JPH06206677A - エレベータのロープ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】とくに大容量の油圧式エレベータに取って代わ
ることを企図したロープ式エレベータの方式を達成。 【構成】エレベータカーを動かす巻上げ機(1、10、11) お
よび巻上げロープ(3) を含むエレベータのロープ装置に
おいて、エレベータカー(8) の下方に設けられたロープ
プーリ(5a 〜5d) をエレベータの巻上げロープ(3) が通
る。巻上げロープ(3) は、エレベータカー(8) の速度と
巻上げ機の回転速度との間の伝動比が少なくとも1:4 に
なるようにローププーリに通される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータカーを動か
す巻上げ機および巻上げロープを含み、エレベータカー
の下方に設けられたローププーリをエレベータの巻上げ
ロープが通るエレベータのロープ装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】現在、エレベータカーの下に位置するプ
ーリを通して巻上げロープが走行するエレベータが使用
されている。このような方式はとくに、エレベータの巻
上げ機がシャフトの側に位置する場合に使うことができ
る。エレベータカーの下にローププーリが位置する場
合、現在使用されている伝動比は1:2 である。ここで伝
動比とは、ロープ速度に関連したエレベータカーの速度
をいう。

【０００３】大型で大容量のエレベータの使用において
は、油圧式エレベータが使用される。これらはしばし
ば、多段巻上げシリンダを有する。とくに重量物用のエ
レベータや持上げ高さが大きいものには、多段巻上げシ
リンダが必要である。しかし、このような巻上げシリン
ダは、非常に高価であり、またその保守も高くつき、複
雑である。座屈があるため、このシリンダは持上げ高度
の限界が比較的低い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の欠点を解消し、とくに大容量の油圧式エレベー
タに取って代わることを企図したロープ式エレベータの
方式を達成することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によるエレベータ
のロープ装置においては、巻上げロープをエレベータカ
ーの下側に通して伝動比が少なくとも1:4 になるように
することを特徴としている。

【０００６】

【作用】エレベータカーを動かす巻上げ機および巻上げ
ロープを含むエレベータのロープ装置において、エレベ
ータカーの下方に設けられたローププーリをエレベータ
の巻上げロープが通る。巻上げロープは、エレベータカ
ーの速度と巻上げ機の回転速度との間の伝動比が少なく
とも1:4 になるようにローププーリに通される。

【０００７】

【実施例】次に添付図面を参照して本発明を実施例を用
いて詳細に説明する。

【０００８】図１に示す本発明によるロープの装置にお
いて、巻上げロープ３は、エレベータカーの下方で矩形
の各先端に位置する４つのプーリ5a〜5dを通過してい
る。さらに、これらロープは、エレベータカーの上方で
エレベータシャフトの壁に取り付けられた３つの方向転
換プーリ4a〜4cを通っている。図１に示すように、ロー
プがエレベータカーの下方の４つのプーリを介して走行
する構成を使用することによって、カー速度とトラクシ
ョンシーブの回転速度との間には1:4 の伝動比が達成さ
れる。

【０００９】ロープ３は、巻上げモータのトラクション
シーブ１（図２）から本機の２つの方向転換プーリの一
方2aへ、さらにエレベータシャフトの壁に取り付けられ
た第１の高架方向転換プーリ4aへ走っている。ここから
ロープ３は、第２の高架方向転換プーリ4bへ、さらにエ
レベータカーの下方に取り付けられた第１のローププー
リ5aへ走っている。次に、ロープ３は、ロープの走行方
向において第１のローププーリと同一線上にある第２の
ローププーリ5bを通って、第３の高架方向転換プーリ4c
へ至る。このプーリから、第３と第４のローププーリ5c
および5dを介して、壁にあるロープ固定手段６へ走る。

【００１０】他方のロープの分岐部分は、トラクション
シーブ１（図２）から他方の方向転換プーリ2bを介して
釣合い重りへ行く。この釣合い重り用のロープ配列は、
カーのロープ配列とは別個に実現することができるの
で、ここでは詳細な説明はしない。

【００１１】図３はエレベータカー８を示し、これは、
上述のようにその下方に取り付けられたローププーリ5a
〜5dを有し、エレベータシャフト７のガイドレール９に
沿って走行する。エレベータシャフトの壁には、高架方
向転換プーリ4a〜4cが取り付けられている。このエレベ
ータ装置は、シャフト７の側に配置された巻上げモータ
10、ギア11、トラクションシーブ１、巻上げモータの方
向転換プーリ2aからなる。図３は、また釣合い重り12も
示している。

【００１２】ローププーリ5a−5dは、エレベータカーの
下方にあって方向転換プーリ4aおよび4bを通る中心線
（点線）に対してある角度で配置されている。線4a−4b
とカーの下のローププーリ5a−5dの中心線は（後者の線
は、前記プーリ間をガイドレール９を通過する点線によ
って表わされる）、25°〜 155°（図３では90°）の範
囲で変化可能な角度をなす。

【００１３】本発明の種々の実施例は、上述の例に限定
されることはなく、特許請求の範囲の記載内で改変する
ことができることは、当業者には明らかである。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれる方式では、とくに大容量
のエレベータの場合に利点がある。これによって、1:2
の伝動比の大型の歯車なしエレベータ装置に代って小型
の歯車式エレベータ装置を使用することができる。さら
に、本発明によるローププーリ装置を用いると、エレベ
ータカーは完全に均衡され、ロープの力はカーの重量の
わずか1/4 以下になる。

【００１５】油圧式エレベータに関しては、相当に軽量
かつ安価な方式が実現される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるロープ配列を示す図である。

【図２】エレベータ装置のロープ配列を示す図である。

【図３】本発明によるロープ式エレベータを示す図であ
る。

【符号の説明】

１ トラクションシーブ 2a-2b,4a-4c 方向転換プーリ ３ 巻上げロープ 5a-5d ローププーリ ６ ロープ固定手段 ７ シャフト ８ カー ９ ガイドレール 10 巻上げモータ 11 ギア 12 釣合い重り

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータカーを動かす巻上げ機および
   巻上げロープを含み、前記エレベータカーの下方に設け
   られたローププーリをエレベータの巻上げロープが通る
   エレベータのロープ装置において、前記巻上げロープ
   は、前記エレベータカーの速度と前記巻上げ機の回転速
   度との間の伝動比が少なくとも1:4 になるように前記ロ
   ーププーリに通されることを特徴とするエレベータのロ
   ープ装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のロープ装置において、
   該装置は、エレベータシャフトの壁に設置された方向転
   換プーリを含み、前記巻上げロープは、前記方向転換プ
   ーリを介して前記巻上げ機から前記ローププーリへ、２
   つの並び合ったローププーリの間を通るように向けら
   れ、前記方向転換プーリは、前記エレベータカーの上
   方、または少なくともその下方のローププーリの上方に
   位置することを特徴とするエレベータのロープ装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載のロープ装置に
   おいて、前記伝動比は1:4 であり、前記ローププーリの
   数は４個であり、該ローププーリは、前記エレベータカ
   ーの下方で前記シャフトの同じ壁に設置された２個の方
   向転換プーリを通る線に対してある角度で配置され、前
   記方向転換プーリを通る線と前記カーの下方のローププ
   ーリの中心線とが25°〜 155°の範囲で変化する角度を
   形成することを特徴とするエレベータのロープ装置。
4. 【請求項４】 請求項１、２または３のいずれかに記載
   のロープ装置において、前記伝動比は1:4 であり、前記
   ローププーリの数は４個であり、前記ローププーリは、
   前記エレベータカーの下方で実質的に矩形の各先端に配
   置されていることを特徴とするエレベータのロープ装
   置。