JPH0620663A - 蓄電池 - Google Patents

蓄電池

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JPH0620663A
JPH0620663A JP4174158A JP17415892A JPH0620663A JP H0620663 A JPH0620663 A JP H0620663A JP 4174158 A JP4174158 A JP 4174158A JP 17415892 A JP17415892 A JP 17415892A JP H0620663 A JPH0620663 A JP H0620663A
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sealing layer
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resin
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polypropylene
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JP4174158A
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Hiroki Okamoto
博喜 岡本
Mutsumi Tsujiide
睦 辻出
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリプロピレン製の電槽と端子部との間に高
いシーリング性能を有するシーリング層を設ける。 【構成】 ブッシング1の凹凸面14とポリプロピレン
製の蓋本体2の凹凸面21との間に設けるシーリング層
3を、塩素化ポリプロピレンとポリエステル樹脂との混
合物により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蓄電池に関するものであ
り、特に電槽と端子部との間の液漏れを防止するシーリ
ング層の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン製の電槽の蓋本体に鉛ま
たは鉛合金からなる端子部を埋設した密閉形鉛蓄電池等
の蓄電池が知られている。この種の電池では、電解液が
電槽と端子部との間に浸入して電解液が電池外部に漏れ
るという問題があるため、電槽と端子部との間にシーリ
ング層を形成することが行われている。従来はシーリン
グ層を、鉛との密着性が高いエポキシ樹脂系の接着剤に
より形成している。従来用いている接着剤は二種類の液
を混合して使ういわゆる二液硬化タイプのものであり、
シーリング層を形成するためには、まず規定量の二種類
の液をそれぞれ秤量して撹拌した後に、電槽と端子部と
の間に流し込み、所定時間放置して硬化させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ系接着剤はポリプロピレン製の電槽との接着性が低い
上、電解液に接触すると接着性が更に低下するため、電
槽と端子部との間のシーリング性は必ずしも良くなかっ
た。また外気温の変化により電槽、端子部及びシーリン
グ層のそれぞれが寸法変化を起こすと、電槽と端子部と
の間に隙間が発生し、密閉形鉛蓄電池に気密不良が生じ
る。さらに、二液硬化タイプの接着剤は、二液を混合し
た後のゲル化時間が速く、混合した状態で保管すること
ができない。しかも二液を多量に混合すると、反応熱に
より混合液が高温になり、発熱、発火する危険性がある
ため、コーターを用いて塗布することができない。ま
た、二液を混合してからすぐにシーリング層を形成しな
くてはならないために、シーリング層を連続して形成す
ることができず、同じ製造ロット内で性能のばらついた
密閉形鉛蓄電池ができるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、ポリプロピレン製の電槽
と端子部との間に高いシーリング性能を有するシーリン
グ層を備えた蓄電池を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、ポ
リプロピレン製の電槽に鉛または鉛合金からなる端子部
が埋設され、電槽と端子部との間にシーリング層が形成
された蓄電池を対象にして、シーリング層を塩素化ポリ
プロピレンとポリエステル樹脂との混合物から構成す
る。
【0006】請求項2の発明では、塩素化ポリプロピレ
ンとポリエステル樹脂とを重量比で3:1〜1:3の割
合で混合する。
【0007】請求項3の発明では、樹脂からなる電槽に
鉛または鉛合金からなる端子部が埋設され、電槽と端子
部との間にシーリング層が形成された蓄電池を対象にし
て、シーリング層を塩素化ポリエチレン、塩素化EV
A、塩素化ポリプロピンの少なくとも1つと、ポリエス
テル系樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂の少なくと
も1つとの混合物から構成する。
【0008】請求項4の発明では、請求項3の発明の蓄
電池において、各樹脂を、芳香族炭化水素、塩素化炭化
水素、エステル類及びケトン類に可溶な樹脂で構成す
る。
【0009】請求項5の発明では、請求項3または4の
発明の蓄電池において、電槽をポリプロピン、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかにより
形成する。
【0010】
【作用】請求項1の発明において、シーリング層を形成
するために用いる塩素化ポリプロピレンとポリエステル
樹脂との混合物は、塩素化ポリプロピレンが電槽(ポリ
プロピレン)及び端子部に対して強い接着性を示し、ポ
リエステル樹脂が電解液に対して強い耐酸性を示す。し
たがって、シーリング層と電槽との間の接着性が高く、
しかも、電解液(硫酸)がシーリング層に接触してもシ
ーリング層の接着性が低下することがない。そのためシ
ーリング層のシーリング性能を高めることができる。ま
たこの混合物は放置してもゲル化するようなことがない
ので、混合した状態で保管することができ、シーリング
層を連続的に形成することができる。
【0011】請求項2の発明のように、塩素化ポリプロ
ピレンとポリエステル樹脂との重量比を3:1〜1:3
とすると、シーリング層が電解液に接触しても接着力が
低下することはなく、電槽(ポリプロピレン)と端子部
とを強固に接着することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本実施例の蓄電池のブッシングが電
槽に埋設されてなる極柱装着部に極柱を装着する前の状
態の概略断面図である。本実施例において端子部とはブ
ッシングと極柱とから構成されるものであるが、ブッシ
ングのシーリングに特徴があるため、極柱装着部につい
てのみ説明し、他の部分については説明を省略する。図
1において1はブッシング、2は電槽の蓋本体、そして
3はシーリング層である。ブッシング1は鉛または鉛合
金で形成された極柱装着用のブッシングであり、蓋本体
2に埋設されている。このブッシング1は、図示しない
極柱を挿入する貫通孔11が形成された筒状本体12
と、該筒状本体12の外周面に形成されて軸線方向に所
定の間隔をあけて配置された複数の環状突出部13…と
から構成されている。これらの環状突出部13…は、筒
状本体12と軸線を共有するように設けられている。こ
れらの環状突出部13…の存在によりブッシング1の外
表面には軸線方向に交互に凹凸が現われる凹凸面14が
形成される。蓋本体2はポリプロピレン樹脂により射出
成形で形成されており、蓋本体2を成形する際にブッシ
ング1が蓋本体2に埋設される。したがって、蓋本体2
にもブッシング1の凹凸面14に沿うように凹凸面21
が形成され、この凹凸面21がシーリング層3を介して
ブッシング1の凹凸面14と嵌合状態になってブッシン
グ1の蓋本体2からの抜け落ち防止が図られている。シ
ーリング層3はブッシング1の凹凸面14と蓋本体2の
凹凸面21との間をシールするもので、本実施例の密閉
形鉛蓄電池のシーリング層3は塩素化ポリプロピレンと
ポリエステル樹脂とを重量比で3:1〜1:3の割合で
混合した混合物により形成されている。
【0013】次に極柱装着部を製造する方法について説
明する。まずポリエステル樹脂を芳香族炭化水素、塩素
化炭化水素、エステル類またはケトン類に溶かした50
重量%の溶液と塩素化ポリプロピレンとを所定の割合で
混合して撹拌した混合液をブッシング1の凹凸面14に
ハケで塗布した後に、該混合液を乾燥させてシーリング
層3を形成する。次に、このシーリング層3を形成した
ブッシング1をインサートとしてポリプロピレンを射出
して凹凸面21を備えた蓋本体2を成形する。塩素化ポ
リプロピレンは電槽(ポリプロピレン)より融点が低い
のでポリプロピレンを射出すると塩素化ポリプロピレン
はポリプロピレンの熱で溶融して電槽と加熱圧着する。
【0014】尚、本実施例ではシーリング層3をブッシ
ング1と蓋本体2との間のほぼ全体に亘って形成してい
るが、ブッシングと蓋本体との間のシーリング性能を維
持できる範囲であれば、シーリング層をブッシングと蓋
本体の間に部分的に形成してもよい。
【0015】本実施例の蓄電池のシール特性を調べるた
めに6種類の蓄電池用蓋部a〜fを製造した。蓋部a〜
cは本実施例の蓄電池の蓋部であり、各蓋部a〜cはそ
れぞれ塩素化ポリプロピレンとポリエステル樹脂とが重
量比で3:1、1:1、1:3の割合で混合された混合
物でシーリング層が形成されている。蓋部dは塩素化ポ
リプロピレンのみでシーリング層が形成されている比較
例の蓄電池の蓋部である。蓋部eはポリエステル樹脂の
みでシーリング層が形成されている比較例の電池の蓋部
である。蓋部fは二液硬化タイプのエポキシ樹脂からな
る接着剤でシーリング層が形成されている従来の電池の
蓋部である。そして各蓋部a〜fのシーリング層とブッ
シングとの接着強度及びシーリング層と蓋本体との接着
強度を測定した。図2は各蓋部a〜fのシーリング層と
ブッシングとの接着強度を示す図である。本図において
棒グラフの示す各値はシーリング層を形成した直後の初
期接着強度を示しており、棒グラフの斜線部分は40℃
で40wt%の硫酸溶液中に極柱装着部を一週間浸漬した
後の各蓋部の接着強度を示している。本図より、従来の
電池の蓋部fは、硫酸溶液中に浸漬すると接着強度が初
期接着強度に対して4分の1に低下するのに対して、本
実施例の電池の蓋部a〜cは初期接着力は従来の電池の
蓋部fにやや劣るものの、硫酸溶液中に浸漬しても接着
強度がほとんど低下しないのが判る。図3は各蓋部a〜
fのシーリング層と蓋本体との接着強度を示している。
本図よりポリエステル樹脂は単独では蓋本体(ポリプロ
ピレン)にはほとんど接着しないのに塩素化ポリプロピ
レンを混入することにより、蓋本体に対して強い接着性
を示すようになるのが判る。
【0016】尚、上記実施例では、ポリプロピレン製の
電槽を用いる蓄電池のシーリング層を塩素化ポリプロピ
レンとポリエステル樹脂との混合物により形成したが、
シーリング層を塩素化ポリエチレン、塩素化EVAの少
なくとも1つと、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂の少な
くとも1つとの混合物により形成しても同様の効果を得
られる。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シーリング層
を塩素化ポリプロピレンとポリエステル樹脂との混合物
から構成するので、シーリング層と電槽との間の接着性
が高く、しかも、電解液(硫酸)がシーリング層に接触
してもシーリング層の接着性が低下することがない。そ
のためシーリング層のシーリング性能を高めることがで
き、漏液または気密不良の少ない電池を得ることができ
る。またこの混合物は放置してもゲル化するようなこと
がないので、混合した状態で保管することができ、シー
リング層を連続的に形成することができる。
【0018】請求項2の発明によれば、塩素化ポリプロ
ピレンとポリエステル樹脂との重量比を3:1〜1:3
とするので、シーリング層が電解液に接触しても接着力
が低下することはなく、電槽(ポリプロピレン)と端子
部とを強固に接着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の蓄電池の極柱装着部の概略断面図
である。
【図2】 試験に用いた蓄電池のシーリング層とブッシ
ングとの接着強度を示す図である。
【図3】 試験に用いた蓄電池のシーリング層と電槽と
の接着強度を示す図である。
【符号の説明】
1 ブッシング 2 蓋本体 3 シーリング層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン製の電槽に端子部が埋設
    され、前記電槽と前記端子部との間にシーリング層が形
    成されてなる蓄電池において、前記シーリング層は塩素
    化ポリプロピレンとポリエステル樹脂との混合物からな
    ることを特徴とする蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記塩素化ポリプロピレンと前記ポリエ
    ステル樹脂とは重量比で3:1〜1:3の割合で混合さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
  3. 【請求項3】 樹脂からなる電槽に端子部が埋設され、
    前記電槽と前記端子部との間にシーリング層が形成され
    てなる蓄電池において、前記シーリング層は、塩素化ポ
    リエチレン、塩素化EVA、塩素化ポリプロピンの少な
    くとも1つと、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、フ
    ェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
    ウレタン樹脂の少なくとも1つとの混合物からなること
    を特徴とする蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記各樹脂は、芳香族炭化水素、塩素化
    炭化水素、エステル類及びケトン類に可溶な樹脂である
    ことを特徴とする請求項3に記載の蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記電槽は、ポリプロピン、ポリエチレ
    ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかにより形
    成されていることを特徴とする請求項3または4に記載
    の蓄電池。
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