JPH06212593A - 全芳香族ポリアミド構造材 - Google Patents

全芳香族ポリアミド構造材

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JPH06212593A
JPH06212593A JP488693A JP488693A JPH06212593A JP H06212593 A JPH06212593 A JP H06212593A JP 488693 A JP488693 A JP 488693A JP 488693 A JP488693 A JP 488693A JP H06212593 A JPH06212593 A JP H06212593A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性・難燃性を有し表面平滑度の高い、自
動車のフードサイレンサー、エンジンルームと客室との
隔壁の材料として有用な、構造材を提供する。 【構成】 雲母粒子と全芳香族ポリアミドフイブリッド
と(好ましくはさらに全芳香族ポリアミド繊維)とを特
定割合で配合した原料を水中に分散させた分散液にアニ
オン系又はカチオン系の高分子凝集剤を添加し、この分
散液から抄造法又はパルプモールド法等で湿式成形した
表面平滑性の良好な全芳香族ポリアミド構造材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱・難燃性で且つ寸
法安定性に優れ、しかも成形加工し易く、成形物の表面
平滑度の高い全芳香族ポリアミド構造材に関する。さら
に詳しくは、自動車のボンネット裏側に貼付しエンジン
音を吸収させるフードサイレンサーあるいはエンジンル
ームと客室との隔壁に用いる熱バリヤー素材として有用
な表面平滑度の高い熱難燃性の全芳香族ポリアミド構造
材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車性能の高度化・乗心地の快
適さを追求する動きが急速に高まって来た。中でも近年
の自動車エンジンの高性能化は目ざましいものがある
が、他方エンジンルームの高温化、騒音の拡大、難燃規
制の強化等大型自動車を中心として問題が健在化しつつ
ある。
【0003】従来、エンジンの騒音を低減するためボン
ネット裏に難燃化したポリプロピレン繊維あるいはポリ
エチレンテレフタレート繊維の不織布やガラス繊維マッ
トが被覆吸音材(フードサイレンサー)として用いられ
ていたが、エンジンルームの高温化が進むに従い、これ
ら素材の耐熱・難燃性は限度に達しつつある。
【0004】また、エンジンルームと客室とを隔離する
隔離ボードは、従来難燃化セルロースボードが採用され
ていたが、吸音材と同様な理由で耐熱性の限界に近づい
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この用途に使用される
構造材は、耐熱性、難燃性が必要である以外に、断熱性
さらに排気ガスによるカーボン汚れ、油付着汚れ、吸湿
時の空気中の塵吸着汚れ等を防ぐ意味から表面平滑度の
高いこと、そして吸脱湿時の寸法変化の少いこと、等が
要求される。
【0006】その一つの解決策として、0.70〜0.
95g/ccの密度を有し、20〜95重量%の全芳香
族ポリアミドのフイブリッド及び80〜5重量%の高温
抵抗性フロックからなる表面平滑なプレスボードが提案
されている(特開平4―257400号公報参照)。
【0007】しかしながら、このプレスボードにおいて
は、温抵抗性フロックが融点320℃以上の有機物の場
合は燃焼の危険が避けられないし、無機物の場合は混抄
する全芳香族ポリアミドフイブリッドとの親和性に乏し
いため製品の使用時に脱落を起し、不必要なごみを自動
車内部に拡散する欠点がある外、抄造時白水、工場排水
中に無機物を流出させるおそれがあり、その排水処理の
ための新たな操作あるいは工程を必要とする等の問題が
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、耐熱・難燃性の有機全芳香族ポリア
ミド紙料と不燃性かつ熱及び吸湿寸法安定性の良い無機
化合物との組合せを種々検討した結果、無機化合物とし
て雲母粒子を用い、その微粉末部分の脱落を防止するた
めに特定の凝集剤併用が極めて有効であることを見出
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、10〜90重量%の
雲母粒子と90〜10重量%の全芳香族ポリアミド紙料
とを主たる配合成分とする水分散液から湿式成形した構
造材であって、湿式成形時に成形用水分散液にアニオン
系又はカチオン系高分子凝集剤を添加することで得られ
るベックの表面平滑度が6秒以上の新規な全芳香族ポリ
アミド構造材に係わるものである。
【0010】粒状雲母と全芳香族ポリアミド紙料とを混
抄し湿式成形する方法は種々提案されているが(例え
ば、特公昭43―20421号公報、特開昭60―20
9100号公報、特開昭64―51460号公報等参
照)、従来は粒度分布をもつ雲母中、粒子径の小さい微
粒子側の脱落防止に関して何の知見もなく示唆もされて
いない。勿論、予め特定粒径以下の微粒子をすべて除去
し、大粒径雲母のみ使用することも可能であるが、分別
工程が別に必要なこと及び廃棄する雲母の処理の問題な
どがあり、コスト高になり不利である。
【0011】本発明に使用する雲母粒子は、高価な板状
の天然物である必要はなく、微粒子を水に分散させた後
シート状に集積した安価ないわゆる「集成マイカ(雲
母)」で差支えない。雲母の種類は、白雲母、絹雲母、
金雲母、黒雲母等いずれでも差支えない。これら集成マ
イカは通常広範囲な粒度分布を持ち、そのパターンは勿
論集成マイカ製造条件に依存するが、市販品の多くは、
300メッシュ篩をも通過する微粉末を少量含有するの
が普通であり、本発明はこれら安価な雲母粒子を出発原
料としてすることができる。本発明の構造材における雲
母粒子の含有量は、全芳香族ポリアミドを含む全構成成
分をベースにして、10〜90重量%とすることが必要
である。雲母粒子の割合が10重量%未満では、熱及び
吸湿寸法安定性が不充分であり、90重量%を越えると
得られる構造材の機械的強度あるいは表面平滑度が低下
するので好ましくない。最も好ましい含有量は、30〜
70重量%である。
【0012】一方、本発明で言う全芳香族ポリアミド紙
料とは、これを水中に分散した後、抄造乾燥し熱圧着す
るかあるいは予め金網型枠を用いて予備成形(例えばパ
ルプモールド法による)したものを乾燥、熱圧着するこ
とで全芳香族ポリアミド構造材をつくることができる原
材料を意味する。その主要構成成分は、全芳香族ポリア
ミドのフイブリッド(パルプとも呼ばれる)と繊維であ
る。紙料中繊維の存在は必ずしも必要でないが、一般に
繊維を共存させると得られる構造材の機械的性質を向上
させるので望ましい。
【0013】好ましい繊維の量は構造材全構成成分の5
0重量%以下である。50重量%をこえると雲母粒子の
捕捉が難しくなるので望ましくない。最も好ましいのは
30重量%以下である。
【0014】なお、本発明において、全芳香族ポリアミ
ドとは、実質的にポリ(m―フェニレンイソフタルアミ
ド)すなわちポリマーの繰返し単位の少なくとも80モ
ル%以上がm―フェニレンイソフタルアミドであるいわ
ゆるメタ系アラミド、及び/又は、実質的にポリマー繰
返し単位が下記式(I)に示されるポリ(p―フェニレ
ンテレフタルアミド)あるいは実質的にポリマー繰返し
単位が下記式(II)と下記式(III )からなる共重合体
コポリ(p―フェニレン/3,4′―ジフェニルエーテ
ルテレフタルアミド)等のいわゆるパラ系アラミドを総
称する。
【0015】
【化1】
【0016】勿論、基本物性を損なわない範囲の他種ポ
リマー例えばポリエチレンテレフタレートからなる紙料
等を少量混合することは差支えない。
【0017】上述した如く、広範な粒度分布をもつ雲母
粒子と全芳香族ポリアミド紙料とを水中に分散させた
後、抄紙機による抄造あるいはパルプモールド法等によ
る予備成形時に、アニオン系又はカチオン系高分子凝集
剤を少量共存させると雲母粒子混合の作用効果が著しく
高められるというのが本発明の骨格である。
【0018】高分子凝集剤の添加量は構造材全構成成分
(非水成分)に対し0.01〜5重量%が好ましい。添
加量が0.01重量%未満では効果発現が不充分であ
り、5重量%をこえて加えても効果の著しい向上が認め
られない。最も好ましい添加量は0.05〜1.0重量
%である。
【0019】高分子凝集剤は、アニオン系、カチオン系
ともに、通常の水質例えばPH3〜10領域で問題なく
使用できる。
【0020】アニオン系高分子凝集剤及びカチオン系高
分子凝集剤は、現在数多く市販されているが、本発明で
特に好ましいものはアクリルアミド共重合体である。ア
ニオン系の場合、下記式(IV)で示されるアクリルアミ
ド/アクリル酸塩共重合物を例示できる。
【0021】
【化2】
【0022】上記の化合物(IV)は共重合の外、ポリア
クリルアミドの部分加水分解でも製造することができ
る。
【0023】カチオン系の場合、下記式(V)で示され
るアクリルアミド/アミノアルキルメタクリレート共重
合体を挙げることができる。
【0024】
【化3】
【0025】水分散液への添加に際しては、アニオン
系、カチオン系とも単独で加えることもできるが、他の
周知の凝集剤、例えば、硫酸アルミニウム(硫酸バン
ド)、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤、ポリアク
リルアミド、ポリエチレンオキシド等ノニオン系高分子
凝集剤との併用も可能である。但しアニオン系とカチオ
ン系との併用は剤同志の結合により失効するので好まし
くない。
【0026】本発明の全芳香族ポリアミド構造材を製造
するには、例えば、集成マイカの所定量を適量の水中に
投入し、ゆっくり撹拌して原料雲母粒子の大きさになる
まで分散させる。他方、全芳香族ポリアミド紙料は、周
知の方法で所定の濾水度を持つよう調整されたフイブリ
ッドと必要なら上述の範囲に入る量の繊維とを(予め)
水の配されたチェスト(撹拌機付タンク)にとる。次い
で、上記雲母分散水をこのチェストに移し、よく撹拌し
ながらアニオン系又はカチオン系高分子凝集剤の所定量
をこのチェストで添加する。抄造の場合、後の種箱等の
段階あるいは初期の雲母分散水中で添加を行ってもよ
い。上記高分子凝集剤は通常固型又は濃厚水溶液で市販
されているので、予め濃度1〜5%水溶液に調整して使
用するのが剤の保存安定性から好ましい。
【0027】抄造は通常の円網、短網、長網いずれの抄
紙機も利用できる。かくして得られたシートを所定の寸
法に断載、積層し、必要なら熱風乾燥機で乾燥した後、
プレス加工する。シート組成により異なるが、好ましい
温度、圧力はそれぞれ230〜330℃、10〜100
kg/cm2 である。
【0028】立体成形物を必要とする場合、上記平板プ
レス品を折曲げてもよいが、予め大型容器にとった雲母
粒子及び全芳香族アラミド紙料含有分散水に、吸引装置
のついた金網型枠を浸漬、真空吸引するてわゆるパルプ
モールド法で予備成形し、ついで乾燥後所定の形状をし
た金型で圧縮成形することも可能である。その際の好ま
しい温度、圧力はスラリー構成によって変化するが、そ
れぞれ230〜330℃、10〜100kg/cm2 周辺で
ある。
【0029】本発明で用いられる全芳香族ポリアミドの
フイブリッド及び繊維は、通常の湿式抄造に使用される
ものでよい。例えば、繊維としては繊度0.1〜10デ
ニール、繊維長1〜25m/mのものが有効に利用でき
る。フイブリッドは、水分散から湿式成形する際の濾水
性を妨げない範囲ならば、よく叩解されていることが得
られる構造材の機械的性質をよくする上から望ましい。
最も好ましい濾水度は、構造材の厚さ、雲母粒子の混
率、粒度分布、水温等により異なるが、カナディアン標
準濾水度(CSF)で50〜200mlに入るのが望まし
い。
【0030】本発明に従ってアニオン系又はカチオン系
高分子凝集剤をスラリー中に添加すると濾過速度(抄紙
速度ともいう)が3倍近くなり、生産性の顕著な向上が
認められるのが本発明のもう一つの利点である。この現
象は、雲母混抄系にのみ観察される特異な現象で、雲母
粒子非含有の全芳香族ポリアミド100%紙料系抄造の
場合には認められない現象であり、凝集剤の雲母粒子へ
の作用を示す一証左と考えられる。
【0031】後述する如く凝集剤添加の雲母含有全芳香
族ポリアミド構造材の表面が非常に平滑になるのが本発
明のもう一つの利点である。表面の平滑度の測定は日本
工業規格(JIS―P8119-1976 )「紙及び板紙の
ベック試験器による平滑度試験方法」により、10ml空
気の通過時間(秒)で示した。雲母非含有の全芳香族ポ
リアミド紙は2秒台、凝集剤非添加雲母含有紙は5秒前
後であるのに対し、本発明に係わる雲母混抄紙は通常8
〜9秒近く(最低でも6秒以上)を示し、表面平滑性の
改善されていることが判る。
【0032】
【発明の効果】上述の如き本発明の全芳香族ポリアミド
構造材は、 (1)構造材の表面平滑性が向上するので、自動車のフ
ードサイレンサーとか、エンジン室隔壁材として汚れが
つき難く、高い商品価値を付与する。
【0033】(2)雲母混合により不燃性に近い難燃性
が実現すると同時に、熱あるいは吸脱湿時の変形が減少
し、構造材の寸法安定性が増大する。
【0034】(3)凝集剤添加より紙料の濾水性が改良
されるため、大幅な生産性向上が期待できる。 等の効果があり、自動車のボンネット裏側に貼付するフ
ードサイレンサーや、エンジンルームと客室との間との
隔壁に用いる熱バリヤー素材として特に有用である。な
お、イオン性凝集剤を電気絶縁材料に使用することは一
般には推奨できないが、電気絶縁性を損わない範囲での
添加は、可能である。
【0035】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を詳述する。実施
例に示す特性値は、以下の測定方法で求めた値である。
なお、単に「部」あるいは「%」とあるのは、いずれも
「重量部」、「重量%」を表わす。
【0036】(a)対数粘度:95%硫酸中で濃度0.
5g/100mlの対数粘度を30℃で測定した。(単
位:dl/g) (b)表面平滑度:JIS―P8119-1976 に準拠。
ベック試験器で真空度が380mmHgから360mmHgに低
下するまでの時間を測定した。この数値は、10mlの空
気がガラス面と試験片面との間を通過するに要する時間
を示し、10枚の試験片の平均値を平滑度とした。(単
位:秒) (c)吸湿伸長率:カレンダー加工直後のシートを適当
にカットし、その縦及び横方向の寸法(X1 ,X2 )を
測定した後、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿の
部屋で15日間調湿した。その時のサンプルの縦方向及
び横方向の寸法(Y1 ,Y2 )を測定し、下記式により
算出した。
【0037】
【数1】
【0038】なお、長さの測定には、武藤工業(株)製
二次元座標測定装置(MA―1,BLTV)を用いた。
(単位:%)
【0039】
【実施例1〜6】 (ア)フイブリッドと繊維の作成 界面重縮合法で作成したポリ(m―フェニレンイソフタ
ルアミド)(対数粘度1.6)から、それぞれ通常の方
法で、カナディアン標準濾水度(CSF)170mlのm
―アラミドフイブリッド(パルプ状粒子)と、繊度2.
0デニール、長さ6mm、強度5.8g/d、伸度40%
のm―アラミド短繊維を得た。
【0040】(イ)雲母粒子の粒度分布 湿式篩い方式で全量16メッシュ篩を通過、60メッシ
ュ付近に分布のピークが存在し、250メッシュ篩通過
分が、約7%ある硬質焼成集成マイカ(日本マイカ製作
所社製「CZ2T」)を全実験に供した。
【0041】(ウ)シートの作成 上記(ア)で作成したm―アラミドフイブリッド(P)
及びm―アラミド繊維(F)と(イ)に記述した雲母粒
子(M)の合計75部を、配合比(重量比)がそれぞれ
P/F/M=60/10/30、40/10/50及び
20/10/70になるよう約600倍部量の水中に分
散させた。次いで、この水分散液に実施例1〜3におい
てはアニオン系高分子凝集剤(三井サイアナミッド
(株)製「アコフロックA110」)を、また実施例4
〜6においてはカチオン系高分子凝集剤(興南化学工業
(株)製「コーナンフロックK73P」)を、0.07
5部(原料に対し0.1%)添加し、その状態で約1分
間撹拌した。なお、高分子凝集剤はアニオン系、カチオ
ン系とも固状なので、いずれも1%水溶液に調整し使用
した。
【0042】この分散スラリーを抄巾60cmの円網抄紙
機で抄造し、130℃のヤンキードライヤーで乾燥し、
ロールに巻き取った。(抄速2m/min )このロール2
本からシートを引出し、290℃の予熱層を通した直
後、設定温度300℃の2本の金属ロール間を線圧20
0kg/cmで通して貼合せカレンダー加工(加工速度2m
/min )した。それらの結果と得られたシート状構造物
物性を後掲の表1に示す。
【0043】
【比較例1〜3】実施例1〜6と全く同様に、ただし高
分子凝集剤を加えずに抄造し、カレンダー加工した。そ
れらの結果と構造物物性を表1に併記する。
【0044】
【表1】
【0045】これらの実施例及び比較例の結果によっ
て、本発明の高分子凝集剤添加によるシート表面平滑化
効果が確認された。
【0046】
【実施例7〜11、比較例4】 (エ)シートの作成 実施例1〜6で使用したものと同じフイブリッド(P)
と雲母粒子(M)の計75部をそれぞれ下記表2に示す
配合比(重量比)になるよう採取し、約600倍部量の
水中に分散させた。次いで実施例4〜6で用いたと同じ
カチオン系高分子凝集剤(「コーナンフロックK73
P」)を0.15部(原料に対し0.2%)添加し、実
施例1〜6(ウ)の方法により抄造乾燥し、ロールに巻
取った。
【0047】次いで、同様の操作により貼合せカレンダ
ー加工を実施した。それらの結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】一般に、吸湿伸張率は実用上0.50%以
下が望まれる。この観点から、適当な雲母粒子の含有量
は10〜90重量%とすることが必要で、好ましくは3
0〜70重量%であることが明らかになった。
【0050】
【実施例12〜19、比較例5】 (オ)抄紙時間の比較 下記分量の原料及び高分子凝集剤を水4lの入った25
cm×25cm角の角型標準抄紙機にとり、凝集剤投入後1
分間撹拌した。なお、実施例12〜15は実施例1〜3
と同じアニオン系高分子凝集剤を用い、実施例16〜1
9は実施例4〜6と同じカチオン系高分子凝集剤を用い
た。次いで抄紙機下部のコックを開き、抄紙機底部金網
を通過して放水完了するまでの時間を測定し「抄紙時
間」(単位秒)とした。それらの結果を表3に示す。
【0051】なお、原料構成(P3.00g、F0.7
5g、M3.75g)はP/F/M=40/10/50
に相応する。
【0052】
【表3】
【0053】
【比較例6〜9】実施例12〜19において原料構成で
雲母を加えない系につきカチオン系高分子凝集剤濃度の
影響を調べた。結果を表4に記す。なお、この例の原料
構成(P4.5g、F3.0g)はP/F=60/40
に相応する。
【0054】
【表4】
【0055】表3で示される高分子凝集剤添加効果が、
表4では殆んど認められないことから、本発明に係る効
果は、雲母混合系という極めて特殊な場合に限って有効
であることが理解できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜90重量%の雲母粒子と、90〜
    10重量%の全芳香族ポリアミド紙料とを主たる配合成
    分とする水分散液から湿式成形した構造材であって、湿
    式成形時にアニオン系又はカチオン系高分子凝集剤を添
    加したことを特徴とするベックの表面平滑度が6秒以上
    の全芳香族ポリアミド構造材。
  2. 【請求項2】 全芳香族ポリアミド紙料が実質的に全芳
    香族ポリアミドフイブリッドと全芳香族ポリアミド繊維
    とからなり、かつ全芳香族ポリアミド構造材全構成成分
    に対し50重量%以下の全芳香族ポリアミド繊維を含有
    する請求項1記載の全芳香族ポリアミド構造材。
  3. 【請求項3】 全芳香族ポリアミドが実質的にポリ(m
    ―フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p―フェニレ
    ンテレフタルアミド)及びコポリ(p―フェニレン/
    3,4′―ジフェニルエーテルテレフタルアミド)から
    選ばれる1種又は2種以上のポリマーである請求項1又
    は2記載の全芳香族ポリアミド構造材。
  4. 【請求項4】 アニオン系高分子凝集剤が実質的にアク
    リルアミド/アクリル酸塩共重合物である請求項1,2
    又は3記載の全芳香族ポリアミド構造材。
  5. 【請求項5】 カチオン系高分子凝集剤が実質的にアク
    リルアミド/アミノアルキルメタクリレート共重合物で
    ある請求項1,2又は3記載の全芳香族ポリアミド構造
    材。
  6. 【請求項6】 アニオン系高分子凝集剤又はカチオン系
    高分子凝集剤を、全芳香族ポリアミド構造材全構成成分
    に対して0.01〜5重量%添加したことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の全芳香族ポリアミド構
    造材。
  7. 【請求項7】 雲母粒子、全芳香族ポリアミド紙料及び
    アニオン系又はカチオン系高分子凝集剤の各配合成分を
    水中に均一分散させ、湿式抄造又はパルプモールド法に
    よりシート状にした後、乾燥、加熱、加圧することによ
    り成形・一体化したことを特徴とする請求項1記載の全
    芳香族ポリアミド構造材。
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