JPH0621376B2 - 研摩用モノフィラメント - Google Patents
研摩用モノフィラメントInfo
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- JPH0621376B2 JPH0621376B2 JP10656084A JP10656084A JPH0621376B2 JP H0621376 B2 JPH0621376 B2 JP H0621376B2 JP 10656084 A JP10656084 A JP 10656084A JP 10656084 A JP10656084 A JP 10656084A JP H0621376 B2 JPH0621376 B2 JP H0621376B2
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- polishing
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- glycol
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は研摩性、強靭性、耐水性、耐薬品性、耐屈曲疲
労性および製糸性がすぐれ、工業用ブラシなどの研摩用
途においてすぐれた効果を発揮する研摩用モノフイラメ
ントに関するものである。
労性および製糸性がすぐれ、工業用ブラシなどの研摩用
途においてすぐれた効果を発揮する研摩用モノフイラメ
ントに関するものである。
（従来技術） 従来から工業用ブラシなどの分野において、砥剤粒子を
含有する合成樹脂から得られるモノフイラメントを用い
ることはよく知られており、この研摩用モノフイラメン
トの素材としては強靭性や紡糸性のすぐれたナイロン
６、ナイロン６６およびナイロン１２などのポリアミド
が主として適用されている。しかるに工業用ブラシを用
いて例えば金属表面を研摩する場合には研摩による発熱
を除去し、さらには研摩面を清浄に保つために、通常は
研摩面に対し水ないしは酸性液を注ぎながら作業を行な
うが、ポリアミドを主体とする研摩用モノフイラメント
は湿潤状態での稼動時に、吸水により膨潤ないしは柔軟
化してその強靭性を失なうため、研摩効果が低下するば
かりか、酸性液におかされて耐久寿命に悪影響を受け易
いという問題がある。したがつてポリアミドを主体とす
る研摩用モノフイラメントを湿潤状態で使用する際に
は、ブラシの回転数を増すとか、押圧力を強めるとかの
省エネルギーおよびブラシの耐久性に反する対策を講ず
る必要があり、さらにはブラシの膨潤や収縮に応じて、
ブラシの毛先や運転条件を調整する必要があるため、作
業が極めて繁雑になる。
含有する合成樹脂から得られるモノフイラメントを用い
ることはよく知られており、この研摩用モノフイラメン
トの素材としては強靭性や紡糸性のすぐれたナイロン
６、ナイロン６６およびナイロン１２などのポリアミド
が主として適用されている。しかるに工業用ブラシを用
いて例えば金属表面を研摩する場合には研摩による発熱
を除去し、さらには研摩面を清浄に保つために、通常は
研摩面に対し水ないしは酸性液を注ぎながら作業を行な
うが、ポリアミドを主体とする研摩用モノフイラメント
は湿潤状態での稼動時に、吸水により膨潤ないしは柔軟
化してその強靭性を失なうため、研摩効果が低下するば
かりか、酸性液におかされて耐久寿命に悪影響を受け易
いという問題がある。したがつてポリアミドを主体とす
る研摩用モノフイラメントを湿潤状態で使用する際に
は、ブラシの回転数を増すとか、押圧力を強めるとかの
省エネルギーおよびブラシの耐久性に反する対策を講ず
る必要があり、さらにはブラシの膨潤や収縮に応じて、
ブラシの毛先や運転条件を調整する必要があるため、作
業が極めて繁雑になる。
一方ポリエステルはポリアミドに比し耐水性が良好であ
り、これを研摩用モノフイラメントに適用することによ
り上記ポリアミドモノフイラメントの欠点が解消できる
と予想されるが、代表的なポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートは剛性が高すぎて、ブラシ用途には
適当でなく、またポリブチレンテレフタレートはポリエ
チレンテレフタレートに比し剛性が低く、ブラシ特性が
すぐれている反面、砥剤粒子との混合物の溶融紡糸性に
問題があり、さらにはモノフイラメントの耐屈曲性およ
び研削特性も劣るという問題がある。
り、これを研摩用モノフイラメントに適用することによ
り上記ポリアミドモノフイラメントの欠点が解消できる
と予想されるが、代表的なポリエステルであるポリエチ
レンテレフタレートは剛性が高すぎて、ブラシ用途には
適当でなく、またポリブチレンテレフタレートはポリエ
チレンテレフタレートに比し剛性が低く、ブラシ特性が
すぐれている反面、砥剤粒子との混合物の溶融紡糸性に
問題があり、さらにはモノフイラメントの耐屈曲性およ
び研削特性も劣るという問題がある。
本発明者らはこれらの欠点を解消した研摩用ポリエステ
ルモノフイラメントの取得を目的として検討した結果、
ベース樹脂として特定の高い溶融粘度を有するポリブチ
レンテレフタレートを用い、これにポリアミドおよび砥
剤粒子の特定量を含有させてなるモノフイラメントがす
ぐれた研摩性、強靭性、耐水性、耐屈曲性および耐薬品
性などを有することを見出し先に提案した（特願昭５８
−９７８８０号（特開昭５９−２２４２６８号））。し
かしながら、その後の検討によれば、このポリブチレン
テレフタレートをベース樹脂とする研摩用モノフイラメ
ントは耐屈曲被労性にいまだに改良の余地があり、とく
に過酷な研摩条件においては、屈曲繰り返し部であるブ
ラシの植毛根元部が脆くなり、この部分を中心に折損し
易いという欠点を残していることが判明した。この耐屈
曲疲労性の問題はブラシの研削条件がきびしくなるほど
一層顕著となり、工業用ブラシ材料としての大きな欠陥
といえる。
ルモノフイラメントの取得を目的として検討した結果、
ベース樹脂として特定の高い溶融粘度を有するポリブチ
レンテレフタレートを用い、これにポリアミドおよび砥
剤粒子の特定量を含有させてなるモノフイラメントがす
ぐれた研摩性、強靭性、耐水性、耐屈曲性および耐薬品
性などを有することを見出し先に提案した（特願昭５８
−９７８８０号（特開昭５９−２２４２６８号））。し
かしながら、その後の検討によれば、このポリブチレン
テレフタレートをベース樹脂とする研摩用モノフイラメ
ントは耐屈曲被労性にいまだに改良の余地があり、とく
に過酷な研摩条件においては、屈曲繰り返し部であるブ
ラシの植毛根元部が脆くなり、この部分を中心に折損し
易いという欠点を残していることが判明した。この耐屈
曲疲労性の問題はブラシの研削条件がきびしくなるほど
一層顕著となり、工業用ブラシ材料としての大きな欠陥
といえる。
（本発明が解決しようとする問題点） そこで本発明者らは上記ポリブチレンテレフタレートを
ベース樹脂とする研摩用モノフイラメントの耐屈曲疲労
性より一層すぐれたものに改良すべく、さらに検討を続
けた結果、ベース樹脂のポリブチレンテレフタレートに
対し配合する他樹脂として上記ポリアミドに代えポリエ
ステルエラストマーを用いることにより、上記のすぐれ
た性能を保持し、しかも耐屈曲疲労性が極めて向上する
と共に、製糸性も改良されて良好な研摩用モノフイラメ
ントが得られることを見出し、本発明に到達した。
ベース樹脂とする研摩用モノフイラメントの耐屈曲疲労
性より一層すぐれたものに改良すべく、さらに検討を続
けた結果、ベース樹脂のポリブチレンテレフタレートに
対し配合する他樹脂として上記ポリアミドに代えポリエ
ステルエラストマーを用いることにより、上記のすぐれ
た性能を保持し、しかも耐屈曲疲労性が極めて向上する
と共に、製糸性も改良されて良好な研摩用モノフイラメ
ントが得られることを見出し、本発明に到達した。
（問題点を解決するための手段） すなわち本発明は溶融粘度が５，０００ポイズ以上のポ
リブチレンテレフタレート７０〜９０重量部およびポリ
エステルエラストマー３０〜１０重量部からなる混合物
に対し、さらに砥剤粒子を１０〜５０重量％含有せし
め、これを溶融紡糸してなる研摩用モノフイラメントを
提供するものである。
リブチレンテレフタレート７０〜９０重量部およびポリ
エステルエラストマー３０〜１０重量部からなる混合物
に対し、さらに砥剤粒子を１０〜５０重量％含有せし
め、これを溶融紡糸してなる研摩用モノフイラメントを
提供するものである。
本発明で用いるポリブチレンテレフタレート（以下ＰＢ
Ｔと略称する。）とは実質的にテレフタル酸またはその
エステル形成性誘導体と１，４−ブタンジオールまたは
そのエステル形成性誘導体とをエステル化またはエステ
ル交換反応した後重縮合することにより得られるポリエ
ステルであり、少割合であればイソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸
などの他のジカルボン酸やエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジオール、ポリアルキレングリコールなどの他のジ
オールを含有することができる。
Ｔと略称する。）とは実質的にテレフタル酸またはその
エステル形成性誘導体と１，４−ブタンジオールまたは
そのエステル形成性誘導体とをエステル化またはエステ
ル交換反応した後重縮合することにより得られるポリエ
ステルであり、少割合であればイソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸
などの他のジカルボン酸やエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジオール、ポリアルキレングリコールなどの他のジ
オールを含有することができる。
また使用するＰＢＴは熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、
着色剤、滑剤、難燃剤および帯電防止剤などの通常の添
加剤を含有することができる。
着色剤、滑剤、難燃剤および帯電防止剤などの通常の添
加剤を含有することができる。
一般にＰＢＴをモノフイラメントに溶融紡糸する際に
は、溶融粘度が３，０００ポイズ以下の比較的低粘度の
ポリマが使用されるが、このような低粘度のＰＢＴに砥
剤粒子を含有させて溶融紡糸を行なうと、上記した如く
紡出ノズルから吐出する溶融ポリマの流出状態が不安定
となり、ダイヤフラムや糸切れを起こすため、安定な溶
融紡糸が遂行し得ない。しかるに本発明は溶融粘度が
５，０００ポイズ以上、とくに８，０００ポイズ以上の
いわゆる溶融紡糸用としての基準を大巾に外れた高粘度
ＰＢＴを使用することを特徴とするものであり、これに
より砥剤粒子とポリマとの親和性が向上して接着剤を使
用せずともすぐれた研削、研摩力を有するモノフイラメ
ントを安定にかつ効果的に溶融紡糸できる。本発明で用
いるＰＢＴの溶融粘度の上限にはとくに制限がないが、
一般に固相重合で得られるＰＢＴの溶融粘度の上限は３
０，０００ポイズ程度であり、またあまり高粘度になる
と溶融紡糸が困難になるため、２５，０００ポイズ以下
のものを用いるのが好ましい。
は、溶融粘度が３，０００ポイズ以下の比較的低粘度の
ポリマが使用されるが、このような低粘度のＰＢＴに砥
剤粒子を含有させて溶融紡糸を行なうと、上記した如く
紡出ノズルから吐出する溶融ポリマの流出状態が不安定
となり、ダイヤフラムや糸切れを起こすため、安定な溶
融紡糸が遂行し得ない。しかるに本発明は溶融粘度が
５，０００ポイズ以上、とくに８，０００ポイズ以上の
いわゆる溶融紡糸用としての基準を大巾に外れた高粘度
ＰＢＴを使用することを特徴とするものであり、これに
より砥剤粒子とポリマとの親和性が向上して接着剤を使
用せずともすぐれた研削、研摩力を有するモノフイラメ
ントを安定にかつ効果的に溶融紡糸できる。本発明で用
いるＰＢＴの溶融粘度の上限にはとくに制限がないが、
一般に固相重合で得られるＰＢＴの溶融粘度の上限は３
０，０００ポイズ程度であり、またあまり高粘度になる
と溶融紡糸が困難になるため、２５，０００ポイズ以下
のものを用いるのが好ましい。
なお本発明でいう溶融粘度とは高化式フローテスターを
用い、圧力２０kg／cm2、口金直径０．５mm、温度２４
０〜２５０℃の条件で測定した値である。
用い、圧力２０kg／cm2、口金直径０．５mm、温度２４
０〜２５０℃の条件で測定した値である。
一方本発明で用いるポリエステルエラストマーとは、ポ
リエステルハードセグメントと数平均分子量約２００〜
６，０００のポリエーテルソフトセグメントからなるポ
リエーテルエステルブロツク共重合体であり、ハードセ
グメントとソフトセグメントの比率が１５〜９０重量％
対８５〜１０重量％のものである。ポリエステルハード
セグメントを形成するジカルボン酸成分としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、２，６−および
１，５−ナフタレンジカルボン酸、ビス（ｐ−カルボキ
シフエニル）メタン、アントラセンジカルボン酸、４，
４′−ジフエニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸、１，４−シクロヘキサンジカルボン酸、シ
クロペンタンジカルボン酸、４，４′−ジシクロヘキシ
ルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸およびアジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマ酸などの脂肪
族ジカルボン酸などが挙げられるが、機械的性質や耐熱
性の点で少なくとも５０モル％以上が芳香族ジカルボン
酸の使用が好ましく、特にテレフタル酸の使用が推奨さ
れる。
リエステルハードセグメントと数平均分子量約２００〜
６，０００のポリエーテルソフトセグメントからなるポ
リエーテルエステルブロツク共重合体であり、ハードセ
グメントとソフトセグメントの比率が１５〜９０重量％
対８５〜１０重量％のものである。ポリエステルハード
セグメントを形成するジカルボン酸成分としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、２，６−および
１，５−ナフタレンジカルボン酸、ビス（ｐ−カルボキ
シフエニル）メタン、アントラセンジカルボン酸、４，
４′−ジフエニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸、１，４−シクロヘキサンジカルボン酸、シ
クロペンタンジカルボン酸、４，４′−ジシクロヘキシ
ルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸およびアジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマ酸などの脂肪
族ジカルボン酸などが挙げられるが、機械的性質や耐熱
性の点で少なくとも５０モル％以上が芳香族ジカルボン
酸の使用が好ましく、特にテレフタル酸の使用が推奨さ
れる。
またハードセグメントを構成するジオール成分としては
炭素数２〜１２の脂肪族もしくは脂環族ジオールすなわ
ちエチレングリコール、プロピレングリコール、１，４
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、１，５−
ペンタンジオール、１，６−ヘキサンジオール、デカメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノールや、ビ
ス（ｐ−ヒドロキシ）ジフエニル、ビス（ｐ−ヒドロキ
シフエニル）メタン、ビス（ｐ−ヒドロキシフエニル）
プロパンなどのビスフエノールおよびそれらの混合物を
用いうるが、特に炭素数２〜８の脂肪族もしくは脂環族
ジオールが好ましく用いられる。
炭素数２〜１２の脂肪族もしくは脂環族ジオールすなわ
ちエチレングリコール、プロピレングリコール、１，４
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、１，５−
ペンタンジオール、１，６−ヘキサンジオール、デカメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノールや、ビ
ス（ｐ−ヒドロキシ）ジフエニル、ビス（ｐ−ヒドロキ
シフエニル）メタン、ビス（ｐ−ヒドロキシフエニル）
プロパンなどのビスフエノールおよびそれらの混合物を
用いうるが、特に炭素数２〜８の脂肪族もしくは脂環族
ジオールが好ましく用いられる。
またポリエーテルソフトセグメントを構成するポリ（ア
ルキレンオキシド）グリコールとはポリエチレングリコ
ール、ポリ（１，３−および１，２−プロピレン）グリ
コール、ポリ（テトラメチレンオキシド）グリコール、
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブ
ロツク共重合体、ポリエチレングリコール−ポリ（テト
ラメチレンオキシド）グリコールランダム共重合体など
であり、特にポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ルが好ましく、もちろんこれらの併用も可能である。こ
れらのポリエーテルグリコールの数平均分子量は約２０
０〜６，０００の範囲である。
ルキレンオキシド）グリコールとはポリエチレングリコ
ール、ポリ（１，３−および１，２−プロピレン）グリ
コール、ポリ（テトラメチレンオキシド）グリコール、
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブ
ロツク共重合体、ポリエチレングリコール−ポリ（テト
ラメチレンオキシド）グリコールランダム共重合体など
であり、特にポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ルが好ましく、もちろんこれらの併用も可能である。こ
れらのポリエーテルグリコールの数平均分子量は約２０
０〜６，０００の範囲である。
上記ポリエステルエラストマーの中でもとくにテレフタ
ル酸、１，４−ブタンジオールおよび数平均分子量が約
３００〜６，０００のポリ（テトラメチレンオキシド）
グリコールからなるものが好ましく使用できる。
ル酸、１，４−ブタンジオールおよび数平均分子量が約
３００〜６，０００のポリ（テトラメチレンオキシド）
グリコールからなるものが好ましく使用できる。
なおポリエステルエラストマーの溶融粘度にはとくに制
限がないが、なかでも１，０００ポイズ以上のものの使
用が望ましい。
限がないが、なかでも１，０００ポイズ以上のものの使
用が望ましい。
上記ＰＢＴとポリエステルエラストマーの混合割合は前
者が７０〜９０重量部、後者が３０〜１０重量部（合計
１００重量部）の割合が適当であり、ポリエステルエラ
ストマーが１０重量部未満では研摩用モノフイラメント
の耐屈曲疲労性が十分改良できず、３０重量部を越える
と研摩用モノフイラメントの耐水性、耐薬品性および強
靭性などが阻害されるため好ましくない。
者が７０〜９０重量部、後者が３０〜１０重量部（合計
１００重量部）の割合が適当であり、ポリエステルエラ
ストマーが１０重量部未満では研摩用モノフイラメント
の耐屈曲疲労性が十分改良できず、３０重量部を越える
と研摩用モノフイラメントの耐水性、耐薬品性および強
靭性などが阻害されるため好ましくない。
本発明で用いる砥剤粒子としてはコークス粉、ボーキサ
イト、アルミナ粉などのアルミナ系研摩剤、白けい石、
鋸粉などの炭化けい素系研摩剤、ダイヤモンド、エメリ
ー、ざくろ石などの天然物系研摩剤、炭化物系研摩剤、
ジルコニア系研摩剤およびガラス系研摩剤などが挙げら
れ、これらは二種以上併用することができる。これら砥
剤粒子の粒子径はＪＩＳＲ６００１（１９５６）で規定
された粘度が＃６０〜１５００、とくに＃８０〜８００
の範囲が適当であり、粒子径が＃６０よりも大きいと紡
糸性やモノフイラメントの強靭性が、また＃１５００よ
りも小さいと研摩性がそれぞれ低下する場合があるため
好ましくない。
イト、アルミナ粉などのアルミナ系研摩剤、白けい石、
鋸粉などの炭化けい素系研摩剤、ダイヤモンド、エメリ
ー、ざくろ石などの天然物系研摩剤、炭化物系研摩剤、
ジルコニア系研摩剤およびガラス系研摩剤などが挙げら
れ、これらは二種以上併用することができる。これら砥
剤粒子の粒子径はＪＩＳＲ６００１（１９５６）で規定
された粘度が＃６０〜１５００、とくに＃８０〜８００
の範囲が適当であり、粒子径が＃６０よりも大きいと紡
糸性やモノフイラメントの強靭性が、また＃１５００よ
りも小さいと研摩性がそれぞれ低下する場合があるため
好ましくない。
本発明において砥剤粒子の添加量はＰＢＴとポリエステ
ルエラストマーとの混合物に対し１０〜５０重量％、と
くに１５〜４０重量％が適当であり、１０重量％未満で
は望ましい研摩効果が得られず、５０重量％を越えると
モノフイラメントの強靭性や溶融紡糸性が低下するため
好ましくない。
ルエラストマーとの混合物に対し１０〜５０重量％、と
くに１５〜４０重量％が適当であり、１０重量％未満で
は望ましい研摩効果が得られず、５０重量％を越えると
モノフイラメントの強靭性や溶融紡糸性が低下するため
好ましくない。
ＰＢＴ、ポリエステルエラストマーおよび砥剤粒子から
なる組成物の調整方法にはとくに制限がなく、たとえば
三者を一挙にドライブレンドするかまたはＰＢＴとポリ
エステルエラストマーの混合物にさらに砥剤粒子を添加
混合して、押出機に供し、ペレツト状で得る方法または
ペレツトを経ずに直接モノフイラメントに成形する方法
などが挙げられる。
なる組成物の調整方法にはとくに制限がなく、たとえば
三者を一挙にドライブレンドするかまたはＰＢＴとポリ
エステルエラストマーの混合物にさらに砥剤粒子を添加
混合して、押出機に供し、ペレツト状で得る方法または
ペレツトを経ずに直接モノフイラメントに成形する方法
などが挙げられる。
モノフイラメントの溶融紡糸は通常のポリエステルの溶
融押出紡糸法に準じ、極めて良好な製糸性のもとに行な
うことができ、溶融紡糸後のモノフイラメントを適宜延
伸および熱固定してさらに強靭性などを付与することも
可能である。
融押出紡糸法に準じ、極めて良好な製糸性のもとに行な
うことができ、溶融紡糸後のモノフイラメントを適宜延
伸および熱固定してさらに強靭性などを付与することも
可能である。
このようにして作られる本発明の研摩用モノフイラメン
トの直径にはとくに制限がなく、モノフイラメントの用
途に応じて紡糸口金直径の変更や延伸条件の設定などに
より、自由に選択できるが、通常は約０．２〜２．０mm
の範囲が適当である。なお本発明の研摩用モノフイラメ
ントは従来のポリアミドと砥剤粒子からなるモノフイラ
メントに比し、小径であつても同等の曲げ硬さを有する
ので、従来よりも細く設定できるため、ブラシを使用す
る際の押圧力や回転数を減少可能で経済的であるばかり
か、研摩面が繊細に仕上るという欠点が得られる。
トの直径にはとくに制限がなく、モノフイラメントの用
途に応じて紡糸口金直径の変更や延伸条件の設定などに
より、自由に選択できるが、通常は約０．２〜２．０mm
の範囲が適当である。なお本発明の研摩用モノフイラメ
ントは従来のポリアミドと砥剤粒子からなるモノフイラ
メントに比し、小径であつても同等の曲げ硬さを有する
ので、従来よりも細く設定できるため、ブラシを使用す
る際の押圧力や回転数を減少可能で経済的であるばかり
か、研摩面が繊細に仕上るという欠点が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳述する。
（実施例１） 溶融粘度６５００のＰＢＴ（東レ（株）製ＣＭ１２０
０）および下記２種のポリエステルエラストマーＡ、Ｂ
を第１表の割合で混合し、これにさらに砥剤粒子として
粒度＃１００の酸化アルミナ質砥剤（昭和電工（株）
製、モランダムＡ−４０）をそれぞれ２０重量％ドライ
ブレンドした。
０）および下記２種のポリエステルエラストマーＡ、Ｂ
を第１表の割合で混合し、これにさらに砥剤粒子として
粒度＃１００の酸化アルミナ質砥剤（昭和電工（株）
製、モランダムＡ−４０）をそれぞれ２０重量％ドライ
ブレンドした。
ポリエステルエラストマーＡ〜ＰＢＴ６０重量部と分子
量１４００のポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ル４０重量部とのブロツク共重合体（溶融粘度；１２０
０） ポリエステルエラストマーＢ〜ＰＢＴ８０重量部と分子
量１０００のポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ル２０重量部とのブロツク共重合体（溶融粘度；１００
０） 次に上記混合物をφ４０mmの溶融押出機に供して溶融混
合し、樹脂温度２７０℃、押出圧力２０kg／cm2、吐出
量１００ｇ／分の条件でノズルより紡出させ、常温の冷
却水浴中で冷却固化後、３５ｍ／分の速度で引取り、１
２０℃の熱風循環浴内で約３．０倍に延伸し、さらに１
５０℃の熱風循環浴内に５秒間通過させ、熱固定するこ
とにより、直径０．５５mmの砥剤粒子含有モノフイラメ
ントを得た。
量１４００のポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ル４０重量部とのブロツク共重合体（溶融粘度；１２０
０） ポリエステルエラストマーＢ〜ＰＢＴ８０重量部と分子
量１０００のポリ（テトラメチレンオキシド）グリコー
ル２０重量部とのブロツク共重合体（溶融粘度；１００
０） 次に上記混合物をφ４０mmの溶融押出機に供して溶融混
合し、樹脂温度２７０℃、押出圧力２０kg／cm2、吐出
量１００ｇ／分の条件でノズルより紡出させ、常温の冷
却水浴中で冷却固化後、３５ｍ／分の速度で引取り、１
２０℃の熱風循環浴内で約３．０倍に延伸し、さらに１
５０℃の熱風循環浴内に５秒間通過させ、熱固定するこ
とにより、直径０．５５mmの砥剤粒子含有モノフイラメ
ントを得た。
得られたモノフイラメントについて次の特性を評価した
結果を第１表に示す。
結果を第１表に示す。
(1)曲げ硬さ 間隔１０mmの二支点間に長さ５０mmのモノフイラメント
をのせ、その中央部に引き抜き荷重を与えた際に、試料
が湾曲し、支点間を抜ける時の最大荷重値。
をのせ、その中央部に引き抜き荷重を与えた際に、試料
が湾曲し、支点間を抜ける時の最大荷重値。
（乾燥）・・・２０℃、湿度６５％の雰囲気中に２４時間
放置後測定 （湿潤）・・・乾燥試料を常温の水中に２４時間浸漬後測
定 (2)屈曲回復率 モノフイラメントを３６０度屈曲させた状態を３分間保
ち、開放１時間後の回復角度（Ｘ゜）を測定してＸ／３
６０×１００で表示する。
放置後測定 （湿潤）・・・乾燥試料を常温の水中に２４時間浸漬後測
定 (2)屈曲回復率 モノフイラメントを３６０度屈曲させた状態を３分間保
ち、開放１時間後の回復角度（Ｘ゜）を測定してＸ／３
６０×１００で表示する。
(3)屈曲疲労回数 固定したモノフイラメントの一端に荷重１．５kgをかけ
て、この荷重側を屈曲角２６０度で１８０回／分往復運
動させ、固定したモノフイラメント根本部が切断するま
での往復運動回数を測定する。
て、この荷重側を屈曲角２６０度で１８０回／分往復運
動させ、固定したモノフイラメント根本部が切断するま
での往復運動回数を測定する。
(4)研削力 巾２００mmのブラシロールに毛丈３．５mmのモノフイラ
メントを植毛して外径２７０mmのブラシを作成し、これ
を用いてラツプ量３mm、９００r.p.m、温水注水の条件
で、鉄板（ＳＳ４１）の表面を５分間研削した際の、鉄
板表面の研削量（μ）を測定する。
メントを植毛して外径２７０mmのブラシを作成し、これ
を用いてラツプ量３mm、９００r.p.m、温水注水の条件
で、鉄板（ＳＳ４１）の表面を５分間研削した際の、鉄
板表面の研削量（μ）を測定する。
(5)延伸性 １２０℃の熱風循環浴内で３．０倍に延伸されたモノフ
イラメントを製造する際の、延伸可能な最大モノフイラ
メント直径（mmφ）を示した。（数値の大きなものほど
延伸適用範囲が大きくて、延伸性良好） 第１表の結果から明らかなようにＰＢＴ//砥剤粒子から
なるモノフイラメント（No.１）は研削性がすぐれてい
るが、耐屈曲疲労性が劣る。しかるにＰＢＴに対し、砥
剤粒子と共にポリエステルエラストマーを特定量配合し
た組成物からなる本発明の研摩用モノフイラメント（N
o.３〜５）は、No.１及びＰＢＴ／ナイロン６／砥剤粒
子からなるモノフイラメント（No.２）に比べて曲げ硬
さ、耐水性、屈曲回復率、耐屈曲疲労性、研削力および
延伸性が均衡にすぐれ、なかでも耐屈曲疲労性の改善効
果が著しい。
イラメントを製造する際の、延伸可能な最大モノフイラ
メント直径（mmφ）を示した。（数値の大きなものほど
延伸適用範囲が大きくて、延伸性良好） 第１表の結果から明らかなようにＰＢＴ//砥剤粒子から
なるモノフイラメント（No.１）は研削性がすぐれてい
るが、耐屈曲疲労性が劣る。しかるにＰＢＴに対し、砥
剤粒子と共にポリエステルエラストマーを特定量配合し
た組成物からなる本発明の研摩用モノフイラメント（N
o.３〜５）は、No.１及びＰＢＴ／ナイロン６／砥剤粒
子からなるモノフイラメント（No.２）に比べて曲げ硬
さ、耐水性、屈曲回復率、耐屈曲疲労性、研削力および
延伸性が均衡にすぐれ、なかでも耐屈曲疲労性の改善効
果が著しい。
ただし、ポリエステルエラストマーの配合量が５０重量
部を越えると（No.７、８）剛性が低下し、逆に１０重
量部未満（No.６）では耐屈曲疲労性が十分改良できな
い。
部を越えると（No.７、８）剛性が低下し、逆に１０重
量部未満（No.６）では耐屈曲疲労性が十分改良できな
い。
（実施例２） 実施例１で得たNo.４のモノフイラメントを１５０本束
ねた回転ブラシを作成し、これを１０００回／分の回転
速度で回転させ、研摩面に注水しながら錆びた鉄板の表
面に押し当てて研摩した結果、鏡面の如き美麗な研摩面
を得ることができ、ブラシの耐久性も極めてすぐれてい
た。
ねた回転ブラシを作成し、これを１０００回／分の回転
速度で回転させ、研摩面に注水しながら錆びた鉄板の表
面に押し当てて研摩した結果、鏡面の如き美麗な研摩面
を得ることができ、ブラシの耐久性も極めてすぐれてい
た。
（発明の効果） 安定で効率的な溶融紡糸により得られる本発明の研摩用
モノフイラメントは強靭で吸水により膨張や収縮を起こ
さず、研摩、研削力、耐屈曲疲労性および製糸性が極め
てすぐれている。
モノフイラメントは強靭で吸水により膨張や収縮を起こ
さず、研摩、研削力、耐屈曲疲労性および製糸性が極め
てすぐれている。
したがつて本発明の研摩用モノフイラメントはこれを結
束、植込み、はり合せ、絡合などによりブラシ形態とな
して、金属、塗装面、木材、石材、コンクリートなどの
表面を研摩、研削するための工業用ブラシや台所用品な
どの一般家庭用ブラシなどに応用され、すぐれた効果を
発揮する。
束、植込み、はり合せ、絡合などによりブラシ形態とな
して、金属、塗装面、木材、石材、コンクリートなどの
表面を研摩、研削するための工業用ブラシや台所用品な
どの一般家庭用ブラシなどに応用され、すぐれた効果を
発揮する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−27024（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−14472（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−4280（ＪＰ，Ａ) 特公 平３−2632（ＪＰ，Ｂ１)
Claims (1)
- 【請求項１】溶融粘度が５，０００ポイズ以上のポリブ
チレンテレフタレート７０〜９０重量部およびポリエス
テルエラストマー３０〜１０重量部からなる混合物に対
し、さらに砥剤粒子を１０〜５０重量％含有せしめ、こ
れを溶融紡糸してなる研摩用モノフィラメント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10656084A JPH0621376B2 (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | 研摩用モノフィラメント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10656084A JPH0621376B2 (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | 研摩用モノフィラメント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60252715A JPS60252715A (ja) | 1985-12-13 |
| JPH0621376B2 true JPH0621376B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=14436694
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10656084A Expired - Fee Related JPH0621376B2 (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | 研摩用モノフィラメント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0621376B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5571296A (en) * | 1992-03-19 | 1996-11-05 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method of making composite abrasive filaments |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| TW307801B (ja) * | 1992-03-19 | 1997-06-11 | Minnesota Mining & Mfg | |
| JP4189536B2 (ja) * | 2002-10-02 | 2008-12-03 | 東レ・モノフィラメント株式会社 | 研磨用モノフィラメント |
| KR102508225B1 (ko) * | 2021-02-17 | 2023-03-10 | 하이테크필라 주식회사 | 재생 열가소성 폴리에스테르 엘라스토머(tpee)를 이용한 모노 필라멘트 원사의 제조방법 |
-
1984
- 1984-05-28 JP JP10656084A patent/JPH0621376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5571296A (en) * | 1992-03-19 | 1996-11-05 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method of making composite abrasive filaments |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60252715A (ja) | 1985-12-13 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |