととも
に、前記保護フィルムの剥離工程を含むシャドウマスク
の製造方法において、前記保護フィルムの剥離工程で、
保護フィルム剥離位置に配置した小径の剥離ローラを使
用してこの保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥
離することを特徴とするものである。
【0022】この発明によれば、前記保護フィルム剥離
位置に、小径の剥離ローラを設置することで、保護フィ
ルムのシャドウマスク用素材からの剥離状態が安定し、
これにより簡略に保護フィルムをシャドウマスク用素材
から剥離でき、得られるシャドウマスクの品質が高く、
また、不良品を無くし又は減少できて歩留まりの向上を
図ることができる。
【0023】請求項2記載の発明は、シャドウマスク用
素材の被エッチング面と反対面にエッチング保護用の保
護フィルムを貼り付けて、片面毎のエッチング処理を2
段階で行う2段エッチング法によりシャドウマスク用素
材に多数の孔を貫通開設するとともに、前記保護フィル
ムの剥離工程を含むシャドウマスクの製造方法におい
て、前記保護フィルムとして粘着剤塗布型又は自己粘着
性型のフィルムを使用し、前記保護フィルムの剥離工程
で、保護フィルム剥離位置に配置した小径の剥離ローラ
を使用してこの保護フィルムをシャドウマスク用素材か
ら剥離することを特徴とするものである。
【0024】請求項3記載の発明は、シャドウマスク用
素材の他面にエッチング保護用の保護フィルムを貼り付
けて、保護フィルムを貼り付けていない一面のエッチン
グ処理を行いこの一面側に多数の孔を開設する第1エッ
チング工程と、第1エッチング工程にて多数の孔が開設
された前記シャドウマスク用素材の一面側にエッチング
保護用の保護フィルムを貼り付けて、保護フィルムを貼
り付けていない他面のエッチング処理を行い、この他面
側に多数の孔を開設して第1エッチング工程にて開設し
た孔と貫通させる第2エッチング工程とからなる2段エ
ッチング法を使用するとともに、前記保護フィルムの剥
離工程を含むシャドウマスクの製造方法において、前記
保護フィルムとして粘着剤塗布型又は自己粘着性型のフ
ィルムを使用し、前記保護フィルムの剥離工程で、保護
フィルム剥離位置に配置した小径の剥離ローラを使用し
てこの保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥離す
ることを特徴とするものである。
【0025】請求項2及び3記載の発明によれば、前記
保護フィルムとして粘着剤塗布型又は自己粘着性型のフ
ィルムを使用し、かつ、前記保護フィルム剥離位置に、
小径の剥離ローラを設置することで、前記保護フィルム
の粘着力を適切に選定することにより、保護フィルムの
シャドウマスク用素材からの剥離状態が安定し、これに
より簡略に保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥
離でき、得られるシャドウマスクの品質が高く、また、
不良品を無くし又は減少できて歩留まりの向上を図るこ
とができる。
【0026】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記小径の剥離ローラを使用した保護フィルムの剥離工
程は、前記第1エッチング工程、第2エッチング工程の
少なくとも一方又は双方において行われることを特徴と
するものである。
【0027】この発明によれば、前記小径の剥離ローラ
を使用した保護フィルムの剥離工程は、前記第1エッチ
ング工程、第2エッチング工程の少なくとも一方又は双
方において行われるようにしているので、必要に応じて
第1エッチング工程、第2エッチング工程のいずれかに
おいてこの剥離工程を採用したり、又は第1エッチング
工程、第2エッチング工程の双方においてこの剥離工程
を採用することができ、シャドウマスクの製造ライン面
積、構成等の相違に対応できる。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記第1エッチング工程における前記保護フィルムの剥
離工程は、シャドウマスク用素材の他面に形成した孔形
成用のレジスト膜上に貼り付けた保護フィルムを小径の
剥離ローラにて剥離する工程であり、前記第2エッチン
グ工程における前記保護フィルムの剥離工程は、第1エ
ッチング工程にて開設した孔を保護するエッチング抵抗
層上に貼り付けた保護フィルムを小径の剥離ローラにて
剥離する工程であることを特徴とするものである。
【0029】この発明によれば、前記第1エッチング工
程、第2エッチング工程における保護フィルムの貼り付
け対象の相違に応じた状態で簡略に保護フィルムをシャ
ドウマスク用素材から剥離できる。
【0030】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記保護フィルムは、ポリプロピレンを基材とし、アク
リル系又はゴム系樹脂を粘着層とする厚さ0.020〜
0.050mm、粘着力100〜300gf/50mm
の粘着剤塗布型フィルム又はポリプロピレンを主成分と
する自己粘着性型のフィルムであることを特徴とするも
のである。
【0031】この発明によれば、適切な粘着力の保護フ
ィルムを使用しているので、シャドウマスク用素材から
の剥離状態が安定し、これにより簡略に保護フィルムを
シャドウマスク用素材から剥離でき、得られるシャドウ
マスクの品質が高く、また、不良品を無くし又は減少で
きて歩留まりの向上を図ることができる。
【0032】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記保護フィルムの剥離工程に使用する小径の剥離ロー
ラは、保護フィルム剥離位置において前記シャドウマス
ク用素材の搬送路に沿って、かつ、シャドウマスク用素
材の搬送方向と直交する方向の一定位置に配置した直径
10乃至25mm程度のローラであることを特徴とする
ものである。
【0033】この発明によれば、前記剥離ローラによ
り、シャドウマスク用素材に大きな剥離力を作用させる
ことなく保護フィルムをこのシャドウマスク用素材から
安定して剥離することができる。
【0034】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記保護フィルムの剥離工程の剥離ローラにて剥離され
た保護フィルムは、剥離ローラ近傍に配置された巻き取
り用のローラにて巻き取られることを特徴とするもので
ある。
【0035】この発明によれば、シャドウマスク用素材
から剥離された保護フィルムの収納処理を円滑に行うこ
とができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0037】図1は、本発明の実施の形態のシャドウマ
スク30を含むカラー陰極線管の概略構成を示すもので
ある。
【0038】このカラー陰極線管は、図1に示すよう
に、内面に蛍光面(蛍光体スクリーン)1が形成された
パネル2と、このパネル2に連接するファンネル3から
なる外囲器を有し、パネル2の内面に形成された蛍光面
1は、赤、緑、青にそれぞれ発光する三色蛍光体層1a
(図1においては1箇所のみ示す)を備えている。
【0039】また、前記ファンネル3のネック部4に
は、発光色に対応した複数の電子ビーム6B、6G、6
Rを放出する電子銃5が配置され、複数の電子ビーム6
B、6G、6Rを放出する。
【0040】さらに、パネル2の内側における電子銃5
と蛍光面1の間には色選別機能を有する略矩形状のシャ
ドウマスク30が配置され、電子銃5から放出された電
子ビーム6B、6G、6Rを整形して特定の三色蛍光体
層1aにビームスポットを照射している。
【0041】このシャドウマスク30は、その周辺のマ
スクスカート部30aが内側になるように略矩形状のマ
スクフレーム(以下「フレーム」という)23によって
固着支持され、さらに側壁部31、折曲底面部32から
なるフレーム23に弾性支持体25を取り付けてなるシ
ャドウマスク構体の形態でパネル2の内壁に設けられた
支持ピン10に係止されている。
【0042】さらに、前記ファンネル3の外側には、電
子銃5から放出される電子ビーム6B、6G、6Rを水
平及び垂直偏向する磁界を発生する偏向装置11が装着
されている。
【0043】次に、2段エッチング法によるシャドウマ
スク30の製造方法を、図2乃至図5を参照して以下に
説明する。
【0044】まず、鉄、ニッケルを主成分とする厚さ
0.120mmのシャドウマスク用素材30Aを高温ア
ルカリ脱脂し、スプレー方式による水洗後、カゼイン−
重クロム酸アンモニウム系レジスト液を両面に塗布した
後乾燥し、両面に厚さ数μmのレジスト膜(感光膜)5
2を形成する(図2(a))。
【0045】次に、図2(b)に示す円形孔型パターン
53aを描画したガラス乾板53とシャドウマスク用素
材30Aを真空密着させ、水銀ランプ等の光源の発光に
よる紫外光照射によって露光し、一面のレジスト膜52
に小孔パターン52aを焼き付け、他面のレジスト膜5
2に大孔パターン52bを焼き付ける。
【0046】続いて、ガラス乾板53を除去した後、シ
ャドウマスク用素材30Aに対する温水のスプレー方式
により小孔パターン52a、大孔パターン52bの現像
を行い、乾燥してバーニング処理を施す(図2
(c))。
【0047】次に、大孔パターン52b側にエッチング
保護用のポリプロピレンを主成分とする粘着力100〜
300gf/50mmの保護フィルム54を貼り付け、
一面側に塩化第二鉄溶液をスプレーしてエッチング処理
し(第1段エッチング)、目的とする小孔を開ける(図
2(d))。
【0048】この場合のエッチング処理は、液温約45
〜70℃、比重1.450〜1.520の塩化第二鉄溶
液で行うが、ポリプロピレンを主成分とする保護フィル
ムは耐酸性があり、エッチング液の影響を受けず、これ
により、他面側のレジスト膜52を保護することができ
る。
【0049】続いてスプレー方式により水洗し、その後
一面側(小孔側)のレジスト膜52をスプレー方式によ
り剥離する。この場合の剥離は、濃度3〜15wt%、
温度65〜95℃の苛性ソーダを使用して行う。
【0050】このレジスト膜52の剥離、水洗の処理に
おいて、ポリプロピレンを主成分とする保護フィルム5
4は耐アルカリ性に優れておりエッチング保護用として
は有効である。
【0051】また、ポリプロピレンを主成分とする保護
フィルム53は、水弾きに優れており、乾燥の効率を上
げることが可能であり、さらに乾燥処理を行うヒーター
の加熱温度も下げることができるため、エネルギー節約
にも有効である。
【0052】その後スプレー方式で水洗し、約100℃
で乾燥を行い、他面側(大孔側)に貼り付けた保護用フ
ィルム54のシャドウマスク用素材30Aからの剥離及
び巻き取りを行う(図2(e))。
【0053】このようにして、シャドウマスク用素材3
0Aに対する第1エッチング工程が終了し、図3(a)
に示すように、一面側に小孔30cが形成され、他面側
にレジスト膜52を有するシャドウマスク用素材30A
となる。
【0054】次に、図3(b)に示すように、シャドウ
マスク用素材30Aの一面側(小孔側)に熱硬化型樹脂
又は光硬化型樹脂の耐エッチング剤を塗布し、乾燥して
厚さ数μmのエッチング抵抗層55を形成する。更に、
エッチング抵抗層55上にポリプロピレンを主成分とす
る膜厚0.030〜0.050mmの比較的低粘着力の
エッチング保護用フィルム56を貼り付ける(図3
(c))。このとき保護フィルム56の粘着力は第1エ
ッチング工程と同様、100〜350gf/50mmに
設定した。
【0055】その後、他面側(大孔側)を液温約45〜
70℃、比重1.450〜1.520の塩化第二鉄溶液
でエッチングし大孔30dを形成し、水洗を行い、一面
側(小孔側)に貼り付けた前記保護フィルム56をシャ
ドウマスク用素材30Aから剥離する。
【0056】このとき、図4に示すように、予め定めら
れた剥離位置にシャドウマスク用素材30Aの搬送方向
と直交する方向でかつその搬送面に沿って配置した直径
20mmの剥離ローラである小ローラ42を用いて保護
フィルム56の剥離を行ない、さらに小ローラ42の近
傍に配置した例えば直径200mmのローラ41(駆動
機構は図示せず)によって剥離した前記保護フィルム5
6を速やかに巻き取り収容する(図3(d))。
【0057】前記小ローラ42の位置が一定になるよう
に図示しないローラ支持機構により支持しておくことに
より、シャドウマスク用素材30Aから保護フィルム5
6を剥離する際にシャドウマスク用素材30Aに作用す
る剥離力を一定化することができ、保護フィルム剥離時
にこの保護フィルム56がシャドウマスク用素材30A
を持ち上げる現象がなくなり、安定した状態で保護フィ
ルム56を剥離することができる。
【0058】続いて、濃度3〜15wt%、温度65〜
95℃の苛性ソーダをシャドウマスク用素材30Aにス
プレーして他面側(大孔側)のレジスト膜52及び一面
側(小孔側)のエッチング抵抗層55を剥離し、乾燥し
て、第2エッチング工程を終了し、目的とするシャドウ
マスク30を得た(図3(e))。
【0059】このようして得られたシャドウマスク30
は、品質が良好であり、さらにシャドウマスク用素材3
0Aの持ち上がりによる折れ等の不具合は無くなり、歩
留が向上した。
【0060】尚、上述した小ローラ42を用いた保護フ
ィルムの剥離工程は、第1エッチング工程の保護フィル
ム54のシャドウマスク用素材30Aから剥離(図2
(e))にも同様に適用してもよく、さらに、必要に応
じて第1エッチング工程、第2エッチング工程のいずれ
かにおいてこの剥離工程を採用したり、又は第1エッチ
ング工程、第2エッチング工程の双方においてこの剥離
工程を採用することができ、これにより、シャドウマス
クの製造ライン面積、構成等の相違に対応できる。
【0061】本実施の形態と、比較例とにおける保護フ
ィルムの粘着力、液浸入状態、小ローラの有無による保
護フィルムの剥離状態の試験結果を図5に示す。
【0062】比較例の保護フィルム(粘着力50gf/
50mm)の場合、粘着力が弱いためシャドウマスク用
素材からの保護フィルムの剥離状態は小ローラの有無に
関係なく問題が無かったが、エッチング液の浸入が生じ
てシャドウマスクの品質を低下させてしまった。
【0063】本実施の形態の場合、粘着力100gf/
50mmの保護フィルムの場合には、シャドウマスク用
素材からの保護フィルムの剥離状態は小ローラの有無に
関係なく問題が無かった。また、粘着力200gf/5
0mmの保護フィルム及び粘着力300gf/50mm
の保護フィルムの場合には、粘着力が強いため小ローラ
無しでは剥離状態に問題があったが、小ローラ設置によ
り剥離状態が良好になった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、保護フィルムのシャド
ウマスク用素材からの剥離状態が安定し、これにより簡
略に保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥離で
き、得られるシャドウマスクの品質が高く、また、不良
品を無くし又は減少できて歩留まりの向上を図ることが
できるシャドウマスクの製造方法を提供することができ
る。
【0065】また、本発明によれば、保護フィルムの粘
着力を適切に維持しつつこの保護フィルムの剥離を容易
に行うことができ、シャドウマスク用素材の折れや液浸
入等の不具合を減少させることができ、品質が良好なシ
ャドウマスクを得ることができるとともに、製造時の歩
留まりの向上を図ることができるシャドウマスクの製造
方法を提供することができる。
【0066】さらに、本発明によれば、2段エッチング
法の第1エッチング工程、第2エッチング工程における
保護フィルムの貼り付け対象の相違に応じた状態で各々
簡略に保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥離で
き、さらに、シャドウマスクの製造ライン面積、構成等
の相違にも対応できるシャドウマスクの製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシャドウマスクを含むカ
ラー陰極線管の概略図である。
【図2】本実施の形態のシャドウマスクの製造工程を示
す説明図である。
【図3】本実施の形態のシャドウマスクの製造工程を示
す説明図である。
【図4】本実施の形態のシャドウマスクの製造工程にお
ける保護フィルムの剥離工程を示す斜視図である。
【図5】本実施の形態のシャドウマスクの製造に使用す
る保護フィルム及び比較例の保護フィルムの粘着力、液
浸入、剥離状態の試験結果を示す表である。
【図6】従来のシャドウマスクの製造工程における保護
フィルムの剥離工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 蛍光面 2 パネル 3 ファンネル 5 電子銃 30 シャドウマスク 30A シャドウマスク用素材 41 ローラ 42 小ローラ 52 レジスト膜 53 ガラス乾板 54 保護フィルム 55 エッチング抵抗層 56 保護フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 純一 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2号 株 式会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 4K057 WA20 WB02 WB03 WC10 WE08 WK10 WM04 WM17 WN03 5C027 HH11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャドウマスク用素材の被エッチング面
    と反対面にエッチング保護用の保護フィルムを貼り付け
    て、片面毎のエッチング処理を2段階で行う2段エッチ
    ング法によりシャドウマスク用素材に多数の孔を貫通開
    設するとともに、前記保護フィルムの剥離工程を含むシ
    ャドウマスクの製造方法において、 前記保護フィルムの剥離工程で、保護フィルム剥離位置
    に配置した小径の剥離ローラを使用してこの保護フィル
    ムをシャドウマスク用素材から剥離することを特徴とす
    るシャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 シャドウマスク用素材の被エッチング面
    と反対面にエッチング保護用の保護フィルムを貼り付け
    て、片面毎のエッチング処理を2段階で行う2段エッチ
    ング法によりシャドウマスク用素材に多数の孔を貫通開
    設するとともに、前記保護フィルムの剥離工程を含むシ
    ャドウマスクの製造方法において、 前記保護フィルムとして粘着剤塗布型又は自己粘着性型
    のフィルムを使用し、前記保護フィルムの剥離工程で、
    保護フィルム剥離位置に配置した小径の剥離ローラを使
    用してこの保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥
    離することを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 シャドウマスク用素材の他面にエッチン
    グ保護用の保護フィルムを貼り付けて、保護フィルムを
    貼り付けていない一面のエッチング処理を行いこの一面
    側に多数の孔を開設する第1エッチング工程と、第1エ
    ッチング工程にて多数の孔が開設された前記シャドウマ
    スク用素材の一面側にエッチング保護用の保護フィルム
    を貼り付けて、保護フィルムを貼り付けていない他面の
    エッチング処理を行い、この他面側に多数の孔を開設し
    て第1エッチング工程にて開設した孔と貫通させる第2
    エッチング工程とからなる2段エッチング法を使用する
    とともに、前記保護フィルムの剥離工程を含むシャドウ
    マスクの製造方法において、 前記保護フィルムとして粘着剤塗布型又は自己粘着性型
    のフィルムを使用し、前記保護フィルムの剥離工程で、
    保護フィルム剥離位置に配置した小径の剥離ローラを使
    用してこの保護フィルムをシャドウマスク用素材から剥
    離することを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記小径の剥離ローラを使用した保護フ
    ィルムの剥離工程は、前記第1エッチング工程、第2エ
    ッチング工程の少なくとも一方又は双方において行われ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    シャドウマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1エッチング工程における前記保
    護フィルムの剥離工程は、シャドウマスク用素材の他面
    に形成した孔形成用のレジスト膜上に貼り付けた保護フ
    ィルムを小径の剥離ローラにて剥離する工程であり、前
    記第2エッチング工程における前記保護フィルムの剥離
    工程は、第1エッチング工程にて開設した孔を保護する
    エッチング抵抗層上に貼り付けた保護フィルムを小径の
    剥離ローラにて剥離する工程であることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載のシャドウマスクの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記保護フィルムは、ポリプロピレンを
    基材とし、アクリル系又はゴム系樹脂を粘着層とする厚
    さ0.020〜0.050mm、粘着力100〜300
    gf/50mmの粘着剤塗布型フィルム又はポリプロピ
    レンを主成分とする自己粘着性型のフィルムであること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシャド
    ウマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記保護フィルムの剥離工程に使用する
    小径の剥離ローラは、保護フィルム剥離位置において前
    記シャドウマスク用素材の搬送路に沿って、かつ、シャ
    ドウマスク用素材の搬送方向と直交する方向の一定位置
    に配置した直径10乃至25mm程度のローラであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシャ
    ドウマスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記保護フィルムの剥離工程の剥離ロー
    ラにて剥離された保護フィルムは、巻き取り用のローラ
    にて巻き取られることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載のシャドウマスクの製造方法。
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