JPH06213236A - 気体軸受 - Google Patents

気体軸受

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JPH06213236A
JPH06213236A JP20568993A JP20568993A JPH06213236A JP H06213236 A JPH06213236 A JP H06213236A JP 20568993 A JP20568993 A JP 20568993A JP 20568993 A JP20568993 A JP 20568993A JP H06213236 A JPH06213236 A JP H06213236A
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gas bearing
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carbon graphite
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Kazuya Sawaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転中の予期しない過負荷等による焼付きや
かじりを防ぐ。 【構成】 ロータR1 は、中空軸1とその両端に結合さ
れた一対のスラストプレート2,3からなり、軸受ハウ
ジングH1 の各ラジアル軸受パッド5a,5bおよび各
スラスト軸受パッド6,7から噴出される気体の圧力に
よって非接触で支持される。中空軸1の軸受面1aおよ
び各スラストプレート2,3の軸受面2a,3aはそれ
ぞれアルミナ(Al23 )の被膜9〜11によって被
覆されており、また、各ラジアル軸受パッド5a,5b
および各スラスト軸受パッド6,7はカーボングラファ
イトによって作られている。アルミナおよびカーボング
ラファイトは表面エネルギーが小であり、かつ、両者の
界面エネルギーが大であるため、ロータR1 と各ラジア
ル軸受パッド5a,5bまたは各スラスト軸受パッド
6,7が接触したときの摩擦を低減し、摩擦熱や摩耗粒
子の発生を軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受間隙の気体の静圧
または動圧によって、回転軸等の移動部材を非接触で支
持する気体軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に静圧気体軸受および動圧気体軸受
等の気体軸受は、摩擦抵抗が少いために回転軸等の移動
部材が軽く滑かに動き、加えて、オイル等の潤滑剤を必
要としないために雰囲気を汚染するおそれもない。従っ
て、高精度を必要とし、かつ塵を嫌う精密工作機械や半
導体露光装置あるいは15,000r.p.m以上の高
速回転を行うレーザビームプリンタの回転多面鏡の駆動
モータやVTRヘッド駆動モータ、ジャイロ用モータ等
の軸受部分に広く利用されている。
【0003】一般に、静圧気体軸受はその軸受間隙に気
体を噴出する絞りを有し、該絞りは、図6に示すよう
に、移動部材51の軸受面51aおよびこれに対向する
軸受面52aの少くとも一方に1個あるいは複数の小孔
55を設けた自成絞り形や、図7に示すようなオリフィ
ス65を設けたオリフィス絞り形や、図8に示すような
軸受面に沿ってのびる浅溝75を設けた表面絞り形や、
図9に示すような多孔質パッド85を用いた多孔質絞り
形などがあり、自成絞り形、オリフィス絞り形および表
面絞り形の絞りを有する軸受面は、加工しやすいという
点から軟質な銅合金によって形成され、多孔質絞り形の
場合は、多孔質パッドの材料に銅合金、超硬合金、カー
ボン系材料、あるいは多孔質セラミック等が用いられ
る。このような静圧気体軸受の互に対向する軸受面の間
の軸受間隙は、数マイクロメータから十数マイクロメー
タと極めて狭いため、運転中の予期しない過負荷や供給
される気体の圧力不足などによって、前記軸受面が互に
接触し、摩擦による発熱や摩耗粉末の発生等によってか
じりや焼付きを生じる。
【0004】また、動圧気体軸受は、一般に、図10に
示すように、円筒状のスリーブ94とその内側に固着さ
れたスラスト軸受部材92を有する軸受ハウジングH0
と、スリーブ94内に嵌挿された回転軸91からなり、
回転軸91は図示しないモータによって回転されるロー
タと一体であり、回転軸91の軸受面91aにはスパイ
ラル状の溝91bが設けられ、また、回転軸91の端面
91cはスラスト軸受部材92に向って球面状に突出し
ている。回転軸91とスリーブ94の間の軸受間隙の寸
法は2ないし10マイクロメータであり、回転軸91が
回転すると、前記軸受間隙の空気が回転軸91の溝91
bに沿って流動し、その動圧によって回転軸91がスリ
ーブ94に対して非接触で支持されるとともに、回転軸
91の端面91cがスラスト軸受92から浮上する。な
お、スラスト軸受部材92は前記動圧を調整するための
貫通孔98を有する。
【0005】回転軸91は通常SUS420等の焼入れ
を行ったステンレス材によって作られており、スラスト
軸受部材92は自己潤滑性のある樹脂、例えば、ポリア
セタール等が用いられる。しかしながら前述の樹脂は加
工性が悪く所望の精度を得るのが難しいうえに、多量の
摩耗粉末が発生する傾向がある。
【0006】一般に、互に接触する2つの表面の摩擦
は、両者の原子や分子が力を及ぼし合って結合する力
(以下、「凝着力」という。)に起因するもので、その
大きさ(以下、「摩擦力」という。)Fs は、このよう
に両表面の原子や分子が力を及ぼし合って凝着力が発生
する面(以下、「真実接触面」という。)の大きさAr
に比例し、以下の式で表わされる。
【0007】Fs =s・Ar ・・・・・・・・(1) ここで、s:材料の単位面積あたりの剪断力 真実接触面の大きさAr は、荷重Wと、硬度の低い方の
表面の硬度Hの比で表わされるものであるから、(1)
式は以下のように表わされる。
【0008】Fs =s・W/H・・・・・・・(2) 摩擦力Fs が一方の表面の材料強度を越えると、摩耗粉
末が発生する。気体軸受においては、このような摩耗粉
末が互に付着して大きな粒子に成長すると、軸受間隙が
減少して焼付きやかじりを発生する。また、摩擦熱によ
って軸受面や摩擦粉末が溶融し、このために焼付きを起
こしたり、軸受精度が低下するおそれもある。
【0009】摩擦力Fs を小さくするには、(2)式か
ら解るように、各軸受面に硬度の高い材料を用いるとよ
い。そこで、回転軸等の移動部材をセラミック材料で作
成するとともに、セラミック材料の粉末を焼成した多孔
質パッドを用いた静圧気体軸受(特開昭62−2851
9号公報参照)や、回転軸の表面をイオンプレーティン
グによるちっ化チタン(TiN)の薄膜で被覆するとと
もに、多孔質グラファイトによって作成された多孔質パ
ッドを用いる静圧気体軸受(特開昭63−186030
号公報参照)が開発された。
【0010】また、回転軸と軸受ハウジングの軸受面の
材料を超硬合金とセラミックの組合わせとした動圧気体
軸受(特開昭60−179517号公報参照)も開発さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、軸受面が接触したときの摩擦を充分低
減できないうえに、セラミック材料で作られた多孔質パ
ッドは、セラミック粒子の結合力が弱いために極めて摩
耗しやすく、摩耗粒子が高硬度であるために多孔質パッ
ドに対向する軸受面が損傷され、軸受精度を低下させる
おそれがある。
【0012】また、回転軸の表面をイオンプレーティン
グによるちっ化チタンの薄膜で被覆する方法は、薄膜の
膜厚が数ミクロン(1〜5μm程度)であるため円筒面
に均一な薄膜を設けることが困難であり、かつ機械的方
法による膜厚の修正も難しい。
【0013】さらに、軸受面に超硬合金等の金属を使用
すると、これらは化学的活性度が高いために軸受面が接
触したときの摩擦を充分低減できない。
【0014】本発明は上記従来の技術の未解決の課題に
鑑みてなされたものであり、運転中の予期しない過負荷
や供給される気体の圧力不足または運転速度の低下等に
よって互に対向する軸受面が接触したときの摩擦を大幅
に低減し、焼付きやかじり、あるいは軸受精度の低下を
容易に防ぐことのできる気体軸受を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の気体軸受は、移動部材とこれに対向する支
持部材の間に気体を噴出し、該気体の静圧によって前記
移動部材を非接触で支持する気体軸受であって、前記移
動部材と前記支持部材のそれぞれの少くとも他方に対向
する表面がそれぞれ表面エネルギーの小さい材料で作ら
れており、かつ、これらの材料が両者が互に凝着したと
きの界面エネルギーの大きい組合わせであることを特徴
とする。
【0016】一方の表面が気体を噴出する多孔質体の表
面であり、他方の表面が、前記多孔質体より硬度の高い
材料で作られているとよい。
【0017】また、回転部材とこれに対向する支持部材
の少くとも一方に動圧発生用の溝を有する気体軸受であ
って、前記移動部材と前記支持部材のそれぞれの少くと
も他方に対向する表面がそれぞれ表面エネルギーの小さ
い材料で作られており、かつ、これらの材料が、両者が
互に凝着したときの界面エネルギーの大きい組合わせで
あることを特徴とする。
【0018】
【作用】上記装置によれば、移動部材または回転部材が
支持部材と接触したときの摩擦を大幅に低減できる。そ
の理由は以下の通りである。
【0019】互に凝着する2つの物体をその凝着力に抗
して分離するのに必要な単位面積あたりの仕事量γ0
以下の式で表わされる。
【0020】 γ0 =γ1 +γ2 −γ12・・・・・・・・(3) ここで、γ1 ,γ2 :各物体の表面エネルギー γ12:両物体間の界面エネルギー (3)式から、両物体のそれぞれの表面エネルギーが小
さい程、また、両物体の界面エネルギーが大きい程、両
者を分離するのに要する力は少くなる。すなわち、両物
体の凝着力が小さくなる。そこで、移動部材または回転
部材と支持部材のそれぞれの少くとも他方に対向する表
面を構成する材料にそれぞれの表面エネルギーが小さく
て、両者の界面エネルギーの大きい組合わせのものを選
定すれば、移動部材または回転部材と支持部材の凝着力
を大幅に低減できる。一方の表面が多孔質体の表面であ
り、他方の表面が前記多孔質体より硬度の高い材料で作
られていれば、多孔質体の摩耗粒子が他方の表面を損傷
するおそれがない。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0022】図1は第1実施例を示す模式断面図であっ
て、本実施例の静圧気体軸受E1 は、円筒状の軸受面1
aを有する中空軸1と、その両端のそれぞれに、図示し
ないボルト等によって固着されたスラストプレート2,
3からなる移動部材であるロータR1 と、これを非接触
で回転自在に支持する支持部材である軸受ハウジングH
1 からなり、軸受ハウジングH1 の本体4は、ロータR
1 の中空軸1の表面である軸受面1aに対向する表面を
有する一対の多孔質体であるラジアル軸受パッド5a,
5bと、各スラストプレート2,3の表面である軸受面
2a,3aに対向する表面を有する多孔質体であるスラ
スト軸受パッド6,7を保持し、ラジアル軸受パッド5
a,5bおよびスラスト軸受パッド6,7は焼きばめや
接着等によって軸受ハウジングH1 の本体4に固着され
る。図示しない加圧気体供給源から供給される加圧気体
は、軸受ハウジングH1 の本体4に設けられた加圧気体
供給孔8a,8bを経て分配流路8cに導入され、各ラ
ジアル軸受パッド5a,5bおよび各スラスト軸受パッ
ド6,7に分配供給され、それぞれに対向する軸受面1
a,2a,3aに向って噴出されたのち、軸受面2a,
3aの外周および軸受ハウジングH1 の本体4を径方向
に貫通する排出孔8dを経て排出される。中空軸1およ
び各スラストプレート2,3はそれぞれ金属材料によっ
て作られており、各軸受面1a,2a,3aは、図2に
拡大して示すように、セラミック材料であるアルミナ
(Al23 )の被膜9,10,11によって被覆され
ている。また、各ラジアル軸受パッド5a,5bおよび
各スラスト軸受パッド6,7はカーボングラファイトで
作られている。
【0023】アルミナは主にイオン結合によって結合さ
れた材料であり、また、カーボングラファイトは共有結
合およびファン・デル・ワールス力によって結合された
材料である。従って、金属に比べるとそれぞれの材料の
表面エネルギーが極めて小さく、かつ、両材料の界面エ
ネルギーが大きいために両者の凝着力が極めて小さい。
また、アルミナおよびカーボングラファイトの硬度はそ
れぞれKNH252000(Hv2000に相当する)、
ショア67(Hv520程度)であり、従って、両者の
真実接触面積も比較的小さいために、ロータR1 の各軸
受面1a,2a,3aとこれに対向するラジアル軸受パ
ッド5a,5b、スラスト軸受パッド6,7が接触した
ときの摩擦は大幅に軽減される。さらに、カーボングラ
ファイトは結晶面のすべりによる自己潤滑性と耐摩耗性
にすぐれており、これらによる摩擦も小さいために摩擦
の発生も一層大幅に軽減できるという利点もある。加え
て、カーボングラファイトの摩擦によって発生する摩耗
粉末の粒子硬度もアルミナの硬度よりはるかに低いため
に、摩耗粉末によって各軸受面1a,2a,3aが損傷
されるおそれはない。なお、中空軸1および各スラスト
プレート2,3は前述のように金属材料で作られてお
り、それぞれのアルミナの被膜9,10,11は、溶射
によって形成された溶射膜であり、機械加工等による寸
法の修正も容易である。
【0024】また、各軸受面1a,2a,3aの被膜
9,10,11の材料は、アルミナに替えて、酸化クロ
ム(Cr23 )等の他の酸化物セラミックや、より凝
着力の小さい炭化珪素(SiC)等の炭化物セラミッ
ク、あるいはちっ化珪素(SiN)等のちっ化物セラミ
ックでもよい。
【0025】さらに、本実施例は、加圧気体の絞りに多
孔質体の軸受パッドを用いるものであるが、前述の自成
絞り形、オリフィス絞り形、表面絞り形等にも適用でき
ることは言うまでもない。
【0026】図3は、第2実施例を示す模式断面図であ
って、本実施例の静圧気体軸受E2は、中空軸21とそ
の両端のスラストプレート22,23からなる移動部材
であるロータR2 と、多孔質体であるラジアル軸受パッ
ド25a,25bおよびスラスト軸受パッド26,27
を保持する支持部材である軸受ハウジングH2 からな
り、軸受ハウジングH2 の本体24には加圧気体供給孔
28a,28b、分配流路28cおよび排気孔28dが
設けられている。
【0027】ロータR2 の中空軸21と各スラストプレ
ート22,23は、アルミナ等のセラミック材料によっ
て一体的に作成されている。従って、各ラジアル軸受パ
ッド25a,25bおよび各スラスト軸受パッド26,
27に対向するロータR2 の表面である軸受面21a,
22a,23aにはアルミナ等のセラミック材料の被膜
を必要としない。その他の点は、第1実施例と同様であ
るので説明は省略する。
【0028】図4は第3実施例を示す模式断面図であっ
て、本実施例の動圧気体軸受E3 は、円筒状のスリーブ
34にカーボングラファイトで作られたラジアル軸受部
材35とスラスト軸受部材32を焼きばめや接着によっ
て固着した支持部材である軸受ハウジングH3 を有し、
ラジアル軸受部材35の表面であるラジアル軸受面35
aとスラスト軸受部材32の表面であるスラスト軸受面
32aは精度よく仕上げられており、また、スラスト軸
受部材32はその中央に貫通孔38を有する。軸受ハウ
ジングH3 の軸受面によって支持される回転部材である
回転軸31は、図示しないモータによって回転されるロ
ータと一体であり、回転軸31の表面である円筒面31
aはスリーブ34のラジアル軸受面35aに対向し、ま
た回転軸31の球面状に突出する端面31cはスラスト
軸受部材32のスラスト軸受面32aに対向する。回転
軸31の円筒面31aと端面31cの表面にはセラミッ
ク材料であるアルミナの被膜39が施されており、該被
膜39の回転軸31の円筒面31aの表面を覆う部分に
はスパイラル状の溝31bが形成されている。
【0029】前述のモータによって回転軸31が高速回
転されると、ラジアル軸受部材35と回転軸31の間の
空気が溝31bに巻きこまれてスラスト軸受部材32に
向って流動し、その動圧によって回転軸31がラジアル
軸受部材35に非接触で支持されるとともに、回転軸3
1の端面31cとスラスト軸受部材32の間の空気が加
圧されて回転軸31の端面31cがスラスト軸受部材3
2から浮上する。回転軸31とスラスト軸受部材32の
間の空気の圧力は、その一部分をスラスト軸受部材32
の貫通孔38から逃がすことで適正な値に調節される。
【0030】回転軸31の回転速度が低下したり、回転
軸31の回転が停止したときは、回転軸31の球面状の
端面31cの最も突出した部分がスラスト軸受部材32
に接触し、また、回転軸31の円筒面31aの一部分が
ラジアル軸受部材35のラジアル軸受面35aに接触す
る。しかしながら、前述のように、回転軸31の円筒面
31aと端面31cの表面はアルミナが被膜されてお
り、これらに対向する軸受ハウジングH3 のラジアル軸
受面35aとスラスト軸受面32aはカーボングラファ
イトで作られているため、両者の表面エネルギーは極め
て小さいうえに、これらが互に接触したときの界面エネ
ルギーは大であり、従って、両者の凝着力が極めて小さ
い。さらに前述のように、アルミナとカーボングラファ
イトが接触したときの真実接触面積も小であるため、回
転軸31がラジアル軸受部材35やスラスト軸受部材3
2に接触しても両者の間に大きな摩擦を生じるおそれは
ない。また、カーボングラファイトは結晶面のすべりに
よる自己潤滑性と耐摩擦性にすぐれており、その結果、
回転軸31の始動、停止を頻繁に行っても、あるいは回
転軸31の回転速度がたびたび低下することがあって
も、多量の摩耗粉末を発生したり、摩擦熱による焼付き
やかじりを起すおそれはない。
【0031】なお、本実施例においては回転軸の表面に
動圧発生用の溝が設けられているが、同様の溝をラジア
ル軸受部材の軸受面に設けてもよい。
【0032】図5は、第4実施例を示す模式断面図であ
って、本実施例の動圧気体軸受E4は、第3実施例と同
様の回転部材である回転軸41全体がセラミック材料で
あるアルミナによって作られており、その表面である円
筒面41aにスパイラル状の溝41bが形成されてい
る。スリーブ44、ラジアル軸受部材45およびスラス
ト軸受部材42については第3実施例のスリーブ34、
ラジアル軸受部材35およびスラスト軸受部材32とそ
れぞれ同様であるので説明は省略する。本実施例は回転
軸41全体がアルミナで作られているため、その表面に
アルミナの被膜を設ける必要はない。その他の点は第3
実施例と同様であるので説明は省略する。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0034】気体軸受において、互に対向する軸受面が
接触したときの摩擦を大幅に軽減し、運転中の予期しな
い過負荷や供給される気体の圧力不足あるいは運転速度
の低下等による焼付きやかじり、あるいは軸受精度の低
下を容易に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す模式断面図である。
【図2】図1の装置の一部分を拡大して示す部分拡大断
面図である。
【図3】第2実施例を示す模式断面図である。
【図4】第3実施例を示す模式断面図である。
【図5】第4実施例を示す模式断面図である。
【図6】従来の静圧気体軸受の加圧気体を噴出する絞り
の形式の一つである自成絞り形を説明する説明図であ
る。
【図7】従来の静圧気体軸受の加圧気体を噴出する絞り
の形式の一つであるオリフィス絞り形を説明する説明図
である。
【図8】従来の静圧気体軸受の加圧気体を噴出する絞り
の形式の一つである表面絞り形を説明する説明図であ
る。
【図9】従来の静圧気体軸受の加圧気体を噴出する絞り
の形式の一つである多孔質絞り形を説明する説明図であ
る。
【図10】動圧気体軸受の従来例を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ,R2 ロータ H1 ,H2 ,H3 軸受ハウジング 1,21 中空軸 2,3,22,23 スラストプレート 4,24 本体 5a,5b,25a,25b ラジアル軸受パッド 6,7,26,27 スラスト軸受パッド 9〜11,39 被膜 31,41 回転軸 31b,41b 溝 32,42 スラスト軸受部材 35,45 ラジアル軸受部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動部材とこれに対向する支持部材の間
    に気体を噴出し、該気体の静圧によって前記移動部材を
    非接触で支持する気体軸受であって、前記移動部材と前
    記支持部材のそれぞれの少くとも他方に対向する表面が
    それぞれ表面エネルギーの小さい材料で作られており、
    かつ、これらの材料が、両者が互に凝着したときの界面
    エネルギーの大きい組合わせであることを特徴とする気
    体軸受。
  2. 【請求項2】 一方の表面が気体を噴出する多孔質体の
    表面であり、他方の表面が、前記多孔質体より硬度の高
    い材料で作られていることを特徴とする請求項1記載の
    気体軸受。
  3. 【請求項3】 回転部材とこれに対向する支持部材の少
    くとも一方に動圧発生用の溝を有する気体軸受であっ
    て、前記移動部材と前記支持部材のそれぞれの少くとも
    他方に対向する表面がそれぞれ表面エネルギーの小さい
    材料で作られており、かつ、これらの材料が、両者が互
    に凝着したときの界面エネルギーの大きい組合わせであ
    ることを特徴とする気体軸受。
  4. 【請求項4】 一方の表面がカーボングラファイトで作
    られており、他方の表面が、前記カーボングラファイト
    より高い硬度をもつセラミック材料で作られていること
    を特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の気体
    軸受。
  5. 【請求項5】 一方の表面がカーボングラファイトで作
    られており、他方の表面が、前記カーボングラファイト
    より高い硬度をもつセラミック材料の被膜の表面である
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の
    気体軸受。
  6. 【請求項6】 被膜が溶射膜であることを特徴とする請
    求項5記載の気体軸受。
  7. 【請求項7】 セラミック材料が、炭化物セラミック、
    ちっ化物セラミックおよび酸化物セラミックのいずれか
    であることを特徴とする請求項4ないし6いずれか1項
    記載の気体軸受。
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Cited By (2)

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