JPH0621304B2 - 超塑性用アルミニウム合金の改良方法 - Google Patents

超塑性用アルミニウム合金の改良方法

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JPH0621304B2
JPH0621304B2 JP61083091A JP8309186A JPH0621304B2 JP H0621304 B2 JPH0621304 B2 JP H0621304B2 JP 61083091 A JP61083091 A JP 61083091A JP 8309186 A JP8309186 A JP 8309186A JP H0621304 B2 JPH0621304 B2 JP H0621304B2
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忠一 大西
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、超塑性用アルミニウム合金の改良方法、更
に詳しくは超塑性用アルミニウム合金の塑性加工時にお
いて内部にキャビティが発生するのを防止し、もって機
械的強度が低下するのを防止するための改良方法に関す
る。
従来の技術と問題点 一般に、アルミニウム合金について「超塑性」というの
は、所定の条件での最大の伸びが300%以上であり、
又は加工硬化指数M値が0.3以上であるようなものを
指称して用いられる。上記の所定の条件とは、合金系で
異なるが、慨ね温度400〜550℃、歪速度10-2
10-4/secである。
ところで、従来、このような所謂超塑性を示すアルミニ
ウム合金としては、例えばAl−Cu系、Al−Mg
系、Al−Si系、Al−Zn系、Al−Zn−Mg
系、更にはAl−Ni系、Al−Ca系等の各種の合金
が知られている。これらのアルミニウム合金の超塑性
は、組織を平均結晶粒径約10μmの微細な等軸結晶粒
組織にし、しかも高温で粒成長が生じないように高温で
安定な析出物による粒成長の防止をはかるべく工夫する
ことによって主に達成されているものである。このよう
な考え方に基づくものとして、なかでも、SUPRAL
の名称で知られているAl−6Cu−0.4Zr合金
は、温度500℃、歪速度10-3/secの引張り試験に
おいて、1000%近い伸び率が得られる旨が過去に報
告されている。このような超塑性を示す変形機構の詳細
は未だ充分に解明されていないが、従来の超塑性用アル
ミニウム合金に通有の問題点の1つとして、成形変形量
が大きくなればなるほど、高変形中に合金内に多くのキ
ャビティが発生し、このキャビティの発生に起因して成
形品の機械的性質が劣化する傾向を示すことが知られて
いる。ちなみに、前記SUPRAL合金では、変形前に
較べて、変形後は強度が約半分以下に低下することが分
かっている。このため、超塑性アルミニウム合金の超塑
性加工によって製作される成形品は、強度劣化によりそ
の用途範囲が制約されるという問題点あった。
この発明は、このような問題点に鑑み、超塑性用アルミ
ニウム合金の超塑性加工成形品について、その機械的強
度の劣化を防止するべく、加工変形中のキャビティの発
生を防止ないし抑制しうるものとなしうる超塑性用アル
ミニウム合金の改良方法を提供することを目的とする。
問題点を解決する為の手段 上記の目的において本発明者らは、種々実験と研究の結
果、超塑性加工時のキャビティの発生は、予測したとお
り主に合金中に発生する水素による影響が大であると、
そして又、合金中に希土類元素を添加すると、所要の超
塑性を確保しつつ、希土類元素が水素と結合してそれを
吸収し、キャビティの発生を顕著に抑制しうることを見
出すに至り、本発明を完成した。
而して、この発明は、超塑性用アルミニウム合金の塑性
加工時におけるキャビティの発生を防止するための改良
方法であって、基本的には該アルミニウム合金に、希土
類元素のうちの1種または2種以上を0.05〜10%
の範囲に添加含有せしめることを特徴とするものであ
り、更にはまた合金系の種類によりZr、Cr、Mnの
うちの少なくとも1種以上を0.05〜0.7%の範囲
で添加含有せしめた上にこれと共存せしめて上記希土類
元素を添加含有せしめることを特徴とする、超塑性用ア
ルミニウム合金の改良方法を要旨とする。
なお、この明細書において合金の化学組成に用いる
「%」はいずれも重量%を示すものである。
この発明において、ベース合金として用いられるアルミ
ニウム合金は、主としてそれ自体が超塑性を有するアル
ミニウム合金、即ち例えばAl−Cu系、Al−Mg
系、Al−Si系、Al−Zn系、Al−Zn−Mg
系、Al−Ni系、Al−Ca系、Al−Pd系等の超
塑性用アルミニウム合金である。これらの超塑性用アル
ミニウム合金は、文献として昭和57年10月の軽金属
学会第21回シンポジウム「機能アルミニウム材料」に
おいて配付された松本賢司著にかかる論文「超塑性用ア
ルミニウム合金の特性と利用技術」中の第1表に記載さ
れているようなものである。即ち、例えばAl−Cu系
合金においてはCuの含有量が概ね5.0〜35.0%
程度の範囲であり、具体的な合金としては、例えばAl
−6Cu−0.5Zr、Al−17Cu、Al−33C
u、Al−25Cu−11Mg、Al−33Cu−7M
g、Al−25.2Cu−5.2Si等を挙げることが
できる。また、Al−Mg系合金のMg含有量は、概ね
4.0〜9.0%程度の範囲であり、具体的な合金とし
ては例えばAl−5.8Mg−0.37Zr−0.07
Cr−0.16Mn、Al−4.6Mg、Al−8.2
Mg−4.7Si、Al−6.5Mg−7.25Si等
が挙げられる。また、AL−Ni系合金の場合、Ni含
有量は概ね5〜6%程度であり、具体的な合金として例
えば、Al−5.2Ni−0.38Zr、Al−5.2
Ni−1.04Cu−0.4Zr、Al−5.38Ni
−3.97Cu−0.4Zr、Al−5.34Ni−
4.12Cu−0.51Mg−0.43Zr等を挙げる
ことができる。更に、Al−Si系合金としては例えば
Al−11.7、Al−Zn系合金としてはAl−10
Zn−0.5Zr、Al−Zn−Mg系合金としては、
Al−5.6Zn−1.5Mg−0.41Zn、Al−
10.72Zr−0.93Mg−0.42Zr、Al−
Ca系合金としては例えばAl−7.6Ca、Al−5
Ca−5Zn等を挙げることができる。
希土類元素は、上記ベース合金中に含有せしめることに
より、合金の超塑性変形中のキャビティの発生原因とす
る水素を吸収し、成形品の機械的強度が低下するのを防
止するものである。この希土類元素は、原子番号57か
ら71までの15元素にY、Scを加えた17元素であ
るが、これらの元素は必ずしも単独で用いる必要はな
く、2種以上を同時に用いても良いし、もともと複数の
希土類元素を含んでなるミッシュメタルを用いても良
い。入手のし易さから工業的には後掲の実施例に示され
るように、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm等を好都
合に使用することができる。上記の希土類元素は、本発
明の目的に対していずれも相互に同等の作用を呈するも
のあり、実質的に均等物として評価しうるものである
が、その1種または2種以上の合金中の含有量が総量と
して0.05%未満では合金のキャビティ発生防止効果
に不充分であり、10%をこえると合金の延性を低下さ
せる傾向を示すため好ましくない。最も好適な添加量な
いし含有量は、経済性も考慮した場合0.5〜5.0%
程度の範囲である。
Zr、Cr、Mnは、特にベース合金が非共晶系のアル
ミニウム合金である場合、即ち例えば、Al−Mg系、
Al−Zn系等の合金である場合において、上記ベス合
金に新たに添加し、あるいはベース合金中の含有量を調
整することによってそれらのうちの少なくとも1種以上
を総量で0.05〜0.7%の範囲になるように添加し
含有せしめるものである。これらの元素はいずれも良く
知られているように微細結合粒組織をつくるのに有効な
もをであり、相互にその作用の面で均等性を有する。し
かもそれらの析出物は高温下に安定であって、超塑性の
保持のために必須の含有成分とするものである。それら
の含有量が0.05%未満では上記の効果が得られず、
0.7%をこえると合金の延性が低下する。
発明の効果 この発明に係る改良方法によれば、超塑性アルミニウム
合金について、それに所定量の希土類元素を、あるいは
また合金の種類に応じて希土類元素とともに微細化元素
として機能するZr、Cr、Mnのうちの少なくとも1
種以上を所定量添加含有せしめるものとしたことによ
り、良好な超塑性を維持しながら、超塑性加工時に合金
内部にキャビティが生成されるのを防止することが可能
となる。そのため、成形後の成形製品において、成形前
の合金のもつ機械的強度を格別劣化せしめることなく良
好に保持せしめることができ、ひいては成形製品の強度
向上によりその用途範囲を増大しうる効果を奏する。
実施例 第1表に示すように、Al−Cu系、Al−Mg系、A
l−Zn系、Al−Si系等の各種の超塑性用ないしは
一般のアルミニウム合金をベースとして、これにY、L
a、Ce、Pr、Nd、およびSmのなかから選ばれた
1種または2種以上の希土類元素を、0〜6%の範囲に
おいて添加量を各種に変えて添加した数種のアルミニウ
ム合金をつくり、該合金を直径75mmのビレットに金型
鋳造したのち、450℃において厚5mm、幅30mmの大
きさに押出し成形した。次いで、この押出材を400℃
で焼鈍したのち、厚さ1mmに冷間圧延し、更に400℃
で焼鈍したものを試料とした。
そして、この各試料につき、温度500℃、歪速度10
-3/secの条件による引張り試験を行ない、全伸び値を
測定すると共に、そのときの結晶粒径、及びキャビティ
の発生の有無を調べた。その結果を第2表に示す。
上記第2表の結果により、アルミニウム合金に希土類元
素を用すればZrの存在下に添加したこの発明の改良方
法によるときは、比較的に示すような従来品相当の超塑
性アルミニウム合金に較べ、キャビティの発生防止効果
に優れたものであり、従って成形品において機械的性質
の劣化しないものとなしうること、しかも組織において
結晶粒が微細であり、伸びも従来品と同等程度に良好に
維持しうるものであることを確認し得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超塑性用アルミニウム合金の塑性加工時に
    おけるキャビティの発生を防止するための改良方法であ
    って、 超塑性アルミニウム合金に、希土類元素のうちの1種ま
    たは2種以上を0.05〜10%の範囲に添加含有せし
    めることを特徴とする、超塑性用アルミニウム合金の改
    良方法。
  2. 【請求項2】超塑性用アルミニウム合金の塑性加工時に
    おけるキャビティの発生を防止するための改良方法であ
    って、 超塑性アルミニウム合金に、Zr、Cr、Mnのうちの
    少なくとも1種以上を0.05〜0.7%と、希土類元
    素のうちの1種または2種以上を0.05〜10%の範
    囲に添加含有せしめることを特徴とする、超塑性用アル
    ミニウム合金の改良方法。
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JPS6152345A (ja) * 1984-08-22 1986-03-15 Mitsubishi Alum Co Ltd 超塑性Al合金

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