JPH06211882A - 共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離する方法 - Google Patents
共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離する方法Info
- Publication number
- JPH06211882A JPH06211882A JP33705793A JP33705793A JPH06211882A JP H06211882 A JPH06211882 A JP H06211882A JP 33705793 A JP33705793 A JP 33705793A JP 33705793 A JP33705793 A JP 33705793A JP H06211882 A JPH06211882 A JP H06211882A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tetrachlorosilane
- trimethylchlorosilane
- distillation
- mixture
- methyldichlorosilane
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 直接合成の際に異物質が形成されず、従って
精製手段を必要としないような、共沸混合物テトラクロ
ルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離す
る方法を提供する。 【構成】 該方法は、蒸留の際にメチルジクロルシラン
を加えることにより、共沸混合物テトラクロルシラン−
トリメチルクロルシランを蒸留により分離する。
精製手段を必要としないような、共沸混合物テトラクロ
ルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離す
る方法を提供する。 【構成】 該方法は、蒸留の際にメチルジクロルシラン
を加えることにより、共沸混合物テトラクロルシラン−
トリメチルクロルシランを蒸留により分離する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共沸混合物テトラクロ
ルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離す
る方法に関する。
ルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】珪素および塩化メチルから250〜30
0℃で銅触媒を用いてメチルクロルシランを直接合成す
る場合に、主生成物ジメチルジクロルシランおよびほか
の副生成物のほかにテトラクロルシランおよび貴重な生
成物トリメチルクロルシランが生じる。直接合成は、特
に、W.Noll,Chemistry and Technology of Silicones,A
cademic Press,Inc.,Orlando,Florida,1968,Kap.2.2に
記載されている。
0℃で銅触媒を用いてメチルクロルシランを直接合成す
る場合に、主生成物ジメチルジクロルシランおよびほか
の副生成物のほかにテトラクロルシランおよび貴重な生
成物トリメチルクロルシランが生じる。直接合成は、特
に、W.Noll,Chemistry and Technology of Silicones,A
cademic Press,Inc.,Orlando,Florida,1968,Kap.2.2に
記載されている。
【0003】沸点56.5℃を有するテトラクロルシラ
ンおよび沸点57.7℃を有するトリメチルクロルシラ
ンの純粋な形での蒸留による分離は一部分のみ達成され
るにすぎない。残りは沸点54.7℃のこれらのシラン
とテトラクロルシラン53.5モル%(56.7重量%
に相当する)との共沸混合物として生じる。
ンおよび沸点57.7℃を有するトリメチルクロルシラ
ンの純粋な形での蒸留による分離は一部分のみ達成され
るにすぎない。残りは沸点54.7℃のこれらのシラン
とテトラクロルシラン53.5モル%(56.7重量%
に相当する)との共沸混合物として生じる。
【0004】共沸混合物を分離するために物理的および
化学的方法が公知である。化学的方法は容易に分離可能
の化合物への変換を利用する。たとえば米国特許第25
19926号明細書または米国特許第2945873号
明細書において部分的アルコール分解および加水分解が
記載されている。HFまたはZnF2を用いたフルオル
シランへの変換はたとえば米国特許第2449815号
明細書に記載されている。
化学的方法が公知である。化学的方法は容易に分離可能
の化合物への変換を利用する。たとえば米国特許第25
19926号明細書または米国特許第2945873号
明細書において部分的アルコール分解および加水分解が
記載されている。HFまたはZnF2を用いたフルオル
シランへの変換はたとえば米国特許第2449815号
明細書に記載されている。
【0005】物理的方法は、Chemical Abstracts 195
4,10055から公知の塩化マグネシウム/ジエチルエーテ
ルでの選択的吸着、米国特許第4402796号明細書
から公知のスルホランを用いた溶剤抽出および補助物質
を用いた抽出蒸留である。米国特許第2388575号
明細書において、抽出蒸留のための最も適当な補助物
質、すなわちアセトニトリルおよびアクリルニトリルの
使用が記載されている。
4,10055から公知の塩化マグネシウム/ジエチルエーテ
ルでの選択的吸着、米国特許第4402796号明細書
から公知のスルホランを用いた溶剤抽出および補助物質
を用いた抽出蒸留である。米国特許第2388575号
明細書において、抽出蒸留のための最も適当な補助物
質、すなわちアセトニトリルおよびアクリルニトリルの
使用が記載されている。
【0006】これらの公知方法の欠点は、分離すべき混
合物が直接合成の際に生じない異物質により汚染され、
それにより別の精製工程が必要となることである。
合物が直接合成の際に生じない異物質により汚染され、
それにより別の精製工程が必要となることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
の欠点を排除した共沸混合物テトラクロルシラン−トリ
メチルクロルシランを蒸留により分離する方法を提供す
ることであった。
の欠点を排除した共沸混合物テトラクロルシラン−トリ
メチルクロルシランを蒸留により分離する方法を提供す
ることであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、共沸混合物
テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留に
より分離する方法において、蒸留の際にメチルジクロル
シランを加えることにより解決される。
テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留に
より分離する方法において、蒸留の際にメチルジクロル
シランを加えることにより解決される。
【0009】メチルジクロルシランはメチルクロルシラ
ンの直接合成の際に副生成物として生じ、従って異物質
ではない。共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチル
クロルシランを分離する際にメチルジクロルシランを加
えた生成物混合物はメチルクロルシラン蒸留からのほか
の生成物混合物と付加的な精製工程を必要とすることな
く合体することができる。このことは留出物および溜り
生成物の引き続く後処理または回収をきわめて簡単にす
る。もう1つの利点は比較的少ない装置の経費である。
ニトリルを用いた抽出蒸留のためには複合蒸留に必要な
カラムに対して付加的に2つの別の共沸混合物後処理の
ための蒸留カラムが必要である。メチルジクロルシラン
を使用すると付加的なカラムが全く必要でないかまたは
1つだけで十分である、それというのも異物質を分離し
なくてよいからである。
ンの直接合成の際に副生成物として生じ、従って異物質
ではない。共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチル
クロルシランを分離する際にメチルジクロルシランを加
えた生成物混合物はメチルクロルシラン蒸留からのほか
の生成物混合物と付加的な精製工程を必要とすることな
く合体することができる。このことは留出物および溜り
生成物の引き続く後処理または回収をきわめて簡単にす
る。もう1つの利点は比較的少ない装置の経費である。
ニトリルを用いた抽出蒸留のためには複合蒸留に必要な
カラムに対して付加的に2つの別の共沸混合物後処理の
ための蒸留カラムが必要である。メチルジクロルシラン
を使用すると付加的なカラムが全く必要でないかまたは
1つだけで十分である、それというのも異物質を分離し
なくてよいからである。
【0010】共沸混合物およびメチルジクロルシランの
全重量に対してメチルジクロルシラン70〜98重量
%、特に80〜95重量%が存在する場合は、共沸混合
物テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランの分離
は特に良好に行われる。
全重量に対してメチルジクロルシラン70〜98重量
%、特に80〜95重量%が存在する場合は、共沸混合
物テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランの分離
は特に良好に行われる。
【0011】本発明による方法は断続的にまたは有利に
は連続的に実施することができる。
は連続的に実施することができる。
【0012】本発明による方法は有利には絶対圧0.0
5〜0.3MPa、特に0.1〜0.25MPaで実施
する。塔頂温度は有利には25〜80℃、特に40〜7
0℃である。
5〜0.3MPa、特に0.1〜0.25MPaで実施
する。塔頂温度は有利には25〜80℃、特に40〜7
0℃である。
【0013】良好な分離を可能にするために、共沸混合
物を分離するためのカラムの棚段数は有利には5段以
上、特に50段以上を有する。本発明による方法におい
ては留出物中でトリメチルクロルシランとテトラクロル
シランとの重量比1:6を達成することができる。
物を分離するためのカラムの棚段数は有利には5段以
上、特に50段以上を有する。本発明による方法におい
ては留出物中でトリメチルクロルシランとテトラクロル
シランとの重量比1:6を達成することができる。
【0014】付加的に存在する高沸点のシラン、たとえ
ば沸点66℃のメチルトリクロルシランまたは沸点70
℃のジメチルジクロルシランまたは炭化水素は邪魔にな
らない。その割合は混合物中で70重量%までであって
もよい。しかしながらこの場合に炭化水素含量は有利に
は2重量%未満であるべきである。過剰のトリメチルク
ロルシランまたはテトラクロルシランも邪魔にならな
い、それというのも最初に共沸混合物がその後まずトリ
メチルクロルシランまたはテトラクロルシランが沸騰す
るからである。メチルジクロルシランより低い温度で沸
騰するシランおよび炭化水素は有利には前もって分離
し、5%までの低い割合で、そのうち最大で10%の炭
化水素はもちろん邪魔にならない。これに対して、トリ
メチルクロルシランまたはテトラクロルシランと共沸混
合物を形成する炭化水素、たとえば2−メチルペンタン
および3−メチルペンタンのみが邪魔になる。
ば沸点66℃のメチルトリクロルシランまたは沸点70
℃のジメチルジクロルシランまたは炭化水素は邪魔にな
らない。その割合は混合物中で70重量%までであって
もよい。しかしながらこの場合に炭化水素含量は有利に
は2重量%未満であるべきである。過剰のトリメチルク
ロルシランまたはテトラクロルシランも邪魔にならな
い、それというのも最初に共沸混合物がその後まずトリ
メチルクロルシランまたはテトラクロルシランが沸騰す
るからである。メチルジクロルシランより低い温度で沸
騰するシランおよび炭化水素は有利には前もって分離
し、5%までの低い割合で、そのうち最大で10%の炭
化水素はもちろん邪魔にならない。これに対して、トリ
メチルクロルシランまたはテトラクロルシランと共沸混
合物を形成する炭化水素、たとえば2−メチルペンタン
および3−メチルペンタンのみが邪魔になる。
【0015】留出物、テトラクロルシランおよびトリメ
チルクロルシランを有するメチルジクロルシランは蒸留
循環に戻し、かつ適当な位置でそれぞれのシランまたは
シラン混合物を排出することができる。ほかの利用可能
性は留出物の熱分解性珪酸への転化である。
チルクロルシランを有するメチルジクロルシランは蒸留
循環に戻し、かつ適当な位置でそれぞれのシランまたは
シラン混合物を排出することができる。ほかの利用可能
性は留出物の熱分解性珪酸への転化である。
【0016】テトラクロルシランが少ないかまたは含ま
ない溜り生成物はメチルジクロルシラン、トリメチルク
ロルシランおよび場合によりほかの前記のシランに分離
することができる。場合により少ない量で生じる共沸混
合物は再び蒸留に戻すことができる。
ない溜り生成物はメチルジクロルシラン、トリメチルク
ロルシランおよび場合によりほかの前記のシランに分離
することができる。場合により少ない量で生じる共沸混
合物は再び蒸留に戻すことができる。
【0017】
【実施例】以下の例においてはほかにことわりのない限
り、 a)すべての量の記載は重量に関し、 b)すべて圧力0.10MPa(絶対)で実施した。
り、 a)すべての量の記載は重量に関し、 b)すべて圧力0.10MPa(絶対)で実施した。
【0018】例1:低い分離効率のカラムでの蒸留 実験蒸留装置内にトリメチルクロルシラン175gおよ
びテトラクロルシラン175gからなる混合物を予め入
れ、これから共沸混合物を蒸留した。
びテトラクロルシラン175gからなる混合物を予め入
れ、これから共沸混合物を蒸留した。
【0019】メチルジクロルシラン90%および共沸混
合物10%(トリメチルクロルシラン4.4%およびテ
トラクロルシラン5.6%)からなる混合物277gを
5時間以内で連続的に、これらの混合物390gをすで
に入れておいた、5段の棚段を有する実験蒸留カラムの
蒸留器に計量供給した。塔頂温度41℃および塔底温度
46℃で留出物205gおよび溜り物460gが得られ
た。塔頂生成物はメチルジクロルシラン96.7%、テ
トラクロルシラン2.3%およびトリメチルクロルシラ
ン0.8%からなっていた。塔底生成物はメチルジクロ
ルシラン87%、トリメチルクロルシラン6.9%およ
びテトラクロルシラン6.2%からなっていた。
合物10%(トリメチルクロルシラン4.4%およびテ
トラクロルシラン5.6%)からなる混合物277gを
5時間以内で連続的に、これらの混合物390gをすで
に入れておいた、5段の棚段を有する実験蒸留カラムの
蒸留器に計量供給した。塔頂温度41℃および塔底温度
46℃で留出物205gおよび溜り物460gが得られ
た。塔頂生成物はメチルジクロルシラン96.7%、テ
トラクロルシラン2.3%およびトリメチルクロルシラ
ン0.8%からなっていた。塔底生成物はメチルジクロ
ルシラン87%、トリメチルクロルシラン6.9%およ
びテトラクロルシラン6.2%からなっていた。
【0020】例2:高い分離効率のカラムでの蒸留 メチルジクロルシラン26%、トリメチルクロルシラン
19.7%、テトラクロルシラン1.4%、メチルトリ
クロルシラン45.4%およびジメチルジクロルシラン
7.5%からなる混合物を使用した。すなわち共沸混合
物割合は全部で2.5%であり、メチルジクロルシラン
/共沸混合物の混合物中のメチルジクロルシランの割合
は91.3%であった。120段目の棚段の留出物は以
下の組成を有した:メチルジクロルシラン78.3%、
トリメチルクロルシラン3.1%およびテトラクロルシ
ラン18.6%。連続的に作動するカラムへの流入量は
2500kg/時間であり、圧力は0.21MPaおよ
び120段目の棚段の温度は65.1℃であった。塔底
生成物はテトラクロルシランを含んでいなかった。
19.7%、テトラクロルシラン1.4%、メチルトリ
クロルシラン45.4%およびジメチルジクロルシラン
7.5%からなる混合物を使用した。すなわち共沸混合
物割合は全部で2.5%であり、メチルジクロルシラン
/共沸混合物の混合物中のメチルジクロルシランの割合
は91.3%であった。120段目の棚段の留出物は以
下の組成を有した:メチルジクロルシラン78.3%、
トリメチルクロルシラン3.1%およびテトラクロルシ
ラン18.6%。連続的に作動するカラムへの流入量は
2500kg/時間であり、圧力は0.21MPaおよ
び120段目の棚段の温度は65.1℃であった。塔底
生成物はテトラクロルシランを含んでいなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アントン シナベック ドイツ連邦共和国 ブルクハウゼン モー スブルンナー シュトラーセ 16
Claims (1)
- 【請求項1】 共沸混合物テトラクロルシラン−トリメ
チルクロルシランを蒸留により分離する方法において、
蒸留の際にメチルジクロルシランを加えることを特徴と
する共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチルクロル
シランを蒸留により分離する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE4300474.1 | 1993-01-11 | ||
DE4300474 | 1993-01-11 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211882A true JPH06211882A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=6477958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33705793A Pending JPH06211882A (ja) | 1993-01-11 | 1993-12-28 | 共沸混合物テトラクロルシラン−トリメチルクロルシランを蒸留により分離する方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06211882A (ja) |
CN (1) | CN1092778A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023243466A1 (ja) * | 2022-06-13 | 2023-12-21 | 株式会社トクヤマ | 精製トリクロロシランの製造方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110128463A (zh) * | 2019-04-10 | 2019-08-16 | 湖北兴瑞硅材料有限公司 | 一种甲基氯硅烷混合单体的分离提纯工艺及系统 |
CN112028926B (zh) * | 2019-06-03 | 2024-03-12 | 新特能源股份有限公司 | 脱除有机硅单体共沸物中的四氯化硅的分离装置及分离方法 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33705793A patent/JPH06211882A/ja active Pending
-
1994
- 1994-01-07 CN CN 94100159 patent/CN1092778A/zh active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023243466A1 (ja) * | 2022-06-13 | 2023-12-21 | 株式会社トクヤマ | 精製トリクロロシランの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1092778A (zh) | 1994-09-28 |
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