JPH06215313A - 磁気ヘッド - Google Patents
磁気ヘッドInfo
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- JPH06215313A JPH06215313A JP503893A JP503893A JPH06215313A JP H06215313 A JPH06215313 A JP H06215313A JP 503893 A JP503893 A JP 503893A JP 503893 A JP503893 A JP 503893A JP H06215313 A JPH06215313 A JP H06215313A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 非磁性の補強基板によって挾持された磁性合
金膜からなる一対の磁気コア半体が非磁性のギャップス
ペーサを介して突き合わせ接合されてなる磁気ヘッドに
おいて、巻線孔のデプスエンド規制部に充填されて前記
ギャップ突き合わせ接合を補強するガラス(溶着ガラ
ス)を改善することにより、機械的強度、電磁変換特
性、生産性等に優れた磁気ヘッドを提供する。 【構成】 前記溶着ガラスを、PbO、SiO2が主成
分で少なくともLi2Oを含むアルカリ金属酸化物が添
加されたガラスとし、前記ガラス中のPbO含有量を6
0〜80wt%、SiO2含有量を19〜25wt%、
前記ガラス中のアルカリ金属酸化物に関して、Li2O
の含有量とアルカリ金属酸化物の総含有量との比を0.
1〜0.6とする。
金膜からなる一対の磁気コア半体が非磁性のギャップス
ペーサを介して突き合わせ接合されてなる磁気ヘッドに
おいて、巻線孔のデプスエンド規制部に充填されて前記
ギャップ突き合わせ接合を補強するガラス(溶着ガラ
ス)を改善することにより、機械的強度、電磁変換特
性、生産性等に優れた磁気ヘッドを提供する。 【構成】 前記溶着ガラスを、PbO、SiO2が主成
分で少なくともLi2Oを含むアルカリ金属酸化物が添
加されたガラスとし、前記ガラス中のPbO含有量を6
0〜80wt%、SiO2含有量を19〜25wt%、
前記ガラス中のアルカリ金属酸化物に関して、Li2O
の含有量とアルカリ金属酸化物の総含有量との比を0.
1〜0.6とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はVTR、HDD等の磁気
記録再生装置に使用される磁気ヘッドに関する。
記録再生装置に使用される磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】VTR、HDD等の磁気記録再生システ
ムにおいては時間的な記録密度の向上(周波数の高帯域
化)及び空間的な記録密度の向上(狭トラック化、短波
長化)が望まれ、それを実現するためには、狭ギャッ
プ、狭トラック幅の磁気ヘッドを短波長記録が可能な高
抗磁力媒体に近接配置し、両者を高速で相対走行させな
がら電磁信号を入出力することが前提となる。
ムにおいては時間的な記録密度の向上(周波数の高帯域
化)及び空間的な記録密度の向上(狭トラック化、短波
長化)が望まれ、それを実現するためには、狭ギャッ
プ、狭トラック幅の磁気ヘッドを短波長記録が可能な高
抗磁力媒体に近接配置し、両者を高速で相対走行させな
がら電磁信号を入出力することが前提となる。
【0003】このような高密度記録用の磁気ヘッドとし
ては、特開平2−168406号に示された図2のよう
な磁性合金膜積層コア型磁気ヘッドが有力である。
ては、特開平2−168406号に示された図2のよう
な磁性合金膜積層コア型磁気ヘッドが有力である。
【0004】図2の磁気ヘッドの磁路は、高抗磁力の媒
体に対応するために高飽和磁束密度の磁性合金膜1で構
成される。該磁性合金膜は、厚い磁性合金膜の磁気特性
が高周波における渦電流の影響で劣化するのを防ぐため
に比較的薄い磁性合金膜を電気的絶縁膜を介して積層す
ることが望ましいが、以下の説明では、磁性合金膜の単
層膜、積層膜にかかわらず磁性合金膜と称する。
体に対応するために高飽和磁束密度の磁性合金膜1で構
成される。該磁性合金膜は、厚い磁性合金膜の磁気特性
が高周波における渦電流の影響で劣化するのを防ぐため
に比較的薄い磁性合金膜を電気的絶縁膜を介して積層す
ることが望ましいが、以下の説明では、磁性合金膜の単
層膜、積層膜にかかわらず磁性合金膜と称する。
【0005】前記磁性合金積層膜1は、非磁性の補強基
板20によって挟持され、非磁性のギャップスペーサ3
を介して突き合わせ接合されている。4は少なくとも巻
線孔6のデプスエンド規制部に充填されて、ギャップ突
き合わせ接合を補強するガラスである。
板20によって挟持され、非磁性のギャップスペーサ3
を介して突き合わせ接合されている。4は少なくとも巻
線孔6のデプスエンド規制部に充填されて、ギャップ突
き合わせ接合を補強するガラスである。
【0006】図2の磁気ヘッドは、記録媒体との高速摺
動という問題に対しても、公知のフェライトヘッドやM
IG(メタル・イン・ギャップ)ヘッドに比べて、摺動
ノイズの発生しやすいフェライト材を含まない磁気コア
構造を有するという点で有利である。
動という問題に対しても、公知のフェライトヘッドやM
IG(メタル・イン・ギャップ)ヘッドに比べて、摺動
ノイズの発生しやすいフェライト材を含まない磁気コア
構造を有するという点で有利である。
【0007】図2の磁気ヘッドは、図3〜図9に示すよ
うな工程を経て製造される。すなわち、まず図3に示す
ように、結晶化ガラス、非磁性セラミック等からなる基
板20の一方の表面に、ガラス層5を塗布焼成法、スパ
ッタリング法等によって付着形成し、他方の表面に、磁
性合金膜1をトラック幅に相当する厚さ分、スパッタリ
ング法等によって付着形成する。
うな工程を経て製造される。すなわち、まず図3に示す
ように、結晶化ガラス、非磁性セラミック等からなる基
板20の一方の表面に、ガラス層5を塗布焼成法、スパ
ッタリング法等によって付着形成し、他方の表面に、磁
性合金膜1をトラック幅に相当する厚さ分、スパッタリ
ング法等によって付着形成する。
【0008】次に、図4に示すように、前記基板を複数
枚積み重ね、図中矢印Pの向きに加圧した状態で真空中
または不活性ガス雰囲気中で加熱昇温して前記ガラス層
5を溶融させることによって前記基板を積層接合し、図
5のような積層基板ブロック91を得る。ここで、前記
接合ガラス層5は基板2と磁性合金積層膜1との間に介
在することになるが、以下の図では簡略化のために接合
ガラス層5を図示しない。
枚積み重ね、図中矢印Pの向きに加圧した状態で真空中
または不活性ガス雰囲気中で加熱昇温して前記ガラス層
5を溶融させることによって前記基板を積層接合し、図
5のような積層基板ブロック91を得る。ここで、前記
接合ガラス層5は基板2と磁性合金積層膜1との間に介
在することになるが、以下の図では簡略化のために接合
ガラス層5を図示しない。
【0009】次に、前記積層基板ブロック91を図5の
破線D−Eに沿って切断し、図6のような磁気コア半体
部材となるべきウエハ92a、92bを得る。
破線D−Eに沿って切断し、図6のような磁気コア半体
部材となるべきウエハ92a、92bを得る。
【0010】次に、図7に示すように、前記ウエハ92
a、92bの2枚を1ペアとして、一方のウエハ92a
のギャップ突き合わせ面となる表面にガラス溝40を掘
削しガラスを充填する。他方のウエハ92bのギャップ
突き合わせ面となる表面に巻線溝6を掘削する。その
後、前記1ペアのウエハのギャップ突き合わせ面を鏡面
研摩し、ギャップスペーサ膜(図示せず)を付着形成す
る。
a、92bの2枚を1ペアとして、一方のウエハ92a
のギャップ突き合わせ面となる表面にガラス溝40を掘
削しガラスを充填する。他方のウエハ92bのギャップ
突き合わせ面となる表面に巻線溝6を掘削する。その
後、前記1ペアのウエハのギャップ突き合わせ面を鏡面
研摩し、ギャップスペーサ膜(図示せず)を付着形成す
る。
【0011】次に、図8に示すように、前記1ペアのウ
エハを突き合わせ、図中矢印Qの向きに加圧した状態で
真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱昇温して前記ガ
ラス溝中のガラス40を溶融流動させ、該ガラスを前記
巻線溝6の先端部にまで流し込んでギャップ突き合わせ
接合し、図9のような磁気コアバー93を得る。以下、
この工程をギャップ溶着工程と略称する。
エハを突き合わせ、図中矢印Qの向きに加圧した状態で
真空中または不活性ガス雰囲気中で加熱昇温して前記ガ
ラス溝中のガラス40を溶融流動させ、該ガラスを前記
巻線溝6の先端部にまで流し込んでギャップ突き合わせ
接合し、図9のような磁気コアバー93を得る。以下、
この工程をギャップ溶着工程と略称する。
【0012】最後に、前記磁気コアバー93の記録媒体
対向面を図9の一点鎖線Fに沿って曲面研摩した後、該
磁気コアバーを図9の一点鎖線Gに沿ってスライスし、
図2のような磁気ヘッドコアチップを得る。
対向面を図9の一点鎖線Fに沿って曲面研摩した後、該
磁気コアバーを図9の一点鎖線Gに沿ってスライスし、
図2のような磁気ヘッドコアチップを得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上ような製造工程に
おいて、前記図8のギャップ溶着に用いられるガラス4
0(溶着ガラス)には、以下(1)〜(6)のような特
性が要求される。
おいて、前記図8のギャップ溶着に用いられるガラス4
0(溶着ガラス)には、以下(1)〜(6)のような特
性が要求される。
【0014】すなわち、(1)図3の工程で形成された
磁性合金膜1はその後の工程で昇温しすぎると磁気特性
が劣化するため、図4の積層基板ブロック形成工程の履
歴温度の上限が制限され、図8のギャップ溶着工程にお
いて積層基板ブロックの接合ガラス5が軟化することの
ないように、溶着ガラス40は前記接合ガラス5に比べ
てさらに低融点であることが要求される。
磁性合金膜1はその後の工程で昇温しすぎると磁気特性
が劣化するため、図4の積層基板ブロック形成工程の履
歴温度の上限が制限され、図8のギャップ溶着工程にお
いて積層基板ブロックの接合ガラス5が軟化することの
ないように、溶着ガラス40は前記接合ガラス5に比べ
てさらに低融点であることが要求される。
【0015】また、(2)ギャップ溶着工程の溶融、凝
固過程において気泡が発生しないこと、(3)非磁性基
板や磁性合金膜との熱膨張率の整合性がとれているこ
と、(4)機械的強度、耐摩耗性等に影響を及ぼす硬度
が高いこと、(5)機械的強度、耐環境性等に影響を及
ぼす化学的安定性が高いこと、等も要求される。
固過程において気泡が発生しないこと、(3)非磁性基
板や磁性合金膜との熱膨張率の整合性がとれているこ
と、(4)機械的強度、耐摩耗性等に影響を及ぼす硬度
が高いこと、(5)機械的強度、耐環境性等に影響を及
ぼす化学的安定性が高いこと、等も要求される。
【0016】このような溶着ガラスとして、従来はPb
O−SiO2系ガラスが用いられることが多かったが、
低融点化するためにはPbOの含有量をかなり多くする
必要があり、硬度の低下や化学的安定性の低下が問題と
なっていた。
O−SiO2系ガラスが用いられることが多かったが、
低融点化するためにはPbOの含有量をかなり多くする
必要があり、硬度の低下や化学的安定性の低下が問題と
なっていた。
【0017】また、PbO−SiO2−B2O3系ガラス
を用いると、硬度を確保しながら低融点化することがで
きるが、B2O3の影響によって気泡が発生しやすく化学
的安定性も低下する。
を用いると、硬度を確保しながら低融点化することがで
きるが、B2O3の影響によって気泡が発生しやすく化学
的安定性も低下する。
【0018】本発明は、上述のような従来の溶着ガラス
の問題点を踏まえた上で、上記(1)〜(5)の要求を
満たすガラスを開発し、機械的強度、電磁変換特性、生
産性等に優れた磁気ヘッドを提供しようとするものであ
る。
の問題点を踏まえた上で、上記(1)〜(5)の要求を
満たすガラスを開発し、機械的強度、電磁変換特性、生
産性等に優れた磁気ヘッドを提供しようとするものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気ヘッド
は、非磁性の補強基板によって挾持された磁性合金膜か
らなる一対の磁気コア半体が、非磁性のギャップスペー
サを介して突き合わせ接合されてなる磁気ヘッドにおい
て、前記ギャップ突き合わせ接合は巻線孔のデプスエン
ド規制部にガラスが充填されることによって補強され、
前記ギャップ突き合わせ接合を補強するガラスは、Pb
O、SiO2が主成分で少なくともLi2Oを含むアルカ
リ金属酸化物が添加されたガラスからなり、前記ガラス
中のPbO含有量は60〜80wt%、SiO2含有量
は19〜25wt%であり、前記ガラス中のアルカリ金
属酸化物に関して、Li2Oの含有量とアルカリ金属酸
化物の総含有量との比が0.1〜0.6であることを特
徴とするものである。
は、非磁性の補強基板によって挾持された磁性合金膜か
らなる一対の磁気コア半体が、非磁性のギャップスペー
サを介して突き合わせ接合されてなる磁気ヘッドにおい
て、前記ギャップ突き合わせ接合は巻線孔のデプスエン
ド規制部にガラスが充填されることによって補強され、
前記ギャップ突き合わせ接合を補強するガラスは、Pb
O、SiO2が主成分で少なくともLi2Oを含むアルカ
リ金属酸化物が添加されたガラスからなり、前記ガラス
中のPbO含有量は60〜80wt%、SiO2含有量
は19〜25wt%であり、前記ガラス中のアルカリ金
属酸化物に関して、Li2Oの含有量とアルカリ金属酸
化物の総含有量との比が0.1〜0.6であることを特
徴とするものである。
【0020】
【作用】PbO−SiO2系ガラスに溶融温度や熱膨張
率の調整を目的としてアルカリ金属酸化物を添加する場
合、Li2O単独では結晶化による失透、脆化等の問題
が生じることが知られており、Na2O、K2Oでは溶融
温度を下げる効果が小さいことも知られていたが、本願
発明者は、Li2OとNa2O、K2Oを上述のような割
合で添加すれば、結晶化することなく低融点化できると
いう作用効果が得られることを実験的に見出した。
率の調整を目的としてアルカリ金属酸化物を添加する場
合、Li2O単独では結晶化による失透、脆化等の問題
が生じることが知られており、Na2O、K2Oでは溶融
温度を下げる効果が小さいことも知られていたが、本願
発明者は、Li2OとNa2O、K2Oを上述のような割
合で添加すれば、結晶化することなく低融点化できると
いう作用効果が得られることを実験的に見出した。
【0021】
【実施例】本発明による磁気ヘッドは前記従来例図2の
磁気ヘッドと同様な外観を有し、前記従来例図3〜図9
の製造工程と同様な工程を経て製造されるが、溶着ガラ
ス4の成分組成に特徴がある。
磁気ヘッドと同様な外観を有し、前記従来例図3〜図9
の製造工程と同様な工程を経て製造されるが、溶着ガラ
ス4の成分組成に特徴がある。
【0022】本願発明者は、表1に示すような各種組成
(単位:wt%)のガラスを試作して室温〜300℃ま
での平均熱膨張率(単位:×10-7/℃)、屈伏点(単
位:℃)、ビッカース硬度(単位:Hv)を測定し、本
発明の対象となる前記図2の磁気ヘッド用の溶着ガラス
としての良否を判別した。
(単位:wt%)のガラスを試作して室温〜300℃ま
での平均熱膨張率(単位:×10-7/℃)、屈伏点(単
位:℃)、ビッカース硬度(単位:Hv)を測定し、本
発明の対象となる前記図2の磁気ヘッド用の溶着ガラス
としての良否を判別した。
【0023】
【表1】
【0024】表1の[1]〜[9]は、ガラスの主成分
としてのPbO、SiO2の含有量及び添加物としての
アルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)の総
含有量を一定とし、アルカリ金属酸化物中のLi2Oと
Na2Oの含有量を置換したものであり、その熱膨張
率、屈伏点、硬度とアルカリ金属酸化物中のLi2O含
有率:x(x=Li2O/[Li2O+Na2O+K
2O])との関係をまとめて図1に示す。なお、Zn
O、TeO2は昇温軟化時の粘性変化を緩やかにするた
めの添加物である。
としてのPbO、SiO2の含有量及び添加物としての
アルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)の総
含有量を一定とし、アルカリ金属酸化物中のLi2Oと
Na2Oの含有量を置換したものであり、その熱膨張
率、屈伏点、硬度とアルカリ金属酸化物中のLi2O含
有率:x(x=Li2O/[Li2O+Na2O+K
2O])との関係をまとめて図1に示す。なお、Zn
O、TeO2は昇温軟化時の粘性変化を緩やかにするた
めの添加物である。
【0025】図1によれば、この系列のガラスにおいて
Na2OをLi2Oで置換していくと、ビッカース硬度は
ほとんど変化しないのに対して、熱膨張率はx=0.4
付近まで上昇してその後低下、屈伏点はx=0.4付近
まで低下してその後上昇することがわかり、少なくとも
x=0.1〜0.6の範囲内では、屈伏点の低下という
本発明の目的にかなった効果が得られている。
Na2OをLi2Oで置換していくと、ビッカース硬度は
ほとんど変化しないのに対して、熱膨張率はx=0.4
付近まで上昇してその後低下、屈伏点はx=0.4付近
まで低下してその後上昇することがわかり、少なくとも
x=0.1〜0.6の範囲内では、屈伏点の低下という
本発明の目的にかなった効果が得られている。
【0026】熱膨張率、屈伏点がx=0.4付近で極
大、極小となるのは、Li2O、Na2O、K2Oがガラ
スマトリックス中に一様に溶け込む組成範囲ではLi2
Oの添加による熱膨張率上昇、屈伏点低下の効果が現れ
るのに対して、Li2Oが多くなり過ぎるとLi2Oがガ
ラスマトリックスから分離し、比較的低熱膨張率、高融
点のメタ珪酸リチウム(Li2O・SiO2)や二珪酸リ
チウム(Li2O・2SiO2)の結晶がガラス中に析出
してしまうことによると考えられる。
大、極小となるのは、Li2O、Na2O、K2Oがガラ
スマトリックス中に一様に溶け込む組成範囲ではLi2
Oの添加による熱膨張率上昇、屈伏点低下の効果が現れ
るのに対して、Li2Oが多くなり過ぎるとLi2Oがガ
ラスマトリックスから分離し、比較的低熱膨張率、高融
点のメタ珪酸リチウム(Li2O・SiO2)や二珪酸リ
チウム(Li2O・2SiO2)の結晶がガラス中に析出
してしまうことによると考えられる。
【0027】また、前記図1に現れたような傾向は、ガ
ラスの主成分としてのPbO、SiO2の含有量が前記
表1の[1]〜[9]の組成からある程度ずれても、す
なわち、PbO−SiO2系ガラスについての従来の経
験から考えて前記表1[1]〜[9]の[70wt%P
bO−22wt%SiO2]から相対比で±15%程度
ずれても、大きくは変わらないと予想される。
ラスの主成分としてのPbO、SiO2の含有量が前記
表1の[1]〜[9]の組成からある程度ずれても、す
なわち、PbO−SiO2系ガラスについての従来の経
験から考えて前記表1[1]〜[9]の[70wt%P
bO−22wt%SiO2]から相対比で±15%程度
ずれても、大きくは変わらないと予想される。
【0028】以上のことから本願発明者は、前記図2の
ような積層コア型磁気ヘッドの溶着ガラスをPbO、S
iO2が主成分で少なくともLi2Oを含むアルカリ金属
酸化物が添加されたガラスとし、前記ガラス中のPbO
含有量を60〜80wt%、SiO2含有量を19〜2
5wt%、前記ガラス中のアルカリ金属酸化物に関し
て、Li2Oの含有量とアルカリ金属酸化物の総含有量
との比を0.1〜0.6とすれば、該ガラスは単純なP
bO−SiO2系ガラスに比べて低融点化し、結晶化、
気泡の発生、硬度の低下、化学的安定性の低下等の問題
も生じないという本発明の主題を導き出すに至った。
ような積層コア型磁気ヘッドの溶着ガラスをPbO、S
iO2が主成分で少なくともLi2Oを含むアルカリ金属
酸化物が添加されたガラスとし、前記ガラス中のPbO
含有量を60〜80wt%、SiO2含有量を19〜2
5wt%、前記ガラス中のアルカリ金属酸化物に関し
て、Li2Oの含有量とアルカリ金属酸化物の総含有量
との比を0.1〜0.6とすれば、該ガラスは単純なP
bO−SiO2系ガラスに比べて低融点化し、結晶化、
気泡の発生、硬度の低下、化学的安定性の低下等の問題
も生じないという本発明の主題を導き出すに至った。
【0029】さらに補足すれば、表1の[10]〜[1
5]は[1]〜[9]の各成分の組成を変化させたもの
であり、[10][11]は[3]のSiO2の一部を
Na2Oで置換したものであり、本発明の効果が現れて
いる。
5]は[1]〜[9]の各成分の組成を変化させたもの
であり、[10][11]は[3]のSiO2の一部を
Na2Oで置換したものであり、本発明の効果が現れて
いる。
【0030】[12]はPbOの増加によって低融点化
を図ろうとしたものであるが、その効果は小さかった。
を図ろうとしたものであるが、その効果は小さかった。
【0031】[13]〜[15]はB2O3の添加によっ
て低融点化を図ろうとしたものであるが、[13]では
その効果は小さく、[14][15]では低融点化して
いるものの気泡が発生して磁気ヘッドの溶着ガラスとし
て実用できるようなものでなかった。
て低融点化を図ろうとしたものであるが、[13]では
その効果は小さく、[14][15]では低融点化して
いるものの気泡が発生して磁気ヘッドの溶着ガラスとし
て実用できるようなものでなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、積層コア型磁気ヘッド
の溶着ガラスが改善されることにより、該磁気ヘッドの
機械的強度、電磁変換特性、生産性等が向上する。
の溶着ガラスが改善されることにより、該磁気ヘッドの
機械的強度、電磁変換特性、生産性等が向上する。
【図1】本発明を導き出すに至った実験結果図である。
【図2】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの外観斜視
図である。
図である。
【図3】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その1)である。
説明図(その1)である。
【図4】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その2)である。
説明図(その2)である。
【図5】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その3)である。
説明図(その3)である。
【図6】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その4)である。
説明図(その4)である。
【図7】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その5)である。
説明図(その5)である。
【図8】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その6)である。
説明図(その6)である。
【図9】従来例及び本発明実施例磁気ヘッドの製造工程
説明図(その7)である。
説明図(その7)である。
1 磁性合金膜 20 非磁性基板 3 ギャップ 4 溶着ガラス
Claims (1)
- 【請求項1】 非磁性の補強基板によって挾持された磁
性合金膜からなる一対の磁気コア半体が、非磁性のギャ
ップスペーサを介して突き合わせ接合されてなる磁気ヘ
ッドにおいて、前記ギャップ突き合わせ接合は巻線孔の
デプスエンド規制部にガラスが充填されることによって
補強され、前記ギャップ突き合わせ接合を補強するガラ
スは、PbO、SiO2が主成分で少なくともLi2Oを
含むアルカリ金属酸化物が添加されたガラスからなり、
前記ガラス中のPbO含有量は60〜80wt%、Si
O2含有量は19〜25wt%であり、前記ガラス中の
アルカリ金属酸化物に関して、Li2Oの含有量とアル
カリ金属酸化物の総含有量との比が0.1〜0.6であ
ることを特徴とする磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP503893A JPH06215313A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP503893A JPH06215313A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06215313A true JPH06215313A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=11600282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP503893A Pending JPH06215313A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06215313A (ja) |
-
1993
- 1993-01-14 JP JP503893A patent/JPH06215313A/ja active Pending
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