JPH0621405B2 - ポリエステル系陸上用ネット及び製造法 - Google Patents

ポリエステル系陸上用ネット及び製造法

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JPH0621405B2
JPH0621405B2 JP1180504A JP18050489A JPH0621405B2 JP H0621405 B2 JPH0621405 B2 JP H0621405B2 JP 1180504 A JP1180504 A JP 1180504A JP 18050489 A JP18050489 A JP 18050489A JP H0621405 B2 JPH0621405 B2 JP H0621405B2
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 イ『産業上の利用分野』 本発明は安全用ネット等を主用途としたポリエステル系
陸上用ネット及びこれの製造法に関するものである。
『従来の技術』 安全ネット等の陸上用ネットは、従来から蛙又結節網、
無結節網等が用いられている。そして使用される繊維は
ビニロン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等、各種合成繊維が使用されている。近
年、落下防止用の安全ネットが多く使用されているが、
このネットは人間の落下衝撃力に耐える必要のほか、小
さな物例えばボルト等の貫通落下を防止する観点から、
網目が小さいもことが要求されるのが一般的であった。
しかし網目が小さく、しかも強い網ということになる
と、どうしても、原糸使用量が多くなり、特に蛙又結節
網では強力がでにくく、しかも重いという欠点の為、使
用量が減少した。
また貫通式無結節網の場合には網目が小さいと編立能率
が悪くなり、しかも掛巾に限度がある。この為、無結節
網は需要者のニーズに十分対処出来ない面があった。そ
こで現在では安全ネットはポリアミド繊維(ナイロン)
を用いたラッセルネットの需要が拡大している。
合成繊維の中で、ポリエステル系繊維、主として、ポリ
エチレンテレフタレート繊維は耐光性がよく、寸法安定
性が良いなど陸上用ネットとしての要求特性を備えてい
るにもかかわらず、原糸比重が高いため網が重く、タテ
編みにした場合、網強力が出にくいなでも問題があり、
使用量がすくなかった。
即ち、ポリエステル繊維は、特に日光に対して繊維のゼ
イ化が少なく、ナイロンは黄変し易いが、黄変しない長
所を有する。又ポリエステル繊維は、公定水分率0.5
%〔ナイロンは4.5%〕であり水を吸いにくく、乾き
易い他、水に濡れるても伸びたり縮んだりせず、寸法安
定性がよい。
これに対しナイロンは水に濡れると伸びる為きちんと網
を固定しても、濡れると網がダラッとなる欠点を有す
る。
次表はポリアミド繊維、ポリエステル繊維の原子及び網
とした時の引張強度等を比較例である。
上記表からも判るようにポリエステル繊維は、ポリアミ
ド繊維に比較して、原糸では引張強度がわずか1.2%
の低さのものが、タテ編ネットの状態になると8%も低
くなる。
更にネットに同一強力を得るよう設計すると、少なくと
も8%目付を多くする必要が有ること、及びポリアミド
繊維の比重を考慮すると、ポリエステル繊維はポリアミ
ド繊維に比べ総合的に30%近くネットの重量が重くな
るという欠点があった。
『発明が解決しようとする課題』 本考案はポリエステル系の繊維〔以下単に『ポリエステ
ル繊維』と略称する〕を用い陸上用ネットを製作した場
合に生じる所定の強力を得ようとする際に重量が重くな
る欠点を解消するべくなされたものである。
即ち使用するポリエステル繊維の原糸物性を、陸上用タ
テ編ネットの特性に適するように、引張強力を保持しつ
つ、中間伸度、及び切断伸度のある原糸を用いる他、編
成条件に於いて、フロント糸とバック糸の最適バランス
をとる等して上記欠点を解消するものである。
ロ『課題を解決する為の手段』 本発明は引張強度8.3g/D以上、切断伸度が14%
から20%の範囲にあり、少なくとも4.5g/Dの中
間伸度が5.5%以上であるポリエステル系繊維を用い
てタテ編み製網したことを特徴とするポリエステル系陸
上用ネットである。
また上記物性を有するポリエステル系繊維で製網する際
に、タテ編みネットのフロント糸とバック糸の糸長比率
が27%から32%の範囲にあって、かつ脚間の原糸ル
ープ数が1インチあたり11個から15個の範囲に於い
て編成したポリエステル系陸上用ネットである。
更に編成した形成される形状が六角形、亀甲形状とし、
網脚部との交差部分を多くすることを特徴とするポリエ
ステル系陸上用ネットである。
又上記ポリエステル系陸上用ネットに於いて、防炎性、
難燃性を付与したポリエステル系陸上用ネットである。
『作用』 ポリエステル繊維を紡糸・延伸する場合、一般に延伸倍
率を大きくすると、引張強度が大きくなる反面、伸度が
減少し、伸度を出すために延伸倍率を下げると引張強力
が低下するが、本発明である引張強度8.3g/D以
上、切断伸度が14%から20%の範囲にあるポリエス
テル繊維を用いることより、延伸倍率及び引張強力をバ
ランス良く調整されることにより、編立に適したバラン
スのある原糸を用いるということになり、編成されるネ
ットの網糸強力を52本格としては、一般的な数値であ
る49kgより大きくとることが出来るように作用し、こ
れ以外では強力が出にくい。
また中間伸度は5.5%以上ある為、タテ編機での針の
高速挙動に十分追従することが出来るように作用する。
またバック糸とフロント糸の糸長比率は27〜32%の
範囲で、又網の脚部を構成するループ数が網脚1のイン
チ長あたり11〜15個の範囲内の時に比較的安定し
た、網の要求張力であ一般的な網の要求張力である49
kgを得ることが出来るように作用する。
なおループ数が範囲以下では、網構造がルーズになり強
力を保つことが出来ず、又これ以上では構成的に目がつ
まりすぎて網が硬くなり、十分な網の要求張力を得るこ
とが出来ない。
また六角形状、亀甲形状では交差部分の幅が長い為、編
糸が点で接続している形状のものに比べ、6割程度強力
が増すように作用する。
『実施例』 まず請求項1に記載の発明について詳述する。表2はポ
リエステル繊維の引張強度と伸度の関係を示したもので
ある。
この表のAとEらも判るように、糸の引張強度を上げた
だけではネットの網糸強力をえることが出来ず、伸度が
重要な役割を果たすことが判った。即ち伸度についても
少なくとも14%以上必要である。また上限について
は、あまり伸度を出すと原糸引張強度が低下する為、2
0%以下の伸度が必要である。
更に実験の結果からは原糸の引張強度は、少なくとも
8.3g/D以上が良好であった。
またタテ編での針の高速挙動に追従する糸の中間伸度は
5.5%以上は必要である。
次に請求項2記載の発明のポリエステル繊維を用いたタ
テ編機での編立条件について述べる。
編機での編立をするに際し本発明者は編組織でのフロン
ト糸とバック糸との糸長バランスと脚部中のループ数が
網糸強力に大きく影響することを見出した。
第1図(a)はネットの外形、第1図(b)はその編立組織例
を示すものである。
この図に於いて編立組織中1はフロント糸を表し、2は
バック糸を表す。バック糸2はフロント糸と絡んで網糸
強力を出しているが、通常編立機上のビームブレーキを
調整することにより、バランスを決定させる。
但し、前記バランスの解析に際し網組織を実際に解析
し、フロント糸1とバック糸2の原糸にわけ、糸長を実
測し、バック糸長/フロント糸長の比率で表し、バック
糸長/フロント糸長と網強力の関係を測定した結果を第
2図に示す。
ここで上記関係を測定した網材は52本格網を作り測定
したものである。
この結果によれば、バック糸とフロント糸の比率は30
〜31%にピークがみられこれが最良である。ただ計測
にバラツキもあるので少くとも一般的な網の要求張力で
ある49kgを基準とする前記比率は27〜32%の範囲
のバランスで網立てることが良いことが判った。
なお前記52本格網についての付記する。
フロント糸は1本の糸が連絡したループを作りながら構
成されるので、原糸がクロスした形でフロント糸を補強
する為、3Y(フロント)+2X(バック)の関係とな
り、ポリエステル繊維の場合250デニール原糸が1本
格ということになるので、フロント、バックとも250
デニールを使えば、最低5本格の網地が得られる。従っ
て52本格の網の例としてはフロント糸に3000デニ
ール、バック糸に2000デニールで編立てることが出
来る。
第3図は網の脚部を構成するループ数(フロントループ
数)と網強力の関係を測定した結果を示したものであ
る。
この結果からループ数が網脚1のインチ長あたり11〜
15個の範囲内の時に比較的安定した、網の要求張力で
ある49kg以上の強力を保つことが出来た。この範囲以
下では、構成がルーズになり強力を保つこと出来ない。
またこれ以上では構成的に目がつまりすぎて網が硬くな
る為強力が出にくいれる。
このように構成される原糸のフロント、バックのバラン
スと脚部への打込数が網の強力保持の為に重要な要因で
あることが判ったが、この関係がはっきり出る、52本
格から60本格の網に最も適している。
次に網の脚の交差部の大きさと、網強力の関係について
述べる。いま網を横に広げた時に網の外観図である第1
図に於いてAは網の交差部長さとし、又Bは網のタテ方
向に引っ張った場合の長さとし、交差部長の大きさを変
更したに起因す網形状を第4図(a)(b)(c)に示す。
第4図(a)ではその形状はほぼ菱形である。
この時の交差部Aとタテ目Bの比率は0%であり、網強
力は0.62kg/1本格と小さい。
第4図(b)では上記(a)よりやや交差部を長くし、交差部
Aとタテ目Bの比率は4.9%とした例である。この時
網強力は0.96kg/1本格となり(a)に比べ54%も
強力が向上した。
第4図(c)の例では交差部Aとタテ目Bの比率は9.2
%とした例を示すものであるが、この時網強力は1.0
kg/1本格となり(a)に比べ61%も強力が向上した。
上記の関係を第5図に示した。
この図によれば交差部Aとタテ目Bの比率10%以上の
領域で網強力一定値となる。即ちこの比率による網形状
は六角形、亀甲形状となっている。
なお本実施例に示すポリエステル系陸上用ネットは、上
記原糸性能、編立条件のものであれば、目的の高強力ネ
ットをつくることができ、これに後に染色しても良く、
また原液着色糸で製造しても良い。
更に、陸上用、安全ネット用として難燃加工、防炎加工
することについては、通常の加工剤により加工しても、
強力の低下等は殆どないことが判った。例えば燐酸エス
テル系、ハロゲン化燐酸エステル系、ハロゲン化合物、
含燐ポリオール、無機物等いずれの処方でも特に強力に
問題は生じなかった。
ハ『発明の効果』 従来ポリエステル繊維によるタテ編陸上用のネットは、
強力が出ず使用糸の総本数を上げる必要にせまられてい
た為、実用使用において重く扱いにくいものであった
が、本発明による原糸性能、編立条件のもとに、網立て
ると軽量かつ高強力のある陸上用網を提供することが出
来る等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はタテ編により製造した網の外観図、第1図
(b)は同上網の交差部の拡大組織図、第2図はバック糸
長/フロント糸長と網強力の関係を示した説明図、第3
図は網の脚部を構成するループ数と網強力の関係を示し
た説明図、第4図(a)、(b)、(c)はタテ編により交差部
分の長さを変えて製造した網の外観図、第5図は網の交
差部Aとタテ目Bの比率と網強力の関係を示した説明図
である。 1はフロント糸、2はバック糸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引張強度8.3g/D以上、切断伸度が1
    4%から20%の範囲にあり、少なくとも4.5g/D
    の中間伸度が5.5%以上であるポリエステル系繊維を
    用いてタテ編み製網したことを特徴とするポリエステル
    系陸上用ネット。
  2. 【請求項2】請求項1記載する物性を有するポリエステ
    ル系繊維で、タテ編み製網し製造したことを特徴とする
    ポリエステル系陸上用ネットの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載する物性を有するポリエステ
    ル系繊維で、タテ編みネットのフロント糸とバック糸の
    糸長比率が27%から32%の範囲にあって、かつ脚間
    の原糸ループ数が1インチあたり11個から15個の範
    囲に於いて編成して製網したことを特徴とするポリエス
    テル系陸上用ネット。
  4. 【請求項4】編成した形成される形状が六角形、亀甲形
    状とし、網脚部との交差部分を多くすることを特徴とす
    る請求項1、3記載のポリエステル系陸上用ネット。
  5. 【請求項5】請求項1、3、4記載のポリエステル系陸
    上用ネットに於いて、防炎性、難燃性を付与したことを
    特徴とするポリエステル系陸上用ネット。
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