JPH06215426A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06215426A
JPH06215426A JP7219991A JP7219991A JPH06215426A JP H06215426 A JPH06215426 A JP H06215426A JP 7219991 A JP7219991 A JP 7219991A JP 7219991 A JP7219991 A JP 7219991A JP H06215426 A JPH06215426 A JP H06215426A
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隆司 下馬
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佳世子 鈴木
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有克 中沖
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光強度変調記録方式において、安定な読み出
し動作及び安定な転写動作を確保するとともに、十分な
C/Nを得ることによって、良好なオーバーライト特性
を実現する。 【構成】 記録層を交換結合される多層磁性薄膜で構成
する。これら各磁性薄膜の保磁力,飽和磁化,膜厚及び
各磁性薄膜間の界面磁壁エネルギーの値を、光強度変調
するための必要条件を満たすように設定する。さらに、
反転磁界(Hc1−Hw1)の温度変化を調製し、温度T0
が100℃以上,Hc1−Hw1の最小値ΔHmax が−50
0エルステッド以下(絶対値で500エルステッド以
上)となるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重ね書き可能な光磁気
記録媒体に関するものであり、特にいわゆる光強度変調
方式により情報信号の記録が行われる光磁気記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーバーライト可能な光強度変調方式
は、交換結合磁性2層膜あるいは交換結合磁性3層膜に
よって達成される技術であり、既に本願出願人によって
特開昭63−52354号公報等においてその基本原理
が開示されている。
【0003】以下、この光強度変調方式について簡単に
説明する。光強度変調方式においては、第1及び第2の
希土類−遷移金属磁性薄膜の積層構造からなる光磁気記
録媒体を用いる。そして、所定の第1の外部磁界の印加
の下に第1の磁性薄膜のキュリー温度TC1以上で且つ第
2の磁性薄膜の副格子磁化の反転が生じない第1の温度
1 に加熱する第1の加熱状態と、温度TC1以上で第2
の磁性薄膜の副格子磁化を反転させるに十分な第2の温
度T2 に加熱する第2の加熱状態とを、記録しようとす
る情報,例えば“0”,“1”に応じて切り換え変調
し、冷却過程において第1及び第2の磁性薄膜間の交換
結合力によって第1の磁性薄膜の副格子磁化の向きを第
2の磁性薄膜の副格子磁化の向きに揃え、例えば
“0”,“1”の記録ビット(磁区)を第1の磁性薄膜
に形成する。それとともに、第2の外部磁界によって、
あるいは第2の磁性薄膜の補償温度が室温から第2の温
度T2 間に存在するように組成を選定することによっ
て、室温で第1の外部磁界によって第2の磁性薄膜の副
格子磁化が反転するようにし、オーバーライトが可能な
状態を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の光強
度変調方式は、消去のための特別な過程(時間)を要す
ることがなく、高転送レートを図ることができる等、数
々の利点を有するものであるが、本発明者等が種々検討
を加えた結果、現実にこの方式に用いる光磁気記録媒体
を構成する場合、オーバーライト動作に関する条件を満
足するものであっても、非実用的な特性を持つものも存
在することがわかってきた。
【0005】例えば、オーバーライト動作のうち、消去
動作を実現するための転写条件は以下のように与えられ
ている。 σW /2MS11 −HC1>Hex ・・・(1) σW /2MS22 +Hex<HC2 ・・・(2) 〔ただし、σW は界面磁壁エネルギー、MS1は第1の磁
性薄膜の飽和磁化、MS2は第2の磁性薄膜の飽和磁化、
1 は第1の磁性薄膜の膜厚、h2 は第2の磁性薄膜の
膜厚、HC1は第1の磁性薄膜の保磁力、HC2は第2の磁
性薄膜の保磁力、Hexは外部磁場(記録磁場)であ
る。〕 第1の磁性薄膜のキュリー温度近傍でこれら(1)式及
び(2)式を満たすことにより、第1の磁性薄膜は第2
の磁性薄膜より転写を受け、消去が行われるわけである
が、この条件を満たす光磁気記録媒体の中にも、CN比
が大きく取れなかったり、転写が再生パワー近傍で起こ
り始めてしまうもの等が存在する。
【0006】したがって、例えば実験機においては十分
にオーバーライト可能であっても、量産機のドライブ系
においては使用不可能となる可能性も小さくない。換言
すれば、ただ単にオーバーライト動作に関する条件のみ
を考えていたのでは、量産時のマージンを十分に取るこ
とは難しい。
【0007】そこで本発明は、上述の実情に鑑みて提案
されたものであって、安定なオーバーライト動作や安定
な読み出し動作を確保することができ、十分なCN比を
得ることのできる光磁気記録媒体を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意検討を重ねた結果、交換結合磁
性多層膜における各層の組成,膜厚等を選ぶことにより
各層の反転磁界の温度特性変化を調整し、これを特定の
範囲に設定することにより実用的に良好なオーバーライ
ト特性を有する光磁気記録媒体を構成することができる
との結論を得るに至った。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものであって、第1の磁性薄膜と第2の磁性薄膜が磁
気的に結合されて積層されてなり、加熱温度を制御する
ことにより情報信号の書き換えが行われる光磁気記録媒
体において、第1の磁性薄膜のキュリー温度をTC1、保
磁力をHC1、飽和磁化をMS1、膜厚をh1 、第2の磁性
薄膜のキュリー温度をTC2、保磁力をHC2、飽和磁化を
S2、膜厚をh2 、磁壁エネルギーをσW 、記録時に印
加される外部磁界をHex、外部補助磁界をHSUB とした
ときに、室温で HC1>σW /2MS11C2>σW /2MS22C1±σW /2MS11 >HSUBC2+σW /2MS22 <HSUB なる関係を満足するとともに、第1の磁性薄膜のキュリ
ー温度TC1近傍で σW /2MS11 >HC1+HexC2−σW /2MS22 >Hex なる関係を満足し、且つ−σW /2MS11 +HC1=0
となる温度T0 が100℃≦T0 <TC1なる範囲内にあ
り、−σW /2MS11 +HC1の極小値ΔHmaxが−5
00エルステッド以下であることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明の光磁気記録媒体において、室温で HC1>σW /2MS11C2>σW /2MS22C1±σW /2MS11 >HSUBC2+σW /2MS22 <HSUB なる関係を、また第1の磁性薄膜のキュリー温度近傍で σW /2MS11 >HC1+HexC2−σW /2MS22 >Hex なる関係をそれぞれ満足することは、光強度変調方式に
よりオーバーライトするための必要条件である。
【0011】一方、−σW /2MS11 +HC1=0とな
る温度T0 や−σW /2MS11 +HC1の極小値ΔH
max は、交換結合した第1の磁性薄膜と第2の磁性薄膜
間で転写が開始するパワーや転写動作が安定に行われる
記録外部磁場とそれぞれ1次対応しており、これらの値
を選んでやることで、再生時の信頼性やCN等の特性が
保証される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面や実験結果を参照しながら詳細に説明する。
光磁気記録媒体の基本的な構成としては、例えば図1に
示すように、ガラス基板、ポリカーボネート基板等の透
明基板1の一方の主面(図中下方の面)に、保護膜ある
いは干渉膜として機能する透明誘電体膜2を介して第1
の磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜4よりなる磁性二層膜
5が積層形成されてなるものが挙げられる。なお、本例
においては、磁性二層膜5の表面が保護膜6により覆わ
れているが、この保護膜6は無くともよい。同様に、透
明誘電体膜2も省略可能であるが、場合によっては磁性
二層膜5を透明誘電体膜で挟み込み、さらに透明基板1
とは反対側に金属膜等からなる反射膜を設ける等して、
磁気光学特性(例えばカー回転角)のエンハンスメント
をとるようにしてもよい。
【0013】上記第1の磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜
は、いずれも垂直磁気異方性を示すものであって、例え
ばTb,Gd等の希土類元素(RE)の少なくとも1種
と、Fe,Co,Ni等の遷移金属(TM)の少なくと
も1種とからなる非晶質合金材料等により形成される。
この場合、いずれも希土類元素の割合は、通常10〜4
0原子%であり、遷移金属の割合は60〜90原子%で
ある。また、これら希土類元素、遷移金属の他の元素を
必要に応じて少量添加してもよい。ただし、第1の磁性
薄膜3のキュリー温度TC1よりも第2の磁性薄膜4のキ
ュリー温度TC2の方が高くなるように設定する。この希
土類−遷移金属非晶質合金磁性材料においては、希土類
元素がNdまたはSmである場合を除いて、希土類元素
の磁気モーメントと遷移金属の磁気モーメントは反平行
に結合し、その結果フェリ磁性を示すとともに、正味の
磁化はこれら希土類元素及び遷移金属の各副格子磁化の
差(磁化の向きに応じた正負を考慮するときには各副格
子磁化の和)となる。これに対して、希土類元素がNd
またはSmである場合には、希土類元素の磁気モーメン
トと遷移金属の磁気モーメントは平行に結合し、いわゆ
るフェロ磁性を示す。この場合には、正味の磁化は希土
類元素及び遷移金属の各副格子磁化の和となる。
【0014】以上のように、記録層を交換結合磁性二層
膜とするのが本発明の光磁気記録媒体の基本的な構成で
あるが、上記第1の磁性薄膜3と第2の磁性薄膜4の界
面磁壁エネルギーσW の制御等を目的として、これら磁
性薄膜3,4間に第3の磁性薄膜を介在せしめて3層構
造とすることも可能である。この第3の磁性薄膜は、面
内磁気異方性若しくは小さな垂直磁気異方性を有するも
のであり、特に垂直磁気異方性を有する場合には、第1
の磁性薄膜3や第2の磁性薄膜4の垂直磁気異方性より
も十分に小さい(例えば1×10-6erg /cm3 以下)こ
とが好ましい。前記第3の磁性薄膜の存在によって、界
面磁壁の存在する状態を安定化し各磁性薄膜3,4の特
性設計上のマージンを広げるとともに、界面磁壁エネル
ギーを下げ転移のための外部補助磁界を小さくすること
ができる。
【0015】次に、光強度変調記録方式並びに上述の光
磁気記録媒体において光強度変調記録を行うための必要
条件について述べる。光強度変調記録方式では、図2に
温度Tに対応して第1の磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜
4における各磁化状態を矢印をもって模式的に示すよう
に、室温TR下において両磁性薄膜3,4の磁化の向き
が同一である状態(状態A)と、互いに逆向きの状態
(状態B)との2態様によって“0”,“1”の情報の
記録がなされる。
【0016】これら記録は、外部磁界Hexの印加と、レ
ーザー光照射による2段階加熱によって行われるが、そ
の操作は以下の通りである。先ず、例えば状態Aにある
部位に対してレーザー光を照射するとともに、このレー
ザー光の強度あるいは照射時間を記録信号に応じて変調
制御し、これによる加熱温度を第1の磁性薄膜3のほぼ
キュリー温度TC1以上で且つ外部磁界Hexによって第2
の磁性薄膜4に磁化反転を生じない温度(第1の加熱温
度T1 )とする。このような加熱を行うと、第1の磁性
薄膜3は磁化を失った状態(状態C)となるが、加熱が
終了して第1の磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜4の温度
が第1の磁性薄膜3のキュリー温度TC1まで下がると、
第1の磁性薄膜3に磁化が生ずる。このとき、第2の磁
性薄膜4との交換結合力が支配的となるように設定して
おくと、これによって第1の磁性薄膜3の磁化の向きは
第2の磁性薄膜4の磁化の向きに倣って同一の向きとさ
れる。したがって、磁性二層膜5は状態Aとなり、例え
ば“0”の情報が記録される。
【0017】次に、加熱温度を先の第1の加熱温度T1
以上で且つ第2の磁性薄膜4の磁化を外部磁界Hexによ
り反転させるに十分な温度(第2の加熱温度T2 )とす
る。このような温度T2 まで加熱を行うと、第1の磁性
薄膜3は磁化を失い、同時に第2の磁性薄膜4は磁化が
反転して状態Dとなる。そして、加熱が終了し、第1の
磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜4の温度が第1の磁性薄
膜3のキュリー温度TC1にまで下がると、第1の磁性薄
膜3の磁化の向きは第2の磁性薄膜4による交換結合力
によって状態Aとは反対向きに揃えられた状態(状態
E)となる。このとき、前記外部磁界Hexとは反対向き
の外部補助磁界HSUB の印加によって、室温TR 近傍で
第2の磁性薄膜4の磁化の向きを反転させると、第1の
磁性薄膜3と第2の磁性薄膜間には磁壁7が生じた磁化
状態,すなわち状態Aとは第1の磁性薄膜3の磁化の向
きのみが反転した状態となる。これにより磁性二層膜5
は状態Bとなり、例えば“1”の情報が記録される。た
だし、図2は室温で遷移金属副格子優勢(TMリッチ)
の組成のときの原理図である。室温で希土類元素副格子
優勢(REリッチ)の組成の場合、補償点があるため
に、例えば状態Cから状態Dへ移行する間に、トータル
の磁化の向きが図中上向き(↑)から下向き(↓)にな
る。したがって、この場合には外部磁界Hexの向きを図
中上向き(↑)とする必要がある。すなわち、室温で希
土類元素副格子優勢(REリッチ)の場合、外部磁界H
exと外部補助磁界Hsub は同じ向きとなる。
【0018】光強度変調記録方式は、上述の状態A及び
状態Bによって“0”,“1”の情報が記録されるもの
であって、さらには、これら状態A及び状態Bのいずれ
においてもこの上にオーバーライトが可能である。すな
わち、状態A及び状態Bのいずれ状態であっても、第1
の加熱温度T1 あるいは第2の加熱温度T2 まで加熱す
る際には状態Cの過程を経ることになり、したがって加
熱温度をT1 あるいはT2 に選ぶことによって、元の状
態が状態Aであるか状態Bであるかを問わず、前述の過
程によって状態Aあるいは状態Bのいずれかに書き替え
ることが可能となる。
【0019】ところで、上述の光強度変調記録方式にお
いて、オーバーライトを可能とするためには、第1の磁
性薄膜3や第2の磁性薄膜4に種々の特性が要求され
る。そこで、以下にこれら第1の磁性薄膜3や第2の磁
性薄膜4に要求される必要条件について説明する。光強
度変調記録方式の光磁気記録媒体においては、第1の磁
性薄膜3と第2の磁性薄膜4との積層界面に交換エネル
ギーが働いており、このために状態Bでは磁壁7が発生
している。この界面磁壁エネルギーσW は、(3)式に
よって表される。
【式1】 (ただし、式中A1 及びA2 はそれぞれ第1の磁性薄膜
3及び第2の磁性薄膜4の交換定数であり、K1 及びK
2 はそれぞれ第1の磁性薄膜3及び第2の磁性薄膜4の
垂直磁気異方性定数である。)
【0020】ここで、オーバーライトのために必要な条
件としては、先ず第1に、室温TR(−20℃〜60
℃)において状態Bから状態Aへの移行が生ずることが
ないことである。このための条件は、室温で HC1>HW1=σW /2MS11 ・・・(4) である。第2に、状態Bから状態Eへの移行が生じない
ことである。このために必要な条件は、室温で HC2>HW2=σW /2MS22 ・・・(5) である。さらにまた、状態Eにおいて第1の磁性薄膜3
が外部補助磁界HSUB によって反転してはならない。こ
れが第3の必要条件であるが、このためには、室温で HC1±HW1>HSUB ・・・(6) なる(6)式を満足する必要がある。なお、この(6)
式の左辺における+,−について説明すると、第1の磁
性薄膜3が希土類優勢膜であり第2の磁性薄膜が遷移金
属優勢膜である場合には「+」、第1の磁性薄膜3及び
第2の磁性薄膜4が共に遷移金属優勢膜である場合には
「−」となる。
【0021】一方、状態Eから状態Bへの移行を生ぜし
めるためには、室温で HC2+HW2<HSUB ・・・(7) を満足することが必要である。また、加熱温度が第1の
磁性薄膜3のキュリー温度TC1近傍である場合に、状態
Cから状態Aへ移行するためには、すなわち第1の磁性
薄膜3の磁化の向きが第2の磁性薄膜4の磁化の向きに
揃えられるためには、前記キュリー温度TC1近傍で HW1>HC1+Hex ・・・(8) なる条件が満足されることが必要である。さらに状態C
から状態Eへの移行が生じないために、前記キュリー温
度TC1近傍で HC2+HW2>Hex ・・・(9) なる条件が満足されることが必要である。なお、上記各
式において、HW1及びHW2はそれぞれ他の層からの交換
力項で、(4)式及び(5)式で定義された量である。
また、HC1は第1の磁性薄膜の保磁力、MS1は飽和磁
化、h1 は膜厚であり、HC2は第2の磁性薄膜の保磁
力、MS2は飽和磁化、h2 は膜厚をそれぞれ表す。さら
に、σW は界面磁壁エネルギー、Hexは記録時に印加さ
れる外部磁界、HSUB はこの外部磁界とは反対方向に印
加される外部補助磁界である。
【0022】光強度変調記録方式においては、光磁気記
録媒体が上述の必要条件を満たすことは勿論であるが、
オーバーライトが円滑に行われるか否かは、転写の動作
が安定に行われるか否かによる。なお、転写とは、第1
の磁性薄膜3のFeの副格子磁化の向きと第2の磁性薄
膜4のそれとが反平行な状態にあるときに、第1の磁性
薄膜3の磁化の向きが第2の磁性薄膜の磁化の向きに揃
うように反転する動作である。このとき、外部から与え
られる磁場がどの方向を向いていようとも影響を受けて
はならない。この動作を静的な反転磁場特性で考える
と、図3に示すようなものとなる。これは第1の磁性薄
膜3の反転磁場の温度変化を見たもので、第1の磁性薄
膜3が有する本来の保磁力HC1に他の磁性薄膜からの交
換力項HW1を合わせた値(HC1−HW1)で表記したもの
である。図3を見ると明らかなように、前記HC1−HW1
の値は、温度の上昇とともに低下し、ある温度を越える
とマイナス側へ移行する。転写が実現される条件は、先
の(8)式に示した通りであり、図3においてHC1−H
W1の値がマイナス側に移行したときにはじめて(8)式
を満足し得る状態となることがわかる。
【0023】したがって、HC1−HW1の値が描く曲線が
マイナス側にはみ出た部分の形状が重要であると考えら
れ、そこでこの形状を決める2つのパラメータを定義
し、光磁気記録媒体を評価することとする。定義される
パラメータの一つはHC1−HW1=0となる温度で、この
温度をT0とする。もうひとつは、HC1−HW1の値が最
小となる値で、これをΔHmax とする。なお、この値は
W1+HC1が現れる側に対してHW1−HC1が同じ側(零
磁場に対して)に現れる場合を負の値として取り扱って
いる。いま、これら温度T0 及び最小値ΔHmax をパラ
メータとして光磁気記録媒体の電気信号特性を調べる。
対応すると考えられる電気特性は、読み取りパワーの最
大値Prmax と、転写動作を安定に行うことのできる記
録外部磁場の最大値Hmax である。特に前者は、読み取
り時のレーザーパワーの限界を示すもので、これ以上レ
ーザーパワーを上げると記録した情報が消失することに
なる。図4に前記温度T0 と読み取りパワーの最大値P
max の相関を、図5にHC1−HW1の値の最小値ΔH
max と記録外部磁場の最大値Hmax の相関を示す。
【0024】これら図面を見ると明らかなように、これ
らは1次対応しており、光磁気記録媒体の磁性薄膜の特
性である温度T0 及び最小値ΔHmax を測定すること
で、電気信号特性である読み取りパワーの最大値Pr
max や転写動作を安定に行うことのできる記録外部磁場
の最大値Hmax を推測できることがわかる。ここで、読
み取りパワーの最大値Prmax には下限が存在し、この
Prmax があまり低いと、転写(消去)が低い温度で起
こることになり、再生時の信頼性に問題を生ずる。した
がって、前記温度T0 は最低でも100℃であることが
好ましく、温度T0 を100℃以上となるように設定す
ることで、読み出し(再生)パワー2.0mW以下で再
生する限り非常に安定な読み出しが可能となる。また、
駆動装置内の温度上昇を60℃と仮定すると、1.0m
Wまでの再生が可能となる。上限については、第1の磁
性薄膜3のキュリー温度TC1を越えなければよいが、マ
ージンを広くするためにはTC1−30℃程度であること
が好ましい。
【0025】一方、記録外部磁場の最大値Hmax は、直
接転写動作には関与しないが、この最大値Hmax により
記録特性,特にC/Nが変わるために、大きくとれた方
が有利である。例えば、図6に示すように、第1の磁性
薄膜3の膜厚を200Å(実線)、300Å(破線)、
400Å(一点鎖線)と変えることにより、C/N特性
が変わり、300Åの場合には矢印Yで、400Åの場
合には矢印Xで示す点でC/Nが最大となる。これら矢
印Xあるいは矢印Yで示す点が転写動作を安定に行うこ
とのできる記録外部磁場の最大値Hmax であって、この
点を越えると転写が安定に行われずC/Nが次第に劣化
する。このとき、C/Nは最低でも47〜48dBは必
要であると考えると、C/Nから判断される必要最低記
録外部磁場は370エルステッドであり、少なくとも前
記記録外部磁場の最大値Hmax が370エルステッド以
上であることが必要となる。そして、この記録外部磁場
の最大値Hmax を370エルステッド以上とするために
は、図5からHC1−HW1の最小値ΔHmax を−500エ
ルステッド以下(絶対値で500エルステッド以上)と
すればよいことになる。
【0026】このように、HC1−HW1=0となる温度T
0 やHC1−HW1の最小値ΔHmax を選定することで、電
気信号特性に優れた光磁気記録媒体が作成される。これ
らHC1−HW1=0となる温度T0 やHC1−HW1の最小値
ΔHmax は、第1の磁性薄膜3や第2の磁性薄膜4、さ
らには中間層として介在される第3の磁性薄膜の組成,
膜厚等を変更することで前記範囲に設定することができ
る。以下、実際に光磁気ディスクを作成して前記事実を
検証した。
【0027】作成した光磁気ディスクは中間層を介在さ
せた3層構造のものである。また、これらの光磁気ディ
スクにおいては、第1の磁性薄膜及び第2の磁性薄膜の
組成,膜厚は共通である。すなわち、第1の磁性薄膜は
Tb20(Fe91Co5 Cr480なる組成を有し、室温
保磁力25kOe以上、キュリー温度170℃、膜厚3
00Åである。第2の磁性薄膜は(Gd75Tb25
26(Fe66Co30Cr4 74なる組成を有し、室温保磁
力3kOe(REリッチ)、補償温度200℃、キュリ
ー温度300℃以上、膜厚800Åである。また、これ
ら光磁気ディスクにおいては、中間層(第3の磁性薄
膜)の組成や膜厚を変更することでHC1−HW1=0とな
る温度T0 やHC1−HW1の最小値ΔHmax を変更した
が、各光磁気ディスクにおける中間層の組成及び膜厚は
表1に示す通りである。
【表1】
【0028】図7に各光磁気ディスクのHC1−HW1の温
度変化を示す。各々の光磁気ディスクに対し、T0 及び
ΔHmax に注目すると、ディスクEのΔHmax は約−3
000エルステッド、ディスクC及びディスクDのΔH
max は約−2000エルステッド、ディスクBのΔH
max は約−1000エルステッド、ディスクAのΔH
max は約−200エルステッドである。また、ディスク
A及びディスクBのT0 は約170℃、ディスクCのT
0 は約160℃、ディスクDのT0 は約100℃、ディ
スクEのT0 は約60℃である。これら光磁気ディスク
について、記録再生装置にてオーバーライト動作特性を
調べた。調べた特性は、一つには転写動作(消去動作)
が開始するレーザーパワーPrmax であり、もう一つに
は転写が正常に動作することのできる外部磁場の最大値
max である。これらは、オーバーライト動作におい
て、最も重要となる動作である転写を円滑に行うことが
できるか否かを示す指針となる。このような観点から見
たとき、ディスクB及びディスクCではPrmax は4m
W以上、ディスクDでも2mW程度であり、この範囲で
の再生により情報が消失することはなかった。これに対
して、ディスクEではPrmax を確保することができ
ず、記録データが再生パワーによって消去されてしまっ
た。また、転写が正常に動作することのできる外部磁場
の最大値Hmax に関しては、ディスクC及びディスクD
では800エルステッド以上、ディスクBでも500エ
ルステッド程度を確保することができ、C/Nに優れた
記録信号を得ることが可能であった。これに対して、デ
ィスクAではC/Nを十分にとることができなかった。
【0029】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光磁気記録媒体においては、光強度変調記録方式を
行うための必要条件のみならず、HC1−HW1(=−σW
/2MS11 +HC1)の値が描く曲線がマイナス側には
み出た部分の形状を最適化しているので、非常に安定な
読み出し及び転写動作が可能で、また十分なC/Nを確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気記録媒体の構成例を示す要部拡大断面図
である。
【図2】光強度変調記録方式における磁性二層膜の磁化
状態を説明する模式図である。
【図3】HC1−HW1の温度特性を示す特性図である。
【図4】HC1−HW1=0となる温度T0 と読み取りパワ
ーの最大値Prmax の相関を示す特性図である。
【図5】HC1−HW1の値の最小値ΔHmax と転写動作を
安定に行うことのできる記録外部磁場の最大値Hmax
相関を示す特性図である。
【図6】記録外部磁場の最大値Hmax とC/Nの関係を
示す特性図である。
【図7】実際に作成した光磁気ディスクのHC1−HW1
温度特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・透明基板 3・・・第1の磁性薄膜 4・・・第2の磁性薄膜 5・・・磁性二層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 良弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の磁性薄膜と第2の磁性薄膜が磁気
    的に結合されて積層されてなり、加熱温度を制御するこ
    とにより情報信号の書き換えが行われる光磁気記録媒体
    において、 第1の磁性薄膜のキュリー温度をTC1、保磁力をHC1
    飽和磁化をMS1、膜厚をh1 、第2の磁性薄膜のキュリ
    ー温度をTC2、保磁力をHC2、飽和磁化をMS2、膜厚を
    2 、磁壁エネルギーをσW 、記録時に印加される外部
    磁界をHex、外部補助磁界をHSUB としたときに、室温
    で HC1>σW /2MS11C2>σW /2MS22C1±σW /2MS11 >HSUBC2+σW /2MS22 <HSUB なる関係を満足するとともに、第1の磁性薄膜のキュリ
    ー温度TC1近傍で σW /2MS11 >HC1+HexC2−σW /2MS22 >Hex なる関係を満足し、且つ−σW /2MS11 +HC1=0
    となる温度T0 が100℃≦T0 <TC1なる範囲内にあ
    り、−σW /2MS11 +HC1の極小値ΔHmaxが−5
    00エルステッド以下であることを特徴とする光磁気記
    録媒体。
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