JPH0621186B2 - 改良されたタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

改良されたタイヤ用ゴム組成物

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JPH0621186B2
JPH0621186B2 JP59116660A JP11666084A JPH0621186B2 JP H0621186 B2 JPH0621186 B2 JP H0621186B2 JP 59116660 A JP59116660 A JP 59116660A JP 11666084 A JP11666084 A JP 11666084A JP H0621186 B2 JPH0621186 B2 JP H0621186B2
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polybutadiene rubber
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明、氷上における性能の改良されたタイヤトレツド
用ゴム組成物に関し、詳しくは、特定の油展ポリブタジ
エンゴムを原料ゴムとしで含有するタイヤトレツド用ゴ
ム組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来より、積雪寒冷地においては、冬期に、タイヤにス
パイクを打ち込んたスパイクタイヤが多用され、冬期の
交通安全の確保、物流の円滑化、行動範囲の拡大等に大
きく貢献してきている。しかし、スパイクタイヤによつ
て自動車の移動台数が増加し、広い範囲に動くに従つ
て、道路の摩耗・損傷や、それによつて発生する粉じん
公害が発生し、大きな社会問題となつてきた。かかる問
題は、交通安全の確保と、環境問題の解決といういずれ
も社会にとつて重要な課題でありいずれも軽視できない
ものである。
このような状況下において、スパイクを使用せず、かつ
雪上ないし氷上にのおける操縦性能および制動性能を有
した、スタツドレスタイヤが考案され、その性能が認識
されつつあるものの、未だ、制動性能が必ずしも満足さ
れるものではない。タイヤのトレツドの性能は、それに
使用される加硫ガム組成物の物性に左右され、特に使用
される原料ゴムを寄与が大きい。スタツドレスタイヤに
使用されるガムは、低温における柔軟性を保持するため
に、主としてガラス転移温度が低いポリブタジエンゴム
ないし天然ゴムが使用されており、例えば、特公昭58-7
662、特公昭58-46257、特開昭56-122845等には、既存の
材料を主とし組合せて、低温性能を改良する試みがなさ
れているもの、必ずしも十分な性能を有したスタツドレ
スタイヤが得られていないのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、原料ゴムを改良することにより低温性能が改
良されたスタツドレスタイヤ用ゴム組成物を得ようとす
るものである。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明は、特性のポリブタジエンゴムを使用することに
よつて、低温性能が改良され、スタツドレスタイヤおよ
びスノータイヤに好適な加硫ゴム組成物が得られること
を見出したことに基いてなされたものである。
本発明は、原料ゴム、カーボンブラツク、ゴム用伸展
油、加硫剤、必要に応じてその他ゴム用配合薬品を含有
し加硫したゴム組成物であつて、原料ゴムの少なくとも
30重量%が、ブタジエンをリチウム系触媒によつて重
合することにより得られたガラス転移転温度が−70℃
以下のポリブタジエンゴムに、粘度比重恒数が0.82
〜0.92、クルツ分析法によるナフテンカーボン量が
35%以上であるナフテン系ゴム用伸展油を前記ポリブ
タジエンゴム100重量部あたり40〜65重量部添加
した、ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)が25ないし
50の油展ポリブダジエンゴムであることを特徴とする
低温特性のすぐれたタイヤトレツド用ゴム組成物であ
る。
本発明は、上記、特定の油展ポリブタジエンを使用する
ことによつて、特に氷上における制動性能すなわいアイ
ス・スキツド性能およびけん引性能が改良された、スタ
ツドレスタイヤおよびスノータイヤのトレツドに好適な
加硫ゴム組成物が得られ、本発明の意義は極めて大き
い。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明のゴミ組成物に使用する原料ゴムの少なくとも3
0重量%は、特定の油展ポリブダジエンゴムである。か
かる油展ポリブタジエンゴムは、リチウム系触媒によつ
て重合された特定のベースのポリブタジエンゴムに、特
定のゴム用伸展油を添加して得られるゴムである。
前記、特定のベースのポリブタジエンゴムは、炭化水素
溶媒中においてリチウム系触媒を用い、ブタジエンを重
合することによつて得られたものであり、そのガラス転
移温度は−70℃以下である。コバルト系触媒、ニツケ
ル系触媒、チタン系触媒、ないし最近開発された希土類
触媒によつて得られるミクロ構造のシス含有量が90%
以上、多くはシス含有量が95%以上である高シスポリ
ブタジエンゴムは、そのガラス転移温度が−100℃以
下であるものの、結晶化温度が−30〜−40℃付近に
あり、低温で柔軟性を失なうため低温性能が要求される
用途には好まいくない。本発明で用いるベースのポリブ
タジエンゴムは、リチウム系触媒によるいわゆる低シス
ポリブタジエン(一般にシス量約35%以下)ゴムであ
り、高シスポリブタジエンゴムの如くの低温における結
晶化の問題はない。リチウム系触媒では、極性化合物を
添加することによつて、ミクロ構造を変化させることが
可能であり、その変化によつてガラス転移温度も変化す
るが、本発明で使用するベースのポリブタジエンゴムの
ガラス転移温度は−70℃以下であり、−85℃以下が
好ましい。
また、ベースのポリブタジエンゴムのムーニー粘度の範
囲は、後述する油展ポリブタジエンゴムのムーニー粘度
および、伸展油の添加量によつても左右されるが、ムー
ニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、80〜150の範囲
が好ましい。ベースのポリブタジエンゴムのムーニー粘
度が80より低い場合は、動的特性や機械的強度が不足
し、一方、150より高い場合、物理的性質は好ましい
ものの、加工性が劣るため、その性能を十分に発揮する
ことができない。
更に、ベースのポリブタジエンゴムは、分岐状のポリマ
ーであることが好ましい。このような分岐状のポリブタ
ジエンゴムは、リチウム系触媒で得られた活性末端を有
するポリブタジエニルリチウムを、リチウム末端と反応
可能な多官能性の化合物と反応させカツプリングするこ
とによつて得られる。かかる多官能性化合物としては、
四塩化ケイ素、四塩化スズ、四臭化ケイ素、メチル三塩
化ケイ素等の活性ハロゲン化合物、ポリエポキシ化合
物、ポリイソシアネート多官能性エステル等が挙げられ
る。また、分岐状ポリブタジエンゴムは、100℃以上
の高温で比較的長い時間重合する方法によつても得られ
る。このような分岐状ポリブタジエンゴムの分岐の程度
は、ムーニー粘度系を使用し、剪断力をかけた後の緩和
時間を測定することによつて判断できる。本発明におい
ては、ベースのポリブタジエンのムーニー粘度計によつ
て測定される緩和時間は、10〜150秒であることが
好ましい。
ここで、ムーニー粘度計を用いて測定される緩和時間は
以下の如き方法にて測定される。すなわち、ASTM-D-1
646のムーニー粘度計に駆動部とトルク検出部のウオ
ームギアの間にクラツチの取付けられたムーニー粘度計
を用いる。図面にこの装置の構成図の1例を示す。図面
において、1は駆動部、2は変速のための歯車、3クラ
ツチ、4はウオームギア、5はトルク検出のためのダイ
ヤルゲージ、6はダイ、7はローター、8はエアーシリ
ンダー、9はヒーター、10は測温体、11は温度調節
器である。尚、寸法等はASTM-D-1646に準ずる。ロータ
ーは2 rpmになる様、歯車、ウオームギアは設計されて
いる。
試料は、ローターの上下、すなわちダイ中に示せられ、
ダイ温度は100℃に設定されている。
エアーシリンダに1.2トンとなる様圧力をかけ、通常
の測定法にて1分間予熱した後、4分間ローターを回転
させ、ダイヤルゲージの読みからムーニー粘度を測定す
る。4分回転後、クラツチをはずし(電磁クラツチが望
ましい)、ゲージの読みがクラツチをはずす寸前にムー
ニー粘度の20%になるまでの時間を緩和時間(秒)と
する。
上述の測定法による緩和時間はポリマー分子間のからみ
合いの粘度を示すもので、緩和時間の長いポリマー程、
分子間のからみ合いが良好である。
かかる分岐と程度のポリブタジエンゴムを使用すること
により、バンバリーミキサーにおける加工性、ミキシン
グロールにより加工性が、非分岐のポリブタジエンゴム
に比べて大巾に改良され、また伸展油を40〜60部添
加した後の、コールドフロー(低温流れ)も、非分岐ポ
リブタジエンゴムに比べて少なく、製品の形状保持、包
装形態の簡略化等に有効である。
更に、ベースのポリブタジエンゴムのG.P.Cによつて測
定される分子量分布〔重量平均分子量 は、1.5〜4.0の範囲が好ましく、加工性と物性の
すぐれたバランスを保持するためには、2.2〜3.0
の範囲であることが更に好ましい。
つぎに、本発明で用いる油展ポリブタジエンゴムは、前
記のベースのポリブタジエンゴムに、粘度比重恒数が
0.82〜0.92、クルツ分析法によるナフテンカー
ボン量が全カーボン量の35%以上のナフテン系ゴム用
伸展油を、前記ポリブタジエンゴム100重量部あたり
40〜65重量部添加したものであり、油展後のムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)は、25〜50の範囲であ
る。
油展後のムーニー粘度が25より低い場合は、ポリマー
のコールドフローが大きく問題であり、一方、ムーニー
粘度が50より大きい場合は、加工性が劣り好ましくな
い。加工性のためには25〜45の範囲が特に好まい
し。
油展する伸展油の種類は上記の範囲を満足するものであ
る。粘度比重恒数が0.82より小さい伸展油は、組成
物の低温性能は良好であるものの、ポリブタジエンゴム
との相溶性が必ずしも良好でないため引張強度等が劣
り、一方粘度比重恒数が0.92を超えるいわゆるアロ
マ系伸展油の場合は、組成物の低温性能が劣り、本発明
の目的と達成しない。
更に、粘度比重恒数が上記範囲でも、クルツ分析法によ
るナフテンカーボンが35%以下の場合には引張強度が
問題となる。
また、上記ナフテン系伸展油の量は、ベースのポリブタ
ジエンゴム100重量部あたり40〜65重量部の範囲
である。伸展量が40重量部以下では、組成物の低温性
能(アイススギツド性能)付与に十分ではなく、一方6
5重量部より多い場合は、油展後のムーニー粘度が前記
の範囲であつても、コールドフローがおこりやすく、工
業的な規模の使用において好ましくない。上記油展量
は、一般にゴム用途に用いられているナフテン系伸展油
の添加量よりも多い量であり、油展量はベースのポリブ
タジエンゴム100重量部あたり、45〜65重量部で
あることが更に好ましい。本発明で用いるナフテン系伸
展油は、その引火点が200℃以上であることが、混練
時や加硫時の揮発による工場の汚染や、引火を防止する
面から考えて好まいしといえる。
本発明においては、ポリブタジエンゴムは、ナフテン系
伸展油で油展したポリブタジエンゴムを使用することが
重要であり、配合物の混練時においてムーニー粘度の高
いベースのポリブタジエンゴムに、相当量のナフテン系
伸展油を加えて混練した場合には、ポリブタジエンの可
塑化が十分にできず、その上、大量の油およびカーボン
ブラツク等の配合剤が加えられるため、分散状態が極め
て悪く、不均一な組成物になり易く、ナフテン油による
低温性能改良効果が発揮されにくい。また、混練性の問
題が解決したとしても、大量の油を混練時に添加するこ
とは、工業的規模での実施におい油の添加方法その他の
面で工程上、非常に問題を有している。
また、ベースポリマーがリチウム系触媒によつて得られ
る特定構造のものである場合においては、ナフテン系伸
展油による低温性能改良効果が発揮されるが、ベースポ
リマーが高シスポリブタジエンである場合には、ナフテ
ン系伸展油を加えることによつても、前述の結晶化性の
改善化効果は、ほとんどなく、ポリブタジエンの構造と
伸展油の性状との組合せを限定することは、本発明にお
いて重要である。
本発明においては、前記特定の油展ポリブタジエンゴム
は、油展ゴムとして、加硫ゴム組成物に用いる原料ゴム
の少なくとも30重量%使用される。使用量が30重量
部より少ない場合は、低温性能改良効果が不十分であ
る。本発明において油展ポリブタジエンゴムと共に原料
ゴムとして使用するものとしては、天然ゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレン含有量が30%以下、ブタジエン
部のビニルが8〜50%のスチレン−ブタジエン共重合
ゴム等が好ましいゴムとして挙げられる。本発明の油展
ポリブタジエンゴムの使用量は、原料ゴムの40重量%
以上であることが更に好ましい。
つぎに、本発明の組成物には、油として前記油展ポリブ
タジエンに含有される伸展油の他に、配合混練時おける
カーボンブラツクの分散性を向上するために加える少量
のプロセス油や、他の原料ゴムに含有させる伸展油も含
有することが可能であるが、それらの他の油成分は、油
展ポリブタジエンに含有されるナフテン系伸展油の特性
を大きく阻害する種類、量であつてはならない。また、
油以外に、DOPやDBPなどの極性の軟化剤も性能を減じな
い範囲で必要に応じて使用できる。
本発明の組成物には、通常のゴム用途に用いられる補強
性のカーボンブラツクが含有され、その量は、原料ゴム
100重量部あたり、30〜100重量部の範囲である
ことが、タイヤトレツド用のゴムとして好ましい。
使用されるカーボンブラツクは、各種の粒子径、ストラ
クチヤー、チントのものがあるが、代表的なものとして
は、ISAF、IISAF、HAF、FEF級のカーボンブラツクがあ
り、特に、ヨウ素吸着量60mg/g以上DBP吸油量60ml
/100g以上であるものが好ましい。
さらに本発明のゴム組成物には、一般にゴム用途に使用
される加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤と共に加工助
剤、老化防止剤、ブルーム防止剤、オゾン劣化防止剤等
の各種配合剤が含有される。これらは、必要に応じて、
適宜の量、本発明の加硫ゴム組成物に使用される。
本発明の加硫ゴム組成物は、インターナルミキサーや、
ミシシングロールにおいて、前記原料ゴム、カーボンブ
ラツク、ゴム用薬品等を配合混練後タイヤトレツドに成
型し、130〜200℃の温度で加硫する。
本発明の組成物は、タイヤトレツド用であり、スタツド
レスタイヤにおいて、アイススキツド性能を特にすぐれ
たタイヤとするためには、加硫物の−10℃で測定した
JIS硬度は65以下であることが好ましい。
本発明の加硫ゴム組成物は、その低温性能を生かして、
スタツドレスタイヤ、スノータイヤに有効に利用できる
が、その他、低温性能を要求されるオールシーズンタイ
ヤ等のタイヤ用途および大型タイヤ用途にも適用可能で
ある。
また、タイヤ以外にも、自動車部品、防振ゴム、工業用
品等の用途にも使用できる。
以下、実施例によつて本発明の組成物の特徴を詳しく述
べるが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例 〔本発明で使用する油展ポリブタジエンゴムの調製〕 内容積10の撹拌機およびジヤケツト付きの反応器
に、精製ブタジエンを30g/分、精製シクロヘキサン
を130g/分、n−ブチルリチウムをブタジエン10
0重量部あたり0.06重量部の割合で各々連続的にポ
ンプで反応器底部より供給し、反応器内を100℃に保
持し、かつ、反応器内を一定圧に保ちつつ反応器頭部よ
り、重合した活性ポリマーを含有する溶液を連続的に抜
き出した。得られるポリブタジエンのムーニー粘度が安
定した後、反応器より抜き出したポリマー溶液を2基目
の反応器に連続的に供給する一方、このポリマー溶液に
含有する活性リチウムに対して、0.5当量に相当する
四塩化ケイ素を連続的に供給し、カツプリング反応をさ
せ、分岐重合体とした。この分岐状ポリマーを含有する
溶液に、安定剤として、BHTを添加した後、所定量の伸
展油を加え十分に撹拌した後、溶媒を除去し、目的とす
る油展ポリブタジエンゴムを得た。(試料A−1) 表1に示す試料A−2〜A−7は、前記A−1と同一の
ベースのポリブタジエンに、異なる量、あるいは異なる
種類の伸展油を加え、乾燥して得られた油展ポリブタジ
エンゴムである。
試料B,C,E,F,は、試料A−1を得たのと同様な
方法で、使用するブチルリチウムの量、カツプリング剤
の種類、量を変化させて得られたベースのポリブタジエ
ンゴムに所定のナフテン系伸展油を加えたものである。
なお、試料Eおよび試料Fを得るにあたつては、ブタジ
エン部のミクロ構造のビニルをコントロールして、目標
のガラス転移温度とするため、少量のテトラビドロフラ
ンを溶液中に添加して重合した。
ガラス転移温度の測定は、D.S.Cを用い、ASTM-D-3417-7
5に従い行ない、 Tf値をガラス転移温度とした。
分子量分布 は、G.P.Cを使用し、標準ポリスチレンを使用して、検
量線を作成し、 を算出して計算した。
また、ムーナー粘度計により緩和時間は本文に記載に従
つて測定した。
試料Dは、試料A−1を得た方法を用い、カツプリング
反応を行なわないで得たベースのポリブタジエンゴムで
あり、試料G−1,G−2は、試料A−1を得た重合条
件よりも高い重合温度(約135℃)で、分岐を生成さ
せながら得たポリマーをベースのポリブタジエンゴムと
している。
表1に示し各試料の用いた伸展油の性状は、表2に示し
た。
さらに、比較のためと、本発明の油展ポリブタジエンゴ
ムとブレンドするために表3に示す、市販のゴム状重合
体を用意した。
実施例1〜3、比較例1〜7 表4に示す本発明の範囲に属する特定の油展ポリブタジ
エンゴムおよび比較のためのゴムを用い、表4に示す配
合組成で、B型バンバリーミキサーを使用して混練し
て、未加硫のゴム配合物を得た。
未加硫のゴム配合物に関して、直径8インチのミキシン
グロールを使用して配合物のロール加工性を良否を判定
した。
ついで、配合物を所定の形状に成形後、加硫プレスを用
い160℃で加硫し、試験片を得た。
得られた加硫ゴム組成物の性能試験を、以下の通り行な
つた。
○硬さ(−10℃),JIS硬度計(Aタイプ)を用い、
−10℃の室内に試験片を2時間放置後、−10℃にて
測定。
○引張強さおよびJIS反ぱつ弾性……JIS-K-630)に
従つて測定。
○ウエツト・スキツド抵抗……ブリテイツシユポータブ
ルスキツトテスターを使用し、路面として、セイフテイ
ーウオーク(3M製)を用いて、23℃の室内で測定。
比較例7の測定値を100とする相対値で表示。数字の
高いものが大きな抵抗であつたことを示す。
○アイス・スキツド抵抗……ウエツト・スキツド抵抗と
同じ測定機を使用。−10℃に設定した室内で、表面温
度−10℃の氷を路面として測定。比較例7の測定値を
100とする相対値で表示し、数字の高いものが大きい
抵抗値があり、氷上でのすべり抵抗が大きいことを示
す。得られた測定結果を表4に示した。
表4の結果より以下のことが判り、本発明の油展ポリブ
タジエンゴムを用いるゴム組成物の優位性が明らかであ
る。
(1) 油展ポリブタジエンゴムの油展量が、本発明の範
囲内である試料A−1〜A−3を用いた本発明の組成物
は好ましい強度,ウエツト・スキツド抵抗,アイス・ス
キツド抵抗を示し、低温特定を重視するタイヤトレツド
組成物に適した性能を有している。(実施例1〜3)ま
た、原料ゴムのコールドフローおよび配合物のロール加
工性も問題ない。
(2) 油展ポリブタジエンゴムのナフテン油の油展量が
本発明の範囲よりも少ない試料A−4を用いた比較例1
の加硫ゴム組成物は、アイス・スキツド抵抗値が低く、
また配合物のロール加工性も十分でない。
(3) ナフテン油の油展量が本発明の範囲よりも多い試
料A−5を用いた比較例2の組成物は、アイス・スキツ
ド性能は良好であるものの、引張強度が低く、また油展
ポリブタジエンゴムのムーニー粘度は低くコールドフロ
ーが大きく、実用上問題である。
(4) 伸展油がアロマチツクオイルである試料A−6を
用いた比較例3の組成物は、アイス・スキツド性能とウ
エツト・スキツド性能のバランスが悪く、一方伸展油が
パラフイン系オイルである試料A−7を用いた比較例4
の組成物は、アイス・スキツド性能は好ましいものの引
張強度が劣つている。
(5) 原料ゴムとして、ナフテン油展の高シスポリブタ
ジエンゴム(試料a)を使用した比較例5の組成物は、
実施例1と同じ配合で比較した場合において、アイス・
スキツド性能が同等であり、ウエツト・スキツド性能に
おいて劣り、両性能のバランスにおいて好ましくない、
また引張強度も低い。
(6) 天然ゴム(試料e)を用いた比較例6は、アイス
・スキツド性能とウエツト・スキツド性能とのバランス
も好ましく、強度,反撥弾性も問題がないが、配合物と
する場合、大量のナフテン油をプロセス油として添加す
ることとり実用上、好ましくない。
(7) 乳加重合スチレン−ブタジエンゴム(試料b)を
用いた比較例7の組成物は、ウエツト・スキツド性能は
好ましいが、アイス・スキツド性能が劣り、低温性能を
重視する用途には使用できない。
実施例4〜8、比較例8〜11 表5に示す配合組成で、実施例1〜8、比較例8〜11
のゴム組成物を混練、成型、加硫し、性能を測定し、表
5に示す結果を得た。
これらの結果より以下の示す様に本発明の組成物の特徴
が明らかである。
(1) ベースのポリブタジエンゴムのムーニー粘度が本
発明の範囲より低い試料Bは、コールドフローが大きく
実用上の障害が大きいと共に、加硫物の引張強度,反撥
弾性が劣る。一方、ベースのポリブタジエンゴムのムー
ニー粘度が範囲より高い試料Cを用いた比較例9の組成
物は、ロール加工性が劣り、実施例1の組成物に比べて
アイス・スキツド性能とウエツト・スキツド性能のバラ
ンスが若干劣る。
(2) 試料Dを用いた実施例4および試料Eを用いた実
施例5の組成物は、テイス・スキツド性能とウエツト・
スキツド性能とバランスは好ましいが、分岐の程度が少
ない試料Dは、コールド・フローが大きく、一方、分岐
の程度が高い試料Eの場合、引張強度および反撥弾性が
少し低い。
(3) ガラス転移温度が本発明の範囲より高い試料Fを
使用した比較例10の組成物は、ウエツト・スキツド性
能をアイス・スキツド性能とのバランスが劣り、反ぱつ
弾性も低く、低温性能が必要な用途に使用できない。
(4) 本発明の範囲内の油展ポリブタジエンゴムを使用
した実施例6,7の組成物は好ましい性能であるが、同
じ油展ポリブダジエンゴム(G−1)を使用しても、−
10℃の硬さが本発明の範囲外である比較例11の組成
物は、アイス・スキツド性能が劣る。
(5) 異なる種類のカーボンブラックN−220,N−
228を使用した実施例7、実施例8の組成物も好まし
い性能を示す。
実施例9〜15、比較例12〜14 特定の油展ポリブチジエンゴムをブレンド系の一成分と
する。表6に示す加硫ゴム組成物を混練した。性能の測
定結果を表6に示す。
表6の結果より、本発明の特定の油展ポリブタジエンゴ
ムを成分とする加硫ゴム組成物の実施例9〜15の組成
物は、アイス・スキツド性能とウエツド・スキツド性能
とのバランスが良好であるのに対し、特定の油展ポリブ
ダジエンゴムの配合量が少ない比較例12の組成物,オ
イルがアロマ系である比較例13の組成物,ポリブタジ
エンゴムとして高シスポリブタジエンゴムを用いる比較
例14の組成物は、性能がすぐれない。
以上の実施例、比較例により本発明の組成物は、低温性
能が要性されるタイヤのトレツドに必要なアイス・スキ
ツド性能を有し、かつウエツト・スキツド性能とのバラ
ンズが良く、またタイヤトレツド用ゴム組成物に必要
な、その他の特性も良好であることが明らかである。
〔発明の効果〕 本発明の加硫ゴム組成物は低温性能に優れ、特に氷上に
おける制動性能およびけん引性に優れるため、スタツド
レスタイヤ、スノータイヤのトレツゾに有効に利用で
き、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の組成物に用いられるポリブタジエンゴ
ムの緩和時間を測定するムーニー粘度計の概略構成図で
ある。 1……駆動部、2……変速のための歯車、3……クラツ
チ、4……ウオームギア、5……トルク検出のためのダ
イヤルゲージ、6……ダイ、7……ローター、8……エ
アーシリンダー、9……ヒーター、10……測温体、1
1……温度調節器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料ゴム、カーボンブラック、ゴム用伸展
    油、加硫剤、必要に応じてその他ゴム用配合薬品を含有
    し加硫したゴム組成物であって、原料ゴムの少なくとも
    30重量%が、ブタジエンをリチウム系触媒によって重
    合することにより得られたガラス転移温度が−70℃以
    下のポリブタジエンゴムに、粘度比重恒数が0.82〜
    0.92、クルツ分析法によるナフテンカーボン量が3
    5%以上であるナフテン系ゴム用伸展油を前記ポリブタ
    ジエンゴム100重量部あたり40〜65重量部添加し
    た、ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が25ないし
    50の油展ポリブタジエンゴムであることを特徴とする
    低温特性の優れたタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】油展する前のポリブタジエンゴムが、ムー
    ニー粘度(ML1+4 、100℃)が80〜150であ
    り、ムーニー粘度計を使用して測定した緩和時間が、1
    0〜150秒である分岐状ポリブタジエンゴムである特
    許請求の範囲第1項記載のタイヤトレッド用ゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】加硫物の−10℃で測定したJIS硬度が
    65以下である特許請求の範囲第2項記載のタイヤトレ
    ッド用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】ナフテン系ゴム用伸展油の引火点が200
    ℃以上である特許請求の範囲第1項記載のダイヤトレッ
    ド用ゴム組成物。
  5. 【請求項5】油展ポリブタジエン以外の原料ゴムが、天
    然ゴム、スチレン含有量が30%以下のスチレンブタジ
    エン共重合ゴムから選ばれた1種または2種以上のゴム
    である特許請求の範囲第1項記載のタイヤトレッド用ゴ
    ム組成物。
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