JPH0620697A - 鉛蓄電池のエキスパンド格子体 - Google Patents

鉛蓄電池のエキスパンド格子体

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JPH0620697A
JPH0620697A JP4179591A JP17959192A JPH0620697A JP H0620697 A JPH0620697 A JP H0620697A JP 4179591 A JP4179591 A JP 4179591A JP 17959192 A JP17959192 A JP 17959192A JP H0620697 A JPH0620697 A JP H0620697A
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博 安田
Wakichi Yonezu
和吉 米津
Hiroshi Okamoto
浩 岡本
Nobuyuki Takami
宣行 高見
Katsuhiro Takahashi
勝弘 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 錫(Sn)の含有量が比較的多い鉛合金から
なる鉛合金シートをエキスパンド加工する場合に格子体
の網目部分にクラックや切れが発生することなく、強度
および耐食性に優れた鉛蓄電池のエキスパンド格子体を
提供する。 【構成】 格子体の素材にカルシウム(Ca)を0.0
5〜0.09重量%、錫(Sn)を0.40〜2.00
重量%、ナトリウム(Na)を0.05〜0.10重量
%含み、残部が鉛(Pb)からなる鉛合金を用いたもの
である。これにより、素材である鉛合金シートの強度お
よび耐食性を向上させるとともに延展性も向上させるこ
とができるので、クラックがほとんど発生することなく
耐食性および強度に優れたエキスパンド格子体を作製す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池の、とくにそ
のエキスパンド格子体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉛蓄電池の格子体として鉛−アン
チモン(Pb−Sb)合金が用いられていたが、この合
金を格子体に用いた電池では、過充電に起因したガス発
生による電解液の減少やアンチモン(Sb)による自己
放電の問題があり、近年、鉛−カルシウム−錫(Pb−
Ca−Sn)合金が格子体に用いられるようになった。
【0003】そして、その一般的な方策はPb−Ca−
Sn合金からなる鉛合金シートをエキスパンド加工し
て、所定の格子体を作製していた。
【0004】しかし、このPb−Ca−Sn合金を格子
体に用いた鉛蓄電池は、Pb−Sb合金を格子体に用い
た鉛蓄電池に比べて、電解液の減少が抑制でき、メンテ
ナンスフリー化に適しているが、充放電サイクルの寿命
特性には問題があった。
【0005】これは、電池使用中に正極板のエキスパン
ド格子体が酸化により腐食して体積膨脹し、これによっ
て格子体全体が変形して格子体と活物質の密着性が低下
することによると考えられている。
【0006】この課題を解決するために、格子体用鉛合
金の耐酸化性を向上させ、腐食による体積膨脹を抑制す
ることができる鉛合金として、Snの含有量を最大2.
0重量%の範囲内でできるだけ多くしたPb−Ca−S
n合金が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Snの
含有量の多いPb−Ca−Sn合金では耐食性や強度の
向上した鉛合金シートを得ることができるが、この鉛合
金シートをエキスパンド加工して格子体を作製する場合
に鉛合金シートの強度が高くなりすぎているため、格子
体の網目の一部に応力歪みによるクラックや切れが発生
することがあった。
【0008】そして、このエキスパンド格子体を用いた
鉛蓄電池では、格子体のクラックや切れの部分から選択
的に腐食が進行して寿命特性を低下させるという問題が
生じていた。
【0009】本発明は、これらの課題を解決するもので
あり、耐食性や強度に優れているとともに、クラックや
切れのほとんどないエキスパンド格子体を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の鉛蓄電池のエキスパンド格子体は、カル
シウム(Ca)を0.05〜0.09重量%、錫(S
n)を0.40〜2.00重量%、ナトリウム(Na)
を0.05〜0.10重量%含み、残部が鉛(Pb)か
らなる鉛合金を用いたものである。
【0011】
【作用】本発明のエキスパンド格子体では、結晶粒界に
ナトリウム(Na)が多く析出する。ナトリウム(N
a)は軟らかい金属であるので、この結晶粒界に析出し
たナトリウム(Na)の存在により、錫(Sn)の含有
量が多く強度の高い鉛合金シートに対しても、その延展
性を向上させることができる。
【0012】また、ナトリウム(Na)を含む鉛合金で
は結晶組織を微細化することができ、鉛合金シートの耐
食性および強度をさらに向上させることができる。
【0013】したがって、本発明の鉛合金シートをエキ
スパンド加工する場合には、格子体の網目にクラックが
発生することはなく、耐食性および強度に優れた格子体
を作製することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0015】Caを0.07重量%含み、Snの含有量
を変化させたPb−Ca−Sn合金にNaを添加したも
のを溶融して、この溶湯から厚さ10mm、幅80mmの連
続鋳造体を作製し、これらを冷間圧延して所定の厚みの
鉛合金シートを作製した。
【0016】ここで、前記合金中のSnとNaの含有量
を(表1)に表わし、それぞれの組合わせにより48種
類の合金を使用した。
【0017】
【表1】
【0018】そして、それぞれの鉛合金シートを20日
放置して時効硬化させた後、これらの合金シートの試験
片を用いて引張り強度とそのときの伸びを測定した。
【0019】ここで、引張り強度は引張り試験時に試験
片に加える最大荷重を最初の試験片の断面積で除した商
で表わした。
【0020】これらの試験結果を図1に示す。図1に示
したように、Naを全く含まないPb−Ca−Sn合金
に対しては、Snの含有量が増加するとともに鉛合金シ
ートの引張り強度は向上するが、シートの伸び率は大き
く低下した。
【0021】一方、Pb−Ca−Sn合金にNaを添加
していくと、Naの含有量が増加するとともに鉛合金シ
ートの引張り強度は徐々に向上した。
【0022】しかしNaの含有量が0.10重量%を越
えると、引張り強度は低下する傾向が見られた。
【0023】一方、鉛合金シートの伸び率はNaの含有
量が増加するとともに大きく増加した。
【0024】このように、Snの含有量の多いPb−C
a−Sn合金に対してNaを添加すると、鉛合金シート
の延展性も大幅に向上させることができた。
【0025】次に、上記のそれぞれの鉛合金シートをエ
キスパンド加工し、得られた格子体を用いて所定の正極
板を作製した。
【0026】ついで、前記正極板と所定の負極板、電解
液を用いて電圧仕様12V、公称容量48Ahの鉛蓄電
池を作製した。
【0027】そして、これらの鉛蓄電池を用いて高温寿
命試験を行った。ここで、高温寿命試験は、75℃にお
いて電圧14.8Vで最大電流25Aとして10分間充
電し、電流25Aで4分間放電して行った。また、48
0サイクルごとに310Aで放電し、このときの30秒
目電圧を測定して、この電圧が7.2V以下になったと
きを電池の寿命とした。
【0028】この試験結果を図2に示す。図2に示した
ように、Snの含有量が0.2重量%である鉛合金では
Snの含有量が少ないことに起因してクラックや切れの
ほとんどないエキスパンド格子体を作製できたが、合金
の耐食性が低下しているため、電池のサイクル寿命はN
aの含有量にほとんど関係なくほぼ一定で2000回程
度であった。しかし、Snの含有量が0.4〜20重量
%である鉛合金にNaを0.05〜0.10重量%添加
したものでは、合金の耐食性とともに延展性も向上させ
ることができたため、クラックや切れがほとんど無く、
耐食性に優れたエキスパンド格子体を作製することがで
きた。したがって、これらのエキスパンド格子体を用い
た鉛蓄電池では、電池使用中の格子体の腐食を防止する
ことができ、サイクル寿命を3000〜4500回程度
まで向上させることができた。
【0029】しかし、Snの含有量が2.5重量%であ
る鉛合金では、合金シートの強度が高くなりすぎている
ため、Naを添加してもシートの延展性を向上させるこ
とができず、加工に当ってエキスパンド格子体の網目部
分にクラックや切れが発生した。
【0030】そして、これらのエキスパンド格子体を用
いた鉛蓄電池では電池使用中にクラックや切れの部分か
ら選択的に腐食が進行し、サイクル寿命特性は低下し
た。
【0031】次に、Snを1.0重量%と、Naを0.
08重量%含む鉛合金に対して、Caの含有量を0.0
3〜0.11重量%まで変化させ、それぞれの鉛合金シ
ートについて、引張り強度とそのときの伸びを測定し
た。
【0032】また、これらの鉛合金シートを用いて上記
と同様の鉛蓄電池を作製し、これらの鉛蓄電池に対して
上記と同様の寿命試験を行った。
【0033】これらの結果を図3および図4に示す。図
3および図4に示したように、Caの含有量が0.05
重量%より少ない場合には、合金の強度が低下するとと
もにこれらの合金を格子体に用いた鉛蓄電池ではサイク
ル寿命が低下した、また、Caの含有量が0.09重量
%より多い場合には、格子体の酸化による腐食が増大し
てサイクル寿命が低下した。
【0034】以上の結果から、Caの含有量は0.05
〜0.09重量%の範囲であることが好ましい。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の鉛蓄電池のエキ
スパンド格子体は、カルシウム(Ca)を0.05〜
0.09重量%、錫(Sn)を0.40〜2.00重量
%、ナトリウム(Na)を0.05〜0.10重量%含
み、残部が鉛(Pb)からなる鉛合金を用いたものであ
るので、ナトリウムの適量の添加で鉛合金シートの加工
性を高めることができ、格子体の網目にクラックが発生
することなく耐食性および強度に優れた格子体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pb−Ca−Sn合金にNaを添加した場合の
引張り強度とそのときの伸びを示す図
【図2】Naを添加したPb−Ca−Sn合金を格子体
に用いた鉛蓄電池のサイクル寿命特性を示す図
【図3】Naを添加したPb−Ca−Sn合金におい
て、Caの含有量を変化させた場合の引張り強度とその
ときの伸びを示す図
【図4】Naを添加したPb−Ca−Sn合金におい
て、Caの含有量を変化させた合金を格子体に用いた鉛
蓄電池のサイクル寿命特性を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 宣行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高橋 勝弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウム(Ca)を0.05〜0.09
    重量%、錫(Sn)を0.40〜2.00重量%、ナト
    リウム(Na)を0.05〜0.10重量%含み、残部
    が鉛(Pb)からなる鉛合金を用いた鉛蓄電池のエキス
    パンド格子体。
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